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行った。その結果RMS誤差が約24%となった。そのため約24%の誤差の範囲内であるなら ば、鉄筋径、かぶり、弾性係数が既知であれば加振レーダ計測における振動変位が推測可能 である可能性が示唆された。これにより本研究の目的である、振動変位と弾性係数の依存性 を確認でき、一点の加振レーダ計測から健全供試体の基準となる振動変位が算出可能とな り劣化評価を行える可能性を示唆できた。

7-2 今後の課題

加振レーダ法を用いて、実験的に算出される鉄筋振動変位と、コンクリートの弾性係数の 関係性を確認した。また、FEM 解析を用いて鉄筋変位量と弾性係数の関係を確認した。上 記より生じた課題は以下の通りである。

・ 鉄筋とコンクリートの変位拘束条件の確認

本論文では、かぶり、鉄筋径、弾性係数と振動変位の関係性について検討を行った。し かし、FEM解析にでは実際の弾性係数の1000分の1程度で正弦的な変位を確認することが できた。これは鉄筋の弾性係数に対してコンクリート部分の弾性係数が高く変位拘束が強 くなっていることが原因であることが考えられる。変位拘束の条件を様々なパターンで変 化させ解析を行うことで、実際の弾性係数においても実計測のような振動変位が算出され るように検討していく必要がある。

・ RC供試体での計測の精度の向上

第 6 章中 RC 供試体における加振レーダ計測の結果の内計測不良のものが何点か存在し た。それを解決するためには計測の側線数を増やし、平均を取ることにより改善されるもの と考えられる。

・ かぶり、鉄筋径、弾性係数が既知である健全供試体の振動変位の基準値の算出

本論文では、求めたRMS誤差の範囲内であるならば、既知であるパラメータから振動変 位を算出可能であり、振動変位と弾性係数の依存性を確認できた。本論文の目的である加振 レーダ計測から計測対象の劣化評価のために一点での加振レーダ計測からの振動変位の基 準値を求める手法の妥当性について検討していく必要がある。

参考文献

【1】碓氷淳,” 励磁コイル加振によるコンクリート内配線のドップラ映像系に関する基礎 的研究”,平成 27 年度群馬大学修士論文

【2】本多秀聡,” 加振レーダ法による RC 構造物内鉄筋腐食評価の基礎的研究”,平成 29 年度群馬大学修士論文

【3】堀内亮太,” 加振レーダを用いたイメージングによる鉄筋部位の高精度振動変位推 定”, 第 18 回コンクリート構造物の補修、補強、アップグレード論文報告集

【4】飯野和樹,”加振レーダ法による鉄筋振動変位を用いたコンクリート弾性係数推定に 関する研究”,平成 30 年度群馬大学修士論文

謝辞

本研究を行うにあたり基礎から応用にわたる丁寧なご指導、ご協力を賜りました群馬大 学大学院理工学府電子情報部門、三輪 空司 准教授に心より感謝申し上げます。

本研究をまとめるにあたり、群馬大学大学院理工学府電子情報部門 山越 芳樹教授、本島 邦行教授から懇切丁寧なご指導、ご協力を賜りました。深く感謝申し上げます。

本研究を進める上で、供試体の打設にご協力いただきました群馬大学理工学府環境創生 部門 小澤 満津雄 准教授、赤坂 春風 氏に心より感謝申し上げます。

本研究を進める上で、供試体の打設にご協力いただきました丸栄コンクリート株式会社 阪口 裕紀様に心より感謝申し上げます。

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