目 次
1.4 れ に行われたコンチメイダの衝撃溶融岩研究
衝撃溶融を経験したコンチメイダに い れ に 岩石ン鉱物学的 地球化学的研究 さ れ きた。衝撃変成を受けたコンチメイダのう のいく か ほ 全溶融した組織を示す
(Y-790519(LL): Okano et al., 1990;Patuxent Range 91501 (L): Mittlefehldt and Lindstrom, 2001) 多くの衝撃溶 融岩 とけ残り鉱物を含 コンチメイダ的 組織を保持し いる(Hコンチメイダ: Y-791088 (Fujimaki et al., 1993); Rose City (Rubin, 1995; Yolcubal and Sack, 1997); Portales Valley (Kring et al.,
1999;Rubin et al., 2001; Ruzicka et al., 2005); Dar al Gani 896 (Folco et al., 2004); Lコンチメイダ: Cat Mountain (Kring et al., 1996); Chico (Yolucubal and Sack, 1997; Norman and Mittlefehldt, 2002); Ramsdorf (Yamaguchi et al., 1999); LLコンチメイダ: Y-790964 (Okano et al., 1984, 1990; Yamaguchi et al., 1998))。
Fujimaki et al. (1993) コンチャーャの形態を保っ いる 構成する鉱物 衝撃溶融したベャダから
結晶化し いる クューチペャネコンチャーャ をY-791088(H)におい 報告した。しかし ら
Fujimaki et al. (1993) Y-791088の詳 岩石ン鉱物学的記載を行っ い かった。同様のコンチャーャ
衝撃圧 衝撃後温度 最低温度上昇 かんらん石 斜長石 (GPa) (°C) (°C)
S1
衝撃を受けていない <4-5 10-20 10
S2
わずかに衝 撃を受けて いる
波動消光;不 規則な割れ目
波動消光
5-10 20-50 20
S3
弱い衝撃を 受けている面状の割れ 目;波動消 光;不規則な 割れ目
波動消光
不透明な衝撃 脈;溶融ポケッ
ト 15-20 100-150 100
S4
中程度の衝 撃を受けて いる
弱いモザイク 化;面状の割 れ目
波動消光;局 所的当方化;
面状変形組織
溶融ポケット;
溶融脈の連結;
不透明な衝撃脈 30-35 250-350 300
S5
強い衝撃を受けている
強いモザイク 化;面状の割 れ目;面状変 形組織
マスケリナイ ト化
45-35 600-850 600
S6
非常に強い 衝撃を受け ている
再結晶;組織 の汚濁;溶 融;リング ウッダイトに 転移
溶融
75-90 1500-1750 1500
衝撃溶融
第 1-1 表 衝撃変成ステージ (Stoffler et al., 1991) 。
全岩的溶融 消光位が一様;不規則な割れ
目
なし
全体に行き渡る 溶融ポケット;
脈とダイクの生 成;不透明な衝
撃脈
衝撃変成度 衝撃の程度 局所的な効果
鉱物組織への効果
8
状の組織 Y-790964 (LL) およびRamsdorf (L)から コンチャーャガースダ とし 報告された (Yamaguchi et al., 1998, 1999)。
Sato et al. (1982) Okano et al. (1990) およびYamaguchi et al. (1998) Y-790964およびヒアとされる
Y-79 LL コンチメイダの詳 岩石ン鉱物学的研究を行った。Y-790964 粗粒(数 μm)のとけ残りかん
らん石や コンチャーャ片 イメス質のベャダブダリェス(自形の輝石 2種類のイメス) 規則 形態 の空隙を含ん いた(Sato et al., 1982; Okano et al., 1990)。Y-790964とヒアの隕石と考えられ いる
Y-790519におい Y-790964と同様の粗粒岩相とベャダから結晶化した 粒の鉱物から る岩相 接し
観察された(Sato et al., 1982; Okano et al., 1990)。 粒のかんらん石のFa成分 い Lコンチメイダ
の組成範 に入っ いた(Sato et l., 1982)。粗粒岩相および 粒岩相 共存し いる とから Y-790519
の 2 の岩相 一の衝撃現象によっ 形成した可能性 ある。Y-790964およびY-790519の詳 岩 石ン鉱物学的研究 れ に行われ いる 2 の岩相(粗粒岩相ン 粒岩相)の関係性に い 明 点も残され いた。
