第1章 高齢者が活躍する社会の推進
第4節 就業の促進
[現況]
○ 高齢化が進行する中で、経済や社会の活力を維持していくためには、長年培っ てきた知恵や経験、技能、意欲を持つ高齢者が、その意欲と能力に応じて働くこ とができる多様な雇用・就業の場を確保する必要があります。
○ 県内における高齢者の就業者数は平成27年で7万2,518人となっており、業種別 で見ると、農業で高齢者の占める割合が高くなっているのが特徴です。
○ 「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」に基づき、事業主に対して、希望 者全員の65歳までの高年齢者雇用確保措置(定年の引き上げ、継続雇用制度の導 入等)を講じることが義務付けられています。
○ 平成29年10月現在、26市町村中25の市町村においてシルバー人材センターが設 置されており、高齢者に対し、臨時的かつ短期的又はその他の軽易な業務への就 業の機会を確保・提供しています。
宮崎県における高齢者の就業状況
う ち高齢者 ( 6 5 歳以上)
( B )
構成比
( B / C)
農業,林業 5 2 ,9 4 1 2 2 ,1 8 2 3 0 .6 4 1 .9
う ち農業 4 9 ,7 4 7 2 1 ,5 6 8 2 9 .7 4 3 .4
漁業 3 ,0 8 0 7 0 2 1 .0 2 2 .8
鉱業,採石業,砂利採取業 1 6 0 2 9 0 .0 1 8 .1
建設業 4 3 ,7 6 3 5 ,9 4 3 8 .2 1 3 .6
製造業 6 3 ,1 3 4 4 ,8 2 0 6 .6 7 .6
電気・ ガス ・ 熱供給・ 水道業 2 ,4 0 7 7 5 0 .1 3 .1
情報通信業 6 ,0 2 1 1 8 1 0 .2 3 .0
運輸業,郵便業 2 0 ,5 0 1 2 ,1 6 2 3 .0 1 0 .5
卸売業,小売業 7 7 ,8 7 3 9 ,5 9 1 1 3 .2 1 2 .3
金融業,保険業 1 0 ,2 9 1 6 3 2 0 .9 6 .1
不動産業,物品賃貸業 6 ,5 2 4 1 ,3 9 4 1 .9 2 1 .4
学術研究,専門・ 技術サービス 業 1 1 ,8 5 9 1 ,7 0 5 2 .4 1 4 .4
宿泊業,飲食サービス 業 2 7 ,5 7 2 4 ,2 2 6 5 .8 1 5 .3
生活関連サービス 業,娯楽業 1 8 ,9 4 7 3 ,6 6 8 5 .1 1 9 .4
教育,学習支援業 2 3 ,7 2 7 1 ,4 8 5 2 .0 6 .3
医療,福祉 8 1 ,5 0 0 5 ,7 5 4 7 .9 7 .1
複合サービス 事業 7 ,0 3 7 2 2 6 0 .3 3 .2
サービス 業( 他に分類されないもの) 2 7 ,4 4 5 5 ,1 4 1 7 .1 1 8 .7
公務( 他に分類されるものを除く) 2 3 ,4 5 5 8 9 1 1 .2 3 .8
分類不能の産業 1 0 ,9 7 3 1 ,7 1 1 2 .4 1 5 .6
5 1 9 ,2 1 0 7 2 ,5 1 8 1 0 0 .0 1 4 .0
( C) 資料: 総務省「 国勢調査」 ( 平成2 7 年)
合 計
(単位: 人、 %)
業 種 分 類
就業者総数
( A)
総数に 占める割合
( B / A)
5.8
5.7
5.8 5.8
5.9
5.4
5.2
5.3
5.5 5.5
4.6 4.8 5.0 5.2 5.4 5.6 5.8 6.0 6.2
平成24年度 25年度 26年度 27年度 28年度
会 員 数
・ 就 業 会 員 数
会員数 就業会員数
(千人)
シルバー人材センターの会員数及び就業会員数の推移
資料:公益社団法人宮崎県シルバー人材センター連合会
シルバー人材センターにおける受注件数及び契約金額の推移
資料:公益社団法人宮崎県シルバー人材センター連合会
5.3 5.3
5.2
5.0
4.9 30.1
29.7 29.8 29.7 30.1
0 5 10 15 20 25 30 35
0 1 2 3 4 5 6 7
平成24年度 25年度 26年度 27年度 28年度
契 約 金 額 受
注 件 数
受注件数 契約金額
(万件) (億円)
[基本的方向]
○ 定年年齢の引上げや継続雇用制度の導入等による65歳までの安定した雇用を確 保するとと もに、「70歳まで働ける企業 」の普及・促進を図るため、宮崎労働局 等と連携し、事業主等への普及・啓発に努めます。
○ 高齢者の多様な雇用・就業ニーズに対応するため、公益社団法人宮崎県シルバ ー人材センター連合会等の関係機関と連携し、就業機会の確保・提供に努めます。
○ 高齢農業者が生涯現役で営農に取り組めるよう、負担が大きい農作業の分業体 制や作業支援体制の充実を図るとともに、高齢農業者の集落営農への参画による 知識・技術の伝承や、農産加工等の技術を若い世代に伝承する取組を促進します。
また、農業分野への就労を志向する高齢者等の就労の場を確保するため、就労 希望者の登録や人手不足の農場とのマッチング等を行う「援農」の仕組みづくり を進めます。
○ 林業については、高齢者でも林業に従事できるよう、人工ほだ場の整備や森林 作業道の整備等を推進し、労力の軽減や安全性の向上を図るとともに、高齢者の 豊富な経験や技術を生かす機会をつくるための支援を行うなど、活躍の場づくり を進めます。
○ 漁業については、高齢者が長く安心して漁労作業に従事できるよう、安全性と 漁労作業の軽減化を考慮した漁港の整備等を推進します。
また、新規漁業就業希望者の着業・定着を促進するため、高齢者の豊かな知識 や技術等の継承を図るとともに、高齢者の行う県民や小中学生に対する水産業・
漁村の理解を促進するための地域活動を支援します。