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地域の風土特性を明らかにし、治水・利水に関わる祭祀と地域の関わりを再認識し、風 土に根ざした個性ある川づくり、活力ある地域づくりを進めるにあたっては、治水・利水 に関わる祭祀の有効な活用が求められる。 

そのため、治水・利水に関わる祭祀事例を評価し、その価値をさらに高めるための検討 が必要となる。 

治水・利水に関わる祭祀事例の評価にあたり、風土資産の価値や意味をわかりやすく理 解することを目的に名数化評価を実施する。 

「名数化」とは、例えば「日本三景」など、同類同義のものについて、数え並べ、名付 け(名数化)整理することにより相互の関係からその意味や価値を認知理解し、各々の地 域社会資源に新たな付加価値を見出す考え方である。 

 

①  地域別名数化 

〇北海道の二祭祀 

    青木利一(出雲神社)  北海道の水田造成事業の先駆者  保原元二(義経神社)  夕張川治水事業に取り組む 

〇青森県の二祭祀 

    川崎権太夫(杭止神社)  岩木川の人柱となった神官 

堰八太郎左衛門安高(福田宮堰神社)  人柱となって腹上に大杭を打ちこませた義人 

〇宮城県の二祭祀 

    川村孫兵衛重吉(重吉神社  他)  石巻を日本有数の港に作り変えた治水職人  山田貞策(山田神社)  開発した排水機で荒地の干拓に成功 

〇秋田県の一祭祀 

    渡部斧松(渡部神社)  先見性の高い開拓経営を行った秋田開拓の父 

〇山形県の三祭祀 

    北舘大学助利長(北舘神社)  不毛の大地を沃野に変えた北楯大堰開削工事  白井矢太夫(白山神社)  藩政を建て直し、開拓した 白井新田  

梅澤運平藤原綱利(梅澤山神社)  生祠に祀られた水争いの名裁き役 

〇福島県の三祭祀 

    古河善兵衛重吉・佐藤新右衛門家忠(西根神社)  西根堰の開削に挺身した二大人  沢村勘兵衛為勝(沢村神社)  総延長約 25 ㎞の用水路・小川江を手がける 

三森治右衛門光豊(水守神社)  地域に五穀豊穣をもたらした愛谷堰の開鑿 

〇茨城県の二祭祀 

    伊奈半十郎忠治(伊奈神社)  関東の大河川の改修事業に尽力 

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谷君雄(谷神社)  用水堀を開いて移住農民を招いて村を裕福に 

〇群馬県の一祭祀 

    大谷休泊(大谷神社)  渡良瀬川から引いた水路 休泊堀  

〇埼玉県の一祭祀 

    井沢弥惣兵衛為永(常福寺、井澤祠)  見沼代用水等に携わった近世土木の祖 

〇神奈川県の二祭祀 

    砂村新左衛門  内川新田・砂村新田などを開発 

二宮尊徳(報徳二宮神社)  報徳仕法で農村を蘇らせた天下の偉人 

〇新潟県の一祭祀 

    堀勘五郎(勘五郎神社)  曽川治水の大事業を成功に導いた庄屋 

〇富山県の一祭祀 

    沢田清兵衛(川原神社)  洪水被害の復興に力を注ぎ美田を拓く 

〇石川県の三祭祀 

    桜井三郎左衛門(額神社)  加賀・能登の田地に灌漑用水を引いた功績者      板屋兵四郎(板屋神社)  逆サイホン方式の導水管を用いた辰巳用水   

枝権兵衛・小山良左衛門(水戸明神社)  1800 町を灌漑する富樫用水の開削に尽力 

〇山梨県の四祭祀 

    平岡勘三郎(浄居寺)  朝穂堰築造に際して年貢を取らなかった代官 

平岡次郎右衛門和由(古社水神宮)  富竹新田を開発し水神に祀られた代官 

武田信玄(信玄堤)(三社神社)  釜無川の水害を防ぐ信玄堤を築いた甲斐の名将 

桜井孫兵衛・山口素堂(桜井孫兵衛・山口素堂生祠)  濁川改修に尽力した代官と文      人 

〇長野県の三祭祀 

    市川五郎兵衛(真親神社)  佐久の新田と用水を開発した功労者 

長坂織部正重清(山水元神社)  木島平の用水を拓き水争いに生涯を賭す  部奈団蔵宗(生魂水神社)  旱魃地帯への引水工事に尽力 

〇岐阜県の三祭祀 

    平田靱負(治水神社)  木曾三川の御手伝い普請に総奉行として命を賭ける  喜田吉右衛門・林幽閑・柴山伊兵衛(井神社)  曾代用水を私財を投じて開削  伊藤伝右衛門(鵜森神社(白山比売神社))  輪中の悪水を集めて排水する治水対策 

〇静岡県の十祭祀 

    古郡三代(重高・重政・重年)  富士川の水害を治める雁堤   

道丁(人柱)(護所神社)  雁堤の堤防工事で犠牲となった人柱を祀る 

友野与右衛門  他(芦ノ湖水神社(蘆湖水神社))未曽有の長さのトンネルを掘削し 箱根用水を開削 

紅林次郎右衛門(小田神社)  隣村を説得し用水路を引いた誠意の義人  三浦刑部(井成神社)  狂人を装って用水開設の契機を得た智恵者  中條右近(井宮神社)  嶺田用水の開削を命を賭して直訴した義人 

松岡萬(松岡神社(池主神社))  農民の訴願を受けて水源の池を守った役人 

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金原明善(明善神社)  暴れ天竜 を治め植林事業を行った功労者  殉職した 72 人の霊(井川神社)  井川ダム建設工事で殉職した人々の鎮魂  殉職した 96 人の霊  天竜川の佐久間ダム工事に殉じた人々 

