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粗酸化亜鉛の化学成分

ドキュメント内 untitled (ページ 80-108)

DRI (55)

3) 粗酸化亜鉛の化学成分

粗酸化亜鉛の化学性状を表

3-10

に示す。

 

RHF

での脱亜鉛率、脱鉛率が高く、粗酸化亜鉛としての回収率が高かっ た一方、揮発しない

Fe

やスラグ成分(CaO, MgO, SiO2, Al2O3)の濃度は

1%

以下と低く、静置したまま還元する本プロセスの特徴が現れている。

  図

3-6

に粗酸化亜鉛中の

ZnO, PbO, T.Fe

濃度のバラツキを示す。脱亜鉛 率や金属化率などの反応状況は回転炉床炉の運転条件によって変わるが、

粗酸化亜鉛の化学性状は安定しており、大きな変動は見られなかった。

70 75 80 85 90 95 100

1250 1300 1350 1400

RHF平均温度(℃)

脱Zn(%)

滞留時間:12分 滞留時間:14分

21

3-10

粗酸化亜鉛の化学性状(平均成分

%

T.Fe ZnO PbO C S Cl F CaO MgO SiO2 Al2O3

ダストA 0.24 79.67 3.86 0.08 0.36 7.35 1.38 0.17 0.02 0.19 0.06 ダストB 0.45 76.49 6.34 0.01 0.21 10.57 0.39 0.06 <0.01 0.03 <0.01 ダストC 0.71 70.95 5.18 0.04 0.28 15.87 0.70 0.18 0.02 0.16 0.02 ダストD 0.39 77.22 6.23 0.06 0.33 10.25 0.30 0.75 0.03 0.05 0.03 ダストE 0.17 74.47 5.59 0.04 0.66 9.70 0.49 0.83 0.05 0.14 0.03 ダストF 0.04 85.30 3.12 0.02 0.37 5.33 1.13 0.06 0.01 0.06 0.01 ダストG 0.05 63.10 4.56 0.02 0.57 11.21 0.89 0.09 0.01 0.03 <0.01

(分析数:

3

回) (分析数:

4

回) (分析数:

3

回)

3-6

粗酸化亜鉛中の

ZnO, PbO, T.Fe

濃度の変動

4) DRI

の化学性状

   

DRI

の分析結果を表

3-11

に示す。「

(2)

脱亜鉛率

/

脱鉛率

/

金属化率」に記   載の通り、

Zn, Pb, Fe

金属化率等は実験条件によって変わったため、平均   値を表示する。  なお、スラグ成分の

CaO, MgO, SiO2, Al2O3

は代表サン   プルの分析値を示す。

3-11. DRI

の化学成分

(%)

T. Fe* M. Fe* ZnO* PbO* C* S* Cl F CaO MgO SiO2 Al2O3

ダストA 45.9 40.6 0.9 0.1 11.4 0.6 0.45 1.09 5.13 2.54 13.05 8.31 ダストB 42.7 35.5 4.0 0.7 14.8 1.0 1.32 0.43 7.14 3.90 11.25 4.04 ダストC 49.5 40.3 1.6 0.1 10.0 1.1 0.89 0.69 6.55 2.86 13.43 7.80

ダストD 45.3 36.4 4.9 0.6 7.0 0.9 - - - - -

-ダストE 48.1 35.5 4.7 0.4 3.6 0.6 1.94 0.5 11.33 2.86 8.33 3.2 ダストF 53.2 45.8 3.0 0.1 5.1 0.6 0.11 0.92 7.69 3.1 8.77 5.64 ダストG 34.5 25.3 1.4 0.2 3.4 1.1 0.53 0.86 8.24 6.32 13.18 5.24

      注:

*

印のある成分は実験で得られた

DRI

分析値の平均値。

      その他は

DRI

の代表サンプルの分析値。

     

ZnO, PbO

T.Zn, T.Pb

の分析値から計算により

ZnO,PbO

を求めた。

ダストE

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

1 2 3

Zn(%), Pb(%)T.Fe(%)

ZnO PbO T.Fe

ダストF

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

1 2 3 4

Zn(%), Pb(%), T.Fe(%)

ZnO PbO T.Fe

ダストG

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

1 2 3

Zn(%),Pb(%), T.Fe(%)

ZnO PbO T.Fe

22

5) RHF

での鉄分ロス

  前記

(1)

のマスバランスより、100の電気炉ダストから55の

DRI

と30 の粗酸化亜鉛が回収された。

 

DRI

は溶解炉に供給される一方、粗酸化亜鉛はプロセス外に持ち出される ため、粗酸化亜鉛中の鉄分は回収されない。電気炉ダスト、粗酸化亜鉛中の 鉄分の平均値(加重平均値)はそれぞれ

