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【参考】指針本⽂の関連する規程

研究不正

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不正⾏為(捏造)の例

上記研究がASCO(⽶国臨床腫瘍学会)のプレナリーセッションで発表された。

当時、再発⾼リスクの乳癌術後の通常化学療法と⼤量化学療法のランダム化⽐較試験が⽶

国などでいくつか実施されたが、Bezwodaらによる試験以外は⼤量化学療法が優れていること を証明できなかった。

国際的な⼤規模試験を検討するため、Bezwodaらによる臨床試験について⽶国の研究者が

実地調査を実施。 47

Randomised, controlled trial of high dose chemotherapy (HD-CNVp) versus standard dose (CAF) chemotherapy for high risk, surgically treated, primary breast cancer

(Bezwoda WR. Proc ASCO 18:abstr 4, 1999)

乳がん術後 腋窩リンパ節転移

10個以上

ラン

通常量化学療法 (CAF療法) N=79例

大量化学療法 (CPA/MIT/VP-16) N=75例

(続き) THE BEZWODA STUDY

実地調査の結果

⽂書によるインフォームド・コンセントなし

施設の倫理審査委員会での承認記録が存在せず

コントロール群である通常化学療法群の記録が存在せず、⼤量化学療法群 では58例のみ記録が存在 (公表データでは75例)

この不正⾏為について、学会参加者全員にASCOから緊急レポート を配信

臨床試験における品質保証の重要性が改めて認識された

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High-dose chemotherapy for high-risk primary breast cancer:

an on-site review of the Bezwoda study (Weiss RB, et al. Lancet 2000; 355: 999-1003)

2ND WORLD CONFERENCE ON RESEARCH INTEGRITY

研究公正に関するシンガポール宣⾔

2010年 9⽉22⽇ 51ヶ国参加

1. 公正︓研究者は研究の信頼性に対する責任を負わなければならない。

2. 規則の順守︓研究者は研究に関連する規則および⽅針を認識かつ順守しなけ ればならない。

3. 研究⽅法︓研究者は適切な研究⽅法を採⽤し、エビデンスの批判的解析に基 づき結論を導き、研究結果および解釈を完全かつ客観的に報告しなければならない。

4. 研究記録︓研究者は、すべての研究の明確かつ正確な記録を、他者がその研究 を検証および再現できる⽅法で保持しなければならない。

5. 研究結果︓研究者は、優先権および所有権を確⽴する機会を得ると同時に、

データおよび結果を公然かつ迅速に共有しなければならない。

6. オーサーシップ︓研究者は、すべての出版物への寄稿、資⾦申請、報告書、研究 に関するその他の表現物に対して責任を持たなければならない。著者⼀覧には、すべ ての著者および該当するオーサーシップ基準を満たす著者のみを含めなければならな い。

7.物における謝辞 出版︓研究者は、執筆者、資⾦提供者、スポンサーおよびその他 をはじめとして、研究に多⼤な貢献を⽰したが、オーサーシップ基準を満たさない者の

⽒名および役割に対し、出版物上に謝意を表明しなければならない。

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⽇本学術会議第2回「科学研究における健全性の向上に関する検討委員会」浅島誠参考⼈資料より

2ND WORLD CONFERENCE ON RESEARCH INTEGRITY

研究公正に関するシンガポール宣⾔

2010年 9⽉22⽇ 51ヶ国参加

8. ピアレビュー︓研究者は、他者の研究をレビューする場合、公平、迅速、厳格な評価を実施し、守 秘義務を順守しなければならない。

9. 利害の対⽴︓研究者は、研究の提案、出版物、パブリック・コミュニケーション、およびすべてのレ ビュー活動における成果の信頼性を損なう可能性のある利害の⾦銭的対⽴およびその他の対⽴を開

⽰しなければならない。

10. パブリック・コミュニケーション︓研究者は、研究結果の有⽤性および重要性について公開議論を

⾏う場合、専⾨的コメントは当該研究者の認識された専⾨分野に限るものとし、専⾨的コメントと個

⼈的な⾒解に基づく意⾒とを明確に区別しなければならない。

11. 無責任な研究⾏為の報告︓研究者は、捏造、改ざん、または盗⽤をはじめとした不正⾏為が 疑われるすべての研究、および、不注意、不適切な著者⼀覧、⽭盾するデータの報告を怠る、または 誤解を招く分析法の使⽤など、研究の信頼性を損なうその他の無責任な研究⾏為を、関係機関に 報告しなければならない。

