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結果・考察

ドキュメント内 谷 謙甫 (ページ 56-60)

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3.4.2 固体ファントム中の全散乱係数(Sc,p)plおよびファントム散乱係数Sp,pl

次にPMMA中での(Sc,p)pl(d,A)を、深さ5 cmおよび10 cmにて、SSD = 100 cmおよび

SCD = 100 cmの2つの幾何学的条件のもと、測定により求めた。その結果をグラフにまと

めて図 3.5に示す。OPFについて、深さによる違いは顕著である一方、線源からの距離の 幾何学的条件によるOPFの違いは非常に小さく、照射野8 cm × 8 cmおよび9 cm × 9 cmの

OPFは 5 cm深および 10 cm深それぞれで同一であった。そのため本検討では、線源から

の距離の幾何学的条件による違いは無視できるとして、SCD = 100 cmで取得した深さごと のデータを(Sc,p)pl(d,A)の値として採用した。

図3.4および3.5に示した結果から、Sp,pl(d = 5 cm, A = 8.66 cm × 8.66 cm)は0.992、およ びSp,pl(d = 10 cm, A = 8.66 cm × 8.66 cm)は 0.984に決定した。

0.880 0.900 0.920 0.940 0.960 0.980 1.000 1.020 1.040 1.060

5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15

d=5, SSD=100 d=5, SCD=100 d=10, SSD=100 d=10, SCD=100

O ut pu t f ac to r; ( S

c,p

)

pl

Field size (cm)

図3.5 SSD = 100 cmおよびSCD = 100 cmでの深さ5 cmおよび10 cmにおける PMMA中で測定した6 MV X線の(Sc,p)pl

46 3.4.3 Dw,calcおよびDw,meas

pl w,

en )

(μ ρ および(L ρ)med,airの物理量のデータは、荒木ら 50)の報告した値を使用した。

PTW TM30013(外壁:PMMA)の Pwallは、それらの物理量および式(4-5)および(4-6)

より、ファントム材質がPMMAの時は1.000、ファントム材質が水の時は1.001となった。

Nutbrown ら52)は、水とファントムでSSD が大きく異なり、空気中の放射線通過距離が異

なるため、空気中での光子フルエンスの減弱を補正項として求め、計算に加えたが本研究 では考慮しないこととした。

表3.1および3.2に3種類のkpl算出のフォーマリズムによりPMMAファントム中のMpl

から計算した水吸収線量Dw,calc(dw)、水ファントム中で測定した水吸収線量Dw,meas(dw)、お よびその相対差をまとめて示した。

表3.1 PMMAファントム中の深さ5 cmのMplから計算した水吸収線量Dw,calc(dw)、

水ファントム中の深さ5.78 cmで測定した水吸収線量Dw,meas(dw)、およびその相対差 Formalism Dw,calc (cGy) Dw,meas (cGy) Difference (%)

Nutbrown52) 127.1 126.6 0.40

Seuntjens49) 166.4 166.2 0.13

荒木ら50) 185.5 185.5 0.04

表3.2 PMMAファントム中の深さ10 cmのMplから計算した水吸収線量Dw,calc(dw)、

水ファントム中の深さ11.55 cmで測定した水吸収線量Dw,meas(dw)、およびその相対差 Formalism Dw,calc (cGy) Dw,meas (cGy) Difference (%)

Nutbrown52) 95.5 95.2 0.33

Seuntjens49) 122.2 122.3 -0.08

荒木ら50) 150.6 150.5 0.08

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表 3.1 および 3.2 に示した結果より、どの kpl算出のフォーマリズムを用いても、Mplか ら、確からしい Dw,calc(dw)を求められた。Nutbrwonら 52)の方法が最も相対線量差が大きか ったが、これは、SSDを大きく変えたことによる、ファントムの設置精度による影響、ま た厳密に言うとリニアックビームでは、ターゲットがある程度の大きさを有するため、距 離の逆2乗則に従う補正の不確かさが増えたことによる影響、さらには、本検討では空気 中の光子エネルギーフルエンスの減弱を無視したことなどによるものであると考えられる。

しかし、0.4 %以内で、Dw,calc(dw)およびDw,w(dw)は一致しており、十分確からしいスケーリ ングが出来ていると考えられる。

またSCD = 100 cmの場合、つまり荒木ら50)の方法において、kplを用いずにMplにND,w

およびkQのみを乗じた場合、その時の水吸収線量は、5 cm深で186.9 cGy、10 cm深で153.0 cGyとなり、Dw,measに対する相対誤差はそれぞれ0.75 %および1.65 %となる。つまり、深 さのみがスケーリングされた状態では、固体ファントムのスケーリングは不十分である可 能性がある。Sp,plの影響が、5 cm深で0.8 %、10 cm深で1.6 %程度あるため、kplの中でも、

散乱成分のスケーリングの影響が大きかったと考えられる。

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