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緑肥による土作り

ドキュメント内 第1章 有機農産物の生産の概要 (ページ 40-43)

第 2 章 有機農産物の生産と管理の詳細

第1節 生産の原則 ―有機 JAS 規格第 2 条を中心にして―

2. 有機栽培のための土作り

2.4 緑肥による土作り

栽培の後作や間作、休閑地などに緑肥作物を栽培し、得られた作物体を有機物として畑に鋤き込む 方法が、緑肥による土作りである。ここでは、土壌の物理性・化学性・生物性その他の目的で効果の ある作物を例にあげる。

効果 主な緑肥作物

物 理 性

団粒形成 トウモロコシ、ライムギ、エンバク、ソルゴー、

イタリアンライグラス

透水性の改善 アカクローバー、シロカラシ、セスバニア

化 学 性

保肥力の増大 ソルゴー、トウモロコシ、エンバク、ライムギ クリーニングクロップ シロカラシ、ギニアグラス、イタリアンライグラス 空中窒素の固定 マメ科作物

生 物 性

土壌微生物相の富化 マメ科作物、イネ科作物

土壌病害の軽減 マメ科とイネ科の組み合わせ、ヒマワリ

有害センチュウの抑制 エンバク、ギニアグラス、クロタラリア、マリーゴールド 環

境 保 全

景観美化 シロカラシ、クローバー、レンゲ、クロタラリア、ファセリア、

アンジェリア

防風・敷きワラ ライムギ、エンバク、コムギ、ソルゴー

(新版図集、野菜栽培の基礎知識より)

2.5 有機物施用の注意点

有機物がいくら有用な資材であるといっても、むやみに施用すると弊害が発生する。有機物の種類 によって土壌改良効果が高いものや肥料的効果が高いものなどがあり、各有機物の特性を十分に理解 すると共に、土壌分析などを実施することにより有機ほ場の化学的・物理的・生物的特徴を認識した 上で、ほ場投入物の種類や量や投入時期の検討をする必要がある。

2.5.1 堆肥と厩肥

元来「堆肥」とは、わらなど収穫物残さの植物質を腐熟させたものをいう。このため、堆肥の主成 分は腐植であり、土壌の団粒構造促進など土壌改良効果を主目的として施用することとなる。したが って、肥料分を補うことが主ではない。

一方「厩肥」は、家畜や家禽排泄物を敷料とともに腐熟させたものをいい、原料や発酵分解度合い により成分が違ってくるが、堆肥に比べ肥料効果が高く養分補給目的に利用される。

本来「堆肥」と「厩肥」は別物であったが、時代と共に「堆厩肥」が堆肥となり、現在では「厩肥」

=「堆肥」という用語の使い方が一般的になっている。

厩肥にも長時間腐熟されたもので炭素量と炭素率(C/N比)が低い堆肥同様のものもある。一方で 完熟とうたいながら発酵分解が不十分で、乾燥させただけのものも見受けられる。未完熟の厩肥をほ 場に投入した場合には、過剰な窒素分が土壌中でガス化して生育障害を発生させたり、病害虫を誘発 させたり、発酵が不十分なため雑草の種子や害虫の卵や幼虫が残存し投入したほ場で増殖したりする こともあり十分な注意が必要である。また、家畜家禽の飼育管理上用いられる抗生物質など難分解性 物質の残留などを考えると、有機の基準への適合・不適合を論ずる以前に、自分のほ場を守るという 観点から考えても、「厩肥」の選別とほ場への投入量や投入のタイミングには注意が必要である。

2.5.2 バーク堆肥

植物質を腐熟させる堆肥のなかで、バーク堆肥の場合は注意が必要である。

バーク堆肥は広葉樹や針葉樹の樹皮に鶏糞、硫安、尿素を添加して好気性発酵させたもので、一般

的に針葉樹原料が多く難分解性のリグニンなどが多く含まれているため分解速度が遅く、販売されて いる製品の炭素率(C/N比)は35以下が主流である。土壌肥沃度の早期改善のためには炭素率(C/N 比)20以下、出来れば10以下が望ましいと言われている。

バーク堆肥を連用又は多量投入した場合、土壌はフカフカになったように感じるが、土壌表層部に 未分解のバーク残さが堆積し土壌中の炭素率が上昇するため、肥料分を投入してもバーク残さの分解 に窒素分が利用され、作物に養分が行かず窒素飢餓により枯れてしまったりする。したがって、バー ク堆肥をほ場投入する場合はC/N比や累積投入量にも注意が必要である。

また、バーク堆肥の製造過程において発酵促進の為に硫安や尿素等の化学的に合成された物質が利 用されたもの、及び原料木材について化学処理のされたものは有機JAS規格では使用できないので使 用する際には製造過程の確認が必要である。

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