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・回折の広がり

ピンホール直径R 回折の広がりwd

0.3mm 5.6mm

0.4mm 6.2mm

0.5mm 5.8mm

0.6mm 6.9mm

0.7mm 7.4mm

0.8mm 9.2mm

1.0mm 9.0mm

1.2mm 13mm

1.5mm 9.0mm

2.0mm 22mm

表 5-4 回折の広がりとピンホールの大きさについて(白熱電球) フィッティング誤差0.64~8.9%、校正誤差は1.0%である。

ピンホールの大きさが大きくなるにつれて回折の広がりが大きくなっている。点光源だ と仮定した場合の回折の広がりの予想はwd=5.15mm であった。よって、ピンホール②の

直径 R=0.3mm~0.5mm は予想値に近い値を得た。それ以降の回折の広がりの増加につい

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・干渉縞の鮮明度

ピンホール直径R 鮮明度V

0.3mm 0.99

0.4mm 0.70

0.5mm 0.82

0.6mm 0.37

0.7mm 0.23

0.8mm 0.090

1.0mm 0.040

1.2mm 0.030

1.5mm 0.060

2.0mm 0.010

表 5-5 干渉縞の鮮明度とピンホールの大きさについて(白熱電球) フィッティング誤差0.7~10%、校正誤差は1.0%である。

ピンホールの大きさが小さいところでは鮮明度著しく減少している。R=0.8mmからは鮮

明度はV=0.1よりも低くなっている。

図 5-12 干渉縞の鮮明度とピンホールの大きさについて(白熱電球) 0

0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2

0 0.5 1 1.5 2 2.5

V

R(mm)

鮮明度

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・干渉縞の間隔

ピンホール直径R 干渉縞の間隔Δx

0.3mm 0.68mmm

0.4mm 0.69mm

0.5mm 0.69mm

0.6mm 0.69mm

0.7mm 0.70mm

0.8mm 0.71mm

1.0mm 0.63mm

1.2mm 0.67m

1.5mm 0.68mm

2.0mm 0.69mm

表 5-6 干渉縞の間隔とピンホールの大きさについて(白熱電球) フィッティング誤差は0.33~0.12%、校正誤差は1.0%である。

干渉縞の間隔の平均はΔx =0.68mm で、点光源と仮定した場合の予想値Δx =0.69mm か らのずれは1.5%である。これはスリット間隔0.15mmに対して0.00225mm(2.25µm)のず れであるので、スリット間隔の誤差である可能性が高い。

したがって、干渉縞の間隔はピンホール②の大きさによらないことが分かる。

図 5-13 干渉縞の間隔とピンホールの大きさについて(白熱電球) 0.4

0.45 0.5 0.55 0.6 0.65 0.7 0.75

0 0.5 1 1.5 2 2.5

Δx(mm)

R(mm)

干渉縞の間隔

予想0.69mm 平均0.68mm

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6. 考察

6-1.光源による回折の広がり

・はじめに、単スリット実験と二重スリット実験の両者において、レーザー光と白熱電球の どちらのデータの平均値も予想値より20パーセントのずれがみられたことについて考察す る。

まず、スリットとカメラの間の距離zによるずれの可能性を考察した。

そこで、レーザー光を用いて単スリット実験をzを変えながら行った。(縦軸:強度、横 軸:カメラの上の距離)

・z=2.9cmの場合

予想では回折の広がりは𝑤𝑑=0.92mm となる が、測定結果では𝑤𝑑=1.19mmとなり、23パー セントのずれであった。

・z=6.9cmの場合

予想では回折の広がりは𝑤𝑑=2.2mmとなるが、

測定結果では𝑤𝑑=2.7mmとなり、19パーセント のずれであった。

上のデータより、20パーセントのずれは単スリットとカメラの距離zには依存していな いことが分かった。また距離zが正確でないとしても、20パーセントのずれは3.2cmのず れなので測定中のずれとしては大きすぎる。よって、この原因は考えられない。二重スリッ トでも同様に、この原因ではないと考える。