〇愛知県の二祭祀 

    田中勘七郎  他(伊佐雄神社)  岡崎平野を潤す明治用水開発の功労者  都築弥厚  他(明治川神社)  明治用水を開削し農業の基盤を築く 

〇三重県の四祭祀 

    加納直盛(美波多神社(加納神社))  美濃原へ水を引く周到な水利用計画を立案  松井孫右衛門(松井神社)  宮川の築堤の際に自ら人柱となった庄屋 

山中為綱(高岡神社)  自ら水路を調査して完成させた高野井  西島八兵衛(水分神社)  雲出井工事の陣頭指揮にあたった尽力者 

〇京都府の一祭祀 

    由良川の堤防(御神体)(堤防神社)  全国で唯一、堤防を御神体として祀る 

〇大阪府の一祭祀 

    高島伊太郎(佐和良義神社の末社の水神社)  神崎川を改修工事し新河道を開く 

〇鳥取県の一祭祀 

    安藤伊右衛門(弁天宮)  全私財を投げ打って用水路工事を完遂 

〇島根県の一祭祀 

大梶七兵衛朝泰(大梶神社)  防風林や用水を造り出雲平野を拓いた偉人 

〇広島県の一祭祀 

甚五郎(甚五郎神社)  潮どめ工事の人柱となった人夫の差配役 

〇香川県の六祭祀 

    太田伊衛門典徳(豊水分霊神社)  小豆島に大池を造るため私財を投げ打った庄屋  久保太郎右衛門・大久保主計(大久保神社)  灌漑用水開削に私財を投じた庄屋と藩 の役人 

いわざらこざらの乙女(滕(ちきり)神社)  平池改修工事の人柱となったチキリを 抱いた乙女 

矢延平六(高須神社(池の宮神社、新池神社)、飛渡神社)  新池築造に尽力するも 無実の罪で追放された悲劇の賢者 

加地茂治郎(豊稔池守護神)  ダム建設のために東奔西走した功労者 

西島八兵衛(松崎神社(神野神社境内社))  満濃池をはじめ 90 あまりの大池を手が ける 

〇愛媛県の二祭祀 

    安藤惣之進(水矛大権現)  水争いの責任をとって焼身自殺した義人 

竹内立左衛門(嘉母神社(早苗神社))  飢餓の有様を見て大規模な干拓工事を行う 

〇高知県の一祭祀 

    白石道珀(道珀神社)  一人でのみを持ち十数年掘り続けた水路 

〇福岡県の三祭祀 

    田代弥三左衛門(田栄神社)  私財を投じて筑後川の袋野へ引水 

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草野又六  他(大堰神社)  村を救うために立ち上がった五名の庄屋と役人  栗林次兵衛  他(長野水神社)  筑後川の豊かな水を導水した五人の庄屋 

〇佐賀県の一祭祀 

    成富兵庫茂安(白石神社)  治水事業を有機的に組み合わせた治水の賢人 

〇熊本県の六祭祀 

    大野十左衛門一隆(大野神社)  滑石村の干拓工事と灌漑用水工事に尽力 

木倉太郎兵衛・光永平蔵憔詳(古閑原守護神社)  江戸初期と末期に郷土の水利事業 に尽した二義人 

高橋政重(多良木菅原神社)  球磨川の水を引く幸野溝を 8 年がかりで完成  鹿子木量平(文政神社)  庄屋として郷土の干拓開田に尽力 

加藤清正(加藤神社)  熊本城下の川を独創的な方法で治めた武将  布田保之助(布田神社)  土木技術の粋・通潤橋築造に携わった功労者 

〇大分県の四祭祀 

    南一郎平(南尚神社)  広瀬井手など各地の疏水を手がけた技術者 

お鶴・市太郎母子(八幡鶴市神社)  堰の難工事のために自ら人柱となった母子  垣田幾馬(通水記念碑前)  父の意思を継ぎ荻柏原井路の難工事を完遂 

工藤三助(三助廟)  野津原三渠の開発に貢献した惣庄屋 

〇宮崎県の三祭祀 

    松井五郎兵衛儀長(松井神社)  私財を投げ打ち井堰建設と用水路開削に身を賭した  児玉久右衛門(杉安井堰改築之碑)  用水路と杉安井堰築造工事に私財を投じる  藤江監物(出北観音堂)  8 ㎞の水路開削に着手するもあらぬ嫌疑で獄死 

〇鹿児島県の一祭祀 

    山田昌巌(出水小学校前広場)  トンネル掘鑿による昌巌溝を開削した地頭 

〇沖縄県の一祭祀 

    蔡温(世持神社)  卓越した判断力で羽地大川改修工事に携わる   

②祭祀起源の年代別名数化 

〇平安時代の三祭祀 

    武田信玄(信玄堤)  釜無川の水害を防ぐ信玄堤を築いた甲斐の名将  いわざらこざらの乙女  平池改修工事の人柱となったチキリを抱いた乙女  お鶴・市太郎母子  堰の難工事のために自ら人柱となった母子 

〇戦国期の一祭祀 

    大谷休泊  渡良瀬川から引いた水路 休泊堀  

〇江戸初期の三祭祀 

    堰八太郎左衛門安高  人柱となって腹上に大杭を打ちこませた義人  矢延平六  新池築造に尽力するも無実の罪で追放された悲劇の賢者  白石道珀  一人でのみを持ち十数年掘り続けた水路 

〇江戸中期の十祭祀 

    井沢弥惣兵衛為永  見沼代用水等に携わった近世土木の祖 

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