表3.1 満足度・信頼度に関するアンケート結果(GDSS使用環境)
対面環境 分散環境 仮想対面環境
Q1 3.2 (0.6) 3.6 (0.8) 4.1 (0.6)
Q2 3.2 (1.4) 4.4 (0.3) 4.3 (0.3)
Q3 3.2 (0.6) 4.0 (0.5) 4.2 (0.4)
* Q1:合意のプロセス(話し合いなど)に満足しているか
* Q2:結果に満足しているか
* Q3:結果は信頼できるものだったか
のメインダイアログで,一対比較評価や合意形成支援機能はこのメインダイアログから呼 び出される.残る評価構造木ダイアログ右上のダイアログは各評価基準から見た代替案の 重要度や,その評価項目と直接の下位に位置する評価項目との間の重要度など,各評価基 準に関する詳細情報を表示するダイアログである.この詳細情報ダイアログも各参加者の ものを表示させることが可能である.これらのダイアログの他,合意形成支援機能のため のダイアログや被妥協度の変遷に関するグラフダイアログなど,複数のダイアログを活用 しながら意思決定を進める.
表3.2 目視に関するアンケート結果(GDSS使用環境)
対面環境 分散環境 仮想対面環境
Q4 3.3 (2.3) 3.8 (1.7) 3.6 (1.5)
Q5 3.5 (1.5) 3.4 (2.3) 3.0 (1.8)
* Q4:会話中に相手の目を見たか
* Q5:会話中に相手の仕草を見たか
表3.3 対人圧力などに関するアンケート結果(GDSS使用環境)
対面環境 分散環境 仮想対面環境
Q6 3.2 (1.8) 3.6 (0.8) 3.7 (1.3)
Q7 2.7 (2.7) 3.2 (1.7) 3.9 (1.1)
* Q6:コミュニケーションは取りやすかったか
* Q7:普通の会話と比べてストレスは低かったか
定量評価
定量評価としては,Group Navigatorの合意形成支援機能であるトレードオフ分析機能 の使用回数,合意プロセスに要した時間などのほか,各環境につき無作為に2組4名を抽 出して実験のビデオ画像から被験者の発話内容を文章に起こし,発話内容の構造化を行っ た.また,構造化した発話に対して目視に関するデータを付与し,その回数などを算出し た.この目視のデータに関しては,分散環境についてビデオの画角の問題から3名のみの データしか取得できなかった.
ここでは定性データと同様に,議論に必要なデータのみを抜粋して表3.4に記す.標本 サイズが小さいので分散値は割愛した.
表3.4における“タグ付き発言率”とは,構造化された全発話のうち意思決定の交渉プ ロセスにおける交渉密度の指標となる,質問,回答,説得,妥協,追認という5つのタグ [加藤98]が付けられた発話の占める割合である.発話全体におけるこれらの割合が高け れば内容の濃い交渉が行われたものと推定できる[加藤98].ただし,タグは発話の内容 をもとに実験者が付与した.構造化された発言の例を表3.5に示す.“発話中の目視の割
表3.4 定量評価(GDSS使用環境)
対面環境 分散環境 仮想対面環境
全発言数 182.3 162.5 225.3
タグ付き発言率 53.0% 50.8% 53.6%
発話中の目視の割合 42.1% 33.4% 34.6%
表3.5 構造化された発言の例
発話者 タグ A B
発話内容
発 話 中 目視
受話 中 目視
発 話中 目視
受話 中 目視
.. .
.. .
.. .
A 妥協 ○ ○ ウーン、まぁ開発しがいはあるんでしょうけどね、いろ いろと。開発しがいはあるんだけども…うん
B 説得 ○ そんなお金もないでしょう日本にはって言う
A 妥協 ○ そうですねぇ
B 説得 赤字は膨らんでますし
A 妥協 ○ ○ ははは、うん 国会議事堂とか形じゃなくてね、うん、
なんか違う形のモノが福島にあればいいって言う気がし ますけどね。
B 質問 ナニがあると良いですか?