1.5 研究の目的
衝撃溶融岩に分類される異 る特徴を持 2 の岩相に い 詳 岩石ン鉱物学的記載 行われ いる 2 の岩相の形成環境に い 明 点 多い。 た Hコンチメイダの衝撃溶融岩に い LLコンチメイダにおい 報告され いるよう 異 る特徴を持 岩相の詳 岩石ン鉱物学的記載 少
い。本研究 衝撃溶融を経験し 異 る特徴を持 Hコンチメイダ あるY-791088およびLAP
02240を 岩石ン鉱物学的手法を用い 詳 岩石学的記載を行い た LLコンチメイダの衝撃溶融
岩 あるY-790964およびY-790519と対比する とによっ 2 の岩相の形成過程を明らかする とを
目的とした。
2 試料
本研究 国立極地研究所およびNASA 所蔵する2 の 極隕石 Yamato (Y)-791088 (2.1 kg) およ びLaPaz Icefield (LAP) 02240 (28 g)の薄片Y-791088, 91-1(面積 78 mm2; 第1-1図)およびLAP 02240, 7(面積
104 mm2; 第1-2図)を使用した。両サンハャともHコンチメイダに分類され いる(Yanai and Kojima,
1995; Satterwhite and Righter, 2004)。Fujimaki et al. (1993) Y-791088から1024 MaのRb-Sr 代を報告し 衝撃変成 代 あるとした。Swindle et al. (2009) LAP 02240のAr-Ar 代を報告し ~3900 Maに衝撃 を受けたとした。比較試料とし LLコンチメイダ あるY-790964, 81-1およびY-790519, 73-3の薄片 試料を使用した(第1-3図)。
第1-1図 Y-791088の光学顕微鏡写真。
a: Y-791088,91-1の全体像。b: a中の領域bの拡大写真。珪酸塩鉱物 、ダークニングを起こしている。c: a中
の領域cの拡大写真。粗粒のかんらん石に 、まれにダークニングを起こしていない部分も認められる。Ol: か んらん石。
第1-2図 LAP 02240の光学顕微鏡写真。
a: LAP 02240の全体像。矢印 Fe-Ni合金およびトロイライトからなる不透明鉱物のベインを示す。不透明鉱
物のベイン 、細粒岩相と非溶融岩相の境界に存在する。b: a中の領域bの拡大写真。かんらん石 、自形も しく 骸晶状の鉱物からなる細粒基質に囲まれて存在している。ダークニング 顕著で ない。c: a中の領域 cの拡大写真.非溶融岩と細粒岩相の境界。変形したコンドルールが認められる。Ol: かんらん石。
第1-3図 Y-790964およびY-790519の光学顕微鏡写真。
a: Y-790964,81-1の全体像。B: a中の領域bの拡大写真。とけ残りのかんらん石および細粒の自形かんらん石
が存在している。Y-790964 LL 、Y-790519 LL の粗粒岩相およびY-791088 H: 第1-1図 と同様の組 織を示す。c: Y-790519,73-3の全体像。粗粒岩相と細粒岩相が接している。d: c中の領域dの拡大写真。細粒の 自形かんらん石およびFe-Ni合金が存在している。この組織 LAP 02240と似ている。Ol: かんらん石。V: 空 隙。
3 分析手法
偏光顕微鏡を用い 組織や鉱物の特徴を観察し 衝撃変成度を評価した。詳 岩石組織 走査 型電子顕微鏡(SEM: JEOL JSM-5900LV)を用い 観察した。後方散乱電子像を用い 観察を行った。
X線ブイェュアナメイギ(EPMA: JEOL JXA-8200)を用い 鉱物およびイメスの主要元素組成の分析を 行った。分析条件 加 電圧15 kV ハューノ電流およびビーヘ径 鉱物に対し れ れ9 nA 焦点ビーヘ イメスに対し 電子ビーヘによる試料損傷の影響 揮発性の高いアャカリ元素(Na )
蒸発するのを避けるため れ れ3 nA 10 μmとした。タータ Fe-Ni合金 ダュイメイダをZAF 法 れ以外の鉱物およびイメスをBence and Albee法(Bence and Albee, 1968) 補正を行った。かんらん 石の組成の ら きを評価するため EPMA分析により求めたかんらん石のFeとMgの原子比から Fa#(=Fe/(Fe+Mg)×100)を用い 組成範 をもとめ Coefficient of Variation (C.V.) (Sears and Weeks, 1983;
Sears et al., 1991) を適用した。
C.V.=100(δFe
_
/Fe
_
)
δFe
_
Fe(wt.%)の標準偏差 Fe
_
Fe(wt.%)の 均を表す。C.V.の値 さいほ 均質 組成 ある。
