総括
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原料溶液中のFe3+濃度、溶液pH、熟成温度、熟成時間を変化させて、アルカリ 沈殿法での高結晶性ゲータイト粉末の合成をめざした。Fe3+濃度が0.25 mol/L以上 の時に、高結晶性の針状ゲータイト粉末が得られた。溶液 pHが10、11、12の時 に、高結晶性の針状ゲータイト粉末が得られた。熟成温度が高いほど高結晶性であ り、100 oC で熟成したゲータイト粉末が最も高結晶性だった。熟成時間を変化さ せても結晶性に影響はなく、変わらず高結晶性が維持された。
熟成温度、熟成時間を変化させて合成したゲータイト粉末から、粒子濃度が 10vol%の低粘度かつ高分散性であるゲータイトスラリーを作製した。ゲータイト スラリーの泥漿鋳込み成形時に、無磁場あるいは強磁場を適用することで、高配向 ゲータイト成形体の作製をめざした。結晶性が良いゲータイト粉末から作製した 成形体は、磁場印加方向に対してゲータイト粒子の a 軸が平行に配列した。結晶 性が悪いゲータイト粉末から作製した成形体は、磁場に対して配向しなかった。無 磁場で作製した成形体は、鉛直に平行方向と垂直方向に配向しなかった。高結晶性 なゲータイト粉末に磁場を適用することで、ゲータイトの a 軸が磁場に対して配 向することが明らかになった。
粉末合成時の熟成温度、熟成時間を変化させ、無磁場あるいは強磁場中で泥漿鋳 込みした成形体から、高配向かつ高密度なヘマタイト焼結体の作製をめざした。結 晶性の良いゲータイト粉末に強磁場を適用したヘマタイト焼結体では、高い c 軸 配向度と高相対密度を示した。特に100 oCで72 h熟成した粉末に、2.0 Tの磁場を 印加してから作製したヘマタイト焼結体のc軸配向度は97.2%と最も高くなった。
100 oCで24 h熟成した粉末に、2.0 Tの磁場を印加してから作製したヘマタイト焼 結体の相対密度は、94.5%と最も高くなった。市販ゲータイト粉末に強磁場を適用 して作製したヘマタイト焼結体に匹敵する、ヘマタイト配向体の作製に成功した。
SQUID を用いて、作製したヘマタイト焼結体の磁気特性とその異方性を評価し
た。結晶性の良いゲータイト粉末に磁場を適用して作製したヘマタイト焼結体で は、成形体作製時の印加時場方向に対して、平行方向では飽和磁化がほとんどない 磁化曲線を示し、垂直方向では約0.37 emu/gの飽和磁化を持つ磁化曲線を示した。
結晶性の悪いゲータイト粉末に磁場を適用して作製したヘマタイト焼結体と成形 体作製時に磁場を適用していないヘマタイト焼結体では、測定方向によらず一定 の磁化曲線を示した。ヘマタイトは c 面にあたる結晶子サイズ D006がナノサイズ にならない程度に小さく、粒子径が小さく、配向度が高い焼結体ほど、測定方向に より飽和磁化、及び保磁力に大きな違いが出る磁気異方性を示した。
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研究業績
大学院に在籍する修士2年間で参加した学会を以下に記す。
国内会議
日本セラミックス協会 2014年年会
開催日時: 2014年3月17日(月)~19日(水) 開催会場: 慶應義塾大学 日吉キャンパス
日本セラミックス協会基礎科学部会 第53回セラミックス基礎科学討論会 開催日時: 2015年1月8日(木)・9日(金)
開催会場: 京都テルサ
国際会議
The Eighth International Conference on the Science and Technology for Advanced Ceramics
開催日時: 2014年6月25日(水)~27日(金) 開催会場:メルパルク横浜
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謝辞
本修士論文は、筆者が法政大学大学院理工学研究科応用化学専攻修士課程にお いて、無機合成研究室にて行った研究を纏めたものである。また、本論文を執筆す るにあたっての研究活動は、物質・材料研究機構 (NIMS) においても行っており、
本学のみならず様々な方にもご指導頂きました。
本研究を遂行するにあたり、終始懇切なご指導とご鞭撻を賜りました法政大学 生命科学部環境応用化学科 石垣隆正教授に心から感謝申し上げます。また、物質・
材料研究機構にて研究活動を行うという貴重な機会を与えていただき、篤く御礼 申し上げます。
本論文の審査に当たり、貴重なご意見と有益なご助言を賜りました法政大学生 命科学部環境応用化学科 明石孝也教授に心より御礼申し上げます。また、サンプ ル作製時に、無機固体化学研究室にてプレス機の利用を快諾してくださったこと を、心より御礼申し上げます。
本研究に関する討論を始め、研究発表から本論文また、研究に対する姿勢に至る まで、数々のご教授を賜りました物質・材料研究機構先端材料プロセスユニット微 粒子工学グループグループリーダー 打越哲郎博士に厚く御礼申し上げます。
物質・材料研究機構先端材料プロセスユニット微粒子工学グループ主席研究員 名嘉節博士には、他グループでの施設利用及び磁化率測定装置の使用方法の丁寧 かつ的確な指導、及び磁性分野に関する貴重なご意見と有益なご助言を賜りまし たことを、心より御礼申し上げます。
物質・材料研究機構先端材料プロセスユニットセラミック材料グループ主席研 究員 鈴木達博士には、超電導マグネットを使用する際に、数々のご教授を賜りま したことを心より御礼申し上げます。
物質・材料研究機構先端材料プロセスユニット微粒子工学グループポスドク研 究員 松永知佳博士には、物質・材料研究機構内での生活、実験の取り組み方や、
国内会議に参加した際でも様々なアドバイスを賜りました。心より御礼申し上げ ます。
物質・材料研究機構先端材料プロセスユニットセラミック材料グループ研究業 務員 中泉富子女史には、サンプルの加工の際に、丁寧かつ的確な指導を賜りまし たことを心より御礼申し上げます。
物質・材料研究機構先端材料プロセスユニット微粒子工学グループ事務業務員 渡邊洋子女史には、研究を遂行する上で NIMS における事務的な作業を全て処理 して戴きました。心より御礼申し上げます。
法政大学大学院工学研究科物質化学専攻修士課程修了 高橋聡志氏には、大学の みならず、微粒子工学グループの先輩としても大変熱心なご指導を賜りました。心 より御礼申し上げます。