第三章 1-tert-butoxy-4-chlorobenzene の毒性評価
3.3 併合試験
3.3.1 材料および方法
試験はOECDテストガイドライン{TG422:反復投与毒性試験と生殖発生毒性スクリ
ーニング試験の複合試験(1996.3.22 採択)}に準拠し、優良試験所基準(GLP:Good
Laboratory Practice)で実施した。また、LABORATORY ANIMAL SCIENCE(1987、
American Association for Laboratory Animal Science)を参考に一般財団法人 化学物質評価
研究機構日田事業所が作成した「日田事業所動物実験に関する指針」および「ヘルシン キ宣言」(1964年制定)の主旨に沿って試験を行った。
3.3.1.1 被験物質
北興化学工業株式会社から提供されたTBCB(ロット番号:D0L001、純度:>99%)
を試験に使用した。
- 81 - 3.3.1.2 飼育動物
日本チャールス・リバー日野飼育センターから 8週齢のCrl:CD(SD)ラット(SPF)の
雄55匹、雌61匹を入手し、6日間の検疫を含む8日間の馴化を行った。雌では、入荷
翌日から7日間の性周期を検査した。検疫・馴化期間中、すべての動物に異常は認めら
れなかった。
投与開始2日前に測定した体重を用いて、対照群(雄7匹、雌12匹)、低用量群(雄
12匹、雌12匹)、中用量群(雄12匹、雌12匹)、高用量群(雄7匹、雌12匹)、対照
群の回復群(雄5匹、雌5匹)、高用量群の回復群(雄5匹、雌5匹)の計6群に体重
層別無作為抽出法により群分けした(表3-1)。投与開始時の動物の週齢は雌雄とも9週
齢で、体重範囲は雄が320.5~363.9 g、雌が201.6~233.7 gであった。また、雌雄ともに
投与1日目の体重が、各群の平均体重±20%の範囲内にあることを確認した。
3.3.1.3 飼育環境
動物の飼育環境については、2.3.1.3に記載の条件と同様にして行った。
3.3.1.4 被験物質の設定用量
用量設定試験の結果から500、100および20 mg/kg/日の3用量を設定した。群構成を
表3-1に示す。
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表3-1 TBCBの併合試験における群構成
試験群 投与用量
(mg/kg/日)
投与容量
(mL/kg)
被験物質液濃度
(w/v%)
動物数(匹)
雄 雌 媒体対照(主試験) 0 4 0 7 12 媒体対照(回復) 0 4 0 5 5
被 験 物 質
低用量(主試験) 20 4 0.500 12 12 中用量(主試験) 100 4 2.50 12 12 高用量(主試験) 500 4 12.5 7 12 高用量(回復) 500 4 12.5 5 5
3.3.1.5 投与および回復期間
投与期間は、雄の主試験群および回復群並びに雌の回復群は42日間、雌の主試験群
は交配前期間(14日間)、交配期間(最長14日間)、妊娠期間および哺育期間(5日間)
の41~46日間とした。また、回復期間は雌雄とも42日間投与した後、14 日間の休薬
期間を設けた。
3.3.1.6 投与
被験物質をオリーブ油に溶解させ 12.5 w/v%の被験物質液を調製した。さらに、12.5
w/v%液をオリーブ油で希釈して2.50および0.500 w/v%の被験物質液を調製した。12.5、
2.50および0.500 w/v%の被験物質液をそれぞれ高、中および低用量群に体重1 kgあた
り4 mLの液量で強制経口投与した。投与にはネラトンカテーテル(テルモ)を取り付
けた注射筒(テルモ)を用いた。対照群にはオリーブ油を同様にして投与した。投与は
9時から13時の間に行い、分娩途中の動物は分娩終了後に行った。
- 83 - 3.3.1.7 反復投与毒性に関する観察・検査
3.3.1.7.1 一般状態観察、詳細な一般状態観察、機能検査、体重測定および摂餌量測定
1.3.1.7.1~1.3.1.7.4に記載の条件と同様にして行った。なお、機能検査の結果、雌の高
用量群で瞳孔反射の異常および自発運動量の統計学的に有意な変化が認められた。その
ため、雌の瞳孔反射および自発運動量については回復2週目にも検査を実施した。
3.3.1.7.2 血液検査
2.3.1.7.2に記載の条件と同様にして行った。
3.3.1.7.3 剖検、組織採取および器官重量測定
2.3.1.7.3および2.3.1.7.4に記載の条件と同様にして行った。
3.3.1.7.4 病理組織学的検査
固定した器官・組織からパラフィン包埋薄切切片を作り、HE染色(日本病理学会編,
1981、大畑, 1999)後、光学顕微鏡観察により検査した。対照群および500 mg/kg群は採
取したすべての器官・組織について検査した。20および100 mg/kg群並びに回復群につ
いては、雌雄の肝臓および雄の腎臓についても検査した。全腹児が死亡した雌は、前胃、
腺胃、心臓、卵巣、子宮、腟、脾臓、胸腺、下垂体および副腎についても検査した。ま
た、検査の結果、腎臓において雄ラット特異的病変であるα2u-グロブリン腎症が疑われ
る変化がみられた。そのため、α2u-グロブリンの蓄積の有無について検討するため、対
照群と100および500 mg/kg群の雄の各2匹の腎臓について、免疫組織化学的染色を行
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い検査した(日本病理学会編, 1981、大畑, 1999、Hanamura et al., 2006)。また、腎臓に
尿細管上皮細胞の空胞化がみられた対照群および500 mg/kg群の各1例について、脂肪
の蓄積の有無について検討するため、オイル赤 O 染色(日本病理学会編, 1981、大畑,
1999)を行った。
3.3.1.8 生殖発生毒性に関する観察・検査
2.3.1.8に記載の条件と同様にして行った。
3.3.1.9 統計学的方法
1.3.1.9に記載の条件と同様にして行った。