韓 国 語 を L1 と す る 日 本 語 の 未 習 者 と 既 習 者 を 対 象 に ,1 字 漢 字 の 韓 日 形 態 類 似 性 を 調 査 す る こ と で あ っ た 。
( 2) 調 査 参 加 者
日 本 語 未 習 者 は ,韓 国 の 大 学 に 在 学 中 の 日 本 語 専 攻 以 外 の 大 学 生 23 名( 男 性 19 名 , 女 性 4 名 ) で あ っ た 。 日 本 語 学 習 経 験 , 日 本 で の 滞 在 経 験 は な か っ た 。日 本 語 既 習 者 は ,日 本 国 内 の 大 学 ,大 学 院 ,専 門 学 校 に 在 学 中 の 留 学 生 20 名( 男 性 8 名 ,女 性 12名 )で あ っ た 。全 員 が 日 本 語 能 力 試 験 1 級( N 1 ) を 取 得 し て い た 。
( 3) 材 料
国 際 交 流 基 金 (2002) の 日 本 語 能 力 試 験 2 級 漢 字 リ ス ト と ,대 한 민 국 교 육 부(2000) の 中 学 校 で 学 ぶ 漢 字 リ ス ト の 両 方 に 存 在 す る 漢 字 を 選 定 し た 。 そ の 中 か ら 文 部 科 学 省 (1981) の 常 用 漢 字 表 を 参 考 に , 訓 読 み し か な い 漢 字 と 音 読 み が 2 つ 以 上 あ る 漢 字 を 除 外 し21, さ ら に 青 山 ・ 熊 本 (1999)
を 参 考 に , 韓 国 語 の 読 み が 2 つ 以 上 あ る 漢 字 を 除 外 し た22。 そ の 結 果 ,437
2 1「 経 」 は ,「 ケ イ 」 と 「 キ ョ ウ 」 の 2つ の 音 読 み が あ り , 選 定 条 件 か ら 外 れ る こ と が 調 査 後 に 判 明 し た 。
2 2 頭 音 規 則 に よ っ て 音 が 変 化 す る 漢 字 は , 除 外 し な か っ た 。
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字 の 日 本 語 漢 字 が 調 査 材 料 と な っ た 。437 字 を ,A4 縦 型 用 紙 1 枚 に 12 字 ず つ 配 置 し た 。1 つ の 調 査 漢 字 に つ き ,左 側 に 日 本 語 漢 字 ,右 側 に 韓 国 語 漢 字 を 記 し た 。フ ォ ン ト は ,日 本 語 漢 字 は 明 朝 体 ,韓 国 語 漢 字 は 韓 国 で 一 般 的 に 使 用 さ れ て い る Batang Che を 採 用 し ,サ イ ズ は 共 に 18ポ イ ン ト を 用 い た 。 各 漢 字 の 右 側 に 7 段 階 評 定 尺 度 (1:전 혀 비 슷 하 지 않 다, 全 然 似 て い な い
~7:아 주 비 슷 하 다,非 常 に 似 て い る )を 配 置 し ,い ず れ か の 評 定 値 に ○ が つ け ら れ る よ う に し た 。
( 4) 手 続 き
未 習 者 は 集 団 形 式 で ,既 習 者 は 小 集 団 形 式 ま た は 個 別 形 式 で 調 査 を 行 っ た 。 教 示 文 は 韓 国 語 で 表 記 し ,そ れ を 読 ま せ た 。以 下 に ,教 示 文 の 概 要 を 日 本 語 に 翻 訳 し た も の を 示 す 。
左 側 に あ る 漢 字 ( 日 本 語 漢 字 ) と , 右 側 に あ る 漢 字 ( 韓 国 語 漢 字 )の ,形 態 上 の 類 似 性 を 7 段 階 で 評 定 し て く だ さ い 。例 え ば ,「 右 右 」 の 形 態 が 非 常 に 似 て い る と 考 え る な ら ば ,7 に ○ を 付 け ま す 。 ま た ,「 体 體 」 の 形 態 が 全 然 違 う と 考 え る な ら ば ,1 に ○ を 付 け ま す 。1 か ら 7 の 数 字 の い ず れ か 1 つ に 必 ず ○ を 付 け て く だ さ い 。 評 定 時 間 は 1 組 の 漢 字 に つ き 5 秒 で す 。
教 示 内 容 の 徹 底 を 確 認 後 ,練 習 ペ ー ジ に あ る 5 組 の 漢 字 に つ い て 評 定 す る 練 習 試 行 が 行 わ れ ,そ の 後 ,本 試 行 に 入 っ た 。約 半 数(216 組 )の 評 定 が 終 わ っ た 時 点 で ,3 分 の 休 憩 が と ら れ , 休 憩 後 , 残 り の 約 半 数 (221 組 ) に つ い て , 再 び 評 定 さ せ た 。