24.8%, 0.3%

であるため、

RHF

での 鉄分ロスは以下のようになる。

電気炉ダスト中の鉄分  : 

100 x 24.8/100 = 24.8

粗酸化亜鉛中の鉄分    : 

30 x 0.3/100 = 0.09

粗酸化亜鉛への鉄分ロス: 

0.09/24.8 x 100 = 0.4%

  本プロセスで得られた

DRI

を溶解炉に供給し、溶銑を得る段階においては、

溶解炉のスラグ中と排ガスへ

Fe

ロスが発生する。  実際には排ガスへ飛散 した

Fe

分は回収して回転炉床炉の原料としてリサイクル可能であるため、

95%

以上の

Fe

歩留まりが期待できる。溶解炉での

Fe

ロスの詳細は

3-1-2-2

章に示す。

23

6)

有害物質の排出抑制

排ガス中のダイオキシン濃度測定を始めとした排ガス測定を実施した。測 定場所と結果を以下に示す。

還元鉄

集塵機 空気予熱機

煙突 吸引ファン

還元鉄容器

回転炉床炉

バーナ

冷却塔 燃焼空気

ブリケット

サンプル 採取場所

3-7

排ガス測定位置

  排ガスのダイオキシン濃度は、総じて

0.1ng-TEQ/Nm3

を大きく下回っ た。パイロットプラントは昼間だけの運転であったが、商業機においては連 続運転によって炉内の状況が安定するため、ダイオキシン濃度はさらに低下 することが期待される。

3-12

排ガス測定結果

キャンペーン番号  

2nd 3rd 3rd 4

th 使用ダスト   ダスト

O

ダストA ダストB ダスト

D

ばいじん濃度

g/Nm3 0.001 0.001 <0.001 <0.001

SOx

濃度

V/Vppm 2 <1 41 21

NOx

濃度

V/Vppm

 

33 25 32 25

ダイオキシン濃度

ng-TEQ/Nm3 0.00021 0.00000084 0.072 0.0017

24

7)

電気炉ダスト以外の原料適用実験

7)-1

高炉一貫製鉄所で発生するダスト処理

  亜鉛含有率が電気炉ダストに比べ

1/10

程度と少ない高炉一貫製鉄所で発 生するダストを

RHF

で処理する場合の特性をパイロットプラントにて確認 した。  製鉄所ダストとしては、炭材を含む高炉系ダストと鉄含有量が多い ダストを組み合わせ、これらダストの配合率を変えることによって内装ブリ ケット中のカーボン量を変化させ、金属化率と脱亜鉛率の影響を調べた。

  還元前

CBQ

の化学分析値を表

3-13

に示す。 

CBQ

に占める

ZnO

濃度は

3

6

%であった。

3-13  製鉄所ダスト CBQ

の化学性状

T.Fe ZnO C CaO SiO2 Cl 37-42 3-6 12-17 8-9 2-3 <1

  図

3-8

DRI

の金属化率と脱亜鉛率の関係を示す。

  金属化率が

50%

以上であれば、金属化率が低いにも係わらず、

90%

程度の 脱亜鉛率が得られることが分かった。

3-8

金属化率と脱亜鉛率

  以上より、ダスト中の亜鉛濃度に係わらず、

RHF

プロセスによって

DRI

として鉄分の回収ができるとともに、高い脱亜鉛率も得られることが確認で きた。

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0 20 40 60 80 100

DRI金属化率(%)

脱Zn率(%)

25

7)-2

VM

炭使用の確認

  回転炉床炉による還元プロセスにおいては還元材として固体の炭材が使 用される。前記の高炉から発生したダストも還元材として利用できるが、石 炭を使用することが一般的である。  さらに、本プロセスを広く普及させる には資源、立地制約、コスト等の点で有利な、高

VM

炭の使用が期待される ため、本パイロットプラントにて

VM

分が高い石炭を内装用炭材として使用 した実験を行った。

  鉄鉱石は

T.Fe 67%

のヘマタイト粉鉱石、石炭は揮発分

37%,

灰分

9%

のものを使用した。実験の結果、同じ還元条件(炉内温度、滞留時間)であ れば、表

3-7

に示す揮発分約

18%の石炭を使用した場合と同等の金属化率

が得られ、揮発分の高い石炭も使用できることを確認した。

  揮発分の高い石炭を使用する場合の具体的な効果については、今後、詳 細な検討が必要であるが、CBQ 内の石炭配合率が増えるため、同じ滞留 時間内に生産できる

DRI

重量が減少する一方、揮発分は

RHF

の燃料とし て使用できるため、

RHF

で必要な燃料ガスを低減できるメリットが期待 できる。 

  上記のようにパイロットプラントによる実験にて、製鉄所ダスト、揮発 分の高い石炭が使用できることが確認され、本プロセスが電気炉ダスト処 理を始め、多くの原料の還元処理に応用できることが期待される。

