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生活排水処理の現状

第4章  生活排水処理基本計画

第1節  生活排水処理の現状

(1)  生活排水処理体系の現状 

生活排水とは、一般家庭から排出される汚水(し尿と生活雑排水)のことであり、

工場排水、雨水、その他の特殊な排水は除かれます。 

図 4-1-1  生活排水の定義 

本市の生活排水は、ほとんどを公共下水道事業による集合処理で行っています。公 共下水道による水洗化人口は行政区域内人口の 97%を占めており、その他の処理方法 を行っているのは、2 千人程度で、浄化槽(合併処理浄化槽)、し尿浄化槽(単独処理浄 化槽) 、し尿汲み取りを行っています。 

し尿及び浄化槽汚泥の処理は、生ごみ・し尿処理施設で異物除去等の前処理後、下 水終末処理場に移送し、生ごみと下水汚泥とともに、バイオガス化(メタンガス化)

を行っています。発生したメタンガスは発電に利用し、場内利用を行っています。 

行政区域内の生活排水の処理体系を図 4-1-2 に示します。 

図 4-1-2  生活排水の処理体系 

下水終末処理場

生活排水 

生活雑排水  し  尿 

合併処理浄化槽

単独処理浄化槽

汲み取り便所 

(浄化槽汚泥)

(浄化槽汚泥)

(し尿)

(処理水)

生ごみ・し尿処理施設 (生ごみ)

公共下水道 

(処理水)

(2)  放流先公共水域の概況 

恵庭市の公共下水道の放流先は石狩川水系千歳川支流の一級河川漁川です。 

流域面積などの概要を表 4-1-1 に示します。 

表 4-1-1  千歳川の概要 

河川名  漁川 

水系名  石狩川水系 

  法区分  一級河川 

  流域面積  162.9 km

2

  流路延長  46.8  km 

  水質環境基準  A、AA 

 (3)  千歳川の水質環境基準 

恵庭下水終末処理場の放流先である漁川は、石狩川水系の主要な支流である千歳川 に注ぐ河川であり、支笏洞爺国立公園に位置する恵庭岳の東麓を水源とし、恵庭渓谷 を形成して概ね東に流れ、 恵庭市内を経て千歳川へと合流しています。 流路延長は 46.8  km、流域面積は 162.9  km

2

であり、千歳川に合流する支流の中では規模が大きく、上流 は原生林に覆われた山地と陸上自衛隊恵庭駐屯地の演習場が多くを占め、中流から下 流域に掛けては恵庭市の中心街が広がり、古くより恵庭市の水源として利用されてい ます。 

千歳川には、水質環境基準について類型指定がされています。千歳川の水質環境基 準の類型と基準値を表 4-1-2 に示します。 

表 4-1-2  千歳川の類型指定と水質環境基準 

水      域  当該類型  達成期間  備    考 

千歳川下流 

(新江別橋) 

A  直ちに達成  47.4.1 指定(道告示第 1093 号) 

類型

水素イオン濃度 

(pH) 

生物化学的酸素 要求量(BOD) 

浮遊物質量 

(SS) 

溶存酸素量 

(DO) 

大腸菌群数  A  6.5〜8.5  2㎎/㍑以下  25㎎/㍑以下 7.5 ㎎/㍑以上

1,000MPN/100mL 以下  千歳川下流 

(サケマスふ化場千歳支場)

AA  直ちに達成  47.4.1 指定(道告示第 1093 号) 

類型

水素イオン濃度 

(pH) 

生物化学的酸素 要求量(BOD) 

浮遊物質量 

(SS) 

溶存酸素量 

(DO) 

大腸菌群数  AA 6.5〜8.5  1㎎/㍑以下  25㎎/㍑以下 7.5 ㎎/㍑以上

50MPN/100mL  以下 

(4)  処理形態別人口 

生活排水の排出状況は、図 4-1-3 で示す処理形態別人口で整理されます。 

処理形態別人口とは、計画処理区域内人口に対して下水道や農業集落排水、合併処 理浄化槽などの処理施設別の処理人口(水洗化人口)で整理したものです。処理形態 別人口のうち、下水道や農業集落排水、合併処理浄化槽など水洗化され、かつ生活雑 排水を処理している人口の計画処理区域内人口に対する割合が生活排水処理率として 定義され、生活排水処理の指標として用いられます。 

区域処理形態別人口処理施設

図 4-1-3  処理形態別人口 

本市の生活排水の処理形態別人口の推移を表 4-1-3 に示します。 

本市の生活排水は、主に公共下水道事業によって処理しています。平成 25 年度の公 共下水道事業による水洗化人口は、行政区域内人口に対して 97%となっています。こ れに合併処理浄化槽による処理人口とあわせると 98.2%の生活排水が適正に処理され ています。 

