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経済評価、予測とデータ処理

【経済現象の線形近似】

投資や企業活動を行う時は、様々な経済情報を得て、見易い 形にデータ整理を行い、それを基礎として、現在値から先の時 間変化を検討、予測、判断する方法が一般に採られている。経 済活動を物理的モデルで扱おうという本書の特徴の一つは、時 間 的 流 れ に 沿 っ た デ ー タ 整 理 と 経 済 活 動 の モ デ ル と を コ ン ピューターソフトを介して直結させるという考え方にある。複 雑経済現象では非線形、特にカオスというほとんど不連続に近 い大きな変化を導く可能性があると言って良い。そのような非 線形現象を表現する方程式の最大の特徴は、境界条件が殆ど同 じでも結果が大きく異なる解が複数存在し得るという結果を導 く点にある。その極端な場合がカオス現象で、そのような問題 をどのように扱うかという実際的方法は、まだ殆ど解決法がな いといってよい。

【経済予測と天気予報の方法】

非線形現象である経済予測の最も現実的な方法は、「過去の データから現在までのデータの変化の様子とそれを成り立たせ ている様々な境界条件をデータベースとしてファイルしておき、

それを参考に出来るだけ長期の予測を行なう方式」と考えて良 いと思われる。その基礎となる経済関係は、第1章で議論した ようにマスター方程式にまとめ、それを解く形に出来ると仮定 する。そして問題は一般に多変数の方程式となり、それを解く 形式となる。それを線形近似(多次元の接平面近似)で分析す る事が、経済の現状把握の方法としていま最も実用的に利用さ れているものと思われる。ここではその近似法を時系列に沿っ

て利用して行く事として、時間経過に沿って常に経済データを 更新していき、必要な時点までの予想も常に求められ、それら を可視化表示し続けて行く方式を基本とする。この方法はまさ に、非線形現象の一つの典型例である天気予報と類似の方法と 言って良い。

今までの所、実際の経済行動においては、予報担当者の経験 も反映させて能率良く整理し、それをディスプレイして、専門 家の判断を促進する事がもっとも現実的で可能性の高い方法で あるという考え方に立っている。この章ではそのデータベース の基本的枠組み作りを議論しておこう。

§ 4.1. 擬人化モデルと企業評価

4.1-1. データベース化への基本事項

【経済活動判断に対するバランス感覚】

本書は「企業の生産は、マーケットにおける売買情報を通じ て国民の消費動向を認識し、企業の新規プロジェクトの成否を 判断し、投資態度を決める事で制御される」という考え方の上 に立っている。その消費情報を得るためには、貨幣循環上にお ける業種の投資状態を基に経済活動全体のバランスの良さを判 断する方法がポイントとなる。

本書では、国の経済活動全体を擬人化のイメージで見る事で、

自国民の生活実感の上に立って生産活動全体のバランスの良さ を判断する事にする。その事は「経済活動における基本要素を 企業とし、その企業システムの生産の特徴を国の特徴として見 る」ことに対応する。その生産の特徴を見る時、その国民の考 え方や生活の特徴が経済活動に反映されて、企業投資の特徴を 見出す事になる。

実際の人体の構成においては、最も早期の祖先である単細胞

生物時代に持っていた生体の基本機能を、多数の細胞が集まっ て実現する高能率な器官が果たすようになった。その各器官機 能に対応して、それぞれに特徴的な構造をもつ細胞の集合体を 形成している。そして人間の日常生活の活動は、各器官に血液 な ど 体 液 を通 じ て エ ネル ギ ー と 栄養 素 を 供 給し つ づ け る事 に よって支えられている。その生活を通じて人々は、生きる目的 を実現している形となっている。そのような見方を擬人化人格 の経済活動の特徴を把握する事に利用すると、業種という企業 集合体組織の関係を人体の器官の機能に対応させて見る事にな る。つまり全企業の生産活動は幾つかの生産機能に分けて表現 される。株式データでその関係をみる事は、投資資金量の変化 の関係を通じて経済状態を判断する事となる。実際の経済活動 では、各機能を持つ複数の業種の生産活動における貨幣循環を、

