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dendrite zon e

4.4 考 察

双 ロ ー ル 鋳 片 の 表 面 し わ の 形 成 原 因 に つ い て は 、 ロ ー ル/溶 融 金 属 の 界 面 に ガ ス 膜 や 酸 化 膜 などの 伝 熱 抵 抗 が 存 在 した り、ロ ー ル に 接 した 溶 融 金 属 の メニ ス カス にお い て湯 面 振 動 に 起 因 す る 局 所 的 降 下(く ぼみ)が 発 生 す る と 、 凝 固 シェ ル の 成 長 や 冷 却 が局 所 的 に 遅 れ、凝 固 の進 行 に伴 って、凝 固 シュ ルの熱 収 縮 や 凝 固 収 縮 によ って 凝 固 遅 れ部 が内 部 に変 形 することによ り表 面 しわができるものと推 定 されている 1 ) 6 ) 1 0 ). 前 述 の 耐 火 物 棒 の 浸 漬 実 験 は 、ロ ー ル に 接 した メニ ス カス の 局 所 的 降 下 を意 図 的 に 発 生 させたものであり、これによっても表 面 しわが 発 生 する ことが明 らかになった .ここで は、メニ ス カス 形 状 を理 論 解 析 す る こと に よ り 、表 面 しわ を 形 成 しない 臨 界 の メニ ス カス 降 下 量 や鋳 造 速 度 を検 討 する.

4.4.1 動 的 メニスカス形 状 の理 論 解 析

メニスカス形 状 の模 式 図 を Fig u re 4 . 1 2 に示 す.ロールの回 転 に伴 う粘 性 力 の作 用 に よ りメ ニ ス カ ス は 引 き 延 ば され 、 表 面 張 力 と 重 力 の 釣 り合 い に よ っ て 決 ま る 静 的 な形 状 か ら 、粘 性 力 も 加 わ っ た 動 的 な 形 状 に 変 化 す る .慣 性 力 を 無 視 し て メ ニ ス カス に 沿 った境 界 層 内 の運 動 量 収 支 を立 てると、(4 . 1 )式 が得 られる.

− ∂𝑃/∂s +𝜇(∂2𝑣s/∂n2) +𝜌g∙sin𝜃= 0 (4 . 1 )

ここで 、s :メ ニ ス カス の 接 線 方 向 座 標 、n :法 線 方 向 座 標 、P:圧 力 、μ:粘 度 、vs:速 度 、

ρ:密 度 、g :重 力 加 速 度 、θ:メニスカスの接 線 と水 平 湯 面 とのなす角 .

(4 . 1 )式 の第 2 項 を境 界 層 厚 さ(n = 0~δ)で積 分 した結 果 が粘 性 剪 断 応 力 τ(τ> 0 )に

なる.また 、(1 )粘 性 項 が s 方 向 に 一 定 と 近 似 し、さらに(2 )メニス カス での圧 力 は表 面 張 力 の 法 線 方 向 成 分 に 等 し い(P=σ/R +σ/R *=σ/R、 こ こ で 、σ:表 面 張 力 、R、R *:各 々 、

Fi g u r e 4 . 1 2のx y面 およ びx y面 に垂 直 な断 面 におけるメニスカスの曲 率 半 径 、ただし

R*=∞)と仮 定 し、(3 )d x = d s・s inθ の座 標 変 換 を使 って x = 0~x の範 囲 で積 分 すると、

溶 鋼 の ロ ー ル と の 接 触 点 が 十 分 深 い 場 合 (s ≈ x) に 、 メニ ス カ ス に お け る 表 面 張 力 、 粘 性 力 、重 力 の 釣 り合 い に 関 して、(4 . 2 )式 が 得 られ る .ま た 、R は( 4 . 3 )式 で 与 え られ る.

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𝜎/R− τx/𝛿 − 𝜌gx = 0 (4 . 2 )

1/R = (d2x dy⁄ 2)/{1 + (dx/dy)2}3/2 (4 . 3 )

Fi g u r e 4 . 1 2 S c h e ma t ic v ie w o f me n is c u s p ro fi l e .

