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発電所の基本設計

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目 次

4.1 プロジェクトの概要... Ⅳ-1 4.2 工事範囲... Ⅳ-1 4.3 構内配置... Ⅳ-2 4.4 発電所設計の基本事項... Ⅳ-4 4.4.1 ボイラ及び付属設備... Ⅳ-4 4.4.2 環境対策設備... Ⅳ-12 4.4.3 タービン及び付属設備... Ⅳ-23 4.4.4 水処理設備・排水処理設備... Ⅳ-26 4.4.5 燃料・灰処理設備... Ⅳ-31 4.4.6 石灰石・石膏設備... Ⅳ-43 4.4.7 電気設備... Ⅳ-48 4.4.8 制御設備... Ⅳ-55 4.4.9 開閉所設備... Ⅳ-61 4.4.10 港湾設備... Ⅳ-66 4.4.11 土木・建築設備... Ⅳ-67 4.5 発電設備運用保守... Ⅳ-72 4.5.1 発電設備運用条件... Ⅳ-72 4.5.2 発電設備運用計画... Ⅳ-74 4.5.3 発電設備保守計画... Ⅳ-76 4.6 輸送計画... Ⅳ-77 4.7 プロジェクトスケジュール ... IV-79 4.7.1 プロジェクトスケジュール... Ⅳ-79 4.7.2 プロジェクトの工程管理に関する提言... Ⅳ-81 4.8 プロジェクトコスト... Ⅳ-81

ベトナム国 ソンハウ1石炭火力発電事業およびその周辺インフラ事業準備調査 ファイナルレポート

第4章 発電所の基本設計

4.1 プロジェクトの概要

本プロジェクトはベトナム南部のハウザン省チャウタイン地区に建設予定のソンハウ 1 石 炭火力発電所及びその周辺インフラとなる輸入用石炭中継ターミナル及び送電線を整備す るものである。

発電所建設予定地はホーチミン市から南に約 180km、カントー市から南へ 12km に位置する ハウザン省チャウタイン地区 Phu Hau A コミューンである。この発電所建設予定地はハウ 川沿いにあり、デンアン河口から約 66km に位置する。ここに総出力 5,200MW のソンハウ発 電所コンプレックスを建設する計画である。ソンハウ発電所コンプレックスは 3 つのフェ ーズに分かれており、今回の調査対象となるソンハウ1火力発電所(フェーズ 1:600MW x 2 基)と今回調査対象外のソンハウ 2 石炭火力発電所(フェーズ 2:1,000MW x 2 基)及びソ ンハウ 3 石炭火力発電所(フェーズ 3:1,000MW x 2 基)で構成されている。

ソンハウ1石炭火力発電所は、超臨界圧発電プラント(主蒸気圧力:24MPa, 主蒸気温度:

560℃、再熱蒸気温度:566℃)を採用する計画であり、より高効率な発電を目指している。

燃料となる石炭はインドネシアやオーストラリアからの輸入炭で、本プロジェクトで計画 する石炭中継ターミナルを介して新設中の運河及びハウ川を通り 3,000DWT から 10,000DWT 級の船にて運搬する計画である。

