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結言

ドキュメント内 Masaaki YAMADA (ページ 40-51)

111  キ ー

2.3.4  結言

木材 とAA tt PVAの相互作用 を検討す るため、

PVAの AA化

度 、

pMDI添

力日量 の条件 を変 えて 作製 した フィル ム と複合体 の動的粘弾性 を測定 し、動的粘 弾性 の E"ピ ー クのシフ ト幅、非相溶系 高分子 において成立す る複合則 か らAA tt PVAと木材 との相互作用 について検討 した結果 、以下 の ことが明 らか となった。

1)フ

ィル ムの損失弾性率

E"は

一般PVA、 AA tt PVAと もにpMDI添力日量 の増大 に伴い ピー ク温度 が高温側 にシフ トした。

2)複

合体 の損失弾性 率

E" 

の高温側へ のシフ トはAA tt PVAの 方 が一般PVAに比べて、pMDI添 加 系、未添力日系 ともに大 きかった。

3)フ

ィル ムに比べ複合体 の損失弾性率

E"は

高温側 に大 き くシフ トした。

4)複

合体 の

E"の

高温側へ のシフ トは、被着材 固体 の表 面が近傍 の接着剤 ポ リマー に分子 間力 を及 ば し、 このために分子鎖セ グメン トの ミクロブ ラウン運動 が拘束 され るため と考 え られ る。

複合則 に よ りこの事実 を検証 した ところ、木材 と接着剤 ポ リマー との間に相互作用 が存在す るこ とが確認 され た。

5)AA tt PVAの 方が一般PVAに比べて △Tgが大きくなった。 この理由として、

AA基

は分散̀性に 優れ pMDIと の結合が促進 され るため、分子運動可能なセグメン トが減少 したことが考 えられ る。

活性化エネルギーを比較 した場合 もAA tt PVAの 方が一般 PVAよ り値が大きくな り、この結果 を支 持す ることになった。

‑40‑―

3章

 AA tt PVA水 溶液のpMDI分散特性 と木材接着性能

3.1節

 PVA水

溶液 中におけるイ ソシアネー ト化合物の分散特性 に関す るAA化の効果

3.1。

は じめに

PVAは

側鎖 に水酸基 を有す る鎖状高分子 で、化学工業 において様 々な用途 に使用 されてい る。

一般 的なPVAはその側鎖 に水酸基 と酢酸基 を合 わせ持つが、酢酸基 を水酸基 に置換す る程度 の指 標 であるケ ン化度 に よ り主 として部分ケ ン化 、 中間ケ ン化 、完全 ケ ン化 に分類 され る。一方、最 近 では変性 PVAと して側鎖 の一部 にアセ トアセチル (AA)基 を導入 したAA tt PVAが 登場 し、水系 エマル ジ ョン接着剤 の保護 コロイ ドとして、また水性高分子一イ ソシアネー ト接着剤 (API)の主 剤成分 としてその利用が期待 されてい る。2。 1節では水溶液 中での pMDIと の反応や木材接着性能 な どを部分ケ ン化一般 PVAと 比較 した結果 、PVA水溶液 中お よび フイル ム中の

NCO基

の消費 は、

ともに AA tt PVAを 用いた方 が一般 PVAよ りも速 い こと、pMDIを添力日して作製 したフイル ムの動 的粘 弾性 によ り、AA tt PVAの方 が一般 PVAよ りも架橋密度 が大 きい こ と、pMDIの 添力日お よび120℃

の加温養生 によって、AA tt PVAは 高い耐水接着性能 を有す るこ とな どが明 らかになった。これ ら の結果 よ り、

AA基

の優れた反応性 が裏付 け られた とともに、架橋剤 として添力日した pMDIを PVA 水溶液 中で分散 させ る能力 が接着剤 の弾性率や木材接着性能 に大 き く影響 を与 えてい ることが推 察 され た。

そ こで、本研 究ではPVAの重合度 、疎水基量、疎水基 の分布状態 を示す ブ ロ ックキャラクター 等 の条件 を変 えた一般 PVAおよび AA tt PVAを 用 いて、PVA水溶液 の表面張力お よびPVA水溶液一

