111 キ ー
3.2.2 実験方法
(a)供
試材料本実験 では前節 で使用 した
PⅥ
の うち、重合度 2600の 26‑R、 26‑Bおよび 同 1100の 11̲R、H―B、 A‑6を使用 した。
PvA水
溶液 の調製方法、配合条件 は前報 と同様 である。(b)動
的粘弾性 の測定各PVAの 15%水溶液 を使用 した。
pMDI添
力日比 はNCO/OH=0、 0。2、 0。5、 1と した。配合 した溶 液 をテ フロン板 上 にキャス トし、約24時
間恒温恒湿室(20℃、65%RII)に て放置 した。これ らを約5×30(mm)に カ ッ トし、120℃の乾燥機 中に
2時
間放置 して加 温処理 を行 つた。 その後 、常温 で2 日間以上減圧 乾燥 し動的粘弾性 を測定 した。測定 は
DVA‑225型
(アイテ ィー計測制御 閉)を
用いて、測定周波数 10Hz、 昇温速度約3℃ /min で行 つた。 なお、測定 中は試料 の吸湿 を防 ぐため、乾燥空気 を流入 した。(c)木
材接着試験接着斉Jと して26‑R、 26‑B、 11‑B、 11‑R、 A‑6の 15%水溶液 を使用 し、
pMDI添
力日比 はNCO/OH=0、0.2、 0。5、 1と した。供試材 として 80× 24×5(mm)の カバ材 (βθ′夕Jα
協源 θ″J%Jα4α
MGEL、
平均気乾密度0.70、 含水率
9%)を
使用 した。24× 15(mm)の 接着面 に接着剤 を 280‑300(g/ピ)と な るよ うに両面塗布 し、引張 りせ ん断型 シングル ラ ップ試験片 を作製 した。圧締圧力 は約lMPaと
した。20℃・65%RIIの恒温恒湿室で約24時
間圧締後 、120℃02時
間の加 温処理 を施 し、前述 の 恒温恒湿室 にて 1週 間以上調湿 した。接着試験 は常態お よび 20℃ 室温水 1日 浸せ き処理 の
2条
件 とした。 テ ンシ ロン/STM…F‑1000P(東洋 ボール ドウィン製)を用いて引張 りせ ん断試験 を行 い、接着 強 さお よび木破 率 を測定 した。
なお、クロスヘ ッ ドス ピー ドは10mゴminと し、試験片 は各条件 につ き
5片
ずつ とした。3。
2.3
結果 と考察(a)接
着斉Jフ ィル ムの動 的粘弾性重合度 1100の 各
RAフ
イル ムの動 的粘 弾性 をFig.3。2.1に 示す。一般RAで
ある11‑R、 11‑B は損失弾性率E"の
ピー クがそれぞれ 75.2℃、74.1℃ とほぼ同温度域 に出現 した。 また、高温域 での貯蔵弾性率E'の
低 下は 11‑Rの 方 が若干大 きい ものの、両PVAと
も類似 の粘 弾性挙動 を示 した。一方、AA tt PVAで
あるA‑6は
、E"ピ
ー クが一般RA2種
に比べ て低 い68。1℃に現れた。また、
pMDI未
添力日にも関わ らず 200℃ 以上の温度域 においてE'に
ゴム状平坦部が観測 された。これ らは一般 ハハ とは明 らかに異 な る現象 である。
E"ピ
ー クが低温域 に出現す るのは、側鎖 に 導入 され たAA基
が水酸基 に比べて大 き く、主鎖 の撓みやす さが大 き くな るためTgが
低温側 に 位 置す るもの72Hと 考 え られ る。また、E'に
ゴム状平坦部が観測 されたのは、AA tt PVAの 自己 架橋 に よる1つ ため と思 われ る。一‑52‑―
︵ゝ ヽ こ れ
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TettpeFature(℃}
Fig。 3。2。l Dynarnic viscoelastic properties ofPミ \flllIIs cured at 120CC fOr 2 hrs.