2. 音 韻 類 似 性 調 査
( 1) 目 的
韓 国 語 を L1 と す る 日 本 語 の 未 習 者 と 既 習 者 を 対 象 に , 1 字 漢 字 の 韓 日 音 韻 類 似 性 を 調 査 す る こ と で あ っ た 。
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( 2) 調 査 参 加 者
日 本 語 未 習 者 は ,韓 国 の 大 学 に 在 学 中 の 日 本 語 専 攻 以 外 の 大 学 生 20 名( 男 性 19 名 , 女 性 1 名 ) で あ っ た 。 日 本 語 学 習 経 験 , 日 本 で の 滞 在 経 験 は な か っ た 。日 本 語 既 習 者 は ,日 本 国 内 の 大 学 ,大 学 院 に 在 学 中 の 留 学 生 20 名( 男 性 3 名 , 女 性 17 名 ) で あ っ た 。 全 員 が 日 本 語 能 力 試 験 1 級 ( N1) ま た は 日 本 留 学 試 験( 日 本 語 )300 点 以 上 を 取 得 し て い た 。未 習 者 ,既 習 者 と も に , 形 態 類 似 性 の 調 査 に は 参 加 し て い な か っ た 。
( 3) 材 料
形 態 類 似 性 調 査 で 使 用 し た 437 字 を 用 い た 。1 つ の 漢 字 に つ き ,韓 国 語 漢 字 音 の ハ ン グ ル 表 記 と 韓 国 語 漢 字 を そ れ ぞ れ 左 右 に 配 置 し ,さ ら に そ の 右 側 に 7 段 階 評 定 尺 度 を 記 し た 。そ の 他 の 条 件 は ,形 態 類 似 性 調 査 と 同 様 で あ っ た 。聴 覚 呈 示 用 の 日 本 語 漢 字 音 は ,関 東 方 言 話 者( 女 性 )が 音 声 を 録 音 し た も の を 編 集 し て 使 用 し た 。
( 4) 手 続 き
未 習 者 は 集 団 形 式 で ,既 習 者 は 小 集 団 形 式 ま た は 個 別 形 式 で 調 査 を 行 っ た 。 教 示 文 は 韓 国 語 で 表 記 し ,そ れ を 読 ま せ た 。以 下 に ,教 示 文 の 概 要 を 日 本 語 に 翻 訳 し た も の を 示 す 。
今 か ら 日 本 語 漢 字 音 を 聞 き ま す 。 聞 こ え て き た 音 と , 調 査 用 紙 に 記 さ れ た 韓 国 語 漢 字 音 が ど れ く ら い 類 似 し て い る か を 7 段 階 で 評 定 し て く だ さ い 。 韓 国 語 漢 字 音 の 横 に は , そ の 音 を 表 す 漢 字 を 記 載 し ま し た が , で き る だ け 音 に 集 中 し て 評 定 し て く だ さ い 。 例 え ば ,聞 こ え て く る 音( 日 本 語 漢 字 音 )“u” と ,調 査 用 紙 の 韓 国 語 漢 字 音 “우( 右 )” の 音 韻 が 非 常 に 似 て い る と 考 え る な ら ば ,7 に
○ を 付 け ま す 。 ま た , 聞 こ え て く る 音 ( 日 本 語 漢 字 音 )“oo” と , 調 査 用 紙 の 韓 国 語 漢 字 音 “구( 歐 )” の 音 韻 が 全 然 違 う と 考 え る な ら ば ,1 に ○ を 付 け ま す 。漢 字 の 音 声 は ,5 秒 ご と に 1 つ が 聞 こ え て き ま す 。音 声 を 聞 き な が ら ,1 か ら 7 の 数 字 の い ず れ か 1 つ に 必
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ず ○ を 付 け て く だ さ い 。 順 番 に 出 て く る 一 つ ひ と つ の 音 声 を 聞 き 逃 さ な い よ う に 集 中 し て 回 答 し て く だ さ い 。 万 一 聞 き 逃 し た 場 合 は , そ の 漢 字 に つ い て は 評 定 せ ず , 次 の 漢 字 音 に 集 中 し て く だ さ い 。
教 示 内 容 の 徹 底 を 確 認 後 ,練 習 ペ ー ジ に あ る 5 組 の 漢 字 に つ い て ,聴 覚 呈 示 さ れ る 日 本 語 音 に 合 わ せ て 評 定 す る 練 習 試 行 が 行 わ れ た 。そ の 後 の 本 試 行 に お け る 手 続 き は , 形 態 類 似 性 の 調 査 と 同 様 で あ っ た 。