図 6-1 z=2.9cmの時の回折パターン

図 6-2 z=6.9cmの時の回折パターン

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他の原因として、アライメントが不十分で光線がスリットに対して斜めに照射していた ことを考察した。

ここでは二重スリットの実験において、スリットによる回折パターンの最大値と干渉縞 の最大値がずれているかどうかを調べることで、二重スリットの実験におけるアライメン トを確認した。(スリットによる回折パターンの最大値の位置𝑥𝑑と干渉縞の最大値の位置𝑥𝑖 とする。)

フィッティング関数はa (sin(𝑏𝑥−𝑐)

𝑏𝑥−𝑐 )2(1 + 𝑑𝑐𝑜𝑠(𝑒𝑥 − 𝑓)) + 𝑔であるので、𝑥𝑑 =𝑐

𝑏, 𝑥𝑖=𝑓

𝑒であ る。

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5

0 0.5 1 1.5 2 2.5

x(mm)

R(mm)

最大値の位置

回折 干渉縞

図 6-3 レーザー光、二重スリット

0 0.5 1 1.5 2 2.5

0 0.5 1 1.5 2 2.5

x(mm)

R(mm)

最大値の位置

回折 干渉縞

図 6-4 白熱電球、二重スリット

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レーザー光では約0.5mmずれていて、白熱電球では約1.0mmずれていた。この結果か ら、レーザー光は白熱電球に比べて、回折パターンの最大値と干渉縞の最大値の位置が近い ことから、レーザー光の方がアライメントしやすいことが分かる。しかし、いずれも𝑥𝑑と𝑥𝑖 が一致していないので、光線が垂直に照射されておらず、アライメントが不十分であったこ とが確認できた。ただし、照射のずれによって20パーセントのずれを説明するには、角度 が30 度ずれる必要がある。角度が30 度ずれるとき、光源の位置は約23cmずれることに なるためずれが大きすぎる。よって今回の実験ではこの原因は考えられない。以上の二重ス リットの考察をふまえて、単スリットにおいてもアライメントによる20パーセントのずれ は考えられない。

他に誤差の原因としては、スリット幅の大きさの誤差やピンホールの穴の形が正円でな いことなどがある。

今回実験に用いたスリットはシリコン基板にマスキングを蒸着したもので、スリット幅 内部の光はシリコン中を通過する。そのため、シリコン表面が微妙に汚れていたり、マスキ ングに傷がついたりしていれば、理想からずれる可能性は十分にある。

この実験で、理論からずれた原因を特定するには、スリット表面をきちんと観察すること が必要不可欠であったと考える。

以上より、今回の実験では予想値から20パーセントずれたことについて、原因究明は出 来なかった。

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・次に、レーザー光における、回折の広がりとピンホールの大きさの依存性について、単ス リットと二重スリットで比較する。

単スリットの実験では回折の広がりは平均で𝑤𝑑=6.0mmであったが、今回の二重スリッ トの実験データでは回折の広がりは平均で𝑤𝑑 =11mm(R=0.4mm は除く)であり、2 倍近く 大きい。このことについては次の3つが原因を考察した。

第一は干渉縞の重ね合わせである。

単スリットの実験より各スリット40µmから約6.0mmの広がりをもつ干渉像がスクリー ンに映し出されていると考えられる。そして、二重スリットでは2つのスリットは0.15mm 隔てられているので、その干渉像それぞれが少しずれて重なることで干渉縞を作り出して いる。その場合、単スリット40µmから100 倍近い回折の広がりになっている光が少しず れて重ねあわされるので、回折の広がりが大きくなったと推測する。

図 6-5.回折の広がりとピンホールの大きさの依存性について(レーザー光) 0

2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

0 0.5 1 1.5 2 2.5

wd(mm)

R(mm)

回折の広がり(レーザー光)

