ここでは、例としてサンプルの翻訳メモリを使って、<対訳エディタ>で翻訳 メモリを活用する一連の流れを説明します。新たな翻訳メモリの登録方法につ いては、 『ユーザーズガイド』の「11.4 翻訳メモリデータを登録する」 (⇒
P.168)をご覧ください。
翻訳環境の「使用する翻訳メモリの一致率」を「70%」以上に設定する場合を例に説明し ます。
1 <対訳エディタ>を起動し、 [詳細設定]ボタンをクリックします。
2 サンプルの翻訳メモリ辞書を「利用中の辞書一覧」に登録します。
[辞書の設定]タブの「利用可能な辞書一覧」から「(66)基本例文」を選択し、[利 用>>]ボタンをクリックします。
3 「一致率」を設定し、 「あいまい一致」を適用する設定にします。
[翻訳メモリ]タブをクリックし、「使用する翻訳メモリの一致率」を「70」%以上に 設定します。
4 [OK]ボタンをクリックします。
2. クリック 1. 辞書を選択
1.[翻訳メモリ]タブをクリック 2. ▼をクリックして指定
翻訳メモリの使用例
2
導入編 始めようATLAS
5 「新しい環境名で保存する」を選択し、 「環境名」に「メモリ一致率 70%」と 入力し、 [OK]ボタンをクリックします。
6 <対訳エディタ>で[開く]ボタンをクリックし、 「Etmsmpl.txt」を開きま す。
「Etmsmpl.txt」は、『ATLAS』をインストールしたフォルダの「SAMPLE」フォルダに 格納されています。以下に例を示します(Cドライブにインストールした場合)。
7 [全文翻訳]ボタンをクリックします。
翻訳が開始されます。
C:¥Program Files¥ATLAS V13¥SAMPLE
1. ファイルを選択 2. クリック
54
導入編
翻訳メモリに登録してある翻訳メモリデータがあると、次のように表示されます。
(1)100%一致(翻訳メモリ適用)の翻訳例
[訳文]セルの文字は青色で表示され、翻訳メモリの訳文が表示されます。
「100%一致」なので、基本的に翻訳者が訳文を手直しする必要はありません。
(2)あいまい一致【100%未満】(翻訳メモリ適用)の翻訳例
[訳文]セルの文字はオレンジ色で表示され、翻訳メモリの訳文が括弧でくくられ表示さ れます。また、「一致率」も同時に%表示されます。
「あいまい一致」なので、訳文は原文を翻訳したものと一部内容が異なっています。翻訳 者はどこが違うかを確認し、訳文を手直しする必要があります。
(3)適用可能な翻訳メモリデータがないとき(自動翻訳)
[訳文]セルの文字は黒色で表示され、『ATLAS』で自動翻訳された翻訳結果が表示され ます。翻訳者は訳文を確認し、手直しの必要があれば修正します。
(2)、(3)で修正した結果は、新たに翻訳メモリに登録しておくと、次に同じような 文章を翻訳するときに活用できます。
マニュアルや技術文書など、同じ言い回しの文章などが多くでてくる文書は、修正した 内容を随時翻訳メモリに登録して蓄積していくと、より翻訳効率がアップします。
詳細については、『ユーザーズガイド』の「第11章 翻訳メモリを活用する」(⇒P.151)
をご覧ください。
8 次回から翻訳メモリを適用したくないときは、<対訳エディタ>の「翻訳環 境名」を「一般」に戻します。
ここで作成した「メモリ一致率70%」の翻訳環境が不要な場合は、翻訳環境を削除 してください。
(1)
(2)
(3)
翻訳メモリの使用例
2
導入編 始めようATLAS
翻訳メモリデータと一致するもの ( 青色 / オレンジ色 ) が少なかった場合は、一致率を低くして 調節します。また、一致率ごとに「翻訳環境名」をつけておくと、簡単に適用結果を変える ことができ便利です。
「あいまい一致」の結果を示す括弧記号や、「一致率」の%表示を表示しないように翻訳環境 設定で設定できます。また、「100%一致」や「自動翻訳」の結果を括弧でくくるように設 定したり、括弧の種類などを変更したりすることもできます。詳細については、オンライン ヘルプをご覧ください。
文中の一部が翻訳メモリデータと一致した場合は、「100%一致」でなくても「あいまい一 致」の表示 ( オレンジ色や一致率の表示 ) はされず、一部のみ翻訳メモリが適用されて翻訳 されます。一致してない残りの文は自動翻訳されます。なお、[訳文]セルの文字は黒色で表 示されます。
・ 例
登録されている翻訳メモリデータ
[ 原文 ] 志願者は本人自身で申し込むことになっています。
[ 訳文 ] Applicants are requested to apply in person.
次の文を翻訳する
[ 原文 ] 書類に書き込んだ後に、志願者は本人自身で申し込むことになっています。
[ 訳文 ] Applicants are requested to apply in person after filling out the form.
※下線部分は、翻訳メモリデータと一致したため適用されます。
古いバージョンの<訳例登録>で登録した訳例は、そのまま翻訳メモリデータとしてお使い になれます。パターンを含む訳例登録の扱いについては、『ユーザーズガイド』の「固有名詞 や日時などを変数として登録する[変数付き翻訳メモリ登録]」(⇒ P.173)をご覧くださ い。
翻訳メモリデータは、利用者辞書に登録されます。複数の利用者辞書をお使いの場合は、翻 訳環境で最優先になっている利用者辞書 ( 更新辞書 ) に登録されます。ただし、適用される 翻訳メモリデータは、利用中のすべての利用者辞書が対象になります。利用者辞書について の詳細は、『ユーザーズガイド』の「9.1 辞書とは」(⇒ P.100)をご覧ください。