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私達にできること

ドキュメント内 _pilot_jan.ren (ページ 88-97)

IIIIIIIII

3. 私達にできること

管制方式基準の改正提案

(

) 飛行場管制方式2管制許可等【離陸許可】の項で、 TAKE-OFF の語の使用制限について、

下記の注を追加すべきである。

注 離陸許可及び離陸許可の取り消し以外では、 管制用語によらない交信においても TAKE-OFF の語を使用しないものとする。

第30回 ATS シンポジウム

ロットによって操縦されている航空機では、 二人が通信内容を正しく理解するために、 コックピッ ト内での手順がさらに細かく工夫されている。 教材ではその具体的なやり方を、 映像を使い説明し ている。 (添付資料参照)

通信技術の基礎知識、 Communication Loop による確実な意思の伝達、 心の通い合った管制に よる信頼関係の構築、 そうしたことが重なり合って、 はじめて ATC Communication がレベルアッ プされてゆくことが解説されている。 R/T Meeting30年の叡智の結晶である DVD 教材を有効に 活用して、 確実な ATC Communication の実施に役立てて頂きたい。

② リードバックとヒアバック

リードバック (復唱) は、 送信内容の聞き違いを防ぎ、 送信者によるダブルチェックによって送 信内容を相互に確認するために重要である。 最近国内で発生したインシデントにおいて、 リードバッ クが適切に行われなかった事例等もあったことから、 当局により 「操縦士による管制指示等の復唱 のルール化」 が検討されている。

しかしながら、 管制通信の 「目的」 はあくまでも 「通信内容の確実な伝達」 であって、 「復唱」

はそれを達成するために必要な、 確認のための 「手段」 の一部に過ぎない。 しかも 「復唱」 はそれ 自体では内容の確認には全く役にたたず、 管制官の完全なヒアバックがあって始めて確認の効果が 発揮される。

そうしたことから R/T Meeting の検討結果として、 私達は復唱のルール化は適切でないとの結 論に達し、 その旨の意見書を提出した。

通信内容の確認は、 パイロットと管制官の自主的なリードバックとヒアバックによって確立され てきた。 今後とも私達は、 管制通信の目的と手段をきちんと判別し、 モラールを高めて 「リードバッ クとヒアバックによる通信内容の確認文化」 を構築してゆく必要がある。

危機意識を持ち続けよう

「喉元過ぎれば熱さ忘れる」 という諺のように、 人間の弱さとして、 便利さや安全・安定の中に 浸っていると危機への関心や警戒心が薄れ退化してしまう。 そして、 私達の遺伝子にも組み込まれ ているはずの 「危険・危機」 に対する感性のスイッチがいつの間にか OFF になってしまう。

私達パイロットと管制官は、 プロとして 「テネリフェ事故の教訓」 を忘れることなく、 危険に対 する感性のスイッチを常時 ONとしておく様に努めて行く必要があるのではないだろうか。

以上

事故原因 知ることこそが 事故予防

第30回 ATS シンポジウム

ATC COMMUNICATION の工夫の一つに、 ATC、

特に管制官の意図をパイロットが確実に受け取る手法 として 「COMMUNICATION LOOP」 と呼ばれてい る手順があります。 ATC COMMUNICATION を確 実に行うためにたいへん有効な手法です。

Communication Loop

はあくまでも原則であって、

実際にコックピットでは、 かなり柔軟に運用されてい ます。 しかしながら、 原則を離れるほど取り返しのつ かないトラブルに結びつく可能性が高いことを認識す べきです。

「PF」 と 「PM」 (PNF) の複数のパイロットによって運航されている航空機の Communication Loop は、 以下の8項目のようになります。

ATC Communication Loop

添付資料

【管制官と PF/PM の COMMUNICATION LOOP】

① 管制官はパイロットに伝えるべき内容を管制用語や、 一般語でも適切な言い回しで送信し ます。

② PF と PM の2人のパイロットは、 それぞれ独自に内容を理解します。

③ PF は自分が通信の内容を理解できたら PM に動作や言葉による合図で 「理解した」 旨を 意思表示します。

④ PM は、 PF の 「理解した」 合図があって、 かつ自分も通信の内容を理解したら、 リード バックポリシーに従って自分が理解した内容をリードバックします。

