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章 計算状態図( Phase Diagram )

ドキュメント内 FactSage 6.4 トレーニング 基礎コース (ページ 121-168)

( Phase Diagram モジュール)

Phase Diagram モジュール

Phase Diagram モジュールは、熱力学データベースを使って、多成

分系の平衡状態図を作成するモジュールである。

Equilib モジュールと同様に、 Database Documentation を参考に して、「平衡状態で存在する可能性のある相」を適切に選ぶこと。

溶体相の選択にあたっては、 Database Documentation が参考に なる。

Phase Diagram モジュールを使うと、 4 成分系以上の状態図(成分 量を固定する必要あり)、擬二成分系の状態図、水溶液の状態図、

電位 -pH 図、エンタルピー変化の状態図等、さまざまな状態図を作

成することができる。

Phase Diagram モジュール

Phase Diagram の起動

• 計算状態図の作成

• 純物質データベースと溶体データベースを利用

Phase Diagram モジュールの起動

Phase Diagram を起動 すると、直前の設定を 読み込むか尋ねられる。

新規設定のときは、

「いいえ」を選択する

Phase Diagram に は 4 つのウィンドウ がある。

(1) Menu

(2) Components (3) List

(4) Results

熱力学データベースの選択

Data Searchをクリック

• 有機化合物 CxHy... の X の上限

• 溶体相の最小成分の数

FACT 溶体は 2 とする。SGTE は 1 が推 奨されている。金属間化合物が純物質 データベースになく溶体の成分として扱 われている場合は 1 とする。

データを含めるかどうか選択

• プラズマ

• FactPS の水溶液

使用するデータベースを 選択。少なくとも 1 つ純 物質データベースを選 択しなければならない。

緑色背景は純物質のみ。

無地はカップルで提供さ れているデータベース

単位の設定

Units または T(C) P(atm) ... Vol(litre) をクリックして、Units 画面で設定

Cr-Fe 系の状態図

簡単な二成分系の状態図を作成して、 Phase Diagram モ

ジュールに慣れよう。

Cr-Fe 系状態図

Cr-Fe 系状態図を作成する。合金系なので SGTE 2014 と予想されるが、確認の

ため Database Documentation で計算済み状態図を検索する。

1. Database Documentation を起動して、Cr-Fe 系を検索する

SGTE 2014 で状態図の作成が可能

Cr-Fe 系状態図

2. SGTE 2014 の list of optimized ... を調べてパラメーターが最適化されている 相を確認

ここに掲載されている相のみを選択する。

BCC_A2 相は I オプションを設定する

Cr-Fe 系状態図

3. 新規設定

4. 「はい」を選択

5. 熱力学データベースを新規に設定 するので「いいえ」を選択

Cr-Fe 系状態図

6. SGTE を選択

7. SGTE では基本的には 1 を選択。この系では 2 でも OK である。In-Sb 系など 1 成分溶体相(=化学量論化 合物)が含まれる系では 1 を選択しなければならない

8. OK をクリック

Cr-Fe 系状態図

11. 物質を入力 Components Window

9. 単位を設定

10. + をクリックして 入力場所を作成

12. Next をクリック

Cr-Fe 系状態図

14. Variables をクリック(次ページ参照) Menu Window

純物質は選択しない

13. Documentation を参考に平衡状態で存在する可能性のある溶体相を選択。

+ および I オプションは + の列を右クリックして設定する。SGTE 2014 ではすべて の溶体相を選択しても多くの系で妥当な計算結果が得られる

選択した溶体相のみ表示

Cr-Fe 系状態図

14-1. X-Y 座標系を選択

14-2. Next をクリック

14-3. 温度を Y 軸に設定

(範囲:200 ℃~2000 ℃)

