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結論と示唆点

本稿では,最近の日本港湾の外貿コンテナ物流において韓国の釜山港をT/S港として利用 する傾向が強いという,いわば「日本港湾の釜山港フィーダー航路化」が顕著になった現 象を,日韓両国の官庁統計を併用することによって実証した。得られた主な分析結果は以 下のとおりである。

Ÿ 博多港が,輸出入ともに全国で最も多い外貿コンテナ貨物を釜山港で処理,

Ÿ 北九州港の外貿コンテナ貨物量は博多港の約半分,下関港は博多港の約1/6程度,

Ÿ 釜山港利用の年平均伸び率(2000~2014年の14年間)で,北九州港は輸出13.3%,輸入

7.7%,博多港は同順8.5%,6.4%,下関港は同順-11.3%,-0.3%のマイナス伸び率,

Ÿ 北九州港の釜山港利用輸出傾向の伸び率が顕著,下関港はほとんどローカル貨物,

Ÿ 日韓間の貿易不均衡などによるローカルコンテナ貨物の空コンテナ率が大きい,

Ÿ 国際コンテナ戦略港湾(京浜港と阪神港)の外貿コンテナ貨物が釜山港で積み替えられ る傾向を検出,14年間の年平均伸び率でほとんどの戦略港湾が10%以上,

Ÿ 港湾政策が施行された2010年以降も釜山港処理コンテナ貨物量は平然と増加

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などの結果を得ているが,日本港湾の競争力を付けて釜山港に競り勝つという国際コンテ ナ戦略港湾政策の趣旨から見れば,実に悲観的な結果となっている。しかし,目線を少し 変えて見れば新しい展開が待っている場合が多い。もう釜山港と競争する施策ではなく,

グローバルな視点から釜山港を活用する物流政策を講じることも可能であり,韓国と地理 的有利点を持つ九州地域港湾を中心とした新しい物流ビジネスの展開も魅力的である。そ の詳しい内容については第2章および第3章を参考されたい。

38 参考文献

[1] 韓国関税貿易開発院「輸出入物流統計年報」,各年号

[2] 釜山発展研究院「港湾・空港物流統計集」2008~2013各年度版

[3] 国土交通省港湾局「平成20年度全国輸出入コンテナ貨物流動調査 調査結果」,平成21 年3月

[4] 国土交通省日本海側拠点港の形成に関する検討委員会「日本海側港湾のあるべき姿」

平成23年6月

[5] 一般社団法人日本物流団体連合会(2013)「数字でみる物流2013」

[6] 社団法人 日本港湾協会(2013)「数字でみる港湾2013」,国土交通省監修 [7] オーシャン コマース(2013)「2014年度版 国際輸送ハンドブック」

[8] 一般財団法人 港湾近代化促進協議会「外貿コンテナ取扱個数及び貨物量 http://www.kinsokukyo.or.jp/pdf/kontena.pdf

[9] 北九州港統計・データ集 http://www.kitaqport.or.jp/jap/data/report_ym.html

[10] 国土交通省「日本海側港湾の機能別拠点化」,

http://www.mlit.go.jp/kowan/kowan_tk4_000016.html [11] 韓国関税庁「輸出入貿易統計」

http://customs.go.kr/kcsweb/user.tdf?a=user.statsIndex.StatsIndexApp&bid=PA012DM&npp=4

&len=18

[12] 韓国海洋水産部海運港湾物流情報センター「SP-IDC(Shipping and Port Integrated Data Center)」

https://www.spidc.go.kr:10443/websquare/websquare.html?w2xPath=/squ/com/main/frtMain.x ml

[13] 韓国関税貿易開発院貿易統計サービス「TRASS(Trade Statistics Service)」 http://trass.kctdi.or.kr/service/pub/IntroServlet

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日韓物流ビジネスの活性化方案

金 栗聖

(釜山発展研究院)

韓 成一

(国際東アジア研究センター)

要旨

昨今の企業の生産体系の地理的分散および拡大による国際分業化とグローバルな SCM

(Supply Chain Management)システムへの拡張は,物流産業分野の高度成長をもたらしてき た。代表的なグローバルSCM拡張地域は北東アジアであり,その中心に日本と韓国が位置 している。

日本と韓国は,経済成長と貿易の面で互いに重要なパートナーシップの関係にあり,活 発な貿易活動が行われているため,数多くの物流ビジネスのチャンスが潜在している。し かし,現在の日本と韓国間の物流ビジネス状況を眺めると,輸送と保管などの面において 多様な高付加価値物流活動が実現されているとは言えない。

そこで本研究では,日韓物流ビジネスの活性化方案を考察するために,グローバルな物 流環境の変化に伴う代表的なグローバルSCM連携輸送の事例と,釜山新港の背後敷地に入 居している企業の物流ビジネスモデルの事例について考察する。また,実際の日韓間高付 加価値物流ビジネスの事例を分析することによって,日韓物流ビジネスの活性化方案につ いて提案する。

キーワード: Global Supply Chain Management,高付加価値物流ビジネスモデル,

日韓物流ビジネスの活性化,物流センター

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