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LAMP

第4節 考察

病原性ア e乃JerocoJfJfcαと アp∫e〟如才〟∂erc〟Jo∫f∫の染色体DNA上

にそれぞれ特異的にコードされているα〃およびf〝γを標的遺伝子と

して、今回設計したプライマーを用いて LAMPを行った結果、病原 性アe〃Je川COノブ〃cαでは60分間以内に、アp∫e〟doJ〟ゐerc〟Jo∫f∫では30

分間以内に検出することが可能であった。また、病原性 拘r∫f〃fαの プラスミドにコードされているγ王rftを標的遺伝子としてLAMPを実

施した場合も、病原性プラスミドを保有するこれらの菌を60分間以

内に検出することが可能であった。さらに、臨床検体と して病原性

r e〝JerocoJ∫タブcαまたはアp∫e〟doJ〟∂erc〟Jo∫f∫に自然感染して死亡し たサルの肝臓から、今回開発したLAMP法で標的とする遺伝子の検

出を試みたところ、いずれも標的とする遺伝子だけが特異的に検出 された。これらの結果から、今回α〃、f乃ⅤおよびⅤ王rダを標的遺伝子 と して設計したLAMPのためのプライマーは、これら病原性yer∫f〃王α を迅速かつ特異的に検出することが可能な有用なプライマーである ことが示された。

今回、標的遺伝子と して用いた3つの遺伝子のうち、γfrダは病原

性アe〃JerocoノブJfcαと アク∫e〟加J〃∂erc〟Jo∫ブ∫が共通して保有する70kb

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の病原性プラスミド上にコードされている。この病原性プラスミド は不安定で、時々菌体から脱落することが知られており、プラスミ

ドが脱落すると病原性r e〃Je川COJf〃c〟と rp∫e〟加J〟∂erc〟Jo∫ブ∫ は病 原性を失う[94]。したがって、LAMP法で病原性Y enterocoliticaと

アク∫e〟OJ〟占erc〟Jの∫f∫を検出する際には、それぞれα〃と わ川を検出す るだけでなく、病原性の有無も確認する意味でvfrダも標的遺伝子と

して一緒に検出するのが好ましいと思われる。

α〃、わ7γおよびγわ・ダを標的遺伝子とする LAMPにおいて、ループ プライマーを加えると、加えない場合と比較して検出に要する時間

はわ川 では1/2、α〃およびvfrダでは2/3に短縮され(図 6)、より迅 速な病原性 アer∫f〃〜αの検出が可能となった。ループプライマーは、

LAMP反応の過程で形成されるループ構造に対して、FIPおよびBIP と同様に結合し、これまで利用されていない点を増やし、増幅効率 を飛躍的に増大させることができると報告されている[69】。本研究 では標的遺伝子の塩基配列やその長さの問題から、プライマー設計

ソフトでは 王〃Ⅴでのみループプライマーの設計が可能であったので、

α〃および γfrダのループプライマーは独自に設計したが、独自に設

計したループプライマーでも、ループプライマーを加えない場合よ

り も検出時間を約 2/3 に短縮することが可能であった。これらの成

績から、今回、病原性 yer∫〜〝fαを検出するため開発した LAMP法で は、検出時間を短縮するためループプライマーを組み合わせて用い

るべきであると思われた。

同じ標的遺伝子に対する検出感度を、今回開発したプライマーを 用いたLAMP法と一般的に用いられているプライマーを用いたPCR

法で比較すると、いずれの標的遺伝子においても LAMP法はPCR法

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に比べ検出感度が10〜100倍高かった(図10〜12)。LAMP法がPCR 法より検出感度が高い理由として、納富ら【72]はDNA合成酵素の活 性様式の違いに起因することを指摘している。すなわち、PCR法で

一般的に用いられているDNA合成酵素はTbq DNA polymeraseであ るが、この酵素は 5′→3′方向への DNA伸長反応を示す一方で、5′→3′

方向へのヌク レアーゼ活性も併せ持つため、鋳型上にすでに存在す る DNAを分解してしまう。一方、LAMP法で用いられている酵素は

鎖置換型 DNA 合成酵素で、ヌク レアーゼ活性がなく、その代わり に鋳型上に存在する DNAを引き剥がして一本鎖DNAとして遊離さ

せながら、同時に DNAの伸長を行うため、DNAを分解することな

く、鋳型が少量であっても効率よく増幅できることができるとされ

て.いる。また、PCR法は標的とする遺伝子が増幅されてく るまでに は数時間は要する上、標的遺伝子が増幅されているか否かの確認は、

アガロースゲルを用いて電気泳動する必要があるため、LAMP 法に

比べ検出に要する時間が長い。近年開発されたReal‑Time PCRを用

いて DNA の増幅を随時モニタリングしたとしても、その増幅に要

する時間はLAMP法より長く、またその機器や試薬も LAMP法に比 べると高価である。実際、LAMP法の場合は、63℃付近に温度を保

持することのできる装置さえあれば、特殊な装置がなくても肉眼で 濁度をみることでDNA増幅の有無を判定することもができるため、

フィールドや検査施設のない場所でも本法は実施可能である。以上 のことから、本研究で設計したプライマーを用いたLAMP法は、PCR

法に比べ迅速かつ簡便に病原性 拘r∫f乃〜αを検出することができるた め、今後PCR法に代わる有用な遺伝子診断法になり得るものと思わ

れる。今回、LAMP法の有用性を評価するに当たり、病原性拘r∫f〝fα

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に自然汚染された河川水の入手が困難だったため、サルの臨床検体