14-4. 圧力を 1 atm に 設定

14-5. Fe のモル分率を X 軸に設定(範囲:0~1)。

モル% で設定したい場合

は下のように 100 倍する 14-6. OK をクリック Variables

Cr-Fe 系状態図

15. Parameters をクリック

16. ラベルの大きさ、色等の設定

Parameters

17. 計算に時間がかかるときは Stop Window を表示するとよい

18. OK をクリック

Cr-Fe 系状態図

19. Calculate をクリック 計算結果

ラベルモード。左クリック してラベルを貼り付ける

Cr-Fe 系状態図( Phase Equilibrium モード)

2. 平衡計算したい場所をクリック

3. クリックした場所の座標が表示 される。必要なら座標をとりなお してから OK をクリック

状態図の上の任意の点における平衡状態を調べる

1. Phase Equilibrium モード に切りかえる

Cr-Fe 系状態図( Phase Equilibrium モード)

ChemSage フォーマットがおすすめ。設定直後

は変化しないのでもう一回状態図をクリック 入力した座標での平

衡計算が実行される

CaO-Al 2 O 3 -SiO 2 系の状態図

三角形の等温断面図の作成の基本を紹介する。

CaO-Al

2

O

3

-SiO

2

系状態図

4. 物質を入力

Components Window

2. 単位を設定

3. + をクリックして 入力場所を作成

5. Next をクリック

1. 新規設定 ⇒ はい ⇒ いいえ ⇒ FToxid を選択

CaO-Al2O3-SiO2 系状態図を作成する。酸化物系なので FToxid を用いる。

Menu Window

CaO-Al

2

O

3

-SiO

2

系状態図

8. Variables をクリック

(次ページ参照)

7. 平衡状態で存在する可能性のある純物質を選択

6. 平衡状態で存在する可能性のある溶体相を選択

8-1. 三角形の状態図 8-3. 温度と圧力を設定

8-4. 三角形の頂点 A, B, C に 対応する物質を選択

A: SiO2, B: CaO, C: Al2O3 Variables

CaO-Al

2

O

3

-SiO

2

系状態図

順番に注意

#1: A-Corner

#2: C-Corner

#3: B-Corner 8-2. Next をクリック

8-5. OK をクリック

CaO-Al

2

O

3

-SiO

2

系状態図

9. Calculate をクリック 計算結果

CaO-Al

2

O

3

-SiO

2

系状態図

クリックすると、平衡してい る相を結ぶ直線(タイライ ン)が表示される

タイラインモード

CaO-Al

2

O

3

-SiO

2

系状態図(ラベルの移動)

ラベルを移動する

1. normal edition モード

2. ラベルを右ボタンを押して選択し、押したま まマウスを動かし、好みの場所でボタンを離す

(ドラッグ&ドロップ)

3. メニューが表示され るので、グラフ上のどこ かをクリック。

Edit をクリックして編集 してもよい(次ページ)

CaO-Al

2

O

3

-SiO

2

系状態図(ラベルの移動)

ラベルの座標を入力して OK をクリック。

X(C) は自動的に計算される XY 座標系で入力するとき(例、三角

形の枠の外に移動)はチェックを外す。

左下の座標: (X,Y) = (0, 0) 右上の座標: (X,Y) = (1, 1)

CaO-Al

2

O

3

-SiO

2

系状態図(線の追加)

線を追加する

1. Open a new line をクリック 2. 始点と終点をクリック

3. Close line をクリック

CaO-Al

2

O

3

-SiO

2

系状態図(線の追加)

始点と終点の座標を変更したいときは、X(A), X(B) を編集して change selected point をクリック。XY 座標系で設定する場合は、enter in ternary coord. のチェッ クを外す

線が追加された

4. 色を変更して OK をクリック

CaO-Al

2

O

3

-SiO

2

系状態図(拡大表示)

左下(B コーナー)を拡大して表示

• normal edition モード

• Edit ⇒ Ternary Frame ...

