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I. 背景と目的

4. 結果

抽出された 3件の CEA について[表34]に示した。LFS サーベイランスに関する有効性が不明 なことから、費用効果分析に用いるデータもいずれも限定的であった。1 例目はトロント研究の データを用いていた。アウトカムは全死因死亡であり、個別のがん・肉腫発症や診断・治療を考慮 せず、一律としている。全身サーベイランスは費用効果的と結論づけている。しかし、初回の治 療以降、特に再発転移の治療費用は考慮されていない。LFS サーベイランスの過程は一律に評価 され、現実のサーベイランスとは乖離しており、研究の信頼性には欠ける。

一方、主としてBRCAを対象とし、一部TP53変異を含む家族性乳がんのサーベイランスについ てはMARIBS studyをベースとした英国研究2)とMRISC studyをベースとしたオランダ研究3)があ った。前者は発見がんをエンドポイントした中間結果を用いており、家族性乳がんサーベイラン スは費用効果的と結論付けている。後者は、乳がん死亡をエンドポイントし、MRISC studyで用い た方法は必ずしも費用効果的ではないことを指摘していた。両者とも研究対象には TP53 病的バ リアント保持者を含んでいるが、対象を限定した解析は行われていない。このため、同様のサー ベイランスがTP53病的バリアント保持者に限定した場合に費用効果的であるかは不明である。

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34. TP53病的バリアント保持者を対象として含むサーベイランスの費用効果分析

著者、発行年 Tak 20191) Griebsh 20062) Saadatmand 20133) サーベイランス方法 トロント・プロトコル

(全身MRIを含む複数検査併用)

コントラスト強調MRI MRI+MMG(毎年)+

CBE(6か月)

比較対照 サーベイランスなし マンモグラフィ マンモグラフィ(2年)

標的疾患 全がん・肉腫 乳がん 乳がん

対象 ・全年齢

・LFS

・35~49

・BRCA1、BRCA2、TP53変異 あるいは家族性乳がんの 可能性≧50%

・50~70

・家族性乳がん(BRCA1、

BRCA2、TP53、PTENあるいは

生涯発症15%以上)

対象数(人) 1,000 648 1,597

モデル Markov decision analysis Markov Chain Monte Carlo MISCAN

分析の立場 支払者(US) 支払者(UK) 支払者(オランダ)

時間地平 生涯 7年間 生涯

割引率 3% 3.5% 3.5%

主たるデータソース トロント研究 MARIBS study MRISC(オランダ) アウトカム 全死因死亡 サーベイランスによる

発見乳がん

乳がん死亡

費用 ・文献レビュー(米国研究引用)

・治療費用はがんの初回治療と 死亡費用のみカウント。転移・

再発の費用は考慮されていな い。

・個別の治療費は実測ではなく、

がん種別の費用はIARCデータ ベースのがん種別頻度で重み づけ、進行と早期は分離。

直接費用(MARIBS study/

NHS)

直接費用(オランダ)

結果概要 Positive Positive MRI+MMG(毎年)+CBE(6 月)Negative(MRI+MMG(毎 年) $134932/LY(死亡率減少 21%)

ICER $17,125/LY £28,284/発見がん MRI 2年+MMG毎年が最適

$79,654/LY(死亡率減少21%) サーベイランス方法に

関する感度分析

なし あり(MMG+MRI) あり(対象者、検診間隔、触診と の組合せなど)

備考 ・個別のがんは規定せず、全がん 一律に第 1~5 がんまでの発症 確率を設定している

・個別のがん罹患・死亡は考慮し ていない

・アウトカムは中間指標で ある発見がん

・TP53病的バリアント保持 者のみを対象とした解析 なし

・TP53病的バリアント保持者の みを対象とした解析なし

・MRISCの原法は費用効果的で はない

文献ID CEA1PM15-1 CEA2PM88_24 CEA2PM88_3

69 文献

1. Tak CR, Biltaji E, Kohlmann W, Maese L, Hainaut P, Villani A, Malkin D, Sherwin CMT, Brixner DI, Schiffman JD. Cost-effectiveness of early cancer surveillance for patients with Li-Fraumeni syndrome.

Pediatr Blood Cancer. 2019 May;66(5):e27629.

2. Griebsch I, Brown J, Boggis C, Dixon A, Dixon M, Easton D, Eeles R, Evans DG, Gilbert FJ, Hawnaur J, Kessar P, Lakhani SR, Moss SM, Nerurkar A, Padhani AR, Pointon LJ, Potterton J, Thompson D, Turnbull LW, Walker LG, Warren R, Leach MO; UK Magnetic Resonance Imaging in Breast Screening (MARIBS) Study Group. Cost-effectiveness of screening with contrast enhanced magnetic resonance imaging vs X-ray mammography of women at a high familial risk of breast cancer. Br J Cancer. 2006 Oct 9;95(7):801-10.

3. Saadatmand S, Tilanus-Linthorst MM, Rutgers EJ, Hoogerbrugge N, Oosterwijk JC, Tollenaar RA, Hooning M, Loo CE, Obdeijn IM, Heijnsdijk EA, de Koning. Cost-effectiveness of screening women with familial risk for breast cancer with magnetic resonance imaging. J Natl Cancer Inst. 2013 Sep 4;105(17):1314-21.

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