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< 10 10‑3

2.5 内部摩擦角¢′ と粒度分布

2.5.1 既往の提案式の検討

内部摩擦角¢'の推定方法は多くの研究者により提案されている。この場合の根 拠として,ダイレイタンシー効果が内部摩擦角かの増減に関係する因子であり,そ の効果を左右するものとしてマクロ的には間隙比e

(あるいは間隙率n)

,相対密度 Dr,乾燥密度JOd,細粒分あるいは粗粒分含有率,形状,最大粒径などがとりあげ

られている.そのうち最も簡潔で比較的利用されている式は最上の提案式29)・3D)で,

式(2.5.1)で示され,内部摩擦角かのsin関数は間隙比に反比例する関係にあることを

示している。

sinQ′ 1+e (2・5・1)

式(2・5・1)のkは粒径や形状,粒度などの諸因子との関係が研究されるが,均等係数 の対数eogucに対する直線関係31)や最小間隙地minとの直線関係32)が提案されている.

簡潔性の面からみるとGquoe‑Keriselの提案式33)式(2.5.2)も興味深い.

e・tan¢' ‑α (2・5・2) 式(2・5・2)の右辺αは土質によって決まる定数であり,砂の場合o.50,シルトo.45, 粘土o・30とされている。式(2・5・1)と式(2・5・2)を比較すると式(2.5.3)が得られる。

k‑αcosb'+sin¢' (2.5.3) αは細粒分が多くなれば小さくなる。従って,式(2.5.3)に示される式の構造と土の 強度特性から類推すると,内部摩擦角b・が同じであればαは土質によって異なるの で式(2・5・1)の定数kも細粒分が増えるに従って小さくならなければならない。つまり, 式(2・5・1)も粒度特性によって影響されることを意味している。本研究は平均間隙径深 hの概念を用いて内部摩擦角¢'と土の構造特性との関連を統一的に研究しようとす

るものであるが,式(2.5.1), (2.5.2)の式の構造を参考にして関係式を誘導し た.図‑2.5.1, 2.5.2は, caquot‑Keriselの関係式を検証するため,文献34) ‑56)のデー タを使いe ・tan¢'‑eogdlOの関係で整理したものである。データはまさ土,河床

砂疎,シラス等の広範な硬質土‑砂質土で間隙比はo.2‑0.7の範囲にある。

図‑2・5・1ではデータの基本的なばらつき特性を示すために内部摩擦角¢'‑間隙比 関係を示した。図からは間隙比に対する強い相関はみられない。しかし,図‑2.5.2に

よるとe ・tan¢'は10併願径d)oの対数との関係がみられ, d]oが小さいとe ・tan¢'は

小さく,従ってαが小さくなることを意味し, dlOが大きいとe・tan¢'も大きくなり, 従ってαも大きくなる傾向がみられる。

60 50 や40

蟹30 単 吊20

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◎.

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0・00 0・50 1.00 1.50 2.00

間隙比 図‑2.5.1間隙比と内部摩擦角d'

H

e

61

e

E^&e§8

o○○

○o

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ヽ■■

Q)

0

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U

o.oo1 0・01

%1%粒径。1.(mi)

10 100

図‑2・5・2 dlOとe ・tanb'の関係

しかし,ばらつきのため,必ずしもdlOの対数に比例的に対応しているとはいえな いoそこで109tJ粒径dlOの範囲をわけてe ・tanb'の分類を行うと,以下の関係がみら れる。

10 3mm<dlO<10‑1mm e

・tan¢'‑o.3‑0.5

10ー1mm<dlO<100mm e

・lan¢'‑0.5‑0.7

この二区分の境界付近の10 2<d)o< 10‑1の範囲は見方によっては漸次増加する傾向 にとれないこともないが明確ではないので二つに区分している。このように10 3mm

<d)o<100mmの広い粒度範囲の値はchquot‑Keriselの提案と類似しており,デ⊥夕とし ては一般的な内部摩擦角¢'の範囲といえる.つまりCaquot‑Keriselは土質ごとにα の値を決めているが,図‑2.4.2は10%粒径d)oを変数にしてb'の変化特性を分類でき ることを示しており,粒径との関連性を予想させる。すなわちここで強調したいこ

とは内部摩擦角b'の変化は間隙比eだけではなく, 10%粒径d)oにも影響されるこ とである。

2.5.2 間隙径モデルと内部摩擦角¢'

Caquot‑Keriselの式の左辺e ・bn¢'は,平均間隙径深hを用いたh ・tm¢'に拡張す ることができる。そこで,これらの強度特性傾向を平均間隙径深hを用いて整理する 方法を考えてみるo 平均間隙径深hlま,先に書いたように粒子問の間隙を示す一種の 指標と考えることができるが,強度との関係を検討する場合,ミクロ的な考え方が

手がかりとなる。ミクロ的な分野の研究では粒子接点数,粒子接点角,間隙径など の粒子特性があげられる。一般的には,こうした諸因子の分布特性は粒度,粒径, 形状,表面摩擦あるいは堆積条件,続成作用条件などにより異なってくるが,本論 文ではこれらの因子の中から粒度分布をとりあげ,平均的には間隙空間の厚さや粒 径から考えられる幾何学的条件により決まるものと考えた。つまり,構造的には粒 子接点数が主要な因子になるが,その場合,平均間隙径深力が大きければ接点数は少 なく,平均間隙径深hカミ小さくなると接点数は多くなるだろうことが直観的に予想さ れる.しかし,後の節で示すが最大・最小密度の研究では,密度の大きさはd,oある いは個数分布の平均径dg等により制約をうけていることがわかっている.このことを 考えると接点数は単に平均間隙径深hに対応するだけでなく,その広がりを粒径で正 規化したh/d1.等の幾何学的関係が必要と考えられる.

