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薬効及び薬害

ドキュメント内 農薬審査報告書 (ページ 105-108)

II. 審査報告

2. 審査結果

2.7 薬効及び薬害

ばれいしょ、トマト、きゅうり、はくさい、レタス及びぶどうについて、デュポン ゾー ベック エニケード(オキサチアピプロリン

10.2 %水和剤)を用いて実施した薬効・薬害試

験の報告書を受領した。

試験設計概要を表

2.7-1

に示す。

全ての作物の各試験区において、試験対象とした各病害に対して無処理区と比べて効果が 認められた。

表2.7-1 デュポン ゾーベック エニケードの薬効・薬害試験設計概要

作物名 対象病害

試験条件 希釈倍数 試験数

(倍)

使用濃度*

(kg ai/hL) 使用方法

ばれいしょ

疫病

5,000 0.0020 散布

8

トマト 7

きゅうり

ベと病

6

はくさい 7

レタス 6

ぶどう 7

*:有効成分濃度

2.7.2 対象作物への薬害

デュポン ゾーベック エニケードについて、表

2.7.1

に示した薬効・薬害試験において薬 害は認められなかったが、ぶどうについて果房に果粉溶脱が認められた。結果概要を表

2.7-2

に示す。

ばれいしょ、トマト、きゅうり、はくさい、レタス及びぶどうについて、デュポン ゾー ベック エニケードを用いて実施した限界薬量薬害試験の報告書を受領した。

結果概要を表

2.7-3

に示す。

試験の結果、薬害は認められなかった。

以上から、ばれいしょ、トマト、きゅうり、はくさい及びレタスに対する薬害について問 題がないと判断した。ぶどうについては、小豆大期以降の使用により果粉溶脱が生じる可能 性があると考えられたことから、果粉溶脱に関する注意事項が必要であると判断した。

表 2.7-2 デュポン ゾーベック エニケードの薬効・薬害試験においてぶどうの果粉溶脱 の認められた試験の結果概要

作物名 試験場所 実施年度

試験条件 希釈倍数 結果

(倍)

使用濃度*

(kg ai/hL) 使用時期 使用

方法 ぶどう

(ネオマスカット)

岡山

H23 5,000 0.0020

開花期 小豆大期 大豆大~硬核期前

散布

薬害は認められなかった。

収穫果房で果粒表面の果粉溶脱が認め られた。

ぶどう (巨峰)

長野

H24 5,000 0.0020

展葉7~9枚期頃 開花直前

落花後 小豆大期 袋かけ2日後 袋かけ16日後

散布

茎葉及び果房に薬害は認められなかっ た。

一部の果房に果粉溶脱が認められた。

ぶどう (巨峰)

福岡

H24 5,000 0.0020

落弁期 小豆~大豆期 大豆大期以降 袋かけ11日後 袋かけ28日後

散布

茎葉及び果房に薬害は認められなかっ た。

軽微な果粉溶脱が認められた。

表2.7-3 デュポン ゾーベック エニケードの限界薬量薬害試験結果概要

作物名 試験場所 実施年度

試験条件 希釈倍数 結果

(倍)

使用濃度*

(kg ai/hL) 使用時期 使用

方法

ばれいしょ 茨城

H25

2,500 5,000

0.0041

0.0020 草丈30~40 cm 散布 いずれの試験区も茎葉に薬害は認めら

れなかった。

千葉 H25

2,500 5,000

0.0041 0.0020

開花前

(草丈約50 cm) 散布 いずれの試験区も茎葉に薬害は認めら

れなかった。

トマト

茨城 H24

2,500 5,000

0.0041

0.0020 18~20葉期 散布 いずれの試験区も茎葉に薬害は認めら

れなかった。

福島 H24

2,500 5,000

0.0041 0.0020

収穫期

(草丈160 cm) 散布 いずれの試験区も茎葉及び果実に薬害

は認められなかった。

きゅうり

茨城 H24

2,500 5,000

0.0041

0.0020 10葉期 散布 いずれの試験区も茎葉に薬害は認めら

れなかった。

福島 H24

2,500 5,000

0.0041 0.0020

収穫期

(草丈200 cm) 散布 いずれの試験区も茎葉及び果実に薬害

は認められなかった。

はくさい

茨城 H24

2,500 5,000

0.0041

0.0020 結球始期 散布 いずれの試験区も茎葉に薬害は認めら

れなかった。

福島 H24

2,500 5,000

0.0041

0.0020 10葉期 散布 いずれの試験区も茎葉に薬害は認めら

れなかった。

レタス

茨城 H24

2,500 5,000

0.0041

0.0020 8~9葉期 散布 いずれの試験区も茎葉に薬害は認めら

れなかった。

福島 H24

2,500 5,000

0.0041

0.0020 結球始期 散布 いずれの試験区も茎葉に薬害は認めら

れなかった。

ぶどう

福島 H24

2,500 5,000

0.0041

0.0020 小豆大期 散布 いずれの試験区も茎葉及び果実に薬害

は認められなかった。

長野 H24

2,500 5,000

0.0041

0.0020 小豆大期 散布 いずれの試験区も茎葉及び果実に薬害

は認められなかった

*:有効成分濃度

2.7.3

周辺農作物への薬害

(1)漂流飛散による薬害

もも及びりんごについて、デュポン ゾーベック エニケードを用いて実施した漂流飛 散による薬害試験の報告書を受領した。

結果概要を表

2.7-4

に示す。試験の結果、薬害は認められなかった。

ばれいしょ、トマト、きゅうり、はくさい、レタス及びぶどうについて、表

2.7.1

に示し た薬効・薬害試験において薬害は認められなかった。

以上から、漂流飛散による薬害について問題がないと判断した。

表2.7-4 デュポン ゾーベック エニケードの漂流飛散による薬害試験結果概要

作物名 試験場所 実施年度

試験条件 希釈倍数 結果

(倍)

処理濃度*

(kg ai/hL) 処理時期 処理方法

もも 福島

H24 5,000 0.0020 収穫2 週間前

(果径:4~5 cm) 散布 いずれの試験区も葉及び果実に薬害は

認められなかった。

りんご 福島

H24 5,000 0.0020 幼果期

(果径:6~7 cm) 散布 いずれの試験区も葉及び果実に薬害は

認められなかった。

*:有効成分濃度

(2)水田水の流出による薬害試験

申請された作物は水田で栽培される作物ではなく、水田水の流出による周辺作物への薬 害が生ずるおそれがないものと考えられたため、試験実施は不要と判断した。

(3)揮散による薬害試験

本有効成分の用途は殺菌剤であり、除草効果は見られないことから、揮散による周辺作 物への薬害が生ずるおそれがないものと考えられたため、試験実施は不要と判断した。

2.7.4

後作物への薬害

ほ場土壌残留試験(2.5.2.2参照)におけるオキサチアピプロリンの 50 %消失期(DT50)は 壌土で

17

日、埴壌土で

12

日であり、100 日を超えないため、試験実施は不要であると判断 した。

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