⑤ PM が通信の内容を理解できなかったら、 PF の 「理解した」 という合図があっても 「Say again after heading」 などと、 分からなかった部分の再送信を要求します。 また自分は 理解していても PF から 「Say again」 等の合図があった時は、 それにしたがって ATC に要求します。

⑥ PF は PM のリードバックをモニターして、 自分の理解と違っていたら直ちに PM に

「Confirm」 を指示します。

⑦ 管制官はリードバックを確実にヒアバックして、 自分が伝えようとした内容が正しく伝わっ たことを確認します。

⑧ 管制官は、 リードバックの内容が自分が伝えようとした内容と違っていたり、 あるいは確 認の必要な内容が抜けていたりした場合は、 間違いを指摘するか、 重要な部分のリードバッ クを指示します。

ATS 委員会 Vol. 012

R RR a aa d dd i ii o oo T TT e ee l ll e ee p pp h hh o oo n nn y yy M MM e ee e ee t tt i ii n nn g gg

【 指定高度 (Assigned Altitude) と高度制限 】 】

N

Niicckk 機機長長:2006年10月と2007年5月の2回 にわたって、 管制方式基準の高度に対する考 え方が大きく変更されて1年半が経ちました が、 個人的には管制の仕組みとしての問題は 解消されたと感じていますが、 皆さんは如何 ですか?

Y

Yaannkkeeee 機機長長:そうですね。 Until further advised の用語がなくなったし、 維持高度 の二重構造問題もクリアになりましたよね。

S

Stteepphheenn 副副操操縦縦士士:私は1年前に F/O に Upgrade したのですが、 ちょっと前に Capt 達が 「維持高度の二重構造問題」 を話されて いて、 言葉は聞いたことがあるのですが、 ど んな問題だったのでしょうか?

F

Frreedd 機機 長長: か つ て 日 本 の 管 制 で は 、 As-signed altitude と Until further advised と いう2つの維持高度が同時に有効であるとい う重大な問題を抱えていたんですよ。 2006年 10月以前は、 かなりの管制官が 「Assign 370 (サンナナ) で、 190 (イチキュウ) further ね」 という言い方をして、 Until further の FL190は高度制限と認識していた管制官も少

なくなかったんです。

N

Niicckk 機機長長:そうそう、 Until further の高度 か ら Assigned altitude へ の 上 昇 指 示 に Cancel restriction という言葉がよく使 われたものですから、 SID の高度制限がキャ ンセルされたと判断して上昇した航空機に、

重大なインシデントが発生してしまったこと もあったんです。

S

Stteepphheenn 副副操操縦縦士士:私は管制方式基準の改 正後に F/O になったので、 実感が沸かない のですが、 大きな問題があったのですね。

F

Frreedd 機機長長:そう。 このインシデントへの反 省から 「有効な維持高度は常に1つである」

という考え方と、 「Until further advised 撲 滅運動」 を Radio Telephony Meeting で10 年間続けた結果、 アメリカに遅れること30年 にしてようやく目的が達成されたんですよ。

維持 持高 高度 度の の二 二重 重構 構造 造問 問題 題

高度 度制 制限 限の の有 有効 効性 性を を明 明確 確に にす する る手 手法 法の の変 変遷 遷

S

Stteepphheenn 副副操操縦縦士士:そうだったのですか。

アメリカでは、 30年も前に 「維持高度の考え 方」 が、 既に管制のシステムとして構築され ていたのですか!