• B Axis(Left) の min を設定

• フレームの外側を削除

• 確認が出るので「OK」をクリック

CaO-Al

2

O

3

-SiO

2

系状態図(拡大表示)

結果

その他の状態図

Phase Diagram モジュールを使うと、 4 成分系以上の状

態図(成分量を固定する必要あり)、擬二成分系の状態図、

液相面図、電位 -pH 図等、さまざまな状態図を作成する

ことができる。

その他の状態図

MgO のモル分率を 0.1 に固定している。

設定画面では

MgO / (CaO + Al2O3 + SiO2 ) の値を 入力することしかできない。分率を α に するには MgO / (SiO2 +Al2O3+CaO ) = α/(1-α) を入力する

4 成分系の状態図

その他の状態図

液相面図

液相を P オプションに設定 して、Variables 画面で温度 を projection にする

その他の状態図

固相面図

液相を F オプションに設定 して、Variables 画面で温 度を projection にする

その他の状態図

擬二成分系状態図:赤線の部分の温度依存性を図示

その他の状態図

入力物質を赤線の両端の組成( (LiF)0.5(KF)0.5 と NaF )にするだけでよい。元素 組成があればいいので、入力物質のデータが無くても計算される

その他の状態図

酸素分圧が一定の状態図。FToxid で酸化物系の状態図を計算するときは、酸素 分圧を固定する条件を追加しなければ結果が得られない組成がある。

その他の状態図

入力物質に O2 を追加 データベースの選択で FactPS を追加

components: 1 log10(a): 1

平衡状態における 酸素分圧を固定

その他の状態図

酸素分圧を縦軸にとった状態図 前ページを参考に

して Y-axis を酸素 分圧に設定

その他の状態図

電位-pH 図

物質を入力する画面の右下にある Eh-pH diagram にチェックを入れる

その他の状態図

等活量線図

純物質に Z オプショ ンを選択して等活量 の値を入力する

設定ファイルの保存と読み込み

Phase Diagram モジュールの設定をファイルに保存する。

設定ファイルには、状態図の画像データも一緒に保存する

ことができる。

設定ファイルの保存

設定ファイルの保存 1. メニュー画面で File ⇒ Save As ...

2. 数字または名前を入力して OK をクリック。

Sample と入力すると設定ファイル名は

PhasSample.DAT となる

3. コメントを入力して OK をクリック

ファイルの保存先

設定ファイルの保存

ファイルが保存される 4. 状態図を描画した後の場合、状態図を保存するか尋ねられる。

設定ファイルにまとめたい場合は、Phas*.dat を選択。

設定ファイルとは別に fig 形式で保存する場合は、Phas*.fig を選択する

5. OK をクリック

設定ファイルの読み込み

設定ファイルの読み込み

1. Reactants 画面または Menu 画面で File ⇒ Open ... をクリック

3. 「はい」をクリック

2. 読み込ませたいファイル をダブルクリック

4. 状態図を表示させたい場合は、

「はい」をクリック

サンプルの表示

2. Various Types of X- and Y-axes を選択

3. サンプルの表示。

シングルクリックでプレビュー、ダブ ルクリックで設定と状態図の読込み

1. メニューバー ⇒ File ⇒ Directories...

相境界線が途切れたり、境界が表示されない場合

状態図計算では、線が途中で途切れたり、境界が表示されない場合がある。その 対応方法について述べる。

1. Phase Diagram を再起動して再計算してみる 2. 温度、組成範囲を狭くしてみる

3. データベースと相の選択を再確認する。相のデータがない場合にその相が含 まれる状態図を作成することはできない

4. 酸化物系では酸素分圧を固定して計算する

5. Documentation に指定が無くても、相に I, J オプションを設定して計算してみ る

6. A, B, C コーナーの物質を適当に入れ替えてみる(例、SiO2-CaO-Al2O3 系、

1300 ℃, 1 atm, 単位 gram)

7. Variables ウィンドウの XY steps を調整する

8. 系が複雑な場合はどのように設定しても表示されないことも多い。残念だがあ きらめる。状態図計算ではおおよその傾向をつかみ(ラベルを張り付けられるの で安定相はわかる)、興味のある組成と温度範囲で Equilib を使って平衡状 態を調べる

ドキュメント内 FactSage 6.4 トレーニング 基礎コース (ページ 121-168)

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