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ユー1 供試菌株および培養条件
2‑1‑1 供試菌株
ア β和才eroco拍・fcα血清型 0:3、0:5,27、0:8および0:9の4株、こ
れ ら か ら病原性プラ ス ミ ドが欠落 した も の 4 株な ら びに ア 即e〟如才〝∂erc〟Jo∫f∫血清型1bおよび4bの2株の計10株を用いた。
すべての供試菌株は、第1章 2‑1と同様に、病原性の有無を確認し た。
ユー1‑ユ 供試菌株のYadA産生条件の検討
供試菌株と して Y.enterocolitica O:8 を、液体培地と して brain heartinfusion培地(BHI,Difco)、TSBおよびRPMI1640(日永)を用
い、培養温度と して 25℃あるいは 37℃で、6時間あるいは 24時間 培養し、YadA を発現させるための最適な培養条件を調べた。YadA
の発現は以下のようにして調べた。供試菌株を BHIlO mJに接種し、
25℃で24時間前培養した後、その培養液 0.2 mJを各培地10 mJに 接種し、37℃または 25℃で 6時間あるいは 24時間振塗培養した。
発育した菌をマイクロ遠心チューブで9,000×gで10分間遠心後、沈 査を滅菌精製水に懸濁し、同量の電気泳動用サンプルバッファー
(Tris‑SDS‑BME Sample Buffer;第一化学薬品)を加えて沸騰湯浴中
で 5 分間加熱し、菌体からタンパク質を抽出した。抽出した YadA を含むタンパク質抽出液はLaemmliの方法【56]に従い、ポリアク
リルアミドゲル(PAG Mini"DAIICHI"4/20;第一化学薬品)を用い て、SDS‑ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS‑PAGE)を行った。
電気泳動後、0.25%Coomassiebrill‑iantblueR‑250(和光純薬)を含
む染色液を用いてタンパク質染色を行い、YadA の分子量である約 180kDaのバンドを確認した。分子量マーカーと して SDS‑PAGE 用
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マーカー(SeeBlue⑧plus2Pre‑Stained Standard;Invitrogen)を用い た。
2̲2 抗YadA抗体結合免疫磁気ビーズの作製 2̲2̲1抗YadA抗体作製に用いるためのYadAの調製
供試菌株としてr e乃JerocoJfJ血0:8を用いた。供試菌をBHIlOmJ に接種して25℃で24時間前培養した後、その培養液10mJをRPMI
1640500mJに接種し37℃で、予備試験で最も適切と考えられた培養 時間である18時間振塗培養した。その後、2‑1‑2と同様に、菌体か
らタンパク質を抽出し、SDS‑PAGE後、YadAの分子量である180kDa
付近のバンドをゲルから切り取り、マックスイールドーGPタンパク
質回収器(ATTO)を用いて、YadAを回収し、この溶液(タンパク質 量0.5mg/mりを免疫するための抗原として用いた。
2̲2‑2 抗YadA抗体の作製
2̲2̲1で作製したYadA溶液0.6mlとフロイント完全アジュバント (和光純薬)0.8mJをよく混和した後、第1章2‑2‑1と同様にニュ ージーランドホワイト種のウサギ2羽の背部に皮下接種した。初回 接種から3週間後に、YadA溶液0.6mlとフロイント不完全アジュ バント(和光純薬)0.8mJをよく混和したものを、追加免疫として それぞれのウサギの背部に皮下接種した。追加免疫1週間後、ウサ
ギから採血し、その血清を用いて、YadA溶液を抗原として、また、
Horseradish peroxidase(以下、HRP)でラベルした羊抗ウサギIgG
(ZYMEDLaboratories)を二次抗体として、Hayashidaniら【33]の方法
と同様にELISAを行うことにより YadAに対する血中抗体価を測定 し、抗体価が上昇したのを確認した後、ウサギの心臓から全採血し
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た。採取した血清は0.45匹mメンブランフィルター(ADVANTEC) でろ過滅菌後、使用するまで‑20℃で凍結保存した。
作製した抗YadA家兎免疫血清は、アフィニティークロマトグラ
フィー(Protein G Sepharose㊥4 Fast Flow;Amersham Pharmacia
Biotech)でYadAに対する特異的抗体が含まれるIgG画分に分取後、
