第 4 章 マグネタイトの酸化反応速度解析
5.3 結果および考察
Fig.5-4に各Caseの温度分布の計算結果を可視化したものを示す。このシミュレーショ
ンの計算結果から,燃焼帯が時間とともに進行していく様子がモデル上で再現されること が確認された。
Fig. 5-4. Simulation result of temperature distribution (Case1, Case2, Case3).
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Fig.5-5 に焼結層上層部(50-200mm)のカルシウムフェライト生成量に関するグラフを
示す。焼結鉱製造において上層部の熱不足によるカルシウムフェライト低下が問題になっ ているが、この結果より、Case2がCase1より上層部の熱不足によるカルシウムフェライ ト低下の影響が緩和されている事がわかる。これは、マグネタイト利用による初期融液生成 開始温度の低温化のためであると考えられる。
Fig. 5-5 Simulation result of calcium ferrite ratio distribution after sintering (Case1, Case2).
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
50
100
150
200
Calcium ferrite ratio (-)
B ed d ep th ( m m )
Case1 Case3
Case1( Hematite)
Case2 ( Magnetite )
80
Fig.5-6に各Caseの1800sの時の温度分布を示す。マグネタイトを利用したCase2が従
来のCase1とCase3よりも 1200℃以上の高温域が拡大していた。すなわち、マグネタイ
ト利用により酸化発熱を効率的に使用が焼結機内の層内温度分布の向上効果が確認された。
ゆえに、マグネタイト利用によるコークス比を削減が可能であることを示した。
また、原料帯と燃焼帯との境界部であるフレームフロント部(以後FFPと略記する)が
Case2の場合、Case1とCase3と比較すると下方部に進行していることがわかった。
Fig. 5-6. Simulation result of temperature distribution at 1800s (Case1, Case2, Case3).
0 400 800 1200 1600
0 100 200 300 400 500 600 700
Temperature ( ℃ )
B ed d ep th ( m m ) 1800s Case1 ( Hematite ) Case2 ( Magnetite )
Case3 ( Hematite )
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Fig.5-7およびFig.5-8にCase1とCase2の1800sの焼結層内温度履歴およびコークス
燃焼速度、マグネタイト酸化速度を示す。この結果より、マグネタイト酸化はFFPで進行 していることがわかる。すなわち、マグネタイトの酸化によりフレームフロント速度(以後 FFSと略記する:FFPが下方に行く速度)が向上したと考えられる。一般的にFFSは焼結 下部からの吸引速度に比例するものとされている24),25)。
FFS=dz/dt=XKF・Q
ここで、zは層高、tは時間、XKFはフレームフロントスピードと吸引速度との比例定数、
Qは吸引速度である。
本研究では、焼結層の形状変化は生じず、吸引速度は 0.40m/s と固定値を用いているの で、各CaseにおいてFFSは定数となる。ゆえに、z=FFS・tとなる。今回、FFPが到着 した温度を800℃と定義した。すなわち、時間tは層高zの地点が800℃に達した時間のこ とである。Tとzは直線関係を示し、その傾きよりFFSを算出した。結果、Case1のFFS
=20.4mm/min、Case2のFFS=21.0mm/min、Case3のFFS=20.3mm/minとなり、数 値からもマグネタイトの酸化反応によって、FFSが向上しているがわかる。
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0 400 800 1200 1600
0 100 200 300 400 500 600 700
0 10 20 30
Temperature ( ℃ )
B ed d ep th ( m m )
Combustion rate (mol/m
3/s) Case1 ( Hematite)
Case1(Hematite)
C-Type(Coke)
1800s
Fig. 5-7 Simulation result of temperature distribution at 1800s (Case1).
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Fig. 5-8. Simulation result of temperature distribution at 1800s (Case2).
0 400 800 1200 1600
0 100 200 300 400 500 600 700
0 10 20 30
Temperature ( ℃ )
B ed d ep th ( m m )
Combustion rate (mol/m
3/s)
Case2 ( Magnetite )
C
m-Type ( Magnetite )[× 5 ] C
m-Type ( Coke )
Case2 ( Magntite)
1800s
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マグネタイトを使用すると融液生成開始温度の低下に伴いカルシウムフェライト生成量 が増加し歩留まり向上が期待される。また、マグネタイトの酸化反応熱は1200℃以上の高 温域を拡大する特徴があり、コークス比を削減が期待される。さらに、マグネタイトの酸化 反応はFFP付近で生じており、その結果、FFSの向上が期待される。FFSの向上はパレッ ト速度増加や層高増加が可能であり、生産性の向上が期待される。これにより、生産性向上 につながると考えられる。さらに、焼結法では、熱波伝播方式のプロセス特性より、層厚を 高くするほど反応エネルギー消費が低減できる。マグネタイト使用によるFFS向上が期待 されるため、層厚を高くすることにより、更なる省エネルギー操業が期待される。
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