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第5章 実験

1.3 結果

独立変数は指導,従属変数はテストの点数とした。

指導法(3)×テスト(3)により,2枚の絵の関係の描写タスクのbefore/afterの合計 得点について分析した。表5.1は,その各群における事前・直後・遅延テストにおける平均 点及び標準偏差を表したものである。また,図5.1は,その平均点をグラフに表したもので ある。

表5.1 2枚の絵の関係の描写タスクの平均点と標準偏差(before/after) 従属節前置指導群 従属節後置指導群 統制群

事前 直後 遅延 事前 直後 遅延 事前 直後 遅延

N 31 31 31 33 33 33 32 32 32

Mean 4.32 12.39 8.10 3.88 10.30 6.61 2.94 3.16 2.66

S.D. 3.95 6.01 6.91 4.95 6.20 6.46 4.45 4.30 3.86

52

図5.1 2枚の絵の関係の描写タスクの平均点(before/after)

2要因混合計画の分散分析を行った結果,指導法及びテストの主効果が有意であった(F(2, 93)=13.78, p<.01; F(2, 186)=33.57, p<.01) 。 ま た , 交 互 作 用 が 有 意 で あ っ た(F(4,

186)=7.92, p<.01)ので,単純主効果の検定を行った。指導法別にテストの単純主効果を検

定したところ,事前テストでは有意ではなかった(F (2, 93)=0.77, n.s.)が,直後テスト,遅 延テストで,それぞれ有意差が見られた(F(2, 93)=23.37, p<.01; F(2, 93)=7.05, p<.01)。ま た,テスト別に指導法の単純主効果を検定したところ,従属節を前置する指導を行った群及 び後置する指導を行った群は,それぞれ有意差が見られたが(F(2, 186)=30.08, p<.01; F(2, 186)=19.21, p<.01),統制群では有意差は見られなかった(F (2, 186)=0.12, n.s.)。

Holm 法を用いた指導法ごとの多重比較の結果としては,直後テスト及び遅延テストで,

従属節を前置する指導をした群,従属節を後置する指導をした群とも統制群の平均よりも 有意に大きかったが,従属節を前置する指導群と後置する指導群の差は有意ではなかった (MSe=32.0704, p<.05; MSe=35.8474, p<.05)。

また,テストごとの多重比較の結果としては,従属節を前置する指導を行った群,後置す る指導を行った群とも直後テスト,遅延テスト,事前テストの順で,すべての組み合わせに 有意差があった(MSe=17.3068, p<.05; MSe=17.3068, p<.05)。

次にbefore,afterごとに指導法(3)×テスト(3)により,2枚の絵の関係の描写タス

クの合計得点について分析した。表5.2は,beforeについて,各群における事前・直後・遅 延テストにおける平均点及び標準偏差を表したものである。また,図5.2は,その平均点を

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18

事前テスト 直後テスト 遅延テスト

均 点

従属節前置指導群 従属節後置指導群 統制群

53 グラフに表したものである。

表5.2 2枚の絵の関係の描写タスクの平均点と標準偏差(before) 従属節前置指導群 従属節後置指導群 統制群 事前 直後 遅延 事前 直後 遅延 事前 直後 遅延

N 31 31 31 33 33 33 32 32 32

Mean 2.06 6.23 4 2 5.24 3.33 1.47 1.63 1.31

S.D. 2.05 3.02 3.49 2.51 3.09 3.23 2.24 2.13 1.93

図5.2 2枚の絵の関係の描写タスクの平均点(before)

2要因混合計画の分散分析を行った結果,指導法及びテストの主効果が有意であった(F(2, 93)=13.61, p<.01; F(2, 186)=34.53, p<.01) 。 ま た , 交 互 作 用 が 有 意 で あ っ た(F(4,

186)=7.91, p<.01)ので,単純主効果の検定を行った。指導法別にテストの単純主効果を検

定したところ,事前テストでは有意ではなかった(F(2, 93)=0.64, n.s.)が,直後テスト,遅延 テストで,それぞれ有意差が見られた(F(2, 93)=23.50, p<.01; F(2, 93)=6.93, p<.01)。また,