辮11‑R, ①ll―B, ●A‑6, ]Degrec ofpolymerization for PVA:1100
Fig.3。2。
2に pMDI添
加 比 を変化 させ て作製 した11申B、 H―R、 A‑6フイル ムのE'挙動 を示す。測定開始温度 か ら 60℃ 付近 までは どの
PVAも
E'が 109N/イオー ダー にあ リガ ラス状態であった。そ れ以上の温度 では、pMDI添
力日比 の違 いによ りE'の低 下 に差 が生 じた。す なわち、pMDI添
力日比 が高い ものほ ど高温域でのE'の低 下が抑 え られ た。 また、約 200℃ 以上の温度域で観測 され るゴ ム状平坦部のE'値
が上昇 した。 これ はpMDIの
添加 に よ りPVAに
架橋 が形成 され 、添力日比が高 くなるほ ど架橋密度 も高 くな るためである。3種
類 のPVAを
比較す る と、pMDI添
力日比が同一で あつて も高温域 での E'値 の低下傾 向が異なった。す なわち、11‑Rで は比較的E'の低 下が大 き く、また ゴム状平坦部 の値 も比較的低いのに対 して、11‑Bで は高温域でのE'の低 下がlr「ぇ られ、ゴム 状平坦部 の値 も比較的高かった。A…
6で
は更 に これ が顕著で、高温域 のE'がかな り高い値 となっ た。 ゴム状平坦部の E'値 は架橋密度 を反映 してい るため、11‑BやA‑6で
は架橋密度 が 11‑Rと 比 べて高 くなっていることが推察 され る。 ところで、pMDIは
水 と反応 してユ リア結合 な どを生成 す るこ とは周知の事実であるが、本論文ではこれ をNCO誘
導体 と称す るこ とにす る。A‑6の架橋 密度 を高 くす る理 由 として、皮膜 中に生成 され るNCO誘
導体や ポ リマー の絡み合 いの効果 が考え られ る2の が、詳細 な検討 は後述す る。
Fig.3。2.3に
pMDI添
力日比 を変化 させ て作製 した 11‑B、 H―R、 A‑6フイル ムの E"挙動 を示す。全 ての
PVAに
おいてE"ピ
ー クが60‑100℃
付近 に存在 した。 このE"ピ
ー クはPVA主
鎖 の ミク ロブ ラウン運動 によるものであ り、架橋密度が増加す るとE"ピ
ー クも高温側ヘ シフ トす る。 こ れ までに もpMDI添
力日量 の増加 に伴 い、E"ピ
ー ク温度 が高 くなることが報告 されてい る1助 が、本研 究 において も、すべての
PVAに
ついて、pMDI添
力日比 の増加 に伴いE"ピ
ー ク温度 が高温側にシフ トした。
3種
類 の ハハ を比較す る と、11‑Rで は どの添力日比 において もピー クの形状 はかな リシャープで、また添加比が増加 して もピー クの高温側へのシフ トはそれ ほ ど大 き くなかった。一方、前節 において分散性 が良好であつた
A‑6で
はpMDI添
力日比 が増加す るほ どピー クの形状が ブ ロー ドとなった。pMDI添
力日比 が増加す る と分子運動可能 な部分が減少す るため、E"ピ
ー クが 小 さく転移領域 の幅が広 が る73)。 従 らてpMDI添
加 比 が多 くな る とE"は
ブ ロー ドな ピー ク となる。
A‑6は pMDI添
力日比 が1にな る と未 添力日と比較 してE"ピ
ー クシフ ト量が全サ ンプル 中で最 も大 きい27℃ となった。 これ は 120℃の加温処理 によるAA基
とpMDIと
の架橋形成お よびAA
化
RAの
自己架橋 に起 因す るもの と思 われ る。また、AA tt PVAは
分散性 が良好 であるため、RA
側鎖 の
OH基
やAA基
がpMDIと
反応す る機会 が増加 し、架橋反応 が促進 され るこ とが考 え られ る。 なおH―Bは
E'挙動 と同様 にH―Rと
A‑6の 中間的挙動 を示 した。︵悩ヽF田
︵壌﹂F口
︷璃ゝ︶・劃
IE10志
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1露]心讐
1翼]轡象
Fig。 3.2。2 Temperal比Lre dependencc of storage IIlodulus ofpM]DI cured at 120℃ for 2 hrs.
