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結果

ドキュメント内 著者 中路 曜子 (ページ 64-67)

第 4 章 幼児の語用能力とそれに関わる認知・行動発達 (2)

第 3 節 研究 2:語用面に困難さを示す事例の語用能力の発達

3.3 結果

3.3.1 事例Aの因子ごとの得点推移

事例Aの因子ごとにおける得点を表4‐4に示した。

因子/CA 6:2 6:3 6:4 6:5 6:6 6:7 6:8 第Ⅰ因子(36) 21.0 21.0 22.0 26.0 26.0 26.0 27.0 第Ⅱ因子(27) 18.0 19.0 20.0 26.0 26.0 26.0 23.0 第Ⅲ因子(24) 16.0 16.0 16.0 17.0 17.0 17.0 19.0 第Ⅳ因子(21) 12.0 15.0 15.0 20.0 20.0 20.0 20.0

表4‐4 事例Aの因子における得点の推移

注.(  )内の数値は満点

第Ⅰ因子「一方的な発話・話題の維持」は,6歳2か月から6歳8か月にかけて得点が 上がっており,6歳5か月において特に得点が上昇している。第Ⅱ因子「系列・結束性」

は,6歳2か月から6歳7か月まで得点が上がっているが,6歳8か月では下がっていた。

第Ⅲ因子「プランニング・実行機能」は,事例Aの得点は少しずつ上がっているが,この

意喚起・感情理解と伝達」は,6歳5か月で得点が伸びており,その後は変化がみられな い。

3.3.2 各因子における事例Aの発達

研究1で得られた年長児の因子ごとにおける事例Aの項目の通過推移を表4‐5に示し た。

第Ⅰ因子「一方的な発話・話題の維持」において,事例Aは6歳2か月の時点では,不 適切な発話,同意なしの話題の変更,一方的な会話,過剰な字義通りの理解という語用的 課題がみられていた。しかし,6歳4か月に,「心の中で思っていても,声に出さないこと を言う」といったことがみられることが少なくなっている。さらに,6歳5か月から不適 切な発話,同意なしの話題変更,過剰な字義通りの解釈が減少している。しかし,これら は6歳8か月の時点でもみられ,持続している。

第Ⅱ因子「系列・結束性」では,数の逆唱,適切な発話交替は6歳2か月からすでにで きており,確立している。6歳5か月から,語の意味・説明,身振りの使用,話やビーズ などの系列的に繋げて話すこと,仮定の話の理解といったことができてきている。しかし,

6歳8か月の時点で,身振り,時系列での話を説明することや,話題の維持は不安定であ る。

第Ⅲ因子「プランニング・実行機能」は,6歳3か月に模倣,図鑑などのことを話すと いった興味ができてきている。また,6歳5か月ではプランニングができ,6歳8か月に は,1 日のスケジュールを把握して行動できる,また,着替えなどの日常的な身辺の行動 ができている。

第Ⅳ因子「他者の注意喚起・感情理解と伝達」は,6歳5か月時に問いかけへの無反応,

抑揚の乏しさがみられなくなっている。また同時期に,他者の感情理解,自己の感情の伝 達,ごっこ遊びができるようになっていた。

Q 6歳2か月6歳3か月 6歳4か月 6歳5か月 6歳6か月 6歳7か月6歳8か月

48)

11)

59)

32)

2)

51)

61)

43)

8)

44)

56)

35)

Q 6歳2か月6歳3か月 6歳4か月 6歳5か月 6歳6か月 6歳7か月6歳8か月

41)

53)

30)

16)

52)

26)

66)

68)

57)

Q 6歳2か月6歳3か月 6歳4か月 6歳5か月 6歳6か月 6歳7か月6歳8か月

47)

50)

64)

39)

40)

42)

73)

36)

Q 6歳2か月6歳3か月 6歳4か月 6歳5か月 6歳6か月 6歳7か月6歳8か月

3)

4)

46)

21)

49)

子どもが会話をする時、自分が知る情報は相手も当然知っているという前提に話をすることがありますか?