テスト別に指導法の単純主効果を検定したところ,従属節を前置する指導を行った群及び 後置する指導を行った群は,それぞれ有意差が見られたが(F(2, 186)=31.11, p<.01; F(2, 186)=19.06, p<.01),統制群では有意差は見られなかった(F(2, 186)=0.18, n.s.)。

Holm 法を用いた指導法ごとの多重比較の結果としては,直後テスト及び遅延テストで,

0 1 2 3 4 5 6 7 8

事前テスト 直後テスト 遅延テスト 平

均 点

従属節前置指導群 従属節後置指導群 統制群

54

従属節を前置する指導をした群,従属節を後置する指導をした群とも統制群の平均よりも 有意に大きかったが,従属節を前置する指導群と後置する指導群の差は有意ではなかった (MSe= 7.9890, p<.05; MSe=9.0345, p<.05)。

また,テストごとの多重比較の結果としては,従属節を前置する指導を行った群,後置す る指導を行った群とも直後テスト,遅延テスト,事前テストの順で,すべての組み合わせに 有意差があった(MSe=4.4568, p<.05; MSe=4.4568, p<.05)。

次にafterにおける指導法(3)×テスト(3)により,2枚の絵の関係の描写タスクの

合計得点について分析した。表5.3は,afterについて,各群における事前・直後・遅延テス トにおける平均点及び標準偏差を表したものである。また,図5.3は,その平均点をグラフ に表したものである。

表5.3 2枚の絵の関係の描写タスクの平均点と標準偏差(after) 従属節前置指導群 従属節後置指導群 統制群 事前 直後 遅延 事前 直後 遅延 事前 直後 遅延

N 31 31 31 33 33 33 32 32 32

Mean 2.26 6.16 4.10 1.88 5.06 3.27 1.47 1.53 1.34

S.D. 2.20 3.01 3.44 2.47 3.13 3.24 2.22 2.19 1.95

図5.3 2枚の絵の関係の描写タスクの平均点(after)

0 1 2 3 4 5 6 7 8

事前テスト 直後テスト 遅延テスト

均 点

従属節前置指導群 従属節後置指導群 統制群

55

2要因混合計画の分散分析を行った結果,指導法及びテストの主効果が有意であった(F(2, 93)=13.77, p<.01; F(2, 186)=30.91, p<.01) 。 ま た , 交 互 作 用 が 有 意 で あ っ た(F(4,

186)=7.53, p<.01)ので,単純主効果の検定を行った。指導法別にテストの単純主効果を検

定したところ,事前テストでは有意ではなかった(F(2, 93)=0.91, n.s.)が,直後テスト,遅延 テストで,それぞれ有意差が見られた(F(2, 93)=22.95, p<.01; F(2, 93)=7.12, p<.01)。また,

テスト別に指導法の単純主効果を検定したところ,従属節を前置する指導を行った群及び 後置する指導を行った群は,それぞれ有意差が見られたが(F(2, 186)=27.53, p<.01; F(2, 186)=18.37, p<.01),統制群では有意差は見られなかった(F(2, 186)=0.07, n.s.)。

Holm 法を用いた指導法ごとの多重比較の結果としては,直後テスト及び遅延テストで,

従属節を前置する指導をした群,従属節を後置する指導をした群とも統制群の平均よりも 有意に大きかったが,従属節を前置する指導群と後置する指導群の差は有意ではなかった (MSe= 8.1510, p<.05; MSe=8.9728, p<.05)。

また,テストごとの多重比較の結果としては,従属節を前置する指導を行った群,後置す る指導を行った群とも直後テスト,遅延テスト,事前テストの順で,すべての組み合わせに 有意差があった(MSe=4.4289, p<.05; MSe=4.44289, p<.05)。

次に,2枚の絵の関係の描写タスクにおける従属接続詞 before の産出状況について調べ てみた。設問に対する産出状況の人数を平均し,全体に占める個々の産出状況の割合を示し たのが,表5.4である。図5.4は,それをグラフ化したものである。

表5.4より,beforeを用いた産出状況について見ると,事前テストの段階で,すべての群

で 50%以上が従属節を後置させ,かつ主語を持たない形で産出していることがわかる。統

制群については,直後テスト,遅延テストでも 40%を越えて,従属節を後置させ,主語を 明記せずに産出している状況が続いている。なお,従属節を後置する指導を受けた群につい ては,直後テストで22.7%まで改善するが,遅延テストでは40.2%と悪化している。一方,