ノルマルヘ キサ ン (以下ヘ キサ ン

)の

界面張力 を測定 し界面活性能 を評価す る一方 、

PVA水

溶液 に油状成分であるpMDIを投入 した際の分散性試験や

NCO基

消費 の経 時変化 の測定 を行 い、

AA化

PVAの有す るpMDI分散性 について検討 した。

3。 1.2実 験方法

(a)供

試材料

①供試 PVAと 物性 の測定

本実験 で使用 した

8種

類 のPVAを Table 3。 1。 1に 示す。重合度 を2600、 1100の

2種

類 とし、一 般 に行 われ るアル カ リケ ン化 によ り疎水基 の分布 をブ ロック状 とした PVA(26‑B、 11‑B)と、一 旦完全 ケ ン化 した後、再酢化 を行 つて意図的にブ ロック性 を低下 させ た (ランダムに近い状態)

一 般 PVA(26‑R、 11‑R)およびAA tt PVAを 用 い た 。AA tt PVAに は変 性 量 の 異 な るA‑5、 A‑6、 A‑8 お よび A‑10を用 い た 。

Table 3. 1 . 1 Properties of PVA

PⅥ A∝t富

霊 「Ю

up A留

ぉ り

HydЮ

盤堀

gmp Hyd認

o叩 ch胤:rη P。

標陽 鳳

n

26‐R     0

26ぃB     0

84.5         0.75         2600 83.6         0.47         2600

11‐R     0 7.1 7.1 92.9 0.79 1100

11‐B      0         8。 4         8.4      91.6       0.47       1100

15.5 16.4

15.5 16.4

A‑5     4.9

A‐6     6。1 A‐8     7.9 A‑10     1o.2

0.5 0.5 0.5 0.5

5.4 6.6

8。4 10.7

94.6 93.4 91.6

89。3

0,79 0.81

0。68

0.67

1100 1100 1100 1100

ブ ロ ックキャラクターの測定

PVA中

の 疎 水 基 の 分 布 状 態 を 知 る 指 標 と し て 、 一 般 の 二 元 重 合 体 で 用 い られ る ブ ロ ッ ク キ ャ ラ ク タ ー η を 13c̲NMR測

定 結 果 よ り算 出 し た 6の。 ブ ロ ッ ク キ ャ ラ ク タ ー は 、 一 般 PVA(26‑B、 26‑R、

11‑B、 11‑R)につ い て は 酢 酸 (Ac)基の み の 値 、AA tt PVA(A‑6、

A‑10)に

つ い て は 完 全 ケ ン 化 物 の た め

AA基

の み の 値 と し た 。13c̲NMRに よ りPVA中に 存 在 す る (OH,OH)、 (OH,OR)、 (OR,OR) の二単位連鎖構造 (dyad)の吸収強度比 を測定 し、以下の①式 よ りηを算 出 した。 ただ し

ORは

0‑Ac基または0‑AA基を示す。

(OH,OR)

η

=   

° ①

OR)

ここで、(OH)はケ ン化度、(OR)は疎水基量 (Acの 場合 は残酢酸基量、AAの場合 は

AA基

の変

性 量

)を

示 し、(OH)、 (OR)、

(OH,OR)は

ともに分率 を用いて計算 した。

PVA水溶液 の調製

Table 3。 1.1に 示す

PVA(粉

末状

)と

蒸留水 を ビーカー に取 り、80℃の湯浴 中で約 1時間、プ ロ ペ ラで撹拌 しなが ら溶解 した。水溶液濃度 は15%と した。5%、 10%の水溶液 を作製す る場合 は15%

水溶液 に蒸留水 を加 えて調製 した。なお、AA tt PVA水溶液 は作製後 1週 間以 内に実験 に使用 した。

PVA水溶 液 の粘 度 測 定

各 PVAの 5%水 溶 液 を使 用 した。測 定 には

B型

粘 度 計(BROCKFIELD社)を 用 い 、ス ピン ドル はPVA 水溶 液 のお よそ の粘 度 に合 わせ て 1および 2を使 用 し、回転数 は60、 90 rpmで行 った。 なお 、測 定 は 25℃ の恒 温水槽 中で行 つた。

PVA水溶 液 の表 面 張力 お よびPVA水溶 液 一ヘ キサ ンの界 面 張力 の測 定

供試 PVAと して 11‑B、 11‑Rお よびA‑10を用 い た。 円環 法 に よ り、PVA水溶 液 の表 面 張力 お よ

び界 面 張力 を測 定 した。円環 は メ タ ノール 、超 純 水 で十 分 に洗浄 した 白金 リング(重:0。 1505g、

リング外径 :12。 00mm、 内径 :11。

40mm)を

使 用 した。 測 定 の際 はPVA水溶 液 を 10 6〜lwt%と な る よ うに超 純水 で希釈 し、試 料溶 液

7種

類 を調 整 した。 測 定 は これ らの溶 液 の液 面 に 白金 リングを 平行 につ け、DCA20(Orientec(株

))を

用 い て速 度 10mm/minで垂 直 に引 き上 げて行 つた。 リン グ を引 き上 げ る と リング内 にで きた液 膜 はそ の周 囲 に沿 って働 く表 面 張力 に よ り引 き上 げ る力 に抵 抗 し、 そ の後液 膜 が切 れ る。 そ の瞬 間 にお け る液 体 の表 面 張力(/)は次 の② 式 で求 め られ る。