8)

電気炉ダスト運転による設備への影響

 

3rd

キャンペーン以降、電気炉ダスト実験を含め本格的な実験を行った。 

予熱空気を得るための熱交換器へのダスト付着・堆積量は軽微で、堆積物を 除去することなく目標の予熱温度を確保することができた。

  排ガスダクトや排ガス冷却塔内の付着も軽微で、熱交換器を含め腐食の影 響も見られなかった。

  また、

RHF

炉内耐火物において、部分的にクラックが発生していたが、

脱落に進行する状態でなく、ダスト付着量も少なく、概ね良好であった。更 に、耐火物をボーリング調査した結果、表層部に数

mm

の変質層が見られた 程度で、母材部の強度低下は認められず、健全であった。

  ただし、今回の実験は昼間だけの間歇運転であったため、最終的には商業 機で長時間の連続運転を行い確認する必要があると考える。

  炉内点検時期:

z 平成

18

12

月 z 平成

19

4

月 z 平成

19

6

26

(5)

回転炉床炉パイロットプラント実験における成果

  パイロットプラントでの実験によって、以下の結論を得た。

z 電気炉ダストから

95%

以上の

Zn

を除去し、粗酸化亜鉛内に回収できる ことを確認した。また、

95%

以上の脱亜鉛率を達成するための運転条件 を確認した。

z

Zn

のみならず

Pb

についても高効率で除去・粗酸化亜鉛内に回収できる ことを確認した。

z 粗酸化亜鉛中の

Fe

1%

以下と低く、還元・粗酸化亜鉛回収における

Fe

ロスは約

0.4%

であった。

z 排ガス中のダイオキシン濃度は 0.1ng-TEQ/Nm3以下に抑えられた。電 気炉ダスト中のダイオキシンは回転炉床炉内の高温処理によって分解 後、排ガス系内での再合成も低く抑えられた結果であると考えられる。 

z 電気炉ダストの他、高炉一貫製鉄所から発生したダストの処理や、高

VM

炭を内装炭材として使用した実験を行い、本回転炉床炉プロセスが 幅広い原料を使用できる可能性を確認した。

z

RHF

及び排ガス設備への粗酸化亜鉛の付着・堆積は軽微で、

RHF

耐火 物も表層部に変質層が見られる程度であった。また、熱交換器の回収熱 量の低下も見られなかった。但し、今回の実験は昼間だけの間歇操業で あったため、最終的には商業機で長時間の連続運転を行い確認する必要 があると考える。

27

3−1−2−2  溶解実験(化石燃料を用いた溶解技術の開発)        

(1)

概要

  平成

18

年度から、パイロットプラントの溶解

(

メルター

)

実験を開始し、設 備の基本性能と操業の基本特性を把握するとともに、適正な上吹き吹錬、炭材 投入と溶湯の昇熱

(

溶湯中

[C]

の高目維持

)

、および出銑滓作業の確認に加えて、

還元鉄の溶解テストを行なった。

  平成

19

年度は、様々な還元鉄の投入テストを実施するとともに、還元鉄投 入速度を拡大し、良好なスラグ排出や溶湯加炭を可能にして、固定型炉での安 定な操業技術を確認した。更に、高[S]溶銑への対応のため、本設備を利用し て溶銑脱硫実験を行ない、効率的に脱硫するプロセスの開発を行った。

 

  表

3-14

に、平成

16

年度から平成

19

年度までの溶解炉実験設備の建設と実 験の推移を示す。

 

3

期工事

(

溶解設備の建設

)

に合わせて、機能アップのための改造工事を行な い、試運転および設備の安全対策工事を実施後、平成

18

7

月からホットラ ン・テストを開始した。

  実験は平成

19

10

月末まで、延べ

7

回のキャンペーンテスト

(71

ヒート

)

を実施した。各キャンペーンテスト実施後、キャンペーンの間には、機能アッ プ工事を繰り返して、徐々に高度な実験を行ない、当初の開発目標を達成する ことが出来た。

  その後、当該実験設備を利用して、平成

19

12

月から平成

20

1

月末ま で溶銑脱硫実験を行ない、脱硫効率に優れたプロセス開発を確認した。

3-14

溶解実験の研究開発スケジュール

平成16年

通期 上期 下期 上期 下期 上期 下期

基本計画

仕様検討、予備実験含む 建設工事

  事前撤去工事   1期、2基工事   3期工事     3期改造工事

設備・操業の

メルター実験 基本特性の把握

   1st キャンペーン

    2nd キャンペーン 環境改善

  3rd キャンペーン   4th キャンペーン

  5th キャンペーン DRI投入量の拡大

  6th キャンペーン   7th キャンペーン 脱硫実験

平成17年 平成18年 平成19年

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