3. 形 態 ・ 音 韻 類 似 性 調 査 の 結 果
1, 2 の 調 査 で 得 ら れ た 437 字 の 形 態・音 韻 類 似 性 の 平 均 評 定 値 と 標 準 偏 差 を 本 論 文 末 の 資 料 5 に 示 す 。資 料 に お け る 漢 字 の 呈 示 順 序 は ,未 習 者 に よ る 形 態 類 似 性 の 平 均 評 定 値 が 高 い も の か ら 低 い も の へ と 並 べ ら れ て い る 。形 態 類 似 性 の 評 定 平 均 値 は , 未 習 者 が 6.39( 標 準 偏 差 1.36) で あ り , 既 習 者 が 6.43( 標 準 偏 差 1.17)で あ っ た 。音 韻 類 似 性 の 平 均 評 定 値 は ,未 習 者 が 3.43
( 標 準 偏 差 1.91) で あ り , 既 習 者 が 3.09( 標 準 偏 差 1.72) で あ っ た 。 未 習 者 , 既 習 者 の 平 均 評 定 値 が と も に 4.00 以 上 の も の を 類 似 度 高 群 ( 以 下 , 高 群 ),4.00 未 満 の も の を 類 似 度 低 群 ( 以 下 , 低 群 ) と し て 分 類 し た と こ ろ ,形 態 類 似 性 高 群 は 400 字 ,低 群 は 30 字 で あ り ,音 韻 類 似 性 高 群 は 104 字 , 低 群 は 285字 で あ っ た 。
形 態 類 似 性 調 査 に お い て ,未 習 者 と 既 習 者 の 平 均 評 定 値 が 2 群 に 分 か れ た の は ,「 軽 」,「 乗 」,「 経 」,「 栄 」,「 真 」,「 浅 」,「 労 」 の 7 字 で , す べ て 未 習 者 よ り も 既 習 者 の 評 定 値 が 高 か っ た 。音 韻 類 似 性 調 査 に お い て ,未 習 者 と 既 習 者 の 平 均 評 定 値 が 2 群 に 分 か れ た 48 字 は ,「 独 」「 中 」「 医 」 の 3 字 以 外 は , す べ て 未 習 者 よ り も 既 習 者 の 評 定 値 が 低 か っ た 。
未 習 者 と 既 習 者 の 平 均 評 定 値 の 違 い は , 形 態 類 似 性 調 査 で 最 大 1.76, 音 韻 類 似 性 調 査 で 最 大 3.70 で あ っ た 。 音 韻 類 似 性 調 査 に お い て , 未 習 者 と 既 習 者 の 平 均 評 定 値 の 違 い が 3.00 以 上 の 数 値 を 示 し た 漢 字 は ,「 紙 」(3.70),
「 止 」(3.25),「 指 」(3.00),「 春 」(3.00),「 志 」(3.60),「 酒 」(3.40),「 者 」
(3.15) の 7 字 で あ っ た ( 括 弧 内 は 未 習 者 と 既 習 者 の 平 均 評 定 値 の 違 い )。
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こ れ ら は す べ て 既 習 者 の 評 定 値 の 方 が 低 か っ た 。こ の よ う に ,未 習 者 と 既 習 者 の 評 定 値 の 違 い が 3.00 以 上 あ る 漢 字 は , 実 験 材 料 選 定 の 際 に 除 外 し た 。
第 2 節 2 字 漢 字 単 語 の 調 査
1. 形 態 類 似 性 調 査
( 1) 目 的
韓 国 語 を L1 と す る 日 本 語 の 未 習 者 と 既 習 者 を 対 象 に ,2 字 漢 字 単 語 の 韓 日 形 態 類 似 性 を 調 査 す る こ と で あ っ た 。
( 2) 調 査 参 加 者
日 本 語 未 習 者 は ,韓 国 の 大 学 に 在 学 中 の 日 本 語 専 攻 以 外 の 大 学 生 20 名( 男 性 17 名 , 女 性 3 名 ) で あ っ た 。 日 本 語 学 習 経 験 , 日 本 で の 滞 在 経 験 は な か っ た 。日 本 語 既 習 者 は ,日 本 国 内 の 大 学 ,大 学 院 に 在 学 中 の 留 学 生 20 名( 男 性 5 名 , 女 性 15 名 ) で あ っ た 。 全 員 が 日 本 語 能 力 試 験 1 級 ( N1) ま た は 日 本 留 学 試 験 ( 日 本 語 )300 点 以 上 を 取 得 し て い た 。
( 3) 材 料