/=

[2(R+r)]

F:液

膜 が切 れ た瞬 間 の最 大 点荷 重

R:リ

ングの外 半径 r:リ ングの 内半径

界 面 張力 の測 定 も同様 に 円環 法 に よ り測 定 した。 測 定 に は極 めて表 面 張力 が低 い油状成 分 で あ

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るヘ キサ ン (和(株

))を

使用 した。上層 にヘ キサ ン、下層 にPVA水溶液 が存在す る両者 の界面 を速度 10mm/minで 円環 を垂直 に引き上 げて測定 した。ただ し、この測定で求 める最大点荷重であ る

Fは

リングが上相 にヘ キサ ン、下相 にPVA水溶液 が存在す る二相分離 した液体 の液/液 界面 を通 過す る瞬間の荷重 とした。

②pMDIと 配合条件

pMDIには第

2章

と同様 の ものを使用 した。PVA水溶液 にpMDIを配合す る際のpMDI添加 比 も第

2章

同様 、pMDI中のNCO基 とPVA中の

OH基

(AA基 も含 む)と の比で表 わ し、

NCO/OH(AA)=0(未

添力日

)お

よび 0.2と した。配合時には撹拌状態 を統一す るために、最 も撹拌 し難 いPVA水溶液 と pMDIが 十分 に混合 した と考 え られ る撹拌数である200回 転 を一部の測定を除いて全てのサンプル

において採用 した。

(b)分

散性試験

供試

PVAは

26‑B、 26‑R、 11‑B、  11‑R、 A‑6と し、水溶液濃度 は 5%、 10%、 15%、

pMDI添

加 比 は 0.2と した。PVA水溶液 200gをビーカー に取 りpMDIを添加 した。測定 には乳化性評価装置 M100

(LASENTEC社

)を

用いた。M100のセ ンサープ ローブ を試料流体 中に挿入 し、マ グネチ ックスター ラーで撹拌 開始 と同時に測定 を開始 した。測定は波長 780nm、 出力 3.OmW以 下で、

 12.8秒

または 24.75秒ご とに行 つた。 なお、セ ンサープ ローブは毎回同 じ位置 となるよ うに、水面下30mm、 ビ ーカー底 よ り13111nの高 さに設置 し、マ グネチ ックスター ラーの回転 目盛 りは全 て同一 とした。

(c)NCO基

消費 の経時変化 の測定

PVAと して 26‑B、 26‑R、 11‑B、 11‑R、

A‑6を

用いた。

PVA15%水

溶液 に添力日比 0。2と な るよ う pMDIを加 えた。 これ らをテ フロンシー ト上 に約3g取 り精秤 した。恒温恒湿室(20℃、65%RH)に て 所定時間放置後、残存NCO基の定量 をジブチル ア ミン塩酸法 30を 用 いて行 った。測定は1条件 に つ き

2回

行 い、

0時

間後 の値 を100%と して相対的なNCO基の残存量 を測定 した。なお、A‑6につい てはPVA水溶液 とpMDIの撹拌状態 を変化 させ るため 100回 、200回、300回と撹拌 回数 を変化 さ せ た測定 も行 った。

3。

1.3 

結果お よび考察

(a)PVAの

ブ ロックキャラクターお よび水溶液 の粘度

部分 ケ ン化PVAは一種 の ビニル アル コール ー酢酸 ビニル共重合体 と考 え られ、またポ リ酢酸 ビ ニル のケン化反応 は反応過程で生成 した水酸基の触媒吸着 によ り、隣接す る酢酸基がケン化 され やす くな る隣接効果 で顕著 に加 速 され る6つ。ょって部分 ケ ン化PVAでは ビニル アル コール単位 と 酢酸 ビニル単位 とが分子鎖 に沿 ってブ ロック状 に分布す る6めのが一般 的である。共重合体 中の連 鎖分布測 定法 には様 々な ものがあるが、本研 究では酢酸基 の連鎖分布 が直接測定で きる 13c̲NMR 法 を用 いた。①式か らブ ロックキャラクター ηを求 めた結果 をTable 3。 1。 1に 示す。 なお、 ηは