血液などの体液循環の役割と対応させて見る事ができる。こう して国家の経済活動を人間の活動のどこを支え、補助する活動 かに対応させて見るというモデルを採る。例えば基幹産業とい われる業種は、生産全体の基礎財の生産を担う事から、生体全 体を支える骨格や筋肉など各器官を共通に動作させる素材生産 やエネルギー生産に対応させてイメージしてもよいであろう。

この他の業種についても最終的に人体機能に置き換えたとき、

何を支え補うのかを見て対応させる事ができるであろう。その 上で資金の流れのバランスを判断していく事になる。重要な事 は、そのバランス関係が自然か不自然かの感覚を身に付ける事 であろう。擬人化モデルでは、各人の生きる目的実現のために どのくらいの生産システムが必要で、全体では人間一人が単位 時間生活するのに必要とされる資金の何倍の生産をしていて、

実際どのくらいの生活ができるのか、その生産が偏っていない か、などを念頭において生産システムのバランスの良さを見通

しよく判断する事になる。

【経済データベースの考え方】

上記のような判断の方法を実現するためには、数多くの企業 の株価データを整理して企業情報と人の関係を結び付けて見る 事が必要である。その上で、生産のバランスの良さを業種分類 の形で見ようという訳である。実際その最終評価としては、な るべく単純で素早い理解ができる表現が重要である。その表現 のための基礎として、最も直接的なデータは企業への投資額(入 力)と、生産額及びその販売額のデータ(出力)であろう。その両 者の日々の膨大なデータは格納し続けられる事になる。本書で は、その両者のデータに代えて、市場としての評価が敏感に反 映されている株式投資を基本データとして格納し続ける立場を 採っている。その他のデータは個人が重要とするものをストッ クして、このデータベースに補助的に使える形を想定している。

そのためそれ等が直接比較出来るようにソフトが準備されるべ きであろう。

主に経済状態把握の根拠となるものは、株式データの集合体 を 階 層 的 な概 念 に 整 理し て 見 る デー タ ベ ー スで あ る 。 それ は 夫々の階層はそれぞれ階層のランクとしての概念を項目の基礎 として分類するものである。その概念項目は、具体的な企業の 集合体から最上階は人の考え方を支える概念として最も単純に まとめられた一般的概念の項目とする。我々の立場では生体維 持の本能と生き甲斐を求める本能とされる階層となる。夫々の データは適当な単位量の指数表示によって平均値を与えて規格 化表示される事を想定している。

業種分類は企業集合体の階層分類の最上階であるが、階層を 決める概念は、より具体的概念から、より一般性のある概念の

階層にまとめられていくものとする。この形式を組織的に整理 するために、擬人化人格を利用する。また可視化、グラフ化を 基本としているのは、人が素早く判断出来る事に対応できるた め で あ る 。必 要 に 応 じて グ ラ フ 上の 位 置 を ポイ ン ト し て数 値 データの引き出しが可能な構造形成を実現するというのがデー タ ベ ー ス の基 本 的 要 求で あ る 。 この 表 示 に 使う 計 算 は 膨大 な データの集積に対する単純な計算であるが、必要に応じて最も 基本のデータから直接素早く計算できる方式を採る。

【擬人化による組織的分類】

人 間 が 生 き て い く た め に 必 要 な 生 産 は 分 業 に よ り 大 規 模 に 能率よく生産されている。これを国民一人当たりに平均してみ ると、全企業の生産は一人の全能の擬人化人格により生産され ている形として見る事もできる。その見方は実際生活している 人間の生活を支える事を第一として見る。本書では擬人化人格 の対応する体の機能、構造と業種を結びつけて系統的にイメー ジする方式を採っている。

人間の体は、全体としてまとまった意志に基づいて命令信号 を発生し、その伝達は頭脳と神経系が協力しあって行っている。

人間社会の経済の場合は、その統治命令の部分は国民の意思で 決まる国家の行政機関に対応付けられる。その意志は、商品生 産する企業群への多成分信号として帰還回路を通じて伝えられ、

実行される形式で表現される。企業における生産の結果はマー ケットで評価される。そこから出力されるものは新たな企業活 動 を 育 む 事を 含 め て 経済 シ ス テ ム全 体 を 支 え、 ポ テ ン シャ ル アップする役割りの器官であり、回路論の電源に対応する。マー ケットの出力は生活維持、教育、文化創造など高度な消費を可 能にするポテンシャルアップのシステムに入力され、国の経済

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