低分子のタンパク質などを除くため、透析膜(Spectra/Pro
CEMembrane[molecular weight cut off:10,000];Spectrum Laboratories) を用いてTBS(20mMTris‑HCl[pH7.5],150mMNaCl)中で透析し、
精製した。
なお、作製した抗YadA免疫血清のYadAに対する特異性は、以下 のようにウェスタンブロツティング法によって確認した。供試菌株
として ア e乃JerocoJfJfcα 0:8を用い、供試菌をBHIに接種して25℃
で24時間前培養した後、その培養液をRPMI1640に接種し37℃で
18時間振塗培養を行った。その後、2‑1‑2 と同様に、菌体からタン パク質を抽出し、この抽出液をSDS‑PAGEによって電気泳動した後、
minitrans‑blotelectrophoretictransfercell(Bio‑Rad)を用い、氷水中
にて0.05A、30Vで1晩反応させ、POlyvinylidene difluoride(PVDF) 膜(NEN Life Science Product)に転写させた。転写膜は10%スキム
ミルクを含むTBS‑T(20mM Tris‑HCl[pH 7.6],135mM NaCl,0・1%
Tween20)を用い、軽く振塗しながら室温で1時間ブロッキングし、
次いでTBS‑Tで5,000倍に希釈した一次抗体、すなわち抗YadA免 疫血清を加え室温で1時間反応させた。その後、転写膜はTBS‑Tで
3回洗浄後、TBS‑Tで 5,000倍に希釈した二次抗体、すなわち HRP でラベルした羊抗ウサギIgGを加えて室温で1時間反応させた。二
次抗体を反応させた転写膜はTBS‑Tでさらに3回洗浄後、化学発光
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検出試薬(ECL plus;Amersham Pharmacia Biotech)を用い、製品の 使用説明書にしたがって、化学発光法により標的とする YadAタン
パクを検出した。
2̲2̲3 抗YadA抗体と磁気ビーズとの結合
予備実験の結果から、IMS法には、20plの精製した抗YadA抗体 に対し、25直の磁気ビーズを反応させ、第1章2‑2‑2と同様に両者 の結合を行った。
2̲3 免疫磁気ビーズを用いたIMS法による病原性托r∫J〝iαの回収 2̲3̲1.病原性拘r∫J〝fαのIMS法による回収
供試菌株をBHIに接種し、25℃で24時間前培養した後、その培 養液をRPMI1640に接種し37℃で18時間振塗培養した。培養菌液
は滅菌生食で10倍段階希釈し、100〜103cFU/mJの菌量となるよう に菌液を調整した。以後、2‑2‑3で作製した免疫磁気ビーズを用いて 第1章の2‑2‑3と同様にIMS法による回収を行った。また、接種菌 を回収する際の選択分離培地としては、CIN培地ならびに第1章で その有用性が確認された重層VYE培地を用いた。なお、接種菌を回 収する際、選択分離培地上での発育を促進するため、検体と免疫磁 気ビーズを反応させた溶液に10倍量のBHIを加えて30℃で3時間 培養した後、選択分離培地上に接種した。回収した菌の同定は、供 試菌に対する抗血清を用いたスライド凝集反応によって行った。
2̲3̲2 河川水に実験的に接種した病原性托r∫J〝∫αのIMS法とアル
カリ処理法による回収
供試した河川水は野川(東京都国分寺市)より採取したものを用 いた。供試菌株を2‑3‑1と同様に培養後、その培養菌液を第1章2‑3‑1
30
と同様に9倍量の濃縮河川水に加えて101〜105cFU/mJの菌量とな るように調整した。そして、IMS法とアルカリ処理法を用いて河川
水から接種した供試菌を回収し、その回収率を比較した0 選択分離
培地ならびに培養条件は2‑3‑1と同様に行った0 なお、河川水の総 生菌数および大腸菌群の平均値は、それぞれ 2・6×104ぉよび 25 CFU/mJであった。
第3節 結果
3̲1供試菌株のYadA産生条件の検討
3̲1̲1 各発育条件下で培養した R g〟Jgr〃C〃Jf〃七α 0:8 における
YadAの産生状況
図1は、TSB、BHIおよびRPMI1640の3種類の培地を用い、培 養温度を25℃あるいは37℃、培養時間を6時間あるいは24時間で
Y enter。C。Iitica O‥8を発育させ、約180kDaのYadAの発現状況を
比較した成績を示したものである。YadAの産生が最も良かったのは、
RPMI1640培地を用い、37℃で振塗培養した時であり、6時間の培 養時間でもYadAの産生が認められた。しかし、TSBやBHIを用い