0か

ら 2ま での値 を取 り得 るが、連鎖分布 との関係 は、0≦ η

<1で

はブ ロック的、 η=1では ラン

ダム、1<η ≦

2で

は交互性 である。今 回の測定では ηは全 て1以下であ り、この値 が 1に 近づ く ほ ど疎水基 のブ ロック性 が低 下す るこ とを示す60

Table 3。 1。

1の

ブ ロックキャラクター を見 ると、アル カ リケ ン化 で製造 した一般

PVAは

ηの値

が小 さく、疎水基 がブ ロ ック状 に分布 してい るこ とがわか る。一方、再酢化 によ り作製 した

2種

(26‑R、

11‑R)は

ηが1に近 く、疎水基 のブ ロック性 が低 下 してい る。 また AA tt PVAは η値 が

0。 67〜0。 81であ り、

AA基

の存在状態 はブ ロック性 が一般PVAに比べ て低い ことがわか る。

Table 3。 1.2に 示す粘度 については、重合度 の大 きな26‑B、 26‑Rが重合度 1100の 各 PVAよ り も高い値 を示 した。重合度 2600同 士 の比較 では、疎水基 のブ ロック性 が高い 26‑Bの 方 が、ブ ロ ック性 の低 い 26‑Rよ りも粘度 が高かつた。一般 にPVAの疎水基分布 がブ ロ ック状 で あるほ ど粘度 が上昇す ると言 われてい る4①。 なお、重合度 1100の PVAについては疎水基や ブ ロックキャラク ターが同程度 の場合 、AA tt PVAの 方 が一般 PVAよ りも低 い粘度 を示 した。

Table

3.1.2

Viscosity of 5% PVA aqueous solutions

PVA 宙scosity(cP) rpm spindle No,

26‑R 26‑B

A‑6

A…8

50.0 82.9

90       2 60       2

90       1 90       1 11"R      17.7       60       1

11‑B 90       1

A‑5      21.6       90       1

31。 1

17.9 14.9

(b)PVA水

溶液 の表面張力お よびPVA水溶液一ヘ キサ ンの界面張力

PVA水

溶液 の界面活性能 を評価す るためには、表面張力や界面張力 を測定す るこ とが有効 であ る。そ こで各種PVA水溶液 の表面張力 を測定 した結果 をFig。 3.1。 1に 示す。なお、20℃の水 の表 面張力 は 72.75mN/mで あ る6"。全 てのPVAにおいて水溶液濃度 が高 くな る と表面張力 が低 下 した。

また A‑10と 11‑Bは 水溶液濃度 が高 くなる と表面張力 の低下が大 き く、11‑Rに 比べて低い表面張 力 を示 した。林 ら6の はヶ ン化度お よび酢酸基分布 の異 な るPVAの保護 コロイ ド作用 について、疎 水基 で ある残存酢酸基 が よ リブ ロック状 に分布 してい るよ うな部分 ケ ン化物 ほ ど、表面張力 を低 下 させ る界面活性能 が高い と結論 してい る。一般 PVA 2種 のブ ロックキャラクター を比較す る と 11‑Bは 0。 47、 11‑Rは 0。 79である。 したがつて酢酸基がブ ロック状 に存在 してい る 11‑Bは 11‑R

と比べ て界面活性能 が高い と考 え られ 、本研 究 において も同様 の結果 が得 られた。一方、A‑10(η

O。

67)と

11‑Bと を比較す ると、A‑10はブ ロ ックキャラクターが大 きい にも関わ らず 、 この水溶 液 の表面張力 は大 き く低 下 し 11‑Bと 同程度 の値 を示 した。前述 した よ うに表面張力 を低 下 させ る 要 因は、重合度 が同程度 の場合 、主 にブ ロックキャラクター と疎水基量であ る。 tt PVAに おいて 疎水基量 はA‑10が多い反面、ブ ロックキャラクター は 11‑Bが 小 さい。 よつて、 これ らが相殺 さ れ てほぼ同程度 の界面活性能 を示 した もの と考 え られ る。

一般 に、界面活性能 は表面張力沢J定のみで判 断 され るこ とが多い。 しか し、乳化重合 に用い る 界面活性剤 の場合 、実際の重合対象 との界面張力 を どの程度 まで低 下 させ るこ とがで きるのか を

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