顕微メブン分光を用い イメス質相を測定し 微 結晶の暼無を評価した。 た リン酸塩鉱物 の同定にも用いた。分析条件 色レーギー光(波長取 531.91 nm) 強度 11 mWとした。
4 結果
4.1 Y-791088
Y-791088の全岩化学組成 Hコンチメイダの組成範 内 ある(Dodd, 1981; Yanai and Kojima, 1995)。
Y-791088の主要構成相 かんらん石(39 %) 輝石(28 %) 透明鉱物(Fe-Ni合金およびダュイメイダ;
23 %) イメス質相(8 %) 空隙(2 %) ある。 のほかの微量構成相とし ェュヘ鉄鉱とベリメイダ
認められる。Y-791088の岩相 粗粒岩相(~40 %)および の隙間を埋める 粒ブダリェス(~60 %)に分け られる。
粗粒岩相(200 μm-1 mm) 他形を示すかんらん石 輝石 Fe-Ni合金 ェュヘ鉄鉱およびダュイメイ
ダから る岩石ン鉱物片により構成される。構成鉱物の多く 多結晶集合体とし 存 し いる れに 結晶とし 存 するものもある。
粒のブダリェス 自形を示すかんらん石 輝石 ェュヘ鉄鉱 およびリン酸塩鉱物(ベリメイダ)
形を示すFe-Ni合金および の周 に 形のリヘを作るダュイメイダ 鉱物の隙間を埋めるイメスによ
り構成される。 粒ブダリェスに存 する輝石に 化学組成の 帯構 認められる。詳 後に述 る。本論 鉱物およびイメス 構成されるブダリェスをベャダブダリェスと呼ぶ。ベャダブダリェ ス 岩石ン鉱物片の隙間を埋め おり 均質に混 し いる。
Y-791088に 形を示すコンチャーャ(直径100-600 μm) 認められた。長さ~100–400 μm 幅~20–30
μmの棒状かんらん石と鉱物間を埋める輝石 構成する棒状かんらん石コンチャーャ 認められる。
自形のかんらん石 輝石と間を埋めるイメス 構成される 形のコンチャーャ状の組織 観察され
た。Fujimaki et al. (1993) の組織を クューチペャネコンチャーャ とした。クューチペャネコンチ
ャーャ 粒(~10–100 μm)の自形かんらん石から る斑状かんらん石コンチャーャ およびの自形の輝
石(~10–40 μm) 構成される 粒輝石コンチャーャに分けられる。
1) 岩石ン鉱物片
粗粒岩相 粒径 200 μm–1 mm程度の他形を示すかんらん石 輝石 Fe-Ni合金 およびダュイメ
イダから る岩石ン鉱物片により構成される。 れ れの鉱物の特徴を以 に示す。
かんらん石
かんらん石(粒径~1 mm) 他形を示す (第1-4a図)。結晶に 多くの割れ目 存 し の中をイメス
粒の 透明鉱物(Fe-Ni合金) 直線状に配列し埋め おり(第1-4b図) 偏光顕微鏡 ジーェッンエ
観察される(第1-1図)。 た かんらん石 顕微鏡 波動消光を示し ペギイェ状構 弱く認め られるものも存 する。 のかんらん石の 岩石ン鉱物学的特徴(波動消光 ペギイェ状構 ) Stöffler
et al. 1991の衝撃変成度S3-S4に相当する。かんらん石中の割れ目に沿っ 1–10 μmの半自形を示すかん
らん石 認められる。岩石片のかんらん石組成 Fa 16-21 (mol %) CaO ~0.35 wt.% Cr2O3 0.1~1.0 wt.%
あり(第1-5a, b図; 第1-2表) 衡Hコンチメイダの組成範 と一致する(Keil and Fredriksson, 1964)。 かんらん石の岩石ン鉱物片 C.V.= 3.7 % あり 均質 組成を示し いる。
輝石
輝石 他形を示し周 との境界 明瞭 ある。サイゲ <500 μm ある(第1-6a図)。輝石 顕微鏡 波動消光を示す。鉱物中に 多くの直線状の割れ目 行に存 し いる。割れ目に沿っ イメ
ス 粒(1 μm以 )のFe-Ni合金 埋め おり(第1-6b図) かんらん石と同様に偏光顕微鏡 ジーェッ
ンエ 観察される。鉱物の縁辺部および割れ目に沿っ 輝石の結晶成長 認められる。岩石ン鉱物片の 輝石の組成 Fs11-17Wo1-5(Cr2O3 ~1.4 wt.%; 第1-7a図; 第1-3表) あり 衡Hコンチメイダの組成範 と 一致する(Keil and Fredriksson, 1964)。
Fe-Ni 合金
Fe-Ni合金 定形を示し 粒径 200–500 μm ある(第1-8a図)。Fe-Ni合金 カブサイダ(Ni含暼
量取 5–7 wt.%)およびテーナイダ(Ni含暼量取 29–31 wt.%)から構成される(第1-9a図)。SEMによる組成像 の観察 いく か異 るコンダメスダ 観察される のほとん カブサイダ あり 一部 カブサイダ中に針状のテーナイダ(長さ10–50 μm 幅5–10 μm) 存 する(第1-8a図)。 た 粒のカブサ イダおよびテーナイダの混合 あるハレッサイダ 認められる(第1-8b図)。 の組成 カブサイダとテ ーナイダの中間 ある(1-8a図; 第1-4表)。粗粒のFe-Ni合金の多く ダュイメイダのリヘを伴う。
