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第 9 章 保護、制御及び補助システム(Protection, control and auxiliary systems)

<ディビエーション>

地震に対しては、JEAG5003「変電所等における電気設備の耐震設計指針」、各機器に関する JEC 規格によ って施設する必要がある。

9.1.4

取入可 区分:Ⅱ−D

■対応する電技省令・電技解釈

電技省令第 4 条(電気設備における感電、火災等の防止)

■関連規程類

JEM‑TR128(配電盤・制御盤の保守点検指針)

JEM‑1425(金属閉鎖形スイッチギア及びコントロールギヤ)

■9.1.4 の解説

機器の保守点検作業は、通常、回線毎に行なわれ、保守点検しない回線は運転継続状態となる。また、

保守点検の際、作業の安全を確保するためには、作業箇所の電源の切り離し等により無電圧にする必要が ある。保守点検の安全確保のため、電気所一括で制御回路の操作を行なうと、運転している回線の操作が できなくなる等の問題が発生する可能性がある。この対策として、回線毎に制御回路の切り離しができる 回路構成とする。

9.1.5

取入可 区分:Ⅱ−D

■対応する電技省令・電技解釈

電技省令第 4 条(電気設備における感電、火災等の防止)

■関連規程類

発変電規程 第 3‑29 条(配電盤及び閉鎖配電盤の構造、性能、施設条件等)

高圧受電設備規程 1130‑1(受電室などの施設)

労働安全衛生規則 第 341 条(高圧活線作業)

労働安全衛生規則 第 342 条(高圧近接活線作業)

労働安全衛生規則 第 343 条(絶縁用防具の装着等)

労働安全衛生規則 第 344 条(特別高圧活線作業)

労働安全衛生規則 第 342 条(特別高圧近接活線作業)

労働安全衛生規則 第 542 条(屋内に設ける通路)

労働安全衛生規則 第 543 条(機械間等の通路)

■9.1.5 の解説

保護制御装置の保守点検時は、当該回線に関して、停止等の安全上の処置を取れるが、他の回線は運転 を継続している。また、回線を停止した場合であっても、操作指令を他の装置から受ける場合、この操作 指令を出力する装置の電源が、当該装置の端子台部まできている場合がある。このため適切な回路の分離、

区画を行い、人為的なミスによる不要動作の防止及び作業者の安全対策が必要である。また、作業に必要 な空間を設ける必要がある。

9.1.6

取入可 区分:Ⅱ−D

■対応する電技省令・電技解釈

電技省令第 18 条(電気設備による供給支障の防止)

■関連規程類

発変電規程 第 4‑4〜13 条(保護装置)

■9.1.6 の解説

制御回路とは、直接機器操作を行なう回路(ex.遮断器操作回路等)であり、信号回路とは、運転に必要 な状態等を出力する回路である。信号回路の障害や接続誤り等によって、不要に機器の制御指令が出力され ないように、機能的に回路を分離する必要がある。

また、保護装置動作時、事故原因究明のために、電力会社等の保護装置では、どの保護要素で装置が動作 したかを示す表示をパネル上に保持表示している例がある。この表示については、後着優先の考え方と、動 作した表示を全て表示する考え方がある。

9.1.7

■対応する電技省令・電技解釈

電技省令第 46 条(常時監視をしない発変電所等の施設)

電技解釈第 51 条(常時監視をしない発電所の施設)

電技解釈第 52 条(常時監視をしない変電所等の施設)

■関連規程類

発変電規程 第 4‑4 条(水車及び発電機の保護装置)、

第 4‑5 条(一般電力用特別高圧変圧器の保護装置)、

第 4‑6 条(電力用コンデンサ(並列コンデンサ)の保護装置)、

第 4‑7 条(分路リアクトルの保護装置)、第 4‑9 条(ガス絶縁機器の保護装置)、 第 4‑13 条(常時監視をしない発変電所等の保安警報装置)

JEM‑1318(遠方監視制御装置標準仕様書)

■9.1.7 の解説

系統故障事象の迅速な判断、運転に影響を及ぼす装置の状態を的確に把握するため、盤面表示または外部 表示等により、必要な情報を出力する。なお、信号の重要度や運用保守性を考慮して、遠方制御用にこれら 表示を共通の一括表示出力にしても良い。

