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4-1 予備試験結果

モデルロケット搭載機器の第1回試験では、ロケット発射後すぐに姿勢が横方向に崩れ、

パラシュートが開く前に地面に墜落した。地面衝突から約2秒後にエンジンからの逆噴射 により、パラシュートがロケットから放出された。搭載機器に被害はなく、加速度と気圧 データの取得に成功した。飛行時間は約3秒、最高高度は約6 mと推定される。

モデルロケット搭載機器の第2回試験では、ロケット発射直後は垂直に飛び、すぐに垂 直方向に2回転しパラシュートが放出される前に地面へ衝突した。こちらも地面衝突から 約2秒後にエンジンからの逆噴射によりパラシュートがロケットから放出されたのを確認 できた。搭載機器に破損などは無かった。また、1回目と同じく加速度と気圧データの取 得に成功した。飛行時間は約5秒、最高高度は約16 mと推定される。図4-1~図4-4にそ れぞれの加速度と気圧の推移を示す。

図4-1 モデルロケット搭載機器第1回予備試験における加速度の推移

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図4-2 モデルロケット搭載機器第1回試験における気圧の推移

図4-1に示すように、モデルロケットに搭載した加速度計3成分の値から、発射後約1 秒後にエンジンによる燃焼が終わり、燃焼終了後約2.4秒後にパラシュート放出用の逆噴射 によるZ軸方向の加速度が検出されたことがわかる。垂直(Z軸)方向加速度のピークはロ ケット発射0.2秒後に最大46.8 m/s²だった。また、図4-2の気圧の推移からロケット上昇 による気圧の変化が確認できる。

図4-3 モデルロケット搭載機器試験2回目加速度の推移

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図4-4 モデルロケット搭載機器試験1回目気圧の推移

図4-3からモデルロケットに搭載した加速度の値より、発射後約1秒後にエンジンによ る燃焼が終わり、燃焼終了後の約3秒後にパラシュート放出用の逆噴射によるZ軸方向の 加速度が検出されたことがわかる。垂直方向加速度のピークはロケット発射0.3秒後に最大

28 m/s²だった。また、図4-4の気圧の推移からロケット上昇による気圧の変化が確認でき

る。

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4-2 分離機構地上試験結果

ビデオ記録コマ送りで得た連続写真(図4-5)のに示すように、加速度センサに加速度を 与えてから約0.5秒後にニクロム線に電流が流れ、バネが開放されていく様子がわかる。そ の後、質量50 gの粘土のおもりが約5 cmまで跳ね上がったことを確認した(表4-1参照)。

図4-5 0.25秒毎の様子(左上から順に右方向への時間発展)

表4-1 地上試験の評価項目と結果

評価項目/実験回数 1回目 2回目 3回目

動作 ○ ○ ○

跳ねあがった高さ 約 3 cm 約 10 cm 約 5 cm

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4-3 本試験結果

本試験結果を表4-2に示す。

表4-2 本試験の評価項目と結果

本試験1回目ではモデルロケット発射後、図4-6のように横へ傾き、設定した気圧条件 となる高度に到達せずに墜落した。分離機構部の1段目と2段目が破損したが制御機器部 の破損は無く、機体の再使用は可能である。動画解析から、飛行時間は約3秒、最高高度 は約6 mと推定される。図4-6、図4-7に発射前後のモデルロケット、また図4-8に打ち上 げの様子を示す。

図4-6 発射直後のモデルロケット 図4-7 地面衝突後のロケット上段部

評価項目/実験回数 1回目 2回目 3回目

打ち上げ △ ○ △

分離 × × ×

パラシュート展開 × × ×

安全に回収 × × ×

最高高度[m] 5 25 8

非常用タイマー回路 なし なし あり

天気 晴れ 晴れ 晴れ

風速[m/s] 3~4 6 5

条件 気象状況

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図4-8 第1回本試験0.33秒毎の打ち上げの様子(左上から順に右方向への時間発展)

本試験2回目では、発射後に安定飛行して順調に上昇し比較的良好な弾道を描いた。し かし、機体が分離されなかったためパラシュートは展開されず、自由落下により地面へ垂 直に激突した。マイコン・センサ基板、電源基板、リポバッテリー、機体、フィン、ノー ズコーンが破損し、この機体と制御機器は繰り返し使用不可になった。飛行時間は約6秒、

最高高度は約29 mと推定される。図4-9、図4-10に発射前後のモデルロケット、また図 4-11に打ち上げの様子を示す。

図4-9 発射直後のモデルロケット 図4-10 地面衝突後のモデルロケット

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図4-11 第2回本試験0.66秒毎の打ち上げの様子(左上から順に右方向への時間発展)

本試験3回目では、発射台を離れた直後に水平方向へ傾き、想定高度に到達せずに地面 へ落下した。破損個所はノーズコーンのみで、機体の再使用は可能である。飛行時間は約 4秒、最高高度は約7 mと推定される。図4-12、図4-13に発射前後のモデルロケット、ま た図4-14に打ち上げの様子を示す。

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図4-12 発射直後のモデルロケット 図4-13 地面衝突後のモデルロケット

図4-14 第3回本試験0.66秒毎の打ち上げの様子(左上から順に右方向への時間発展)

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