(a)11‑R,(b)11‑B,(C)A‑6
NCO/OH=■
0、惨0.2、 oO。5、
●1。0
跡蕃 :0魯 15書 駐0参
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50 11書 :33 通◎磐 TttFTl脅自Fat覇「自f`獲 〕
⑬ 鷺参 1曇参 薔5魯 ≧囀書 T自齢臓ざ鼠t観「磨1で)
added PVA flllns
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PVへ■lms cured試 120℃ for 2 hrs.
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こ参 ヱ3 6癬 38 108 138 E倉 二参 幕癬 撃露 1嚇慇 丁寿軒 春rttt場「き{IC)
Fig。 3。2.3 Temperamre dependence ofloss lnodulus ofpM]DI added (a)11‑R,(b)11‑B,(C)A¨ 6
NCO/OH=■
0、學0。2、
議0。5、
●1
(b)架
橋密度 の考察架橋 によるガ ラス転移温度 のずれか ら、おお よその架橋密度 を算 出す ることが可能であるとい
イbl
―‑54‑一
われ 、以 下 に示 した Nielsenの 経 験 式 が あ る4o。
Tg―TgO≒ 3。9× 104× ν
.
。。
①
Tg:架
橋 した重 合 体 のE"ピ
ー ク温度TgO:架橋 を持 た ない重合 体 の
E"ピ
ー ク温度 ν:
架 橋密 度(m01/Cm3)重合度 2600および 1100の 各
PVAの pMDI添
力日比 と①式か ら算 出 した架橋密度 の関係 をFig.3。 2。
4に
示す。 いずれ のPVAで
もpMDI添
力日比 の増加 に伴い、ポ リマーの架橋密度 がほぼ比例 して増加す る傾 向がみ られた。 中で も分散性試験 において良好 な結果 を示 した26… B、 11‑B、
A‑6で
はpMDIの
添力日による架橋密度 の増大が顕著であった。 これ は、分散性 が良好 である とpMDIの
微細 な粒子が数多 く生成 され、
pMDI添
力口比 が同一 であつて も粒子 の表面積 が増大 し、PVAと
の 反応 の機会 が増加す るため と推察 され る。 さらに表面張力、吸着、ぬれ、界面電荷 な どの粒子表 面物性 の効果 に よ りPVAと
の反応性 が向上 し7υ、その結果架橋密度 が増大 した もの と考 え られ る。また、ゴム弾性理論 によ り弾性率(E')と架橋密度 の関係 が、近似 的に以下の よ うに導 かれ る4D。
E'≒
dRT/Mc≒ 3 νRT 000
②E'=ゴ
ム状平坦部 にお ける貯蔵弾性率d:密
度R:気
体定数T=絶
対温度Mc:架
橋点間分子量 ν=架
橋密度(m。1/cm3)pMDI添
力日比 と②式か ら算 出 したみかけの架橋密度 の関係 をFig.3。2。5に示す。 ゴム状平坦部 に お けるE'値
か ら算 出 した架橋密度 は、pMDI添
加 比 の増加 に伴 い指数 関数 的に増加 し、Fig。 3。2.4 に示 した①式の値 と比べ る と一桁大 きな値 を示 した。①式か ら算 出 した架橋密度 はポ リマーの架 橋 に よるもの と考 え られ てい るのに対 して、②式か らの架橋密度 は、ポ リマーの架橋や絡み合い とpMDIと
水 の反応 によってで きるNCO誘
導体 の効果 が重 なって算 出 され る2の 値 と考 え られ て い る。NCO誘
導体 の効果 によ リゴム状平坦部 にお けるE'値
が上昇す る23)ため、②式 を用いて 架橋密度 を算 出す る と、実際のポ リマーの架橋密度 よ りも高い値 が算 出 され ることが考 え られ る。中で も
A‑6は
②式で計算 した架橋密度 の値 が大 き く、pMDI添
加 比が 1の とき 11‑Rと 比べて3倍
以上の架橋密度 が得 られた。分散性試験 によ りA‑6が
良好 な結果 を示 した こ とか ら、A‑6水