9.1.8

取入可 区分:Ⅱ−D

■対応する電技省令・電技解釈

電技省令第 16 条(電気設備の電気的、磁気的障害の防止)

電技省令第 67 条(電気機械器具又は接触電線による無線設備への障害の防止)

■関連規程類

IEC61000‑6‑4(2006)(電磁両立性(EMC)−第 6‑4 部:一般規格−工業環境のエミッション規格)

■9.1.8 の解説

電技省令では「電気設備は他の電気設備、その他の物件の機能に電気的又は磁気的な障害を与えないよう に施設しなければならない」と規定している。IEC 規格では「電磁擾乱により損害を与える可能性を最小化 する」という規定である。

装置の電気的または磁気的な障害防止対策については、「装置が電気的または磁気的な擾乱によって障害 を受けない」と「装置から電気的または磁気的な障害を他の設備に与えない」の2種類がある。ここでは、後者 の「装置から電気的または磁気的な障害を他の設備に与えない」の規定を指す。例えば、けい光灯や調光器か らの障害を規制している電気用品安全法、工業地域での規格である IEC61000‑6‑4 などに規定されている。

9.1.9

取入可 区分:Ⅱ−D

*巻末「用語の解説」参照

■対応する電技省令・電技解釈

電技省令第 18 条(電気設備による供給支障の防止)

■関連規程類 なし

■9.1.9 の解説

系統事故における装置の一斉動作などによる制御用電源(バッテリー)の電圧瞬時低下、装置に内蔵して いる電源装置の故障、及び不要に操作スイッチに触れるなど意図しない操作等によっても、不要動作、不要 表示を出力しないように設計上の配慮が必要である。また、制御対象機器の選択操作誤り時、運転に与える 影響を最小に抑えなければならい。例えば、制御装置とは別回路でインターロック回路を設けるなどの方法 がある。

9.1.10

取入可 区分:Ⅱ−D

■対応する電技省令・電技解釈

電技省令第 18 条(電気設備による供給支障の防止)

■関連規程類 なし

■9.1.10 の解説

装置の設計に当っては、制御指令を出力する最終段のドライバ IC の単体不良、サージノイズの侵入による 回路の不要動作などによって不要な制御指令が出力されないように設計上配慮が必要である。この設計上の

配慮としては、制御における「選択‑制御」の 2 挙動方式、保護における「主検出‑故障検出」の異なる2要 素による論理積をとる方式などがある。

図 9.1.10‑1 9.1.11

取入可 区分:Ⅱ−D

■対応する電技省令・電技解釈

電技省令第 4 条(電気設備における感電、火災等の防止)

■関連規程類

JEM‑1318(遠方監視制御装置標準仕様書)

■9.1.11 の解説

遠方監視制御において,装置が故障したときでも機器の操作ができるように被制御所側に現地制御盤を設 備するのが通例である。したがって、遠方と現地の 2 個所の制御盤から制御ができるため,どちらかを優先 する必要がある。この対応として、遠方−現地の選択ができる切換スイッチを設け、現地制御時には遠方(制 御所)からの制御ができないようにし、切換スイッチが遠方時には現地制御盤からの制御ができないように している。

一方国内でも、同様の切換スイッチを設けており、遠方制御が通信回線等を用いて行なわれた場合、遠方 側を優先させると、通信回線の障害等により制御が全くできなくなる可能性があるため、この遠方−現地の 切換スイッチは通常現場側に設け、直接機器を操作できる現地側を優先させる考え方になっている。

また、JEM‑1318 では以下のような記述がある。

「一般の遠方監視制御では,装置が故障したときでも機器の操作ができるように被制御所側に直接制御盤を 設備するのが通例である。このため、遠方と直接の 2 個所の制御盤から制御ができるため,どちらかを優先 する必要がある。このために、遠方−直接の切換スイッチを、通常現場側に優先権をもたせて用意し、直接 制御時には遠方(制御所)からの制御ができないようにし、遠方時には直接制御盤からの制御ができないよ うにしている。」

■参考

改訂版では「機器を操作できるその他の場所」が削除されている。

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