7. 落雷予測結果
7.2 落雷予測対象
落雷予測を行う期間,範囲,条件を以下に示す。
図 7.1. 落雷予測の手順
表 7.1 落雷予測対象 解析期間 2018 年 7 月~2018 年 8 月
解析範囲 (2 章参照)
解析条件 ref_m10 が 20dBZ 以上となる格子データ
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7.3 5 分後に発生する落雷の予測結果
本節では,5 分後に発生する落雷の予測を行う。
Re_ref_5min, Re_all_5min, NN_ref_5min, NN_all_5min を用いて,5 分後の落雷予測を行 った場合における真陽性率等を求めた。予測期間および範囲は表 7.1 の通りである。
予測結果を表 7.2 に示した。
また,Re_ref_5min, Re_all_5min, NN_ref_5min, NN_all_5min を用いて,5 分後の落雷地 点を予測した場合の一例を図 7.2 に示す。ただし,表 7.1 に示した解析範囲のみを予測対象 として図にすると,範囲が狭く各落雷予測モデルを使用した時の差異が分かりづらい。よっ て,関東圏全域を予測した場合の結果を図として示す。
表 7.2 より,落雷予測モデルとして回帰式を用いた場合と全結合型 NN を用いた場合の いずれにおいても,偏波情報を使用した方が真陽性率,適合率,F 値,AUC は良い結果と なっている。しかし,その差は僅かなものであり,偏波情報を用いたからといって予測精度 が劇的に向上するといったことは確認できない。
また,落雷予測モデルとして全結合型 NN を用いると,落雷予測格子数が回帰式を用い た場合の 1.5 倍以上となる。このことから,全結合型 NN を用いた落雷予測は,回帰式を用 いた場合と比較して,汎用性が高いことが分かる。
表 7.2 5 分後に発生する落雷の予測結果
落雷予測モデル Re_ref_5min Re_all_5min NN_ref_5min NN_all_5min
真陽性率 0.764 0.794 0.777 0.781
適合率 0.220 0.225 0.160 0.167
F 値 0.342 0.351 0.265 0.276
落雷予測格子数 547838 526736 894089 894089
AUC 0.866 0.875 0.861 0.868
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図 7.2 より,落雷予測モデルとして回帰式を用いた場合と全結合型 NN を用いた場合の いずれにおいても,偏波情報の有無で予測結果に大きな差はないことが確認できる。
また,全結合型 NN を用いた場合,”落雷が発生する”と予測した面積は,回帰式を用いた 時より大きくなっている。このことから,落雷予測モデルとして全結合型 NN を用いると,
回帰式を用いた場合より,”落雷が発生する”と予測しやすいことが分かる。
図 7.2. 2018/8/6 18:55 に発生する落雷の位置を予測した結果 1 2018/8/6 18:50 の Xrain データを用いて 5 分後の落雷位置を予測
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7.4 10 分後に発生する落雷の予測結果
本節では,10 分後に発生する落雷の予測を行う。
Re_ref_10min, Re_all_10min, NN_ref_10min, NN_all_10min を用いて,10 分後の落雷予 測を行った場合における真陽性率等を求めた。予測期間および範囲は表 7.1 の通りである。
予測結果を表 7.3 に示した。
また,Re_ref_10min, Re_all_10min, NN_ref_10min, NN_all_10min を用いて,10 分後の 落雷地点を予測した場合の一例を図 7.3 に示す。ただし,図 7.2 と同様,関東圏全域を予測 した場合の結果を図として示す。
表 7.3 より,落雷予測モデルとして回帰式を用いる場合は,偏波情報を使用した方が真陽 性率,適合率,F 値,AUC は良い結果となっている。しかしその差は,表 7.2 と同様に僅 かである。
落雷予測モデルとして全結合型 NN を用いた場合は,真陽性率と AUC については偏波情 報を用いた方が良いが,適合率と F 値は REF のみを用いた場合の方が良い結果となってい る。いずれも差は僅かであるが,これは表 7.2 とは異なる結果であり,偏波情報を用いれば 必ず精度が向上するわけではない。
落雷予測格子数は,表 7.2 と同様に,落雷予測モデルとして全結合型 NN を用いた場合は 回帰式を用いた場合の 1.5 倍以上となる。よって,全結合型 NN を用いた方が,汎用性は高 い。
表 7.3 10 分後に発生する落雷の予測結果