国 際 交 流 基 金 (2002) の 日 本 語 能 力 試 験 2 級 漢 字 リ ス ト に あ る 2 級 以 下 の 2 字 漢 字 単 語 か ら ,「 工 場 」 の よ う に 読 み が 複 数 あ る 単 語 を 除 外 し , 前 漢 字 ・ 後 漢 字 と も 2 級 以 下 の 漢 字 で あ る 単 語 か ら 654 個 を 選 定 し , 調 査 材 料 と し た23。654 個 を , A4 縦 型 用 紙 1 枚 用 紙 に 60 個 ず つ 配 置 し た 。1 つ の 調 査 単 語 に つ き ,左 側 に 日 本 語 漢 字 ,右 側 に 韓 国 語 漢 字 を 記 し た 。フ ォ ン ト は , 日 本 語 漢 字 は 明 朝 体 , 韓 国 語 漢 字 は 韓 国 で 一 般 的 に 使 用 さ れ て い る Batang Che を 採 用 し , サ イ ズ は 共 に 14ポ イ ン ト を 用 い た 。 各 漢 字 の 右 側 に 7 段 階 評 定 尺 度 (1:전 혀 비 슷 하 지 않 다, 全 然 似 て い な い ~7:아 주 비 슷 하 다,非 常 に 似 て い る )を 配 置 し ,い ず れ か の 評 定 値 に ○ が つ け ら れ る よ う に し た 。
23「 失 礼 」 は , 調 査 用 紙 の 韓 国 語 漢 字 の 表 記 が 違 っ て い る こ と が 調 査 後 に 判 明 し た た め , 除 外 し た 。 ま た ,「 昨 日 」 は ,「 キ ノ ウ 」 と 「 サ ク ジ ツ 」 の 2つ の 音 読 み が あ り , 選 定 条 件 か ら 外 れ る こ と が 調 査 後 に 判 明 し た 。
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( 4) 手 続 き
未 習 者 ,既 習 者 と も に 小 集 団 形 式 ま た は 個 別 形 式 で 調 査 を 行 っ た 。教 示 文 は 韓 国 語 で 表 記 し ,そ れ を 読 ま せ た 。以 下 に ,教 示 文 の 概 要 を 日 本 語 に 翻 訳 し た も の を 示 す 。
左 側 に あ る 漢 字 ( 日 本 語 漢 字 ) と , 右 側 に あ る 漢 字 ( 韓 国 語 漢 字 )の ,形 態 上 の 類 似 性 を 7 段 階 で 評 定 し て く だ さ い 。例 え ば ,「 文 句 文 句 」の 形 態 が 非 常 に 似 て い る と 考 え る な ら ば ,7 に ○ を 付 け ま す 。 ま た ,「 渋 滞 澁 滯 」 の 形 態 が 全 然 違 う と 考 え る な ら ば ,1 に ○ を 付 け ま す 。1 か ら 7 の 数 字 の い ず れ か 1 つ に 必 ず ○ を 付 け て く だ さ い 。 評 定 時 間 は 1 組 の 漢 字 に つ き 3 秒 ~5 秒 で す 。
教 示 内 容 の 徹 底 を 確 認 後 , 練 習 ペ ー ジ に あ る 10 組 の 漢 字 に つ い て 評 定 す る 練 習 試 行 が 行 わ れ ,そ の 後 ,本 試 行 に 入 っ た 。約 半 数 (300 組 )の 評 定 が が 終 わ っ た 時 点 で ,3 分 間 の 休 憩 が と ら れ ,休 憩 後 ,残 り の 約 半 数(354 組 ) に つ い て , 再 び 評 定 さ せ た 。
2. 音 韻 類 似 性 調 査
( 1) 目 的
韓 国 語 を L1 と す る 日 本 語 の 未 習 者 と 既 習 者 を 対 象 に ,2 字 漢 字 単 語 の 韓 日 音 韻 類 似 性 を 調 査 す る こ と で あ っ た 。
( 2) 調 査 参 加 者
未 習 者 は , 韓 国 に あ る 大 学 に 在 学 中 の 大 学 生 23 名 ( 男 性 15 名 , 女 性 8 名 )で あ っ た 。全 員 ,日 本 語 学 習 経 験 ,日 本 滞 在 経 験 は な か っ た 。既 習 者 は , 日 本 国 内 の 大 学 ・ 大 学 院 に 在 学 中 の 留 学 生 20 名 ( 男 性 6 名 , 女 性 14 名 ) で あ っ た 。 全 員 が , 日 本 語 能 力 試 験 1 級 (N1) を 取 得 し て い た 。 未 習 者 , 既 習 者 と も に , 形 態 類 似 性 の 調 査 に は 参 加 し て い な か っ た 。