従属節を前置する指導を受けた群については,直後テストで 81.5%が従属節を前置するよ うになり,遅延テストでは44.4%まで産出状況は落ち込んでいるが,従属節を後置する指導 群も同様に直後テストで,74.2%が従属節を後置するようになり,遅延テストで43.2%まで 落ち込んでいる。従属節を後置する指導を受けた指導群は,事後テスト,遅延テストで従属 節をほとんど前置しなくなっているが,従属節を前置する指導を受けた群は,遅延テストで 従属節を後置させる率が増えている。従属節を前置するように指導を受けた群は,従属節を 後置する群に比べて直後テストや遅延テストで,従属節を前置した場合でも後置した場合

56

表5.4 2枚の絵の関係の描写タスクにおけるbeforeの産出状況率(N=96)

従属節前置指導群 従属節後置指導群 統制群 事前 直後 遅延 事前 直後 遅延 事前 直後 遅延 従属節前置 1.6% 81.5% 44.4% 3.8% 0.0% 0.0% 3.1% 0.0% 0.0%

従属節前置 0.0% 0.0% 6.5% 3.8% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.8%

主語なし

従属節前置 10.5% 2.4% 4.0% 1.5% 0.0% 0.0% 0.0% 3.9% 7.8%

主節主語なし

従属節前置 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.8% 0.0% 1.6% 3.1%

両方の節主語なし

従属節後置 12.9% 0.0% 6.5% 7.6% 74.2% 43.2% 5.5% 3.1% 0.0%

従属節後置 55.6% 0.0% 6.5% 53.0% 22.7% 40.2% 50.8% 43.8% 46.9%

主語なし

従属節後置 0.0% 6.5% 12.9% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 10.2%

主節主語なし

従属節後置 0.0% 0.0% 0.0% 3.8% 0.0% 6.8% 1.6% 6.3% 0.0%

両方の節主語なし

前置詞句後置 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 3.1% 3.1% 3.9%

15.3% 8.1% 15.3% 22.7% 0.0% 0.0% 28.1% 30.5% 21.9%

無答 4.0% 1.6% 4.0% 3.8% 3.0% 9.1% 7.8% 7.8% 5.5%

100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100%

57

図5.4 2枚の絵の関係の描写タスクにおけるbeforeの産出状況率(N=96)

で主語を落とす率が少なくなっている。

次に,2枚の絵の関係の描写タスクにおける従属接続詞afterの産出状況について調べて みた。設問に対する産出状況の人数を平均し,全体に占める個々の産出状況の割合を示した のが,表5.5である。図5.5は,それをグラフ化したものである。

表5.5より,afterを用いた産出状況について見ると,beforeに類似した傾向が見られる。

事前テストの段階で,すべての群で 50%以上が従属節を後置させ,かつ主語を持たない形 で産出していることがわかる。統制群については,直後テストで 43.0%,遅延テストでは 52.3%が,従属節を後置させ,主語を明記せずに産出している状況が続いている。なお,従 属節を後置する指導を受けた群については,直後テストで25.8%まで改善するが,遅延テス

トでは39.4%と悪化している。一方,従属節を前置する指導を受けた群については,直後テ

ストで 79.0%が従属節を前置するようになり,遅延テストでは 43.5%まで産出状況は落ち

込んでいるが,従属節を後置する指導群も同様に直後テストで,71.2%が従属節を後置する ようになり,遅延テストで43.2%まで落ち込んでいる。従属節を後置する指導を受けた指導 群は,直後テスト,遅延テストで従属節をほとんど前置しなくなっているが,従属節を前置 する指導を受けた群は,遅延テストで従属節を後置させる率が増えている。従属節を前置す

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

使

用 率

従属節前置指導群 事前テスト 従属節前置指導群 直後テスト 従属節前置指導群 遅延テスト 従属節後置指導群 事前テスト 従属節後置指導群 直後テスト 従属節後置指導群 遅延テスト 統制群 事前テスト

統制群 直後テスト 統制群 遅延テスト

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