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研究2. OSCC細胞株におけるPAR1の発現と機能に関する研究 2-1. OSCC 細胞株におけるPAR1、thrombin およびΔNp63 の発現

研究 1 より、OSCC 浸潤先端部で PAR1 および thrombin の発現は強く、Δ Np63 の発現は減弱していた。そこで OSCC 細胞においても同様の傾向がある かを RT-PCR 法にて検索した。

⾼転移株 SQUU-B 細胞では、ΔNp63 の発現は低く、PAR1 と thrombin の発 現は⾼かった。⼀⽅、低転移株や SQUU-BO 細胞では、ΔNp63 の発現が⾼い ものの、PAR 1 と thrombin の発現は低かった。このように、浸潤先端部の発現 様式と同様に、OSCC 細胞株においても PAR1 および thrombin の発現は、Δ Np63 の発現と逆相関していた(図 4)。

図4. OSCC 細胞株ならびにヒト正常⾓化上⽪細胞におけるΔNp63、PAR1および thrombinの発現(RT-PCR法)

⾼転移株 SQUU-B 細胞では、ΔNp63 の発現は低く、PAR1 と thrombin の 発現は⾼い。⼀⽅、低転移株や SQUU-BO 細胞では、ΔNp63 の発現が⾼いも のの、PAR 1 と thrombin の発現は低い。

-3 2 6

1 1

2-2. ΔNp63ノックダウンがPAR1およびthrombinの発現に与える影響

2-1 の結果より、ΔNp63 の発現は PAR1 および thrombin の発現と逆相関し ていたことから、転写因⼦であるΔNp63 が PAR1 と thrombin の制御している かを検討した。SQUU-A 細胞にΔNp63 siRNA を導⼊し、real-time PCR 法にて PAR1 と thrombin の発現を検索したところ、ΔNp63 のノックダウンにより PAR1 および thrombin の発現が有意に亢進していた(図 5)。

図5. ΔNp63ノックダウンによるPAR1およびthrombinの発現(real-time PCR法)

SQUU-A細胞を使⽤し、ΔNp63をノックダウンするとPAR1、thrombinの発現は有意 に増強している。グラフは独⽴して⾏った3回のデータの平均および標準偏差を⽰す。

なお、統計処理にはMann-Whitney U 検定を⽤いている(*p<0.05)。

siCtrl: scrambled siRNA導⼊SQUU-A細胞。

siΔNp63: ΔNp63 siRNA 導⼊ SQUU-A 細胞。

1 2

4 1

1 2 1 2

3 20.

3

2-3. PAR1 ノックダウンによる EMT 関連遺伝⼦の発現変動

2-2 の結果より、ΔNp63 ノックダウンにより PAR1 の発現が増強することを

⽰したが、PAR1 と EMT との関連性については明らかになっていない。そこで SQUU-B 細胞に PAR1 siRNA を導⼊し、上⽪系マーカー、間葉系マーカーおよ び EMT 関連遺伝⼦の発現変動について real-time PCR 法にて検索した。その結 果、PAR1 のノックダウンにより、上⽪系マーカーである E-cadherin、CK5、

CK14 の発現量は増加したが、間葉系マーカー(vimentin、N-cadherin、

fibronectin)と EMT 関連遺伝⼦(ZEB1、ZEB2、snail、slug、twist)の発現量 は減少した(図 6)。

図6. PAR1ノックダウンによるEMT関連遺伝⼦の発現変動

SQUU-B細胞にPAR1 siRNAを導⼊すると、上⽪系マーカー(E-cadherin、CK5、CK14)

の発現は有意に増強しており、間葉系マーカー(vimentin、N-cadherin、fibronectin)

およびEMT関連遺伝⼦(ZEB1、ZEB2、snail、slug、twist)の発現が有意に減弱してい る。グラフは独⽴して⾏った3回のデータの平均および標準偏差を⽰しており、対照群 の相対的発現量に対する統計学的有意差を⽰す。なお、統計処理にはMann-Whitney U 検定を⽤いている(*p<0.05)。

siCtrl: emptyベクターを導⼊したSQUU-B細胞。

siPAR1: PAR1 siRNAを導⼊したSQUU-B細胞。

ECEC

- . 20 4 8

20 4 8

A8 4 8 581 42 8

08 6 B8

EC

8 8- . 8 8- . 8 8- . 8 8- .

8 8- .

8 8- .

8 8- .

8 8- .

8 8- . 8 8- . 8 8- . 8 8- .

EC EC ECECECECEC EC EC

2-4. PAR1 ノックダウンが遊⾛能および浸潤能に与える影響

2-3 の結果より、PAR1 の発現増強が EMT の誘導に関与していることが⽰唆 されたため、次に PAR1 の発現変動が OSCC 細胞の運動能に与える影響につい て検討した。PAR1 の発現が最も⾼かった SQUU-B 細胞に PAR1 siRNA を導⼊

し、wound healing assay にて解析を⾏った。間隙形成から 24 時間後に間隙を計 測したところ、コントロール群と⽐較して PAR1 をノックダウンした細胞では 遊⾛能が有意に抑制されていた(図 7)。また、MatrigelTM invasion assay にお いても、PAR1 のノックダウンにより SQUU-B 細胞の浸潤能が有意に抑制され た(図 8)。

図 7. PAR1 ノックダウンが OSCC 細胞の遊⾛能に与える影響

(a)顕微鏡像。(b)間隙縮⼩率。PAR1 siRNA 導⼊群の遊⾛能は、対照群と⽐較して 有意に低下している。グラフは、独⽴して⾏った 3 回のデータの平均値及び標準偏差を

⽰す。なお、統計処理には Mann-Whitney U検定を⽤いている(*p<0.05)。scale bars:

50 μm。

図 8. PAR1 ノックダウンが OSCC 細胞の浸潤能に与える影響

(a)浸潤細胞の顕微鏡像(HE 染⾊)。(b)浸潤細胞率。PAR1 siRNA 導⼊群の浸潤 能は、対照群と⽐較して有意に低下している。グラフは、独⽴して⾏った 3 回のデータ の平均値及び標準偏差を⽰す。なお、統計処理には Mann-Whitney U 検定を⽤いてい る(*p<0.05)。scale bars: 100 μm。

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