た場合は、25℃および37℃のいずれの温度でもYadAの産生はほと んどみられなかった。
3̲1̲2 病原性托r∫f〝Jὰ菌株の産生するYadAの比較
図2は、病原性プラスミドを保有する供試菌6株をRPMI1640培
地に接種し、37℃で18時間振塗培養して、YadAの発現をみた成績
である。すべての菌株においてYadAの発現は確認されたが、YadA の分子量は血清型によって少しずつ差がみられ、分子量の最も大き
31
TSI主 BⅡI RPMI M12 3 412 3 412 3 4
kDa
250一 .̲̲J
148‑ l ̲‑ ←YadA
Fig.1.SDS‑PAGE(gradient4‑20%polyacrylamidegel)ofwholece11
1ysatesofYenterocoliticaO:8growninTSB,BHIandRPM11640
underdiffbrentcultureconditions.Lane:1,25℃,6h;2,25℃,24h;
3,37℃,6h;4,37℃,24h.Molecularweightmarkers(kDa)areshown
inlaneM.
kDa 二M O:3 0:5 0:80:,1b 4b 250‑
148一
,8‑
̀4一
50‑ トー■
H
一
‑
r 一,
胃l .1■ 韓
■■ 嶋■■ー¶l■■
口縫【雪 ‥毒
Fig・2・SDS‑PAGEofwholece111ysatesofYenterocoliticaO=3, 0:5,27,0:8andO=9andYpseudotuberculosislband4bgrownin RPMI1640under37℃.M;Markerproteins・
いアe射e川COJiHcα0:3は約200kDaで、0:5,27、0:9と小さくなり、
アg乃Je川COJf〃c80:8、r即e〟doJ〟みerc〟Jo∫f∫1bおよび4bはほぼ同じ
大きさで約1SOkDaであった。分子量が最も大きな ア e〃Jg川COノブJfcα
0:3と最も小さなr e乃JerocoJ〟fcα0:8では20〜30kDaの差がみられ た。
3‑2 抗YadA免疫血清のYadAに対する特異性
図3は、作製した抗YadA免疫血清がYadAに特異的であることを ウェスタンブロツティング法によって確認した成績である。図に示
すように、r e乃JerocoJg〃c〟の産生する YadAの分子量である約180 kDaの位置に、明瞭にバンドが検出された。また、図4に示すよう
に、今回Y enlerocolitica O:8から精製したYadAに対する抗体は、
他の ア g〃Jero川〃わ七α の血清型や ア即e〟加J〟占erc〟Jo∫f∫ の産生する
YadAに対しても反応し、これらの菌種や血清型のYadAの分子量の 位置にバンドが観察された。
3‑3IMS法による病原性鞄r∫J〝∫αの検出感度および特異性 表6は、供試菌10株を生理食塩水に接種し、YadAに対する抗体 を用いたIMS法により接種菌を回収し、その検出感度および特異性 を調べた成績である。菌量が102以上の場合は、プラスミドを保有
する病原性r e射e川CO…血およびア即g〟doJ〟占erc〟Jβ∫f∫のいずれの 菌株においても 4検体すべてから接種菌が回収できた。101の場合
でも、r e乃Jeroco…fcα0:5,27およびr即川doJ〟∂er川Jo∫∫∫4bにおい
ては 4 検体中 3 検体で、r e〃JerocoJf〃七α 0:8 と 0:9 および ア
p∫紺doJ〟占erc〟Jo∫f∫1bにおいては4検体中2検体で、アe〃JerocoJ行fc〟
34
M O:$ 0:$
9$‑
̀4‑
50‑
i■L̲」
SDS‑ Wester山一
PAGE blot
Fig.3.SDS,PAGE(1eftpanel;Coomassiebrilliant bluestain)andWestem‑brot(rightpanel;developed withanti‑YadA)ofproteinsofYenterocoloticaO:8・
M;Markerproteins・
M O:3 0;5 0:$ 0:,1b 4b
。,■せ・ ⊥ 上 と̲̲̲■
SDS‑PAGE
98‑
0:3 0:5 0:$ 0:9 1b 4b
●‑●
Westernblot
Fig.4.SDS‑PAGE(le氏panel;Coomassiebri11iantbluestain)and Western‑brot(rightpanel;developedwithanti‑YadA)ofproteinsof
ye乃JgrocoJ∫J∫cα0:3,0:5,27,0:8mdO:9andアク∫e〟ゐJ鋸あerc〟わ∫ね 1band4b.M;Markerproteins.
