第 3 章 体感に基づく教材の開発とロボット感動教育
3.2 ARCS モデルに基づく教材設計とメカトロニクス教育の提案
3.2.4 体感と感動に基づくメカトロニクス教材の設計
3.2.4.2 ロボット教材の設計手順
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図 3-7 ロボット教材試作機
(2)倒立振子制御の検討 (a)ステップの傾きと偏差
本研究ではセンサに PSD を使用し,その値を操作量に反映させる. PSD,加速度セン サ,傾斜計を用いることもできる.データ例として左右の PSD と床までの距離を偏差 e とする.PSD の値は電圧であり 0~5V の間で出力される.
例として,2 つのセンサをステップに取り付け床までの距離を検出したとき,センサ の差分をグラフ化した.PSD L はステップ左側,PSD R はステップ右側に対して下向 きに取り付けたときのデータ例である.偏差 e は左右の差であり,この値をもとにモー タの回転数,回転方向の制御に使う.偏差 e がマイナスの場合,モータの回転を逆転さ せればよい.
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左右に取り付けた(図 3-15 参照)PSD の値から,この値の差を偏差 e として用いる.
偏差 e = PSD L 値 - PSD R 値
PSD の値は 0~5V を AD 変換し,0~512 として扱う.図 3-8 の縦軸は PSD の出力,
横軸は PSD の床までの距離を表す.
図 3-8 2 つの PSD データによる偏差eのイメージ
(b)センサの検討
センサには入手しやすさ,価格などを参考にアナログセンサを採用した.PSD の他,
加速度センサ,ジャイロセンサ,傾斜計を使用することも検討した.
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図 3-9 センサの外観(シャープ HP より)
図 3-10 センサ寸法(シャープ HP より)
図 3-11 センサ信号配置(シャープ HP より)
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図 3-12 センサ信号と検出距離(シャープ HP より)
(c)コンピュータとモータ制御の検討
生徒が授業で使用しているワンボードマイコン H8 を制御用コンピュータとして使 用する.モータ制御はシリアル通信で速度指令コマンドを送信し,モータドライバに 指令するタイプと,回転数指令用電圧端子に 0~5V の電圧をモータドライバに加える タイプがある.本研究では,試作機にはシリアル通信で制御するサーボランド社 Movo2,
生徒が製作した 2 号機には 0~5V の電圧で制御するオリエンタルモータ社 BLVD を採用 している.図 3-13,図 3-14 に外観を示す.
図 3-13 MOVO2(サーボランド HP より) 図 3-14 BLVD ドライバ(オリエンタルモータ HP より)
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(d)機械要素の検討
車輪の駆動部には,ベアリングを挿入している.滑らかな回転と制御プログラム通 りの動作を実現するためである.JIS 標準品 6007ZZ を使用した.
(e)制御プログラムの検討
授業で学習した C 言語を使って記述した.制御をきめ細かく行えること,工学系大 学でも使われている標準的な言語を使用した.制御プログラム開発には工業高校でも 利用率の高い統合開発環境 HEW を使用した.
(3)評価
センサデータに基づくアクチュエータの動作については,ロボットをテストベンチ に搭載して行った.その結果,偏差 e により速度制御,正転,逆転,停止,非常停止 の機能を構築できた.体重 60~70kg 程度の人が搭乗した状態で,約 1m/s で移動でき ることを確認した.
(4)まとめ
搭乗型移動ロボット本体(台車の部分)
・動力は DC サーボモータ 120W モータ×2
・減速比 1:50,出力軸回転数 60rpm,最大速度 1.08m/s ・質量 35kg
・制御用マイコンに H8 を使用 ・タイヤは 10inch
・電源は DC24V