• 検索結果がありません。

表面改質による LPD/PCL ビーズの親水化処理

ドキュメント内 Microsoft Word _0119_学位請求論文_bito.docx (ページ 136-139)

第 5 章 Lipiodol (LPD) / polycaprolactone (PCL) の複合材料による高い X 線視認性および

5.2 実験方法〜 LPD/PCL ビーズ作製〜

5.2.3 表面改質による LPD/PCL ビーズの親水化処理

124

Figure 5-6 Fabrication of LPD/PCL microbeads from the microfluidic device.

125

ーズの分解を妨げず,人体にとって無害である必要がある.そこで本研究ではゼラチンを

LPD/PCL ビーズ表面に化学的に結合させるグラフト処理に着目した.ゼラチンは C-TACE

の塞栓材料として用いられており,親水性であると同時に体内で分解するうえに,欧米や本 邦においても医療機器材料として生物学的安全性をクリアしているために,親水化処理に 用いる材料として,適応が容易である.その他,細胞培養用足場としてのPCLに対して,

細胞との接着性を向上させるための親水化処理として利用されている例もある175-176.特に,

空気プラズマ処理を用いた PCL表面へのゼラチングラフトによる表面改質処理では,過程 が比較的容易であり,ゼラチン以外の分子が PCL表面に残留しにくいという特徴を有して いる175

表面改質とは,熱処理や化学処理,被覆処理などによって母材とは異なる性質を表面に付 与することである.例えば,人工血管では血液との接触時に血液が凝固しない抗血栓性が母 材表面に付与され,食品等の包装用フィルムでの場合では内容物の劣化防止のために酸素 や水分の透過を防ぐように表面改質が施されている.また,シリコンハイドロゲルを素材と したコンタクトレンズではシリコンポリマ表面をプラズマ処理により親水化することで,

涙との親和性を高めて,脂質とタンパク質の付着を防いでいる.プラズマを利用したポリマ 材料の表面改質では,プラズマ処理によりポリマを構成するC-H,C-C結合から化学反応を 開始できる活性サイトが作製され,その後の化学処理により表面機能を発揮する官能基が 活性サイトに結合される.プラズマ処理では,エネルギ付与の範囲が材料の表面近傍に限定 され,材料バルク自体の性質には影響が及ばないという特徴がある.

本研究では,疎水性であるLPD/PCLビーズを水中で分散させるために,ビーズ表面にゼ ラチンを結合させるグラフト処理を以下の手順で施し,親水化を試みた.Figure 5-7 には,

LPD/PCL材料の表面改質の概念図を示した.

126

1) LPD/PCLビーズをシャーレ上に薄く並べた後に,ビーズ表面のPCLにカルボキシル基

を導入する目的で,ion bombarder (HPC-20, Vacuum Device Inc., Japan) を用いて空気プラ ズマ処理を1 mAの条件下で3分間施した.空気プラズマ処理をビーズ表面全体に施す ために,ビーズを一度取り出し,かき混ぜて同様の条件で再度空気プラズマ処理を施し た.この操作を繰り返し,空気プラズマ処理を合計15分間施した.

2) 空気プラズマ処理を施したLPD/PCLビーズをスクリュー管に入れて,あらかじめ調整 し て お い た 1-(3-Dimethylaminopropyl)-3-ethylcarbodiimide (EDAC) (5 mg/mL) と N-hydroxysuccinimide (NHS) (5 mg/mL) を溶解させたリン酸緩衝液に,4°Cで2時間浸漬し た.このとき,LPD/PCLビーズがスクリュー管壁面につかないようにして,すべてのビ ーズが溶液に浸るようにした.なお,EDAC はカルボキシル基の活性化させる目的で,

NHS は 1) で導入されたカルボキシル基と脱水縮合し,NHS 体と呼ばれる不安定なエ ステル結合を形成する目的で用いた.

3) LPD/PCLビーズを取り出し,精製水で洗浄した後,ゼラチン (4 mg/mL) のリン酸緩衝

溶液に24時間浸漬した.このとき,ビーズが完全に溶液に浸るようにした.

4) ゼラチン溶液から取り出したLPD/PCLビーズを精製水で洗浄し,ビーズ表面に付着し ているゼラチンを完全に除去した.その後,真空オーブンを用いて常温で18時間乾燥 させた.

Figure 5-7 Hydrophilization process of the LPD/PCL surface by gelatin graft modification.

127

ドキュメント内 Microsoft Word _0119_学位請求論文_bito.docx (ページ 136-139)