4.2 工事範囲

ソンハウ 1 石炭火力発電所(600MW x 2 基)の工事範囲概略は以下の通り。

(1)ボイラ及び付属設備

(2)環境対策設備

(3) タービン及び付属設備

(4) BOP設備

・ 燃料、灰処理設備

・ 石灰石、石膏設備

・ 圧縮空気設備

・ 水素供給設備

・ 冷却水設備

・ 水処理設備、排水処理設備

・ 消火設備

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(5)電気設備

・ 発電機及び付属設備

・ 変圧器

(6) 制御設備

(7) 土木、建築設備

・ 整地

・ 各種基礎

・ 各建物

・ 道路

・ 雨水排水

(8) 港湾設備

・ 石炭荷揚バース

・ 石灰石荷揚バース

・ 石膏払出バース

・ 灰払出バース

・ 軽油荷揚バース

・ 資機材受入バース

(9) その他

・ 仮設建屋

4.3 構内配置

構内配置は図 4.3.1 に示すとおりである。

ハウ川の右岸にバース設備、その南西方向に、貯炭場、主機エリア、220kV 変電所が位置し ている。灰捨場は主機エリアと共通放水路の間に位置している。

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図 4.3.1 構内配置図

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4.4 発電所設計の基本事項

4.4.1 ボイラ及び付属設備

4.4.1.1 ボイラ形式と蒸気サイクルの選定

(1) ボイラ形式選定の基本方針

主要機器の技術的検討や形式選定に当って、以下の基本方針が提案されている。

- 採用する技術は輸入炭即ち瀝青炭に適合するものであること。

- 採用する技術は投資金額と輸入炭購入費用を比較して十分な経済効果が得られる ものであること。

- 採用する技術はベトナムの環境基準を満足するものであること。

- 採用する技術は世界的に又はその国において実運用によって高い信頼性と経済性 を有することが証明されているものであること。

- 採用する技術は、このプロジェクトの経済性を向上させ公害廃棄物や大量の灰を 貯蔵するための費用を削減するために、生成灰の大半をセメントの添加剤や建設 資材として利用することができるものであること。

(2) 石炭燃焼方式の選定

ユニット出力 600MW 以上の微粉炭焚きボイラを使う発電所は多くの運用実績によってその 信頼性、耐久性及び経済効果が証明されている。一方、流動床ボイラの発電所はユニット 出力 600MW の実績は無い。

流動床ボイラの場合は、揮発分含有量が少なく硫黄分含有量が高くそして発熱量の低いと いった低品位炭に対してのみ優位性がある。ソンハウ 1 発電所では高品質の輸入炭を使用 するので、微粉炭焚きボイラを使う方が好ましく経済的である。

これらの理由から、ソンハウ1発電所には微粉炭焚きボイラの採用を推奨する。

使用炭は高揮発分炭または中揮発分炭なので、燃焼方式としては運転の柔軟性が高く設備 費が安価な直接燃焼方式が選定される。直接燃焼方式では石炭は石炭バンカーから給炭機 を通って微粉炭機に送られる。微粉炭機で粉砕された石炭は、間接燃焼方式のように一旦 微粉炭貯蔵ビンに貯蔵されるのではなく、直接バーナへ送られる。

燃焼設備は、石炭ではボイラ最大連続負荷(BMCR)の運転に必要な熱量をまかなえるよう に、そして、油では BMCR の 30%の熱量を供給できるように計画される。燃焼設備は石炭バ ンカー、給炭機、微粉炭機、微粉炭管、微粉炭バーナ、油焚き点火装置で構成される。

燃焼装置は低 NOx バーナ、オーバファイヤエアポート及びバウル型微粉炭機で構成され、

指定された燃料に対して十分な余裕を持って設計されるとともに NOxや未燃分の排出の少

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ない物であることが要求される。

石炭/油バーナは対向燃焼方式で火炉の下部に設置される。1

(3) NOx 低減技術の選定

ソンハウ1発電所では揮発分含有量が 10%超の輸入瀝青炭を使用する。発電所における排ガ ス中の大気汚染物質の国家排出基準(QCVN 22: 2009/BTNMT)によると、排出ガス中の許容 NO x濃度は 650mg/Nm3 である。しかし、この値は出力係数(Kp)と地域係数(Kv)による補正が 必要である。従って、ソンハウ1発電所での補正後の許容 NOx 濃度は 455mg/Nm3 である。2 NO x排出を抑制手段を何も講じない場合は、NOx 排出濃度は 984mg/Nm3 乃至 1968mg/Nm3 であ る。従って、排ガス中の NOx 低減手段を何か講じる必要がある。

NOx 削減効果を上げるに、微粉炭焚きボイラでは、低 NOx 燃焼技術、即ち低 NOx バーナと二 段燃焼(オーバファイヤエアポート)を組み合わせる方法がよく行われている。結局のとこ ろ、これらの NOx 低減技術は何も対策しない場合に対して 65%から 80%の脱硝効率を達成で き、揮発分含有量が 25%から 45%の石炭では 394mg/Nm3 から 689mg/Nm3 の NOx 排出量となる。

