第5章 総合考察および結論
20.5 士9.7
761 105.9
192::!::25.5
73.8 306.1
5.4
5.0::!::0.19
サイラトロ.
193.1
220士23.0
5.9 1)古河:全窒素.
2)TA:総酸.
3) * :草種間に有意差有り(p<0.05) .
4)ギニアグラス, グリーンパニック, 青刈ヒエ, パヒアグラス,
290.5
lHCml 最高値
最高値
の平均値は, その他の暖地型牧草よ り有 意に低い値を示したが(p<
0.05) , 一般に良 質なサイレー ジの基準とさ れる4.2よりはやや 高い値と なった. 第4章第2節においては, サイレージ貯蔵中にお けるpHの経時
的変化を測定した. その結果を図5-1 に示した. グルコース添加処理に よってサイラトロサイレージのpHは, 貯蔵3日目に貯蔵40日目とほぼ同 じ値にまで低下したのに対し, ファジービーンサイレージでは貯蔵3日目 から11日目にかけてもpH 低下は続き, ファジービーンサイレージにおい ては, 貯蔵最終日と同じレベルまでのpH低下は遅い特徴が示された.
3.3 . 蛋 白質分解
本研究で得ら れたファジービーンサイレージ の揮発性塩基態窒素比率 の平均値は, その他の暖地型牧草より有意に低い値を示し(p<0.05)
一般に良質なサイレージの基準 とされる 100g /kgTNよりも低い値を示し た. 第3章第2 節においては蛋白質分解 について検討し, ファジービー ンサイレージの 蛋白質分解率は青刈ヒエとほぼ同じでバヒアグラスより 有意に高い値を示した(p<0.05) . 蛋白質分解は, 乾物率の増加, pHの 低下にともない抑制され ることから, 第3章第2節においては, 乾物率 の 低さが, ファジービー ンサイレージにおける蛋白質分解率の 高さの原 因のーっと考えられた. さらに, サイレージ貯蔵中の蛋白質分解のほと んどは, 貯蔵初期に植物酵素により行われれることから(Ohshima and McDonald, 1978) , 本章3.2.のpHの項で示したようにファジービーンサ
-106-ファジーピーン区 サイラトロ区
pH
a
40 11
貯蔵日数(日) 40 3
11
貯蔵日数(日)
3.5 3
(p <0.05) .
a C *
pHの推移
平均値士標準誤差, 同一貯蔵日数の異なる文字問に有意差あり 口:無添加区,図:10g添加区, 圏: 30g添加区.
6.0
5.0
4.0
図5-1
lH()吋|
イレージ では貯蔵初期におけるpH 低下が遅いことも, その蛋白質分解率 の高さと関連すると考えられる.
第3章第2節において示した ように, ファジービーンサイレージにお いては揮発性塩 基態窒素比率が低い特徴を有するのは, 植物体蛋白質分 解産物からの揮発態塩基態窒素生成率が低いこ とによると考えられる.
揮発性塩基態窒素の生成が抑制される原因としては, 一般的に, 高乾物 率, pHの低下, 高乳酸含量などが挙げられている. しかし, ファジービー ンサイレージに おける低揮発性塩基態窒素比率の原因ついては, 本研究 で明ら かにすることができな かった. この点に関する知見は, サイレー ジにおける蛋白質の 貯蔵性を改善する 上で 有益な示唆を与えるものと考 えられること から, 今後の研究課題としたい.
3. 4. 有機酸組成
本研究で得られ たファ ジービ ーンサイレージ の乳酸含量の平均値は,
有意ではないがその他の暖地型牧草より高い値を示したが(p>0.05) , 一般に良質なサイレージの基準と される80---120 g /kg生重より かなり低 い値 であった. しかし, ファジ ービーンサイレージの乳 酸比率 の平均値 は750 g /kgTAを上回り, その他の暖地型牧草 より有意に高い 値を示した
(p<0.05 ) .
乳酸含量が良質なサイレージの基準 に達しなかったのは, 表5-1に示
-108-した水溶性炭水化物含 量(77.5g /kg生 重)が, 寒地型牧草 (79'"'-' 181 g / kg生重, McDonald et 81., 1991)と比べ少ないことによると考え, 第4章 第l節においては, グルコースを 添加 し水溶性 炭水化物 を増加させサイ
レージを調製した. この試験において, 同じ程度の水溶性炭水化物を含 有したサイラトロではグルコース添加により乳酸含量お よび乳酸比率が 有意に増加したが(p<O.05), ファジーピーン においては有意な増加は 認められなかった(p>O.05). この原因のーっとしては, このとき添加 したグルコースの一部は排汁中に溶出したり, 有機酸以外の物質に代謝 されたことが考えられるが, なお詳細な検討を必要とすると考えられた.
乳酸比率については, 第3章第l節においてファジービーン を混播し た場合, 単播の 場合と比 べ原料草の水溶性炭水化物含量がほとんど変化 しなかったギニアグラスにおいてもサイレージ の乳酸比率は有意に増加 した(p<O.05) . また, 第3章第2節においては, ファジービーンを混 合したバヒアグラスで原料草の水溶性炭水化物含量は増加しなかったが,
ファジービーン 混合割合の増加にともないサイレージの乳酸比率が増加 した. とれらの結果は, 第4章で示した, ファジービーンのサイレージ 原料草としての グルコースレベルの高さとサイレージの乳酸比率の高さ との関連を支持するものと考えられる.
-109-結論
ファジービーンは, 一般にサイレージ利用されてい る草種と比較して,
原料草として乾物率, 緩衝能および糖/蛋白比に関しては必ずしも優れて いるとはいえないが 細胞壁成分含量は少ない と考えられる.
ファジービーンの水溶性炭水化物含量は, ファジービーン以外の暖地 型マメ科牧草より多い特徴を示した. ファジービーンの単糖類の組成は,
暖地型イネ科牧草およびファジービーン以外の暖地型 マメ科牧草と比較 した場合 に, グルコースの割合が高い特徴が示された.
ファジービーンの粗蛋白質含量および乾物消失量は暖地型イネ科牧草 のそれら より大きく 一般的な 暖地型マメ科牧草と同じレベルであり,
その導入による暖地型イネ科牧草の栄養価の改善が可能であると考えら れる.
ファジービーンサイレージは乾物率が低く, pHや乳酸含量につい ては 一般的に良質なサイレージの基準とされる値に達しなかったが, 揮発性 塩基態窒素比率および乳酸比率はその基準に達した.
-11 0