下水道認可区域

計画処理区域(=行政区域)

農業集落排水計画区域 その他の区域

整備区域 未整備区域 整備区域 未整備区域

水洗化人口 未水洗化人口 農業集落水洗化人口 農業集落未水洗化人口

非水洗化人口

コミプラ人口 自家処理人口

汲み取り人口 単独処理浄化槽人口

合併処理浄化槽人口

下水終末処理場 農業集落排水施設 し尿処理施設 農地還元など

表 4-1-3  処理形態別人口

(単位:人) 

区分  H21  H22  H23  H24  H25 

1  計画処理区域内人口  68,571 68,853 68,754 68,797 68,751 2  水洗化・生活雑排水処理人口  67,072 67,496 67,502 67,571 67,507

(1)合併処理浄化槽  837 872 885 760 794

(2)下水道  66,235 66,624 66,617 66,811 66,713 3  水洗化・生活雑排水未処理人口 

           (単独処理浄化槽) 

146 146 145 145 145

4  非水洗化人口 

           (し尿汲み取り) 

1,353 1,211 1,107 1,081 1,099

(生活排水処理率) 

97.8% 98.0% 98.2% 98.2% 98.2%

2  集合処理の概要  (1)  公共下水道 

本市の公共下水道は、昭和 43 年の当初計画では、既成市街地を主体に予定処理区域 103.4ha、計画処理人口 8,500 人の規模でしたが、その後の急速な発展に伴い、予定処 理区域を拡大してきました。 

処理施設としては、 昭和 55 年に下水終末処理場を供用開始し、 平成 24 年度からは、

生ごみの受入れを開始、下水汚泥、し尿浄化槽汚泥と共に処理し、メタンガスを発生 させ、このガスを用いてマイクロガスタービン発電を行っています。 

表 4-1-4 に下水道事業計画の概要を示します。 

表 4-1-4  下水道事業計画の概要 

区 分  全  体  計  画  事業認可計画 

計画区域面積  1,865.2 ha  1,865.2 ha 

計画人口  68,300人  68,000人 

排除方式  分流式一部合流式  分流式一部合流式 

計画下水量 

(最大) 

 39,436m

3

/日   38,630m

3

/日 

処理方式  標準活性汚泥法  標準活性汚泥法 

表 4-1-5 は、 平成 16 年度以降の下水道事業による水洗化人口等の推移を示していま す。 

下水道処理区域内人口は、下水道が利用できる区域における現況人口であり、この 内、実際に下水道を利用している人口を水洗化人口といいます。また、下水道処理区 域内人口に対する水洗化人口の割合を水洗化率といいます。 

表 4-1-5 に示すように、普及率は 97%以上、水洗化率は 99%以上となっています。  

表 4-1-5  下水道事業による水洗化人口等 

年度 

行政人口 

(A) 

処理区域内 人口(B) 

普及率 

(B/A) 

水洗化人口

(C) 

水洗化率 

(C/B) 

16年度  67,263  64,906  96.50%  64,366  99.17% 

17年度  67,594  65,404  96.76%  64,862  99.17% 

18年度  67,969  65,783  96.78%  65,290  99.25% 

19年度  68,469  66,351  96.91%  65,967  99.42% 

20年度  68,483  66,428  97.00%  66,066  99.46% 

21年度  68,571  66,579  97.09%  66,235  99.48% 

22年度  68,853  66,938  97.22%  66,624  99.53% 

23年度  68,754  66,906  97.31%  66,617  99.57% 

24年度  68,797  67,105  97.54%  66,811  99.56% 

25年度  68,751  66,968  97.41%  66,713  99.62% 

※各年年度末人口 

図 4-1-4  下水道事業による水洗化人口等の推移 

3  個別処理の概要 

公共下水道事業による生活排水処理が困難な地域においては、浄化槽での処理も行 っています。平成 13 年度の浄化槽法の改正以降、し尿のみを単独処理する単独処理浄 化槽の新規設置は行われていません。現在、使用されている単独処理浄化槽は約 61 基 と推定されています。し尿と生活排水を合わせて処理する合併処理浄化槽は、希望者 に対して市が設置を進めており、設置数は表 4-1-6 のようになっています。 

表 4-1-6  浄化槽整備状況の推移 

H21  H22  H23  H24  H25 

合併処理浄化槽数  (基) 202 211 218 225 240

単独処理浄化槽数  (基) 約 61 基と推計 

合併処理浄化槽人口  (人) 837 872 885 760 794

単独処理浄化槽人口  (人) 146 146 145 145 145

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