本研究のテーマは粒度分布の関数として内部摩擦角¢'を推定することである。従っ て,近似的に,式(2.5.4)に示される関数形を仮定する。

.anQ

I

AjLQP

(2.5.4)

諸p‑32'は言‑

α+ βen,・nとして最小間隙比en.nの時の内部摩擦角¢'を式(2.5.5)で与 えた。

‑k α+β・e血

sinゅ′= 1+e 1+emin ‑p

‑'.I+喜β

min (2.5.5)

2.6節で示すように最小間隙比emhの範囲はo.4‑0・7に集中しており,この場合 1/(1+em.・n)は0.71‑0・59になる.さらに諸戸はα ‑o・44‑0・77を与え,それに対応する βはβ‑0.40‑0.73であるので, (α‑β)/(1+emin)<<βになる.従って式(2・5・5)の右辺 第2項は第1項に比べかなり小さくなるので間隙比em山の¢'への影響は小さく,従っ

て最小間隙比に対応する内部摩擦角¢'の大きな部分は間隙比には依存しない材料 定数と考えられる。

以上の検討結果から式(2.5.4)を分析すると, Aは概略的な内部摩擦角¢'に関係す る値であり, d)oβ/haは間隙比に対する微調整的な役割が考えられるoこの最も簡単 な場合であるα‑β‑1の時のd)o/hとtanb'の関係を整理したのが図‑2・5・3であるo

0 ′ヽ

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...‑...‑.

●■■▲ ‑‑.‑

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0

0

0 5 10 15

dlOnl

図‑2.5.3 tan¢'‑d)o/h

図によるとデータは非常にばらついており, dlO/hとの単純な関係にはないことがわ かるが,細かく見ると, dlO/h'7‑10の領域ではtanb'の変化はあまりみられず, tan

¢' ‑o.7‑0.8 (¢' ‑34‑39o )付近にばらついていることがわかる。ところが

d)o/h'7‑10となると, tanb'は0・5‑1・0 (b'‑26‑45o

)の範囲でばらついている

が, dlO/hが小さくなるとともにtan¢'の値は小さくなる傾向があるo

図‑2.5.4は, h ・tan¢'とd)oの関係を両対数で示したものであるoこの関係も式 (2.5.4)の特殊な場合である.例えばlog

(h ・tan¢')とeogd)oとの間に直線性を仮

定するならば,式(2.5.4)のαは1で, βが勾配によって決まる。図によると, 10喋凝 径d)oは10‑3mm‑loo mm,平均間隙径深hが10■mm‑10o mmと広範に分布しているが,

h ・tan¢'と10琢凝径d)oは両対数紙上で直線的な関係示しているo

′、

1=

:勺

■■■■

×

空室

ヽー

ヒ8 0 EhJ

100 10‑1 10̲つ

̀式(2.5.6)

Oi 1

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卜▲o)

QL

i

0 0

■≡■

一■「

0 0

0.001 0.01 0.1 1

10%粒径d ∫o (mm) 図‑2・5・4 htanb'とdlOの関係

この関係式は式(2.5.6)であらわされる。

h ・tanb I‑o.o692d)oO'835

10 100

(2・5・6) 従って,

tan¢'は4oβ/haの関数として示され,しかも種々の粒径であるにもかかわ

ら'ず,同じような統一的な因子によりtan ¢'が規定される可能性を示している.

従って, tan¢'は4oβ, hαの関数として示されることは事実であるが, α, βの決 定方法が問題となる.図‑2・5・4より,式(2.5.6)が10%粒径d)oが小さい範囲でばらつき

が大きいことを考慮して,試行的にtanb'とdβ10/haの関係を求め,式(2・5・7)を得た.

最適化問題としての研究課題は残されているが,本研究の段階では式(2.5.7)を基本 式とし,推定精度の研究を検討した。

I‑め,

≒o・85鰐

(2.5.7)

式(215・7)により,粒度試験や間隙比の測定結果よりdlO, d,o, e, G,, Ucを与え, 内部摩擦角¢'を推定し,実測値と対比したのが図‑2.5.5である。図より実測値と推

定値の差を確率変数として推定精度を調べると,

x‑‑0・5o o什1‑4・98o

となり平均値で約1度以内,分散を考慮するならばほとんど± 5oの範囲で推定でき ることを示している。

50

Eu

49(