単スリット

二重スリット

二重スリット平均 11mm

単スリット平均 6.0mm

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そこで具体的にこの重ね合わせにより、二重スリットの回折の広がりが単スリットのと きよりも2倍に広がったとして考察する。2倍の広がりになるには、各スリットからの回折 の広がりのピークが約3mmずれる必要がある。

単スリット

40𝜇𝑚 約100倍

x

𝐼

二重スリット

40𝜇𝑚 40𝜇𝑚

150𝜇𝑚

x

𝐼

各スリットからの光 の重ね合わせ

図 6-6.二重スリットの回折パターンの重ね合わせ

二重スリット

0.15mm

カメラ

3.0mm

159mm 8.4mm

図 6-7.各スリットからの回折パターンが3.0mmずれた場合

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図6-7のように、各スリットからの回折パターンのピークが3.0mmずれると仮定すると、

二重スリットの手前8.4mmのところに点光源があることになる。しかし、今回の実験では 二重スリットの手前は 159mm 離れたところにピンホールがあるので、この結果と矛盾す る。よって、この重ね合わせは2倍の広がりの原因としては考えられない。

第二はアライメントである。

前章の考察において、アライメントが不十分であったことが確認された。照射がスリット に対して垂直ではないと、スリット幅が変化し、各スリットからのピークもずれる。しかし、

図6-7のような3.0mmほどの大きなずれをこのアライメント不足により作り出すことは現

実的にはあり得ない。よって、アライメントは2倍の広がりも原因としては考えられない。

第三はスリットの誤差である。

実際にレーザーの二重スリット実験では同じセットアップで実験を行っても、干渉縞の 強度が山形に見えたり、一定に見えたりと変化することが多々あった。

5-2 節のピンホールに平行光線が入射するとした仮定 2(理想的)では干渉縞のピーク強度 は左図のような山形になることが分かっている。よって、右図のようにピーク強度が一定に なった場合はスリットに汚れや傷があることでスリット幅が変わった可能性がある。実際 にスリット幅がスリットの場所によって異なっているとしても、観測者がそれをスリット の照射場所を正確に調整することは難しい。よって、これが原因で同じセットアップでも干 渉縞の強度が変化したと考える。

I

x(mm) I

x(mm) 図 6-8.レーザー、R=1.0mm、z=15.9cmで同じのセットアップのデータ

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そこで、5-2節の仮定3 で二重スリットのスリット幅a=40µmとしたが、このスリット 幅に10パーセントの誤差があると仮定し、スリット幅a=36µmとした場合の干渉縞のパタ ーンを比較した。(青がa=40µm,ピンクがa=36µm)

スリット幅が10パーセント小 さいとすると、干渉縞にかかる回 折パターンの広がりは大きくな っている。

今回実験で用いたスリットが傷や汚れによってスリット幅が10~20パーセントほどずれ ていることはあり得る。また、回折の広がりが 2 倍に大きくなっても干渉縞の鮮明度が急 激に低下していないので、二つのスリットからのパターンはある程度重なり合いは大きい。

このことから、スリット幅の誤差の影響の可能性が最も高い。

レーザー光は光の強度が強く、迷光が入ってきやすいので、部屋の環境によってもバック グラウンドも干渉に大きく影響すると考えられる。

以上より、スリット幅の誤差とバックグラウンドの影響を考慮すると、レーザー光での二 重スリットの回折の広がりが単スリットの回折の広がりより広がる可能性がある。ただし 今回の実験で、レーザー光での二重スリットの回折の広がりが 2 倍近い広がりになる原因 を特定することは出来ない。特定するためには、スリットの表面状態をきちんと観測するこ とと、レーザーの迷光によるバックグランドの調査を行うことが必要である。

1.5 1.0 0.5 0.5 1.0 1.5

1. 10 23 2. 10 23 3. 10 23 4. 10 23 5. 10 23 I

x(mm) 図 6-9.スリット幅10%の誤差がある場合の比較

ドキュメント内 光の空間コヒーレンスと干渉性について (ページ 48-62)

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