を用いてその評価を行ったが、今後は、LAMP 法で病原性 アer∫ブ乃fα を河川水などの環境材料から分離するための最適な条件を検討して

いきたい。

第5節 結語

病原性r e乃JerocoノブJfcβと アク∫e〟OJ〟あerc〟Jo∫f∫の検出に、近年開発 された遺伝子診断法である LAMP法を応用し、両菌に特異的に存在

する病原性遺伝子である α〃、〜〝Ⅴおよびγブrダを標的遺伝子と したプ ライマーを設計し、これらプライマーを用いて LAMP 法を実施し、

その検出感度や特異性などについて検討を行い、以下の成績を得た。

1.a〃、invおよびvirFを標的遺伝子と した LAMP法によ り、標的と する遺伝子は特異的に増幅された。また、その検出感度はPCR法に

比べ、約10〜100倍高く、100〜101cFUの菌量でも検出が可能であ った。

2.ループプライマーを用いると、最も短いものでは 30分間で標的 遺伝子の増幅が確認でき、検出に要する時間が大きく短縮できた。

3.LAMP法による病原性アe〃JerocoJfJicαと アp∫e〟OJ〟∂erc〟Jo∫f∫の検

出には、それぞれα〃と vfrダおよびf乃Ⅴと γブrダを標的遺伝子と して

実施するのが適していると思われた。

4.以上のことから、今回開発した α〃、〜乃Ⅴおよび vfrダを標的遺伝 子としたLAMP法は、病原性アe〝Je川COJfJブcαと アク∫e〟OJ〟∂erc〟Jo∫f∫

を検出するための迅速かつ特異的な遺伝子診断法であり、今後PCR 法に代わる有用な遺伝子診断ツールになり得るものと思われた。

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結論

病原性y.e乃Jeroco…血およびア.ク∫e〟ゐJ〟ゐerc〟Jo∫i∫の自然界にお ける分布や生態を解明していくための研究の一環として、これら病

原体を環境中から迅速かつ高感度に検出するために、近年開発され

た免疫磁気ビーズ(IMS)法と LAMP法を応用し、最適な検出条件 を設定するとともに、その検出感度や特異性について検討し、以下

の成績を得た。

1.ア.g〟Jgr〃C〃JJJJcα 0:$ に対する抗体を用いたIMS 法による ア.

g〝Jgr〃C〃J∫JJcα0:$の検出

供試菌株として病原性ア.e乃JerocoJf〃cαのうち、近年東北地方で感 染患者が散発する アe〃Je川CO〃Jfcα0:8を選び、本血清型菌の0抗原

に対する抗体を用いたIMS法を開発し、アルカリ処理法と比較しな

がら検出感度や特異性について検討した。γ二e乃Je川COノブJfcα0:8を実 験的に河川水に接種し、IMS法とアルカリ処理法で回収率を比較す

ると、接種菌に新鮮培養菌を用いた場合にはややIMS法のほうがア ルカリ処理法より優れている程度であったが、凍結融解により損傷

した ア.e〝Jer。C。JブJfcα0:8を用いた場合には、IMS法では10l〜102 CFU/mlの菌畳まで検出されたのに対し、アルカリ処理法では103〜

104cFU/mlまでしか検出されず、IMS法はアルカリ処理法に比べて

明らかに高い検出率を示した。また、損傷した ア.e乃Je川COJf〃cα0:8

をIMS法で分離する際、VYE培地に抗生物質を含まない培地を重層 した選択培地を用いた場合が最も回収率が高かった。これらのこと から、y.e〝JβrOCOJfJfcα の0抗原に対する抗体を用いたIMS法は、

アルカリ処理法に比べ環境中から損傷した菌を検出するのに優れて

おり、また、分離選択培地としてVYEの重層培地が適していると考

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えられた。

2.YadAに対する抗体を用いたIMS法による病原性Ykrsiniaの検出

環境中から病原性ア.e乃JerocoJfJねαおよびy.p∫e〟doJ〟ゐerc〟Jo∫f∫を 広く分離するために、これら病原性 拘r∫f〝fαに共通する菌体外膜抗 原である YadAに対する抗体を用いたIMS法を開発し、その検出感

度や特異性について検討した。今回開発したIMS 法により、YadA をコードする病原性プラスミドを保有する病原性 e〃Je川COノブHcd

およびアp∫e〟doJ〟ゐerc〟Jo∫∫∫の供試菌株のすべてが検出可能であり、

101〜102cFU/mlの菌畳まで検出された。しかし、病原性プラスミド を欠損し、YadAを産生しない菌株では、104cFU/mlの菌量でも全

く回収されず、本法は病原性 拘r∫ブ〃〜αを特異的に検出できることが わかった。さらに、病原性 拘r∫わーiαを実験的に河川水に接種し、IMS 法とアルカリ処理法で検出感度を比較した結果、IMS法ではいずれ

の供試菌株においても102〜103 cFU/mJの菌畳まで回収され、アル カリ処理法に比べて高い検出感度を示した。これらのことから、今

回開発した YadAに対する抗体を用いたIMS法は、特異的かつ高感

度に環境中から広く病原性 拘r∫わ1f〟を検出することが可能な方法で あると考えられた。

3.LAMP法による病原性Iセr∫J〝∫αの検出

病原性アe乃JerocoJブJブcd およびアク∫e〟ゐJ〟ゐerc〟Jo∫f∫の検出に近年 開発された迅速かつ高感度な遺伝子診断法である LAMP法を応用し、

これら病原性 拘r∫ブ〃fαに特異的に存在する病原性遺伝子である α〃、

≠乃Ⅴおよび Ⅴわーダを標的遺伝子と したプライマーを設計し、それらを

用いた LAMP法の検出感度や特異性を、PCR法と比較しながら検討

した。今回開発した LAMP法では、供試した病原性 アe〃Je川COJi〃cβ 76

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