Table6.RecoveryofpathogenicYenterocoliticaandYpseudbtuberculosis byIMSmethod
Inoculum Plasmid
Strain
(CFU/ml) Positive Negative
アe乃JerocoJiJわα0:3
アe乃Jer()CO掃わα0:5,27
re乃Jeroco掃わα0:8
アe〃Jeroco肋fcα0:9
アク∫e〟ゐJ〟ゐerc〟わ∫ブ∫1b
アp∫e〟ゐJ〟∂erc〟わ∫f∫4b
4
つJ
2 1 0
0 0 0 0 0 1 1 1 1 1
4
っJ
2 1 0
0 0 0 0 0 1 1 1 1 1
4
つJ
つ▲
1 0
0 0 0 0 0 1 1 1 1 1
4
つJ
つ一
1 0
0 0 0 0 0 1 1 1 1 1
4
3 2 1 0
4 3
つム
・1
0
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
川〃川〃〃何周〃川〃〃〃川西〃〃〃〃川舟〃川舟川西川西西川〃
4 4 4 1 0 4 4 4 3 0 4 4 4 2 0 4 4 4 2 0 4 4 4 2 0 4 4 4 3 0
0/2 0/2 0/2 0/2 0/2 0/2 0/2 0/2 0/2 0/2 0/2 0/2 0/2 0/2 0/2
∽∽∽∽∽
NTNT
NTNT
NT NTNT
NT NT NT
aYerTiniaisolatedsamplenumber/totaltestedsamplenumber・
bNT:Nottested.
37
0:3 においては 4検体中1検体で接種菌が回収できた。一方、病原
性プラスミドが欠落し、YadAを産生しない Y enterocoliticaでは菌 量が104の場合でも、供試した4菌株いずれとも接種菌は回収され
なかった。
3‑4 河川水に実験的に接種した病原性アとr∫f〝f〟のIMS法とアルカ リ処理法による回収率の比較
表7は、河川水に実験的に接種した供試菌6株を、YadAに対する 抗体を用いたIMS法ならびにアルカリ処理法により回収した成績を
示したものである。IMS 法では、菌量が103 以上の場合は ア
e乃Jeroco招■fcαおよび アp∫川如才〟占erc〟Jo∫f∫のいずれの菌株において
も 3検体すべてから接種菌が回収でき、102の場合でも 3検体中1
〜3 検体で接種菌が回収できた。また、101の場合でも ア
β射grocoJfJfc〟0:5,27では3検体中1検体で回収が可能であった。
方、アルカリ処理法では、菌量が104 以上の場合は病原性 r
g〝ナビrocoJfHcαのいずれの菌株においても3検体とも接種菌が回収さ
れたが、103の場合では 3検体中 2〜3検体で、102の場合でも ア
e乃ナビrocoJわfcd O:5,27、0:8および0:9においては3検体中1〜2検体
で接種菌が回収された。しかし、ア即e〟doJ〟占grc〟Jo∫f∫1bでは菌量 が103〜105の場合でも3検体中2検体でのみ接種菌が回収でき、ア
即e〟加J〟ゐerc〟Jo∫f∫4bでは105の場合に3検体中1検体で回収された に過ぎず、104以下の場合には全く接種菌は回収されなかった。以
上のよ うに、河川水に病原性 ア e招r?Cβ′軌α および r
PSeudotuberculosisを接種した場合、YadAに対する抗体を用いたIMS 法はアルカリ処理法に比べ明らかに回収率が高かった。
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