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水中光分解

ドキュメント内 農薬審査報告書 (ページ 93-96)

II. 審査報告

2. 審査結果

2.5 環境動態

2.5.3 水中における動態

2.5.3.2 水中光分解

(1)緩衝液

滅菌緩衝液(リン酸緩衝液、

pH 7.0)を用いて、 [pyr-

14

C]オキサチアピプロリン、 [thi-

14

C]

オキサチアピプロリン及び [iso-14

C]オキサチアピプロリンの試験溶液(約 0.1 mg/L)をそ

れぞれ調製し、

25±1

℃で

UV

フィルター(<290 nmカット)付きキセノンランプ(456 W/m2

波長範囲

300~800 nm)を 15

日間照射した。揮発性物質の捕集にはエタンジオール及び

1M

NaOH

を用いた。照射開始

0、1、2、4、6、10

及び

15

日後に試料を採取した。

試験溶液は

LSC

で放射能を測定後、

HPLC

及び

LC-MS-MS

で放射性物質を定量及び同定 した。揮発性物質の捕集液は

LSC

で放射能を測定した。

緩衝液中の分解物の定量結果を表

2.5-19

に示す。

[pyr-

14

C]オキサチアピプロリン処理においては、オキサチアピプロリンは経時的に減少し、

試験終了時に

54 %TAR

であった。主要分解物は代謝物

b

であり、経時的に増加し、試験終

了時に

11 %TAR

であった。その他に代謝物

G

及び代謝物

I

が生成したが、その生成量は最

大で

5.4 %TAR

であった。揮発性物質の生成は認められなかった。暗対照区においては、

オキサチアピプロリンの分解は認められなかった。

[thi-

14

C]オキサチアピプロリン処理においては、オキサチアピプロリンは経時的に減少し、

試験終了時に

56 %TAR

であった。主要分解物は代謝物

b

であり、経時的に増加し、試験終

了時に

14 %TAR

であった。その他に

4 %TAR

を超える分解物は認められなかった。揮発性

物質の生成は認められなかった。暗対照区においては、オキサチアピプロリンの分解は認 められなかった。

[iso-

14

C]オキサチアピプロリン処理においては、オキサチアピプロリンは経時的に減少し、

試験終了時に

58 %TAR

であった。2.0 %TARを超える分解物は認められなかった。揮発性 物質の生成は認められなかった。暗対照区においては、オキサチアピプロリンの分解は認

められなかった。

2.5-19:緩衝液中の分解物の定量結果(%TAR)

[pyr-14C]オキサチアピプロリン 経過日数

照射区 暗対照区

オキサチア

ピプロリン 代謝物b 代謝物G 代謝物I 未同定

分解物* 合計 オキサチア ピプロリン

0 104.3 ND ND ND ND 104.3 104.3

1 99.7 ND 0.7 ND 3.6 104.0 106.3

2 97.9 1.1 1.5 1.1 2.7 104.8 106.2

4 88.3 4.0 5.1 ND 8.6 105.9 105.8

6 73.6 4.8 5.4 2.8 20.2 106.8 108.2

10 65.1 8.7 4.1 2.4 26.1 106.5 106.0

15 54.0 10.8 3.7 5.2 31.3 105.1 105.2

[thi-14C]オキサチアピプロリン

経過日数

照射区 暗対照区

オキサチア

ピプロリン 代謝物b 未同定分解物** 合計 オキサチア ピプロリン

0 102.6 ND 3.1 105.6 102.6

1 102.0 ND 6.5 108.5 106.1

2 99.7 ND 9.8 109.5 108.9

4 84.9 3.0 19.9 107.9 109.6

6 64.6 6.7 31.6 102.8 104.4

10 72.8 7.1 27.2 107.1 104.0

15 56.5 14.0 30.3 100.8 107.8

[iso-14C]オキサチアピプロリン

経過日数

照射区 暗対照区

オキサチア

ピプロリン 未同定分解物*** 合計 オキサチア

ピプロリン

0 98.2 2.9 101.1 98.2

1 97.4 6.1 103.5 104.8

2 86.9 14.3 101.6 106.9

4 86.2 15.0 101.2 104.2

6 80.0 21.1 101.1 104.5

10 66.8 28.8 95.5 102.6

15 57.6 32.6 90.2 100.5

ND:検出限界未満

*:個々の成分は5.4 %TAR以下 **:個々の成分は4.2 %TAR以下 ***:個々の成分は2.4 %TAR以下

緩衝液中のオキサチアピプロリンの光照射による

DT

50を表

2.5-20

に示す。

オキサチアピプロリンの

DT

50

SFO

モデルを用いて算出すると、15~19日(東京春換

68~88

日)であった。

2.5-20:緩衝液中のオキサチアピプロリンの光照射による DT

50(日)