(4 . 3 )式 中 の Rを(4 . 2 )式 へ代 入 するとメニスカス の位 置 xに関 する 2階 の常 微 分 方

程 式 が 得 ら れ 、(4 . 4 )、( 4 . 5 )式 の 境 界 条 件 の 下 で 解 析 的 に 解 く こ と が で き 、(4 . 6 )式 に 示 す動 的 メニスカス形 状 の近 似 方 程 式 を導 出 で きる.

x = 0 で、dx dy = 0⁄ (4 . 4 )

y= 0 で、x =𝑥0 (4 . 5 )

82 y = (𝑘2− 𝑥02)1 2 −(𝑘2−x2)1 2

+(𝑘⁄2)∙{cosh−1(𝑘⁄x)−cosh−1(𝑘 𝑥⁄ 0)} (4 . 6 )

ここで、x0 は接 触 開 始 位 置(メニスカス降 下 量)、k2= 4σ/ (ρg -τ/δ)である.移 動 平 面 上 の境 界 層 に関 する S ak iad is1 1 )の理 論 解 析 に基 づくと、粘 性 剪 断 応 力 と 境 界 層 厚 さは、

各 々τ= 2 . 7 8μu/δδ= 6 . 3 7 (μx /ρu)1 / 2で与 えられる .なお、u は移 動 平 面 の 速 度 、x は境 界 層 発 達 開 始 位 置 からの距 離 .これらの関 係 およびパラメータである接 触 角 α(ただし、

sinα= 1 -2 (x0/k)2)を 用 い,移 動 平 面 の 速 度 を ロ ー ル 表 面 速 度 で 近 似 す る と 、(4 . 6 )式 よ り、メニ スカス降 下 量 は( 4 . 7 )式 で表 される.

𝑥0= (1 2⁄ )�a𝑣c2⁄g+ {(a𝑣c2⁄g)2+ (16𝜎 𝜌g⁄ ) (1−sin𝛼) 2⁄ }1 2 � (4 . 7 )

ここで 、vc:ロ ー ル 表 面 速 度(鋳 造 速 度)、a :定 数( = 0 . 0 6 8 5 ).(4 . 7 )式 の 吟 味 よ り、メニ ス カス 降 下 量 は 、鋳 造 速 度 と 表 面 張 力 の 増 加 お よ び 密 度 の 減 少 に 伴 って、ま た 接 触

角 が 1 8 0 °に 近 づ くに つれ て、大 きく なる ことが 分 か る .なお 、計 算 に 採 用 した 数 値 は、

S U S 3 0 4 鋼 1 2 )1 4 )σ= 1 . 0 N / m、ρ= 7 2 0 0 k g / m3、S 5 3 C 鋼 1 4 )σ= 1 . 8 N / m、 ρ= 6 9 0 0 k g / m3、C u -5 %S n合 金 1 3 ) 1 5 )σ= 1 . 2 N / m、ρ= 8 0 0 0 k g / m3である .また、接 触 角 α は、メニ スカス降 下 量 の実 験 値 と計 算 値 が一 致 するように与 えた.

4.4.2 メニスカス形 状 の推 算 結 果

S U S 3 0 4鋼 の動 的 メニスカス形 状 の推 算 結 果 の 例 をFig u re 4 . 1 3 (a )、(b )に示 す.鋳

造 速 度 の増 加 に伴 って、ロ ール近 傍 の メニス カスはロールの 移 動 方 向 へ引 き 延 ば され、

接 触 開 始 位 置(図 中 の ●印)が下 流 側 へ 降 下 する.また、接 触 角 α が大 きい(b )の場 合 の方 が、メニスカス降 下 量 は大 きくなる.接 触 角 αを1 2 0°程 度 にした 場 合 に、接 触 開 始 位 置 の実 験 結 果 と 計 算 結 果 がよく一 致 している.なお、S 5 3 C 鋼 と C u -5 %S n 合 金 に 関 しても 、接 触 角 を 1 2 0°と して種 々の鋳 造 速 度 に 対 する メニス カス 形 状 を 推 算 した.

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Fi g u r e 4 . 1 3 E ffec t o f c a st in g sp e e d o n me n isc u s p ro f il e o f S U S 3 0 4 ste e l .