C

Caarrllooss 管管制制官官:Good morning everybody、

FAA では高度制限を明確にする方式は、 航 空管制用レーダーの普及とも密接な関係があっ て、 レーダーの普及と一緒に管制の方式も変 化してきたんです。

S

Stteepphheenn 副副操操縦縦士士:え〜その辺について、

しばらくお休みしていた ATC のハンガートー ク 「ATC 再発見Radio Telephony Meeting」 ですが、 2009年からは隔号掲載予定です。

今回は、 【指定高度 (Assigned Altitude) と高度制限】について Captain と Control-ler の熱いトークが始まっています。

もう少し詳しく聞かせてくださいよ。

C

Caarrllooss 管管制制官官:まず、 管制の第一世代であっ たノンレーダーの時代には、 高度制限はキャ ンセルしない限り常に有効でした。 つまり、

高度制限に変更がある時だけ指示を出して、

何も言わなければすべて有効、 という考え方 でした。

次に、 第二世代に入って、 レーダー管制が 導入されたものの未成熟な時代には 「最終高 度を変更したら、 高度制限に変更がないかど うかを必ず指示する」 方法が採られていまし た。 つまり高度制限の有効/無効/変更のい ずれかを、 その都度必ず指示する方式が採ら れていました。

そして1978年以降は、 第三世代とも言える レーダー管制の成熟した管制方式として 「高 度変更や経路変更といったフライトの節目に は、 必要な高度制限があれば改めて指示し、

その時に再度指示しなかった高度制限は全て 無効」 という極めてシンプルな方法を採用し、

同時に Until further advised の用語も使 用されなくなって、 現在に至っています。

S

Stteepphheenn 副副操操縦縦士士:そう言えば、 アメリカ で訓練を受けた時、 Until further advised なんていう言葉は聞いたことがなかったです ね。

C

Caarrllooss 管管制制官官:確かに2006年10月と2007年 5月の改正で、 高度に関して疑問を挟む余地 は無くなったと思いますが、 出発機に関して、

出域管制席との通信設定時に、 現在の通過高 度は通報するけど、 指定高度を通報しないパ イロットが多いのではないかと感じています。

N

Niicckk 機機長長:えっ、 そうですかぁ?

C

Caarrllooss 管管制制官官:羽田では、 1997年3月から 管制承認要求時の通信量軽減を目的として、

管制承認伝達席からは、 一律の基準高度で管 制承認を発出することが試行運用されていま す。

その後、 この運用は他の空港でも試行運用 さ れ る よ う に な っ て 、 暫 定 高 度 ・ Provi-sional Altitude・協定高度など、 空港によっ て呼び方はまちまちですが、 指定高度である ことには違いありません。 どうせ飛行する SID 毎に基準高度が決まっていて、 管制官 も熟知しているからということで、 通報しな いのかなぁとも思うのですが如何ですか?

N

Niicckk 機機長長:「現在の assigned altitude は何 フィートか」 を常に意識して飛行することは パイロットの基本ですから、 当然通信設定時 には通報しなければいけませんよ! SID 毎に一律の基準高度であっても、 指定高度に 変わりはないんですから。

C

Caarrllooss 管管制制官官:そうですよね。 「自分の上昇 クス又は時刻において通過すべき高度につい て公示されたもの又は管制官が航空機に指示 したもの」 と定められたことによって、 高度 制限に対する考え方が明確になりましたよね。

S

Stteepphheenn 副副操操縦縦士士:なるほど。 「維持高度 の二重構造問題」 と 「高度制限の有効性を明 確にする手法の変遷」、 そういった 「高度の 指定と高度制限の大改革」 がよく理解できま した。

「指 指定 定高 高度 度を を常 常に に意 意識 識す する るこ こと と」」 の の重 重要 要性 性

高度 度の の指 指定 定と と高 高度 度制 制限 限の の大 大改 改革 革

N

Niicckk 機機長長:Assigned altitude を明確にして 1本化したことと、 今 Carlos さんが話され た高度制限を第三世代化する大改革が2006年 10月に達成されたことは、 日本の航空史に残 る偉業でしたね。

ただ1点、 経路変更に例外規定を設けてし まったために現場で混乱が生じたのですが、

この問題もわずか半年後の2007年5月には再 改正という英断がくだされて、 高度に関する 考え方は大きく変貌を遂げました。

Y

Yaannkkeeee 機機長長:そのとおりです。 同時に管 制方式基準に高度制限の定義が、 「特定フィッ

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