F. 知的財産権の出願・登録状況 特になし
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I-5. 一般原則部会 (CCGP)
A.研究目的
CCGPは、Codex委員会下に設置された全 ての部会に横断的に関わる手順や一般事項 について付託を受けた場合に検討を行う部 会であり、特にCodex委員会のガバナンス 上の課題を検討する上で重要な部会である。
本研究では、わが国による戦略的な Codex 委員会対応に資することを目的とし、CCGP の重要なトピックについて、合意形成プロ セスにおける論点を国際政治・公共政策学 的観点から分析し、各国のポジションや利 害関係の把握と論点の整理を行った。
B.研究方法
CCGPにおけるプロセス分析とガバナン ス上の課題については、前研究班(平成 26
~28 年度厚生労働行政推進調査事業費補 助金食品の安全確保推進研究事業「国際食 品規格策定プロセスを踏まえた食品衛生 規制の国際化戦略に関する研究」)以来継 続的に分析してきたところである。
CCGPは、2016年4月に開催された第30 回会合後に休会したが、2019年度から活動 を再開した。このCCGPの活動再開の動き を捉え、本研究においても、再開された CCGP 第 31 回会合以後の議論における論 点の整理を再開した。具体的には、会合に 先立ち回付された討議文書、各国の意見ま た、会合後の議事録等の整理・分析を行っ た。なお、CCGP第32回会合が2020年3
月23日~27日にフランスで開催予定であ ったが、COVID-19 の影響により延期され たことから、会合による議論の結果を得る ことはできなかった。しかし、回付された 討議文書の内、主要な議題について整理を 行った。
C.D. 結果及び考察
2019年の再開後にCCGPで議論された論 点としては、議論が終了した(1)Codex 規格 における例示の位置づけ、議論が継続中の (2)電子的コミュニケーションのみによる部 会 (Committee Working by Corespondence;
CWBC)、(3)Codex 規格の利活用に関するモ ニ タ リ ン グ 、(4)持 続 可 能 な 開 発 目 標 (Sustainable Development Goals;SDGs)の文脈
での Codex 活動のモニタリング、がある。
以下それぞれについて整理する。
1. Codex 規格における例示の位置づけにつ
いて
本議題は議論が終了したが、今後わが国 から出席する代表団が交渉に臨む際に、き ちんと踏まえておいた方が良い重要な議題 である。
この議題が取り上げられた背景には、以 下の経緯があった。2017 年に開催された CCFICS第23回会合では、「国の食品管理シ ステムの規制面での実施状況のモニタリン グに関するガイダンス案」の採択の際に、ブ
61 ラジルが、その付属文書における例示の使 用に反対した。ブラジルは、付属文書に含め る例示が必ずしも全ての食品分野に当ては まらず、異なる文脈で用いられると不要な 混乱をもたらしかねないことを問題にした。
文書自体は同年のCAC第40回会合におい て採択されたが、その際にブラジルなどが、
改めて付属文書における例示の取扱いにつ いてCCGP で検討すべきとした。本案件は その要請を受けて実施された。
Codex 事務局が作成した討議文書(CX/GP 19/31/4)によれば、Codex 委員会では、これ までにも例示を含む文書が策定されたこと はあり、その扱いについて議論がされた。
2009年開催のCAC 第23回会合で、Codex 基準、付属文書を含むすべてのCodex 規格
はWTO/TBT協定における「国際基準」に該
当すると合意した。このため、付属文書も説 明ための注釈も Codex 規格の文書(codex text)に入っている限り、Codex規格の一部と みなされる。一方、公式のCodex規格の文 書としたくないものの、情報として役立つ よ う な 事 例 や そ の 他 の 資 料 に つ い て information document とすることがCCGP第 28回会合において議論され、2014年開催の CAC第37回会合で採択された。会合では、
Codex 規格における例示の法的な含意が明
確でないことについての懸念を改めて論じ られることもあったが、Codex事務局は、上 記討議文書に記載があるように、どのよう な形態(注釈、付属文書、例示など)であろう
と、Codex文書に入っているものは、文書の
一部(REP19/GP, para36)であるとの合意がす でにあるとした。Codex規格の法的な地位と の混乱を避けるために、単に事例として用 い る 場 合 は 、CAC の 採 択 を 要 さ な い information document とすべきといった議論 が交わされ、現段階では「例示」に関する特 定のガイダンスを作成する必要はないとい う結論に至った。
Codex規格における「例示」の取扱いの問
題は、Codex委員会にある現在の仕組みで対
処できることから、当面取り上げないこと で合意したものの、Codex規格に盛り込まれ る例示が国際的に、どのような法的取扱い を受けるのかきちんと理解し、会合に出席 する代表団に継承しておくことが重要であ る。つまり、2009年開催のCAC第23回会 合における合意に基づき、WTOの紛争の際 には、「例示」もCodex規格の一部とされる ことを確実に継承すべきである。Codex委員 会における規格基準策定の際には、「例示」
の取り扱いも慎重に検討するべきである。
情報として役立つものの、貿易紛争上の含 意を持つような「例示」については、公的な 地位を持たない「information document」とし て別途採用するように促すべきである。
2. 電子的なコミュニケーションのみによる 部会(CWBC)における手続き上のガイダン スについて
昨今、Codex委員会下に組織され、休会と
なっていた個別部会が「文面による作業 (working by correspondence)」により活動を再
