第 5 章 本教材のメカトロニクス教育に関する実験結果
5.2 体感に基づく制御実験結果
5.2.2 生徒に対する体感に基づく制御実験結果
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また,元々ものづくりに対する興味がそれほど高くないと考えられる工学部以外の学生 も,作ってみたい以外の回答の傾向は同様であるため,ARCS モデルにおける「A」→「R」
の段階は達成できている.このことから制御に関する授業を受けた経験がない場合でも制 御を体感することにより動機づけできたといえる.したがって,本教材は学習の導入段階 として「ものから入る教育」の効果は非常に高く,制御理論を体感により理解させること が可能といえる.加えて,自ら作ってみたいといった知識を活用・応用させる意欲を引き 出すことができる.このことから,最終的に体感に基づき理解した制御理論をものづくり として実践させることで生きた知識として,生徒に制御理論を理解させることが十分可能 であると考える.
本教材は倒立振子上に搭乗し,水平に保たれた安定した状態から,敢えて傾けた状態(不 安定な状態)にすることで移動する.ロボットを自由自在に乗りこなすには,制御の仕組 みを理解しかつ体感することが重要になる.実験を通して数名の生徒は安定した姿勢で搭 乗することができた.また制御について ARCS モデルにおける関連性(やりがいがありそう)
「R」から自信(やればできそう)「C」あるいは満足感(やってよかった)「S」への発展に ついては,制御の仕組みを理解していることが前提になる.
(1)生徒の本教材による体感の制御実験の感想
① A 君
今回の実習で乗った倒立振子ロボット教材は稼働していないとバランスを取るのが難 しかったですが,稼働しているときはリラックスして,機械に体を預けるようにすれば 簡卖にできました.後半の設定は,前半の設定よりも反応が良く,自分にとっては後半 の方が難しいと思いました.
② B 君
先生の作った倒立振子ロボット教材に乗って,D ゲインについて今までよりも,詳しく 知ることができた.あのようなロボットを自分一人でも作れるようになりたい.次の実 習でももっと詳しく学んでいきたい.
③ C 君
倒立振子ロボット教材に乗ってみて,P 制御と PD 制御の違いがよくわかった.P 制御
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のときは反応スピードが遅く,自分で重心を取ろうとしてしまって,乗るのが難しかっ た.PD 制御のときは反応スピードが速く,とても安定して乗り易かった.止まっている 時より動いている時の方が安定して動いていた.また,機会があったら乗ってみたいと 思った.
④ D 君
P 制御のとき,I ゲインと D ゲインがないため,制御をした後の修正を行わない.その ために倒立振子ロボット教材の制御のときは,尐々危険である.それに比べて PD 制御は 水平か調べるときに,2 つのセンサ値を引き算して 0 になったことで判断し水平を保つこ となどもでき非常に安定している制御である.
⑤ E 君
今回は PID の値をそれぞれ変えて,それぞれの性質を調べました.P ゲインを大きくに すれば発散してしまうことや D ゲインを変えれば修正が大きくなることがわかりました.
また,フィードバックを利用した倒立振子ロボット教材に乗った時は,進むだけなら D ゲインを弱く,バランスを取るだけなら D ゲインは強い方が乗りやすかったです.大き なものから小さなものまで制御できるフィードバック制御はとてもかっこいいなと思い ました.