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環境負荷低減並びに社会開発への貢献

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小さいことが解り、製紙スラッジの埋立回避による CO2 削減量は加算しな いこととした。

従って第一号プロジェクト(RPF 製造量 6,000t/年)で製造できる RPF 量と等しい石炭が RPF に置き換わることで、従来 13,980tCO2/年であった ものが約 9,562tCO2/年となり、結果的に 4,418tCO2/年の削減につながる。

2) SOx 削減

RPF 原料には硫黄分がほぼ含まれていない(計測不能)ことが RPF の組 成分析の結果判明している。ベトナムの石炭は比較的質がいいものの、

硫黄分を含んでいる。

但し今回の小型ボイラでの燃焼試験においてはサンプリング点数が少 ないことにも起因して、明確に SO2 削減効果について指摘できない。第 一回燃焼試験では RPF 混焼の方が低く計測され、第二回燃焼試験では RPF 混焼の方が高く計測されるケースが多い一方、RPF そのものは同じロット のものを使用しているため、原因は計測のタイミングのほか石炭若しく は排ガス処理装置の違いによると思われる。

表 8.1.1.1:燃焼試験における SOx (SO2 として、mg/Nm3)排出比較 石炭 100% RPF 混焼 第一回燃焼試験 273.3~487.7 178.3~221.0 第二回燃焼試験 195~572 496~665(石炭 80%)

113~816(石炭 90%)

8.2 埋め立て処分場延命化効果

埋め立てられていた廃プラスチックや製紙スラッジが燃料として焼却される ことから、同量の廃プラスチック及び製紙スラッジが埋め立て処分場に廻って いた場合の容積が削減されることになる。

廃プラスチックは嵩比重が非常に小さく、埋め立て処分場のひっ迫の要因と なっている。日本の埋め立て処分場における埋め立てゴミ比重は 0.8163(経済 産業省、H21 年)とされているが、日本の場合は焼却との導入が進んでおり、最 終的にプラスチックなど嵩が張る物質は少ないことからこのような比重となっ ていると言える。

廃プラスチックの実際の比重は今回の調査における運搬時に 0.1 程度(廃プ ラ 6t に対して 1m3 フレコンバッグ 62 袋)であることが解っている。また製紙 スラッジについても 0.5 程度(製紙スラッジ 2t に対して 1m3 フレコンバッグ 4 袋)であった。仮に日本の半分程度の嵩比重であると想定した場合、12,000m3

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(6,000t÷0.5t/m3)の埋め立て量回避が可能となる。東京ドームの容積が 124 万 m3 であることから、6,000t/年の RPF を製造することでその 1/100 が削減で きるイメージとなる。

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リサイクル効果 1)リサイクル率の向上

ベトナム並びにハノイ市においてもリサイクル率や埋め立て処分回避 率等の目標値を設定している。特に廃プラスチックの埋め立て処分回避 は深刻な課題となっている。

本プロジェクト(RPF 供給量 6,000t/年)においては歩留まりも考えて 最大 18t/日の廃プラスチックを使用する。現在ハノイ市で排出される生 活廃棄物由来の廃プラスチック量を最大の 650t/日と仮定すると、約 2.8%のプラスチックリサイクル率向上に貢献する。

2)未利用エネルギーの有効利用と化石燃料の消費削減

このプロジェクトでは使用されずに埋め立て処分されていた化石燃料 から製造された廃プラスチックを燃料化する事業である。RPF 燃料は現在 使われている石炭の一部を代替することを目的に事業化を目指している。

熱量ベースで考えれば、約 9700kcal/kg を有する廃プラスチック 18t/日

(=162.9Gcal/日)は 7,200kcal/kg 相当の石炭を 23.5t/日削減するこ とができると言える。最終製品である RPF の場合は石炭と同等の熱量を 持つものとして、6,000t/年の石炭消費削減になる。

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