62 開しておりCCEXEC(2016年と2017年にそ れぞれ開催された第72回 並びに第73回会 合)及び、CAC(2017年と2018年にそれぞれ 開催された第40回並びに第41回会合)を中 心に議論がなされてきた。その結果、CAC第 41会合では、working by correspondenceに関 するガイダンスを策定するうえでの手続 き・運営上の課題についてCCGP第31回会 合で議論することとされた。
事前回付された事務局の討議文書では、
①Working by correspondenceとEWGの違い、
②国連における事例、③Codex委員会におけ る手続き上の課題、の 3 点から整理がされ ている。
ま ず 1 点 目 に つ い て 、Working by correspondenceとEWGとの最大の違いは、
意思決定ができるかどうかという点である。
EWGに関する規定は、Codex手続きマニュ アルに示されている。また現状、EWG は、
会合と会合との間に作業するもので、特定 の問題を念頭に ToR を明確にして討議文 書・作業文書を作成し、かつ意思決定・投票 等は行わない。
2 点 目 は 、 国 連 に お け る Working by correspondenceの事例である。国連組織の中 では限定的な例外はあるものの、基本的に は物理的会合が主流であることまた、そう し た 一 部 の 例 外 的 事 例 で working by correspondenceが採用されるのは、以下のよ うな場合―(a)物理的会合の間に生じる緊急 性のある議題、(b)当該組織がある程度限定 されたメンバーで構成されている、(c)特定
の限定的なスコープの問題を扱う、(d)決定 事項はその後きちんと物理的会合に報告さ れる―である。
3 点目の Codex 委員会における手続き上
の課題については、以下が指摘されている。
(a) 代 表 の 検 証 の 問 題 (credentials of delegation):物理的会合であれば、代表の確 認は容易であるがworking by correspondence で実施した場合、特定の電子メールやログ オン等によってアクセスしてきた人が本当 に代表かの確認が困難となる。(b)議長の役 割:文書や電子的なやり取りにおいては議 長の権限が格段に高まり、参加者の意見が 十分に反映されない可能性があるという問 題 が あ る 。(c)効 果 的 な参 加 :working by correspondenceは物理的会合に比べ相対的に 相互作用が低くなり、協力やコンセンサス の形成が限定的になる。さらに、すでにEWG が増加した状態にあり、作業負担がさらに 増大する。言語・翻訳の問題もある。
会合においても、上記の論点について議 論された。FAO の法務官は、法的な観点か ら Working by correspondence の手続き上の 問題に関して検討することは適切としたう え で 、 意 思 決 定 ま で を 行 う Working by correspondence を実施する場合は、EWG よ りも厳しい手順が適用されるべきとした。
国連の立場としては、手続き上の理由(すな わち代表者の資格確認、議長の役割、有効な 参加の確保)や、加盟主体間の相互作用の促 進、参加主体の意思決定に対する権利の確 保といった観点から、意思決定に関わるよ
63 うな会議は物理的会合により実施されるべ きとした。参加者からは、Codex委員会では、
協調、包摂、透明性といったことが重要であ る一方、Working by correspondenceのような 議論の進め方をオプションとして保持する ことの柔軟性があったほうがいいとの支持 があった。議論の結果、ニュージーランドを 議長国(米国、ドイツ、日本が共同議長国)と す る EWG を 設 置 し 、 ①Working by correspondenceの実施する作業が適切とされ るクライテリアを作成し、手順のガイダン
スをCodex 手続きマニュアルに沿って作成
すること、②それらを検討し適宜勧告する ことに合意した。なお、EWGの見直しの議 論とは性質の異なるものとして、別に議論 することとなった。
EWGは2回実施され、CCGP第32回会 合 に 向 け て CWBC に 関 す る 討 議 文 書 (CX/GP 20/32/4)を作成した。当討議文書では、
CWBC のあり方を検討する上で、これまで
の Codex 委員会における CWBC の事例を
整理したうえで、①CWBC を実施する際の クライテリア 、②議長、事務局、部会の役 割(現行のCodex手続きマニュアルにある記 載をCWBCの場合にどのように適用させる かやコンセンサスが得られたかの判断など)、
③会議運営上の検討事項(包括性や透明性の 確保、参加主体の認証、定足数など)の論点 を挙げ、それぞれについて論じた。そして CCGP第 32回会合では以下の CWBCの手 順 上 の ガ イ ダ ン ス に 向 け た 検 討(CX/GP 20/32/4 13.3)を行うことが適切と勧告した。
・CWBC による実施が適切な作業につ いてのクライテリア
・CWBCの議長(と潜在的共同議長、報 告者)の役割
・Codex事務局の役割
・(活動中の、休会している)Codex部会 の役割
・コミュニケーションと包括性(使用言 語と通訳)
・参加主体と代表団の本人確認・権限
・定足数の決定に関して
・規格や文書のステップを進めるか否 かの判断、コンセンサスの促進、懸念や 留保、投票のあり方
・CACへの報告の仕方
3. Codex 規格の利活用に関するモニタリン
グについて
CCGP第31回会合は、今後議論すべき潜 在的・将来的課題の候補を募集して、その結 果、7つの論点が挙げられた。議論の結果、
CCGP において具体的に検討するのは、本 項で論じる、Codex 規格の利活用に関する モニタリングと、次項で論じる SDGs の文
脈でのCodex委員会活動のモニタリングと
なった 。
Codex 規格の利活用に関するモニタリン
グについては、CCGP第31回会合のための 討議文書をフランスが用意することで合意 した。以下はその討議文書の概要である。
これまで、それを確認する手法がないこ
とから、Codex規格が実際にどれだけ各国