[pyr-14C]オキサチアピプロリン [thi-14C]オキサチアピプロリン [iso-14C]オキサチアピプロリン

14.8 (68.3) 15.9 (73.3) 19.1 (88.1)

( ):東京春換算

(2)自然水

滅菌自然水(英国

Crosswood Burn、pH 7.3)を用いて、[pyr-

14

C]オキサチアピプロリン及

び[thi-14

C]オキサチアピプロリンの試験溶液(約 0.1 mg/L)をそれぞれ調製し、25±1

℃で

UV

フィルター(<290 nmカット)付きキセノンランプ(456 W/m2、波長範囲

290~800 nm)

15

日間照射した。揮発性物質の捕集にはエタンジオール及び

1M NaOH

を用いた。照射

開始

0、1、2、4、6、10

及び

15

日後に試料を採取した。

試験溶液は

LSC

で放射能を測定後、

HPLC

及び

LC-MS-MS

で放射性物質を定量及び同定 した。揮発性物質の捕集液は

LSC

で放射能を測定した。

自然水中の分解物の定量結果を表

2.5-21

に示す。

オキサチアピプロリンは経時的に減少し、試験終了時に

48~63 %TAR

であった。代謝物

b

が生成したが、その生成量は最大で

7.6 %TAR

であった。その他に

4 %TAR

を超える分解 物は認められなかった。揮発性物質の生成は認められなかった。

暗対照区においては、オキサチアピプロリンは試験期間を通して

86~101 %TAR

であり、

明確な分解は認められなかった。

2.5-21:自然水中の分解物の定量結果(%TAR)

[pyr-14C]オキサチアピプロリン

経過日数

照射区 暗対照区

オキサチア

ピプロリン 代謝物b 未同定分解物* 合計 オキサチア ピプロリン

0 95.4 ND 4.2 99.7 95.4

1 93.0 ND 10.4 102.2 100.6

2 91.2 0.6 12.6 104.5 99.0

4 88.4 2.4 12.6 102.9 95.9

6 81.9 3.3 19.2 104.4 96.9

10 72.2 6.6 24.9 103.7 93.3

15 63.0 7.6 33.3 103.9 95.5

[thi-14C]オキサチアピプロリン 経過日数

照射区 暗対照区

オキサチア

ピプロリン 代謝物b 未同定分解物** 合計 オキサチア ピプロリン

0 96.5 ND 5.5 100.9 96.5

1 90.9 ND 8.3 98.3 91.6

2 88.1 0.5 10.2 95.6 90.9

4 84.5 2.4 12.0 98.0 93.8

6 75.5 3.2 18.5 97.2 94.2

10 67.3 5.0 25.2 97.6 87.6

15 48.4 6.3 39.3 93.9 86.4

ND:検出限界以下 *:個々の成分は3.6 %TAR以下 **:個々の成分は3.4 %TAR以下

自然水中のオキサチアピプロリンの光照射による

DT

50を表

2.5-22

に示す。

オキサチアピプロリンの

DT

50

SFO

モデルを用いて算出すると、17~25日(東京春換

78~115

日)であった。

2.5-22:自然水中のオキサチアピプロリンの光照射による DT

50(日)

[pyr-14C]オキサチアピプロリン [thi-14C]オキサチアピプロリン

24.9 (115) 16.8 (77.5)

( ):東京春換算

(3)水中光分解性のまとめ

緩衝液及び自然水中において、オキサチアピプロリンは光照射により緩やかに分解され、

オキサゾリジン環の開環及び開裂により代謝物

b、チアゾール環の開環及び開裂により代

謝物

G

及び代謝物

I、その他多くの微量成分に分解すると考えられた。

ドキュメント内 農薬審査報告書 (ページ 93-96)

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