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生活支援の体制整備 1 生活支援サービスの充実

ドキュメント内 宮崎県高齢者保健福祉計画(素案) (ページ 56-65)

虚弱 を 遅 らせる

第5節 生活支援の体制整備 1 生活支援サービスの充実

[現況]

○ 高齢化の進行に伴い、高齢者保健福祉に対するニーズが増大、多様化する中、

医療や介護、予防のみならず、様々な生活支援サービスが確保されるとともに、

誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせる仕組みづくりを推進する必要がありま す。

○ 厚生労働 省の「国民生活 基礎調査」(平成28年)によると、65歳以上の高齢者 のいる世帯のうち、夫婦のみの世帯が最も多く、高齢者のみの単独世帯とあわせ ると半数を超えています。とくに高齢者のみの単独世帯、いわゆる一人暮らし高 齢者は今後も増加を続けることが見込まれています。

○ 誰にも看取られることなく息を引き取り、その後、相当期間放置されるような

「孤 立死 (孤独 死)」 の事例 も全国で報道され るなど、特に都市部に おいては、

親族間・地域社会での人間関係の希薄化が問題となっています。さらに、中山間 地域においても、少子高齢化の急速な進行に伴い、これを支える世代が減少して いるため、安否確認や買物支援など高齢者を地域全体で見守り、支える体制を作 る必要があります。

○ 生活支援ニーズの増加と多様化に対応するため、地域支援事業の包括的支援事 業において、市町村が生活支援コーディネーターの配置や協議体の設置をし、生 活支援サービスの基盤整備が図られています。

○ また、介護予防・日常生活支援総合事業の対象となる要支援者等に対し、多様 な担い手による介護予防・生活支援サービスの提供が可能となっています。

[基本的方向]

○ 地域支援事業の包括的支援事業により、市町村が配置する生活支援コーディネ ーターの育成や活動支援を行い、ボランティア、NPO、民間企業、協同組合等 の多様な主体を活用した市町村の生活支援サービス基盤充実を支援します。

○ 市町村や社会福祉協議会等が行う住民からの心配事相談や配食サービスなど 様々な福祉サービスを支援します。

○ 高齢者等、地域住民の日常生活に必要なバス路線の維持・確保を図るため、バ ス事業者や市町村に対する支援を行うとともに、コミュニティバスなど地域の実

〇 移動販売などの買物支援に係る課題を検証するとともに、これらの解決に取り 組む市町村等に対し必要な支援を行います。

○ 運転免許を自主的に返納した高齢者や一定の病気により運転免許を取り消され た高齢者のうち、居住する地区に公共の交通手段が存在せず、買物支援や通院支 援の要望のある高齢者に関して警察と市町村、地域包括支援センター等が情報交 換を行うなど相互の連携を強化します。

○ 住民主体の通いの場による介護予防活動等を活用し、生活支援や地域の見守り 体制の強化に努めます。

2 高齢者を地域で支える活動の支援

[現況]

○ 高齢者のみの単独世帯の増加など高齢者を取り巻く様々な地域課題に対し、行 政だけで対応することは困難となっており、今後ますます複雑・多様化する課題 に対応するには、地域で高齢者を支え合う体制を構築する必要があります。

○ N P O

( * 4 )

、 ボラ ン テ ィ ア の活 動 分 野 は 、福 祉 関 係 が 特に 多 く 、 そ の活 動 は、

多様な主体が協働して高齢者を地域で支える体制を作る上で重要な役割を果たし ており、また、参加者に生きがいや社会参加の場を与えるため、高齢者の活躍の 場としても期待されています。

○ 県 及 び 権 限移 譲 市 町

( * 5 )

が認 証 し て い るN P O 法 人数 は 、 平 成2 9年 3月 31日 現 在、429法人となっております。

また、各市町村のボランティアセンターに登録されているボランティア団体は 平成28年6月1日現在、2,027団体となっており、増加傾向にあります。

○ 高齢化が進行する中、NPO、ボランティア活動の役割は、ますます大きくな っていくことが予想されることから、高齢者を取り巻く地域課題を解決する主要 なパートナーとして今後一層支援していく必要があります。

*4 NPO:「Non-Profit Organization」の略。民間の非営利組織のことで、福祉や環境、国際協力、人権問題などの社会的な 課題に市民が主体的に取り組んでいる組織・団体。