溶液 中ではAA基
の存在 によつてpMDIの
粒子 が細 か く分散 し液滴 の総表面積 が増大す るこ とによつ てPVAポ
リマー とpMDIと
の反応 、お よび水 とpMDIと
の反応 が促進 され、そのほ とん どが有効 に反応 した ことが考 え られ る。一方、pMDI分
散性 の良 くない26‑Rや H―Rで
は水溶液 中で比較 的大 きな液滴 になったpMDIの
表面がRAま
たは水 と反応 して皮膜状 にな り、その内部 に未反応 のpMDIが
残存す る可能性 がある。 これ ら未反応 のpMDIは
、徐 々にそれ ら同士の反応 が進行 し 消費 され るのではないか と推測 され るが、これがPVAと
の架橋反応 に寄与す ることは考 えに くい。従 つて、
pMDI分
散性能 の低 いPVAの
場合 、②式 か らの架橋密度 も低 い値 とな るこ とが考 え られ る。一崎 E場ヽ
一 働 三十⁚郵けド︶トロ
一 ゛﹁二三覇cJポo﹂彗J 6
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﹁轡 轟 墨 菫 一螢 綱働
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〆
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バ
0̀F 魯̲4 目.E N雹⑫/6日
曇=[
0 □.ユ 0̀4 0.C O、思 1
雌0〆③H
Fig。 3。 2。4 Crosslinking density calculated from the difference ofpeak temperature ofloss
⑫̀4 Φ16
NC轡∫OH
機 0冶 2 静̀4 魯,6 0̀8 1 NCOノOH
Fig。 3.2.5 Crosslinking density calculated from the rubber elastic theory.
modulus。
重合度2600および 1100の 各 ハハ について、側鎖 に存在す る官能基 (水酸基 、
AA基 )の
中で 架橋反応 に関与 した官能基 の害J合 (架橋率、Lble 3.2。1の Crosslinking ratc)をPVAの
架橋 点間分 子量(Mc)と
モ ノマー分子量の関係 か ら算 出 し、 これ らを①式お よび②式か ら算 出 した架橋密 度 の値 とともにLble 3。2。1に 示す。 なお、 ここでは架橋 に関与 した官能基量 を適切 に評価す るた め、RA側
鎖 に存在す るAA基
、アセチル基 、水酸基 の導入量 とその分子量か らPVAご
とにモ ノ マーの平均分子量 を算 出 し、その値 で架橋点間分子量 を害1った値 を求 め比較 を行 った。pMDI添
力日比0。2で
は どのPVAに
おいて も①式 か ら算 出 され た架橋率 はそれ ほ ど変 わ らなか つ た。 しか し、添力日比が高 くなる と26‑B、 11‑B、 A‑6の よ うに分散性 の良いPVAほ
ど架橋率 は高 く なった。特 に添力日比 1ではA‑6が大 きな値 を示 した。重合度 、ブ ロ ックキャラクターが同程度 で あるH―Rと
A‑6を比較す る と、A‑6は
H―Rと
比べて2‑4倍
の架橋率 を示 した。 また、pMDI添
加 比が増加す るほ ど架橋率の差 も大 き くなったが、この傾 向は全 ての
PVAに
ついて同様 であった。この こ とか ら、
pMDI添
加 比 が あ る程度 以上 に高 くな らない と、ハハ 中の水酸基 は水溶液 中でpMDIと
反応 で きない ことが示唆 され る。なお、A‑6は
6mol%変性 で あるが、架橋率 は6%に
満 た ないた め、仮 にAA基
が優先的にpMDIと
反応 して もAA基
の全 ては反応 していない ことがわか る。 この場合 、AA基
はむ しろpMDIの
分散 に貢献 してい るもの と考 え られ る。次に②式から算出された架橋率について考察する。②式からの値は①式からの値に比べて数倍
│ ][
一‑56‑―