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対象地域における RPF 原料の供給可能量

第 4 章 RPF 原料供給可能量調査

4.2 対象地域における RPF 原料の供給可能量

2012 年度に行った、RPF 原料供給可能量調査の結果を下表にまとめた。

表 4.2.1.1:RPF 原料の調達先多様化検討

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4.2.1 対象地域における廃プラスチックの供給可能量

本事業では廃プラスチックと製紙スラッジ 8:2~9:2 の比率で RPF を製造す ることを検討してきている。廃プラスチックの収集量の確保とそのコストが事 業上の大きなポイントとなることから、廃プラスチックの収集多様化が必要と の指摘を受けてきた。

こうした指摘を受けて、本事業成立に向けた最大のポイントである廃プラス チックの確保に関する性状並びに量的把握を再度行った。廃プラスチックを排 出源別及び状態別に名称を付け、分類並びに評価を行った。

1)【処分場 A(洗浄済み)】

・ マテリアルリサイクルを目的として、ハノイ市周辺で廃プラスチックの回 収選別を行っているリサイクル村に対するヒアリングを行った。こうした 村からは 1-2t/日のリサイクル不適廃プラが常時発生することが分か った(但し、質や形状は多様で RPF 原材料として使いづらいものも含まれ る)。

・ 一方、現在こうしたリサイクル村で回収されている廃プラの内、埋立処分 場などから回収される洗浄前最低買価格の 1,500VND/㎏(5-6 円程度)のも のを購入することも視野に入れることとした(回収可能量は変動するが、

数トン/日に上ると思われる)。

・ 引き続き協議を重ねた結果、URENCO11 に近いリサイクル村(Hung Yen 省 Minh Khai 地区)から、洗浄・乾燥した状態に加え、URENCO11 迄の運送費 を含め 3300VND/kg の提示があったため、2013 年 3 月に試験的に購入した。

2013 年 3 月 15 日に荷が届いたが、想定していた生活廃棄物由来の廃プラ スチックではなかったため、採用しなかった。但し先方が有する現状の仕 組みでは 3t/日の供給は確実で、収集の指導を変えれば 6t/日以上集められ るとのことであった。品質が良ければ前処理への投資が削減できるともと らえられる。

2)【処分場 B(生)】

・ 埋立処分場からの廃プラ回収→油化を行っている南部 Binh Duong 省を視察 したところ、80 名で日量 10t 程度の廃プラを収集していることが解った(こ こは処分場と前処理及び油化設備が隣接している為さらに有利)。市の買取 価格は 1,000VND/㎏。

・ 現在上記 Binh Duong 省に倣って、Hanoi URENCO の Nam Son に出入りする Scavenger 集団の 1 グループと折衝し、これまで回収していなかったプラ スチックの回収試験(1,000VND/㎏で購入)を計画し、今後実施する予定。

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3)【堆肥化 A(乾燥後)】及び【堆肥化 B(生)】

・ カウンターパートであるハノイ URENCO のコンポスト化施設及び URENCO11 に近い Gia Lam(ザーラム)URENCO が所有する 2 か所のコンポスト化施設 から不適物として合計 1t/日前後の生活廃棄物由来廃プラスチックが確保 できる。このうち 2 割程度は二次発酵を終えた乾燥状態のものが得られる。

残りのプラスチックは汚れが多く、洗浄・乾燥の前処理を必要とする。

・ 埋立処分場の廃棄物回収グループ(環境公社職員のアルバイト、若しくは 指定されたスカベンジャーグループ)からの購入も可能であることが現場 責任者ヒアリングでわかった。今回対象とする廃プラスチックは、マテリ アルリサイクル市場では価値のないものとして扱われるものであるため、

廃棄物回収グループとしても収入増要因となる。

4)【パルパーA(ペレット向け)】

・ 今回の調査の協力先(石炭ヒアリング、RPF 製品試験利用)である日系古 紙再生事業者から URENCO11 が処理費を得たうえで受け入れている廃プラ スチックの量を一定期間の観測したところ、平均で 2.5t/日程度の廃プラ が搬入されていることが解った。

・ URENCO11 では搬入されたパルパー滓を人手でペレット化適合物とそれ以 外に仕分けをしている。

5)【パルパーB】

・ 産業廃棄物系廃プラのうち、URENCO11 が上記日系古紙再生事業者からのパ ルパー滓として回収される廃プラ類等のうち、ペレット化不適物として除 外されるものが 1t/日前後発生しており、これが RPF 側で定常的に利用 できることが分かった。汚れは少ないが、状態としては水分が多く、より 良い成形を行うためには乾燥工程が必要となる。

6)【その他】

・ 量は多くないが、URENCO11 には菓子製造工場からの包装紙や点滴容器等の あまり再販売価値の高くないプラスチックが不定期に入ってきており(多 くの場合 URENCO11 が買い取っている)、市場価格次第ではあるが、これら も RPF として利用することが可能であることが解った。

4.2.1 対象地域における副資材類の供給可能量

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1)【製紙スラッジ】

・ 製 紙 スラ ッジ は上 記パ ル パー 滓を 排出 する 日 系古 紙再 生事 業者 から URENCO が処理費を受け取ったうえで 20t/日程度引き取っている。市況によ っては梱包材用途で不定期に販売できていたが、2012 年初頭から販売が滞 り、URENCO11 の埋立処分容積をひっ迫している大きな原因となっている。

パルパーA と B の選別状況(手前が B) パルパーB(試験製造の主原料)

製紙スラッジの埋立

2)【その他】

特にもみ殻の利用については 2011 年度からの課題であったものの調査並 びに実験は行わなかった。平成 25 年 3 月 21 日に行ったセミナーにおいて も複数の関係者からもみ殻の利用可能性について問い合わせがあった。今 後の検討対象としていきたいと考えている。

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