A 回答 ○ そうですね、あー、まぁ何だろうなぁ? そうだなぁ赤線 地帯とか? ふふっ
B ○ くくくくくっ えー?
A ○ まぁなしで
.. .
.. .
.. .
合”は目視回数を発話中に相手,若しくは相手の表示されている画面に顔を向けた回数と 定義し,その結果をもとに発話中に相手の方へ顔を向けた割合を示したものである.目視 回数のカウントは構造化した発言ひとつにつき,何度相手方を向いても1回とカウントす る方法で計測した.
表3.6 満足度・信頼度に関するアンケート結果(GDSS不使用環境)
対面環境 分散環境 仮想対面環境
Q1 4.3 (0.7) 4.0 (0.4) 4.7 (0.3)
Q2 4.2 (1.4) 4.0 (0.4) 4.5 (0.3)
Q3 4.0 (0.4) 4.0 (0.4) 4.3 (0.3)
* Q1:合意のプロセス(話し合いなど)に満足しているか
* Q2:結果に満足しているか
* Q3:結果は信頼できるものだったか
表3.7 目視に関するアンケート結果(GDSS不使用環境)
対面環境 分散環境 仮想対面環境
Q4 4.0 (0.4) 2.8 (2.1) 3.5 (0.7)
Q5 2.8 (1.0) 3.7 (1.2) 3.3 (0.7)
* Q4:会話中に相手の目を見たか
* Q5:会話中に相手の仕草を見たか
3.5.2 GDSS 不使用環境
定性評価
GDSS不使用環境では全員からアンケートが回収できたため,有効回答数は全環境で6 名となっている.
GDSS使用環境の場合と同様に表3.6〜表3.8に,今回用いた仮説と特に関連の深いと 思われるデータについて示す.
定量評価
定量評価についてもGDSSありの場合と同様,各環境につき無作為に2組4名を抽出 して実験のビデオ画像から被験者の発話内容を文章に起こし,発話内容の構造化などを 行った.ただし目視のデータに関しては,分散環境についてビデオの画角の問題から2名 のみのデータしか取得できなかった.
表3.8 対人圧力などに関するアンケート結果(GDSS不使用環境)
対面環境 分散環境 仮想対面環境
Q6 4.0 (0.4) 3.7 (1.9) 4.7 (0.3)
Q7 3.0 (0.8) 2.8 (1.4) 4.5 (0.3)
* Q6:コミュニケーションは取りやすかったか
* Q7:普通の会話と比べてストレスは低かったか
表3.9 定量評価(GDSS不使用環境)
対面環境 分散環境 仮想対面環境
全発言数 142.5 137.5 187.8
タグ付き発言率 49.9% 42.2% 42.0%
発話中の目視の割合 29.6% 37.5% 38.9%
表3.10 GDSSの有無と各環境間の比較 合意プロセス
への満足
結果へ の満足
結果へ の信頼
ストレス の低さ
タグ付き 発言率
発話中 目視率
GDSS使用 C C C C A A+
対面環境
GDSS不使用 A B B+ B B C
GDSS使用 C+ A B+ B+ B+ C+
分散環境
GDSS不使用 B C+ B+ C+ C+ B+
仮想対面 GDSS使用 B+ B+ A A A+ B 環境 GDSS不使用 A+ A+ A+ A+ C A
結果を表3.9に示す.
3.5.3 全環境の相対比較
これらをふまえて,GDSSの有無を含めた全環境間の比較を行うと表3.10のようにな る.表3.10は各アンケート項目における環境ごとの平均値についてその数値の大小を相 対的に示しており,最も高い数値にA+,以下次点の数値にそれぞれA,B+,B,C+,C の記号を割り振った.数値が同じ場合には同順位として同じ記号を割り振り,それより更 に小さい数値がある場合には同順位の数だけ記号をとばして割り振った.