総発電量 5,200MW のソンハウ発電コンプレックス全体での排出ガスの大気拡散計算では、

低 NOx バーナと二段燃焼の低 NOx 燃焼技術を適用して排ガスの大気汚染物質の排出基準 (QCVN 22: 2009/BTNMT)で規定される NOx排出濃度を守っているにも係わらず、発電所の合 計発電量が高いので、大気環境基準(QCVN 05:2009/BTNMT)で定めた地上大気中の NOx 濃度 基準値を満足させることができない。

しかしながら、2x600MW のソンハウ 1 発電所だけが運転されているときの NOx拡散計算(詳 細はソンハウ 1 発電所プロジェクトの EIA で説明されている。)によると、ソンハウ 1 発電 所の出力は、ソンハウ発電所コンプレックス全体の発電出力に対して高くないので、地上 での大気中 NOx 濃度は QCVN 22: 2009/BTNMT (1 時間値 0.2μg/m3、24 時間値 0.1μg/m3) を満足する。脱硝装置(SCR)の据付については、ソンハウ 2 発電所やソンハウ 3 発電所が 建設される際に考える事とする。3

(4) 蒸気条件の選定

最近。世界中には適用する蒸気条件によって主に 2 種類の火力発電技術、即ち、亜臨界圧 プラントと超臨界圧プラントが存在する。 更に、微粉炭焚き発電所においては、3 つのボ イラ蒸気水系統の設計技術、即ち、自然循環ボイラ、強制循環ボイラ及び貫流ボイラが全 世界で幅広く採用されている。

汽力発電技術では、蒸気圧力と蒸気温度は高ければ高いほど、ユニットの発電量は増加す

1 4.4.2 項の後に記述の「PVN の FS レポートに対するコメント」に関連する部分を示す

2 4.4.2 項の後に記述の「PVN の FS レポートに対するコメント」に関連する部分を示す

3

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る。しかし、蒸気圧力と蒸気温度の上昇は投資金額も増加させる。従って、蒸気条件の選 定では十分な検討がなされるべきである。

亜臨界圧と超臨界圧の発電プラント間で、高位発熱量 6200kcal/kg の石炭価格を 80USD/t として経済効果を比較した。その結果は以下の通りである。

- 投資額が高くても、現在は燃料価格が高くなっているので、発電効率の優れた方 が優位である。従って、超臨界圧プラントを選択する方が有利である。

- 最近の世界の発電事業の傾向として、燃料価格の上昇を帳消しにし、同時に環境 保護を目的としてばい煙排出量を低減するために、発電効率を上げる傾向にある。

- ソンハウ1発電所向けに選定されるべき蒸気条件としては超臨界圧が推奨される。

この場合、ボイラ形式は超臨界圧条件に適合できる唯一の形式である貫流ボイラ となる。超臨界圧貫流ボイラのために推奨される蒸気条件は以下の通りである。

+ 主蒸気圧力 : 250 bar - 285 bar + 主蒸気温度 : 540°C - 600°C + 再熱蒸気温度 : 560°C - 600°C4

4.4.1.2 ボイラ及び付属設備の主要仕様

(1) 概要

ソンハウ1発電所はソンハウ発電コンプレックスに最初に建設される発電プラントで、ユ ニット定格出力 600 MW のユニット 2 基(総出力 1200MW) で構成されている。

それぞれのユニットはボイラ1缶の設計で、それぞれのボイラは以下に示すボイラ本体と 付属設備乃至付属装置を含んでいる。

- ボイラ本体

- 支持鉄骨 (ボイラフレーム, 手摺, 階段) - 空気予熱器

- 微粉炭燃焼装置 - 軽油燃焼装置 - 通風装置 - 電気集塵器 - 排煙脱硫装置 - 脱硝装置 - 補助ボイラ - 薬液注入装置 - サンプリング装置 - 窒素封入装置 - スーツブロワ

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