ダュイメイダ
ダュイメイダ 他形を示し の多く Fe-Ni合金の岩石ン鉱物片縁辺に隣接し 一部 Fe-Ni合金を 覆いリヘを形成し いる。サイゲ 50–600 μm ある。 た の他のダュイメイダの産状とし
Fe-第1-4図 Y-791088に含まれるかんらん石の電子顕微鏡写真(後方散乱電子像)。
a: とけ残りかんらん石 、不定形を示す。b: a中の領域bの拡大写真。割れ目に沿って、かんらん石のオーバ ーグロースおよび細粒のFe-Ni合金が認められる。c: 衝撃溶融岩相に見られる自形のかんらん石。自形のかん らん石 、ガラスからなる基質に囲まれている。d: とけ残っている棒状かんらん石コンドルール。円形の形 態および内部組織を保存している。Ol: かんらん石。Px: 輝石。Gl: ガラス。M: Fe-Ni合金。
第1-5図 Y-791088に含まれるかんらん石の組成。
a: 溶け残りかんらん石および細粒かんらん石のFa-CaO組成図。細粒のかんらん石 とけ残りかんらん石に比 べて、Feに富む組成を持つ。b: 溶け残りかんらん石および細粒かんらん石のFa-Cr2O3組成図。c: コンドルー
ルのFa-CaO組成図。ポーフィリティックかんらん石コンドルール 、棒状かんらん石コンドルールに比べて
Feに富む組成を持つ。d: コンドルールのFa-Cr2O3組成図。PO: ポーフィリティックかんらん石。BO: 棒状か んらん石。
SiO2 39.0 (0.2) 37.7 (0.2) 39.0 (0.2) 38.7 (0.2) 39.3 (0.2) 39.3 (0.2) 39.2 (0.2) 39.5 (0.2) TiO2 0.01 (0.01) 0.03 (0.03) 0.03 (0.03) 0.02 (0.02) 0.09 (0.04) 0.05 (0.03) 0.00 0.06 (0.03) Al2O3 0.00 0.00 0.01 (0.01) 0.01 (0.01) 0.00 0.01 (0.01) 0.00 0.01 (0.01) Cr2O3 0.17 (0.04) 0.37 (0.05) 0.31 (0.04) 0.74 (0.05) 0.00 0.06 (0.04) 0.08 (0.04) 0.02 (0.02) FeO 16.8 (0.4) 19.3 (0.4) 16.7 (0.4) 18.9 (0.4) 17.5 (0.4) 17.0 (0.4) 17.0 (0.4) 17.3 (0.4) MnO 0.45 (0.01) 0.38 (0.08) 0.43 (0.09) 0.50 (0.08) 0.60 (0.09) 0.46 (0.08) 0.37 (0.08) 0.56 (0.08) MgO 43.5 (0.2) 41.1 (0.2) 43.3 (0.3) 40.9 (0.3) 42.8 (0.2) 42.8 (0.2) 43.3 (0.2) 42.5 (0.2)
CaO 0.05 (0.05) 0.20 (0.01) 0.22 (0.01) 0.25 (0.02) 0.04 (0.01) 0.10 (0.02) 0.04 (0.01) 0.03 (0.01)
Na2O 0.00 0.01 (0.01) 0.02 (0.02) 0.00 0.00 0.00 0.00 0.03 (0.03)
K2O 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.01 (0.01)
P2O5 0.02 (0.02) 0.95 (0.08) 0.00 0.03 (0.03) 0.02 (0.02) 0.00 0.00 0.00
Total 100.0 100.0 100.0 100.1 100.4 99.8 100.0 100.0
Fa 17.8 20.9 17.8 20.6 18.6 18.2 18.0 18.6
第 1-2 表 かんらん石の化学組成 (wt.%) 。
Y-791088 LAP 02240
PO とけ残り
メルト マトリックス
コンドルール
BO* PO
とけ残り
メルト マトリックス コンドルール
BO*
括弧内の数字 分析誤差(1σ)。
* 棒状かんらん石コンドルール (とけ残り)。
†
細粒かんらん石コンドルール (溶融)。
‡
細粒かんらん石コンドルール(非溶融岩相)。
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