4.4.3 ロール / 溶 融 金 属 の接 触 開 始 位 置 の推 算

動 的 メ ニ ス カ ス 形 状 の 解 析 に よ っ て 得 ら れ た 接 触 開 始 位 置 と 鋳 造 速 度 と の 関 係 を

Fi g u r e 4 . 1 4 に示 す.接 触 角 を 1 2 0°として解 析 した場 合 の結 果 である.図 より、鋳 造

速 度 の 増 加 に 伴 っ て 接 触 開 始 位 置 は下 流 側 へ 移 動 し 、 同 じ鋳 造 速 度 で 比 較 す る と 、 メニスカス降 下 量 は S U S 3 0 4 鋼 と C u -5 %S n 合 金 の場 合 はほぼ同 じで、S 5 3 C 鋼 の場 合 に 多 少 大 き く な る こ と が 分 か る . ま た 、 同 図 中 に 、 鋳 造 実 験 で 得 ら れ た 表 面 し わ 防 止 の 臨 界 鋳 造 速 度(Vc*)と そ の 時 の 接 触 開 始 位 置 の 推 算 値 を 示 した .この 接 触 開 始 位 置 の推 算 値 は、3 種 の金 属 においてほぼ同 じ値 となり、メニス カスより約 3 . 5 mm であ る . こ の 結 果 は 、 本 実 験 に お い て 、 表 面 し わ を 形 成 し な い 臨 界 メ ニ ス カ ス 降 下 量 が 存 在 すること、この降 下 量 を臨 界 値(約 3 . 5 mm)以 上 にすれば、注 湯 流 起 因 の湯 面 振 動 が接 触 開 始 位 置 まで伝 幡 しなくなることを示 していると考 えられる.

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な お 、 鋳 造 速 度 の 増 加 に 伴 う 表 面 しわ の 低 減 に 対 し て 、 メ ニ ス カス 降 下 量 の 増 大 に よ る 湯 面 振 動 の 影 響 の 低 減 の 他 に 、 ロ ー ル/溶 鋼 間 の ガ ス 膜 や 酸 化 膜 の 厚 さの 減 少 に よる 伝 熱 抵 抗 の 均 一 化 、お よ び接 触 開 始 から凝 固 開 始 ま での 距 離 の 増 大(湯 面 下

凝 固)による凝 固 開 始 位 置 のロール幅 方 向 均 一 化 などの効 果 も考 えられる.

Fi g u r e 4 . 1 4 E ffe c t o f c a st in g sp e e d o n th e c o n ta c t p o in t b et ween mo l ten me ta l a n d ro ll .

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4.4.4 表 面 しわ形 成 防 止 の臨 界 鋳 造 速 度

表 面 しわ形 成 に 関 する 臨 界 メニス カス 降 下 量 は注 湯 流 の乱 れによる 湯 面 振 動 の程 度 によって変 化 するもの と考 え られるが、この臨 界 メニス カス 降 下 量 に対 応 する臨 界 鋳 造 速 度 は、(4 . 7 )式 に基 づき(4 . 8 )式 で表 わされる .

𝑉c= [14.6{g𝑥0−2(𝜎 𝜌𝑥⁄ 0)(1−sin𝛼)}]1 2 (4 . 8 )

(4 . 8 )式 よ り、表 面 しわ 形 成 防 止 の 臨 界 鋳 造 速 度 は 、臨 界 メニ ス カス 降 下 量(x0)と

溶 融 金 属 の 密 度 の 増 加 、表 面 張 力 の 減 少 に伴 っ て大 き く なる ことが分 か る .す なわ ち、

密 度 が大 きく 表 面 張 力 の小 さい金 属 ほ ど、表 面 しわ形 成 防 止 のために鋳 造 速 度 を大 きくしなければならない.

なお 、湯 面 振 動 の 程 度 が 主 にノ ズル吐 出 流 の乱 れに 依 存 してい るため 4 )、臨 界 鋳 造 速 度 や臨 界 メニ スカス 降 下 量 の値 は、鋳 造 設 備 や操 作 によ り変 化 す ると考 え られる が、広 幅 鋳 片 の縦 割 れもメニスカス振 動 の振 幅 が約 2~3 mm 以 下 で防 止 されること 7 ) を 考 え る と 、 本 研 究 の 結 果 は 実 用 規 模 の 双 ロ ー ル 鋳 造 に 対 し て も 有 用 な 指 針 に な る ものと考 えられる.

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