第 6 章 自動車振動による発電デバイスの評価試験
6.3 発電デバイスを使用したアプリケーション
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Fig.6.3.2 SPANSION社 評価ボード
6.3.2 実験結果
正弦波加振でのPZTの出力電圧とキャパシタ間の電圧をFig.6.3.3,自動車振動加振での PZTの出力電圧とキャパシタ間の電圧をFig.6.3.4に示す。キャパシタの電圧が大きく下が る時間で温度情報が送信される。Fig.6.3.3より正弦波加振では51.6秒で送信され,その後 12秒ごとに送信され,実験時間100秒間で合計4回送信された。しかし,Fig.6.3.4より自 動車振動加振では,55.7秒で送信されたが,その後は送信されず,実験時間の100秒を終 えた。
現状の発電デバイスでは,自動車振動100秒間で1回送信するのが限界であった。その ため,実用化のために発電デバイスの高効率化や多モード化が必要となる。
Fig.6.3.3 正弦波加振でのPZTの出力電圧とキャパシタ間の電圧の時間応答
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
-6 -4 -2 0 2 4 6
Time [s]
PZT voltage[V]
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
0 2 4 6
Time [s]
Cap. voltage[V]
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Fig.6.3.4 自動車振動加振でのPZTの出力電圧とキャパシタ間の電圧の時間応答
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
-6 -4 -2 0 2 4 6
Time [s]
PZT voltage[V]
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
0 2 4 6
Time [s]
Cap. voltage[V]
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7 章 まとめ
本研究ではこれまでに開発した多軸・多モード振動発電デバイスを評価・解析するため,
自動車振動を高精度に再現可能な多軸の加振装置を開発することが目的である。まず,従 来の加振機では1軸の加振しかできないため,2軸のXZステージを使用した。XZステー ジのモデル化のためにシステム同定実験を行った。同定実験を行い,そのデータをもとに
MATLABで同定する際に,パラメータを調整しモデルを構築した。同定した結果,一定の
ゲイン特性ではないという結果が得られた。そのためフラットな周波数特性にするため,
同定モデルを使った零極相殺型のフィードフォワード制御を補した。これにより,広帯域 に伝達ゲイン 1 の近いフラットなゲイン特性が得られた。しかしながらストローク限界を 考慮した入力のスケーリングにより非線形摩擦の影響を受け,特に低速域では再現できな かった。次にストローク限界を考慮して,帯域の狭い位置制御系を導入した。その結果ス テージのドリフトを抑制できた。また,ストローク限界を考慮せず自動車振動をスケーリ ングせず,そのまま入力可能となることに起因する。これにより非線形摩擦の影響を減ら すことができ,時間応答とスペクトル密度から再現性の改善を確認した。しかし,摩擦の 影響からPSDのゲインが一致せず,再現性は低い。そのため,摩擦の影響を減らすため外 乱オブザーバ補償を導入した。試行錯誤から,Xステージでは位置ベースの外乱オブザーバ,
Zステージでは速度ベースの外乱オブザーバを用いた。振動再現実験の時間応答とパワース ペクトル密度から,摩擦の影響を減らし,広帯域に振動を再現できた。最後に,自動車振 動の共振周波数に合わせた発電デバイスを製作。振幅 0.5[G]・13[Hz]の正弦波と絶対値平
均0.59[G]自動車振動を使用した加振実験を行い,発電デバイスを評価した。また,今後の
実用化が考えられている無線送信用の電源として,発電デバイスを使用して動作実験を行 った。その結果として,正弦波加振では,100秒間に4回送信した。自動車振動では温度情 報を1回しか送信できなかった。
今後の課題として,さらなる広帯域化と6自由度での振動再現装置の開発が挙げられる。
また,自動車振動で高効率に回生できる多モード発電デバイスと使用可能なアプリケーシ ョンの開発となる。
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質疑応答
石川赴夫 教授
Q.13[Hz]とあったが、何の揺れか?
自動車のボディやサスペンションの共振周波数によるものである。
Q.車の振動を高精度に再現しているのはなぜなのか?
より実車と変わらない条件で試験するため,高精度に再現している。
Q.横方向の加速度はあまり出ないのか?
自動車の振動は上下方向と前後方向の振動が支配的であるため,上下方向に対し,横方向 の加速度はあまり出ないと考えている。
高橋俊樹 准教授
Q.外乱オブザーバを使うと時間応答がシフトしていたが、時間遅れは出てしまうものなの か?
外乱オブザーバの有無にかかわらず,機器の仕様上時間遅れは発生してしまう。しかし,
XZステージは発電デバイスの評価用の装置であるため,時間遅れによる問題は特にない。
Q.これから先、その装置を使ってどんなことができるか?
現在行っている曲げ荷重による発電デバイスだけでなく,今後行われる衝撃発電デバイス の評価にも使用できる。
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参考文献
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http://www.env.go.jp/council/06earth/y060-81/mat06.pdf
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http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-perform/13.html
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(4)山本 敦:「環境発電技術としての熱電変換 現状と展望」,電子情報通信学会誌,Vol.93,
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(5)速水:「動力発電のすべて」本実業出版社(2008)
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(15)S. Hashimoto
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(16)Seiji Hashimoto, Nobuyuki Nagai, Yoshimitsu Fujikura, Jyunpei Takahashi, Shunji Kumagai, Makoto Kasai, Kenji Suto, Hiroaki Okada
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Seiji Hashimoto et al., 2012, Applied Mechanics and Materials, 251, p124
(17)Shunji Kumagai, Kenji Suto, Hiroaki Okada, Makoto Kasai, Seiji Hashimoto, Nobuyuki Nagai, Yoshimitsu Fujikura, Junpei Takahashi
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(18)Katsuhide TANOSHIMA, Tamoo ARAKI, and Mitsuyoshi TSUKADA Oki Electris Industry Co.,Ltd 550-5 Higashiasakawa-cho, Hachioji-shi,Tokyo 193,Japan:
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(20) 安達 和彦,坂本達哉:「圧電コンポジットを用いた振動発電装置のエネルギー変換効
率に関する研究」日本機械学会論文集(C 編)78 巻 789 号 (2012-5)
発表論文
1. 高橋良宗, 橋本誠司 (群馬大学) 笠井 周, 須藤健二, 岡田宏昭, 熊谷俊司 (株式会社ミ ツバ)
「XYステージによる自動車振動の高精度再現手法」
電気学会産業応用部門大会 ヤングポスターコンペティション 平成25年8月28日
2. 高橋良宗, 橋本誠司 (群馬大学) 笠井 周, 須藤健二, 岡田宏昭, 熊谷俊司 (株式会社ミ ツバ) Fanyan Yu, Wei Jiang (Yangzhou University)
「外乱オブザーバ補償を用いたXYステージによる多自由度加振装置の構築」