表4‐5 事例Aにおける質問紙上の項目通過の推移

第Ⅰ因子「一方的な発話・話題の維持」における事例Aの推移

※●:「よくある」,△:「まれにある」,-:「ない」を示す 質問項目

他の人が話しているところに割り込んで話し始めることがありますか?

子どもとの会話で,何かの言葉をきっかけに突然,関係ないことを話し始めることがありますか?

子どもと話をして,その話が終わる。少し経つと再度,すでに話し終えて知っていることを話す,または繰り返し聞くなど,前に した同じ話に戻ることがありますか?

聞き手のことなど関係なく、独り言のように一方的に話していることがありますか?

子どもとの会話をしている時に突然,話の話題が変わることがありますか?

子どもが会話を始めるとき,必ず質問から始まり,次々と質問を投げかけ続けることがありますか?

変わった言葉の使いまわしや、独特な言葉の表現で話しますか?

ビーズなどの小さいものを紐に通すことができますか?

突然,その状況に当てはまらない言葉を言う,または行動をとることがありますか?

大抵の人が心の中で思っていても、声に出して言わないことをそのまま言葉にしてしまうことがありますか?

話をする時に子どもが必ず同じ言葉を何度も使うことがありますか?

こちらが話したことを、過剰にそのままの言葉通りに受け取ることがありますか?

第Ⅱ因子「系列・結束性」における事例Aの推移

※●:「よくある」,△:「まれにある」,-:「ない」を示す 質問項目

会話に出てくる単語について、子どもが単語の内容を理解し、その意味を説明できますか?

“10”まで数えて,またそれを逆に数えていくことができますか?

会話をする際、話し手と聞き手の役割交替ができますか?

会話をするときに身振りを使うことがありますか?

迷路を行止まりにぶつかることなく、ゴールすることができますか?

絵本などの物語を話の流れに沿って,話す(説明する)ことができますか?

子どもから,ある1つの話題を話し始めた時,その話題が終わるまでやりとりが続きますか?

先生との会話中,話が途切れ先生が言葉に詰まると,子どもが思いついた言葉をつなげて言いますか?

※先生が話している内容と合致していること。

「もし~なら・・・」という仮定の話が理解できますか?

第Ⅲ因子「プランニング・実行機能」における事例Aの推移

※●:「よくある」,△:「まれにある」,-:「ない」を示す 質問項目

自分で計画を立て,順序立てて何かを作る,あるいは行動することができますか?

日常場面で1日のスケジュールを把握して自分自身で行動することができますか?

モデルを見て,積み木やブロックでその“モノ”を作ることができますか?

先生が指示したことを指示通りに自分で最後までやり遂げることができますか?

微笑みかけると同じように笑顔で返しますか?

ある特定のものについて図鑑や事典に載っているような内容をよく知っていて,話すことがありますか?

次のクイズに答えることができますか?

【問②】青色のビー玉と赤色のビー玉と黄色のビー玉があります。青のビー玉は赤のビー玉よりもたくさんあります。 黄色の ビー玉は青のビー玉と同じ数あります。では,赤のビー玉と黄色のビー玉はどちらがたくさんありますか?

自分で服を着替える時、表裏や左右逆といったことなく着替えることができますか?

第Ⅳ因子「他者の注意喚起・感情理解と伝達」における事例Aの推移

※●:「よくある」,△:「まれにある」,-:「ない」を示す 質問項目

人が話しかけているのに対し,無反応なときがありますか?

子どもが会話を始めるとき,会話相手の注意を引きますか?  例)相手の名前を呼んだり,「ねぇ」と呼びかけるなど 子ども同士がケンカをした時、相手の気持ちを聞くと答えることができますか?

自分の感情・気持ちを言葉にして伝えることができますか?

ドキュメント内 著者 中路 曜子 (ページ 64-67)

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