*5 権限移譲市町:N PO法人設立認証等の事務を移譲した市町。平成29年4月1日現在、宮崎市、都城市、延岡市、日南市、

小林市、日向市、串間市、西都市、えびの市、高原町、高鍋町、新富町及び川南町の13市町。

○ 県や市町村の社会福祉協議会は、その区域内の地域福祉の推進・支援を図るこ とを目的とする団体であり、地域福祉推進の中核的役割を担っています。

県社会福祉協議会は、広域的な観点から、福祉人材の確保・育成、NPO・ボ ランティア等の育成・支援などを推進しており、市町村社会福祉協議会は、住民 に最も身近な地域において、住民からの心配事相談や配食サービスなど様々な福 祉サービスを行っています。

[基本的方向]

○ 多様な地域課題に的確に対応するため、地域住民やNPO、ボランティア等の 多様な主体による地域課題解決のための支援体制の環境作りを進めます。

○ 自治会役員や民生委員、地域福祉コーディネーターなど、地域福祉活動のキー パーソンの育成・確保を進めます。

○ 老人クラブが実施する友愛訪問活動など、高齢者を見守り支える活動を支援し ます。

○ みやざき・NPO協働支援センターや宮崎県ボランティアセンターにおけるN PO、ボランティア活動に関する情報提供や相談体制の充実を図り、高齢者を含 めた県民の参加意欲の向上に努めます。

また、宮崎県ボランティアセンターと各市町村のボランティアセンターとの連 携強化を促進し、ボランティア団体やその会員のネットワーク化、リーダーの養 成を進め、ボランティア活動の活性化を図ります。

○ 市町村や地域包括支援センター、民生委員などによる一人暮らしや閉じこもり がちな高齢者を見守り支える活動を支援します。また、警察や社会福祉協議会、

市町村等で構成する「宮崎県孤立死防止対策連絡会議」の開催や、民間企業と県、

警察、市町村、県社会福祉協議会等が連携した「みやざき地域見守り応援隊」の 活動を通じて、地域社会で孤立しがちな高齢者を支え、見守る体制を作ります。

○ 新聞や郵便事業者など配達業を行う企業等の見守り活動との連携を強化し、異 常があった場合の通報ネットワークの構築を支援します。

○ 企業の社会貢献活動に対する意識を高めるとともに、企業と社会福祉協議会・

NPO・ボランティア等、地域の多様な主体との協働による高齢者の見守り活動 などを支援します。

○ 社会福祉協議会を中心に、公的な福祉サービスと地域住民の自主的な活動の連 携を推進し、地域福祉推進体制の整備・充実を図るとともに、社会福祉協議会が

3 高齢者虐待防止対策の推進

[現況]

○ 平成18年に「高齢者虐待防止法」

(*6)

が施行され、虐待の発見者には市町村へ の通報が義務づけられるとともに、市町村における立入調査や被虐待者等に対す る支援等が規定されました。

○ 通報・相談を受けた市町村が事実確認の結果、虐待と判断した事例は、平成28 年度は99件(被虐待者数112人)となっております。

被虐待者の多くは女性で、とくに認知症高齢者が虐待を受ける割合が高くなっ ています。また、虐待の種別については、暴力を加えるなどの身体的虐待や侮辱 的な発言などの心理的虐待が多くなっています。

○ 厚生労働省が発表した「平成27年度高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対す る支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」によると、高齢者 虐待が発生する理由として、養介護施設従事者等によるものでは、①教育・知識

・介護技術等に関する問題、②職員のストレスや感情コントロールの問題、③虐 待を行った職員の性格や資質の問題が、また養護者によるものでは、①虐待者の 介護疲れ・介護ストレス、②虐待者の障がい・疾病、③被虐待者の認知症の症状 等が挙げられています。

○ こ のような中、 県では、「宮崎県高齢 者虐待防止連絡会議」を通じて、関係行 政機関や団体間の連携等について協議を行っているほか、県民への啓発に努める とともに、関係者等を対象とした研修会の開催に取り組んでいます。

○ また、高齢者総合支援センターにおいて、高齢者虐待に関して第一義的な役割 を担っている市町村の取組を支援しています。

○ 今後、高齢化が進行し、支援や介護を要する高齢者が増えていく中、高齢者虐 待を防止していくためには、医療や介護、福祉、人権擁護など幅広い分野との連 携や協力体制を構築していく必要があります。

*6 高齢者虐待防止法:正式名称は「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」。平成17年11月1日成 立、平成18年4月 1日施行。高齢者虐待の早期発 見、早期対応を図るとと もに、家族、親族などの高齢 者の養護者の支援 を行い、その負担の軽減を図ることを目的とした法律。

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