落雷予測モデル Re_ref_10min Re_all_10min NN_ref_10min NN_all_10min
真陽性率 0.747 0.794 0.805 0.839
適合率 0.190 0.193 0.117 0.109
F 値 0.303 0.310 0.205 0.193
落雷予測格子数 517273 461418 819861 819861
AUC 0.846 0.858 0.835 0.839
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図 7.3 より,図 7.2 と同様に,いずれの落雷予測モデルを用いた場合も偏波情報の有無に より予測結果は大きく変わらない。
また,全結合型 NN を用いると,”落雷が発生する”と予測した面積は回帰式を用いたもの より大きくなっている。図 7.2 と比較しても,図 7.3 の方が”落雷が発生する”と予測した面 積は大きい。このことから,より未来の落雷を予測しようとすると,”落雷が発生する”と予 測しやすいことが確認できた。
2018/8/6 18:45 の Xrain データを用いて 10 分後の落雷位置を予測
図 7.3. 2018/8/6 18:55 に発生する落雷の位置を予測した結果 2
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7.5 15 分後に発生する落雷の予測結果
本節では,15 分後に発生する落雷の予測を行う。
Re_ref_15min, Re_all_15min, NN_ref_15min, NN_all_15min を用いて,15 分後の落雷予 測を行った場合における真陽性率等を求めた。予測期間および範囲は表 7.1 の通りである。
予測結果を表 7.4 に示した。
また,Re_ref_15min, Re_all_15min, NN_ref_15min, NN_all_15min を用いて,15 分後の 落雷地点を予測した場合の一例を図 7.4 に示す。ただし,図 7.2, 7.3 と同様,関東圏全域を 予測した場合の結果を図として示す。
表 7.4 より,落雷予測モデルとして回帰式を用いた場合,真陽性率,適合率,F 値,AUC のいずれについても,偏波情報を使用した方が良い結果となっている。
しかし,落雷予測モデルとして全結合型 NN を用いた場合,表 7.3 と同様に,真陽性率と AUC は偏波情報を用いた方が良い結果であるが,適合率と F 値については偏波情報を用い ない方が良い結果となっている。
落雷予測格子数は,表 7.2, 7.3 と同様,全結合型 NN を用いた方が回帰式を用いた場合よ り多く,汎用性は高いことが確認できる。
また,表 7.2,7.3, 7.4 を見ると,未来の落雷を予測しようとするほど F 値が低下しており,
表 7.4 では回帰式を用いた場合においても F 値は 0.3 を下回っている。これは,未来を予測 しようとすると雲の移動予測が難しくなることが原因として挙がる。そのため,現在使用し ている雲の移動予測方法では,20 分以上後に発生する落雷の予測は非常に困難である。
表 7.4 15 分後に発生する落雷の予測結果
落雷予測モデル Re_ref_15min Re_all_15min NN_ref_15min NN_all_15min
真陽性率 0.722 0.781 0.677 0.755
適合率 0.157 0.159 0.117 0.109
F 値 0.258 0.265 0.200 0.191
落雷予測格子数 476103 424815 757883 757883
AUC 0.817 0.836 0.800 0.802
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図 7.4 より,いずれの落雷予測モデルを使用しても,偏波情報の有無によって予測結果に 大きな差はみられない。
また,図 7.2, 7.3 と同様に,全結合型 NN を用いた予測結果は,回帰式を用いた予測結果 と比較して,”落雷が発生する”と予測した面積が大きいことが確認できる。
図 7.2, 7.3, 7.4 より,落雷予測モデルとして全結合型 NN を用いると,落雷の有無を予測 できる面積は大きくなるが,全体的に”落雷が発生する”と予測しやすい。このことから,汎 用性を求めるのであれば,落雷予測モデルには全結合型 NN を用いた方が良いが,適合率 の高い落雷予測を求める場合は,落雷予測モデルには回帰式を用いた方が良い
2018/8/6 18:40 の Xrain データを用いて 15 分後の落雷位置を予測
図 7.4. 2018/8/6 18:55 に発生する落雷の位置を予測した結果3
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