12. 無責任な研究⾏為への対応︓研究施設、出版誌、専⾨組織および研究に関与する機関は、

不正⾏為およびその他の無責任な研究⾏為の申し⽴てに応じ、善意で当該⾏動を報告する者を保 護する⼿段を持たなければならない。不正⾏為およびその他の無責任な研究⾏為が確認された場合、

研究記録の修正を含め、迅速に適切な措置をとらなければならない。

13. 研究環境︓研究施設は、教育、明確な⽅針、および昇進の妥当な基準を通して公正性を促 す環境を構築・維持し、研究公正を⽀援する研究環境を助⻑しなければならなない。

14. 社会的課題︓研究者および研究施設は、その研究に特有のリスクを社会的利益と⽐較検討す る倫理的義務があることを認識しなければならない。

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⽇本学術会議第2回「科学研究における健全性の向上に関する検討委員会」浅島誠参考⼈資料より

「⽇本社会学会倫理綱領にもと づく研究指針(2006.10.12)」

を臨床研究に当てはめてみたら

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1.研究と調査における基本的配慮事項

(1)研究・調査における社会正義と⼈権の尊重

(2)研究・調査に関する知識の確実な修得と正確な理解 (3)調査を実施する必要性についての⾃覚

(4)所属研究機関の⼿続き等の尊重 (5)研究対象者の保護

(6)結果公表時の対象者への配慮

(7)偽造・ねつ造・改ざんの禁⽌、データの厳密な管理 (8)指導者による指導の徹底

(9)過⼤な謝礼の禁⽌など、適切な謝礼の扱い⽅

「⽇本社会学会倫理綱領にもとづく研究指針(2006.10.12)」をもとに⼭本が独⾃に改変

研究を⾏う際に配慮すべき基本的事項(1)

2.統計的推測を⾏う研究における配慮事項 (1) サンプリング(研究対象者抽出)の重要性 (2) 虚偽の情報記載の禁⽌

(3) データの保護―対象者特定の防⽌

(4) エラーチェック、推測を⾏いたい⺟集団に対する実際の研究対象者の代 表性の検討

(5) 興味深い知⾒・新しい考察を導くための努⼒

3.記述的質的調査における配慮事項

(1) 事例調査や参与観察における研究⽬的伝達⽅法の⼯夫 (2) 匿名性への配慮

「⽇本社会学会倫理綱領にもとづく研究指針(2006.10.12)」をもとに⼭本が独⾃に改変

研究を⾏う際に配慮すべき基本的事項(2)

4.論⽂執筆など研究結果の公表にあたって (1) 他者のオリジナリティの尊重

(2) 先⾏研究の尊重

(3) 引⽤は公開されたものから⾏うのが基本原則 (4) 図表などの「使⽤」許諾の必要性

(5) 投稿規定・執筆要項の遵守 (6) 「⼆重投稿」の禁⽌

(7) 査読内容の尊重

(8) 著作者の権利の理解とその保護

(9) 共同研究を⾏う際にはルールを決め、それを守る

研究を⾏う際に配慮すべき基本的事項(3)

「⽇本社会学会倫理綱領にもとづく研究指針(2006.10.12)」をもとに⼭本が独⾃に改変

5.研究資⾦の取扱いと委託研究への対応

(1) 研究資⾦は研究に必要な項⽬に⽀出し、⽀出内容を記録する

(2) 委託研究を⾏う場合には、委託主と合意内容について契約書を交わし、データや報告書 の内容などに委託を受けた研究者の主体性が極⼒守られるように留意

6.教育・研究におけるセクシュアル・ハラスメント、アカデミック・ハラスメント等

(1) ハラスメントをしないためには、教える者と教えられる者が権⼒的な関係にあることを理解す る、私的な感情を持ち込まない

(2) ハラスメントを受けた場合は、相⼿に伝えて解決する可能性を考慮し、それが不可能なら、

所属機関等の規定に従う 7.学会活動

(1) 会員として学会活動に積極的に参加する (2) 積極的に学会誌への投稿や学会報告を⾏う (3) 査読やコメントは研究内容を⾼める観点から 8.社会での活動

学問的批判に耐えうる発⾔と批判への誠実な対応

臨床研究を⾏う際に配慮すべき基本的事項(4)

「⽇本社会学会倫理綱領にもとづく研究指針(2006.10.12)」をもとに⼭本が独⾃に改変

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