(タイプ・トークン比)について
資料 1 :発表語彙知識広さテストの例
7.3 現実的な指導法
本研究では,書き直し群より伸びは少なかったも のの,ただ書かせただけの統制群も伸びていた。忙 しい現場では,定期的に生徒に書く機会を与えつつ,
生 徒 と 教 師 に 余 裕 が あ る 際 に は き ち ん と し た Feedback を与え生徒に書き直しもさせるなど,時 と場合によって指導法を使い分けることが現実的だ ろう。
また,とにかく書かせることで情意面でのプラス の効果をも期待できる。最初に述べたように,ライ ティング分野では,「書くこと自体を放棄する生徒も 多い」という調査結果が多いが,本研究を行った後 では自由英作文の問題を出しても,白紙で出す生徒 はかなり減り,実験後に取ったアンケートでも,「最
7 指導法への示唆
初はつらかったがだんだんと書くのが楽しくなった」
などの言葉もよく見られた。
さらに,アンケートで「ライティングが好きです か」という質問を出したところ,肯定的に答えた生 徒は本研究前では29.9%であったが,研究後は 42.4%へと増加した。特に書き直し群では,25.0% から46.2%へとかなり増えていた。このことは書か せること自体が情意面にプラスの影響を与えること を示していると考えられる。
本研究で,Feedback の効果を確実にする書き直し の効果が明らかになった。しかし,学力に応じてどの
ようなFeedback が効果的かはまだはっきりしていな
い。この点に関しては書き直しの条件を同一にして,
Feedback の種類を変える方法でさらに研究を続けた い。加えて,初期学習者の「全体的誤り(global
error)」に関してどのような指導を行うべきかという
点も特に焦点化して研究したいと考えている。
謝 辞
まず本研究を行うすばらしい機会を与えてくださ った(財)日本英語検定協会と選考委員の先生方に 感謝致します。特に担当してくださった和田稔先生 に厚く御礼を申し上げます。また,本研究に協力し てくれた勤務校の生徒たちや先生方にも心から感謝 します。とりわけ,ケーススタディの被験者となっ た2人の生徒は何度も放課後に残って協力してくれ ました。加えて,本校国語科の松尾陽子先生にも,
本稿を丁寧に校正してもらいました。感謝します。
それから,超御多忙の中,量的研究に関してこれ以 上はないほどのアドバイスをくださった兵庫教育大 学の山岡俊比古先生には心より感謝の意を表します。
他にもたくさんの方から助言や励ましなどをいただ きました。本当にありがとうございました。最後に,
いつも温かく応援してくれた妻と子供たちにも感謝 したいと思います。
8 今後の課題
参考文献(*は引用文献)
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資料1:各指標のプリテスト及びポストテストの平均値と標準偏差
統制群 Feedback 群 書き直し群
プリ ポスト プリ ポスト プリ ポスト
総語数 28.7(12.32) 52.6(17.19) 24.1(8.14) 56.1(14.91) 33.3(15.37) 69.1(16.22) T-unit 数 4.8 (1.99) 7.9 (2.52) 4.2(1.46) 8.7 (2.56) 5.2 (2.33) 10.1(2.60) T-unit 長 5.7 (1.05) 6.4 (1.00) 5.6(0.84) 6.7 (0.85) 6.4 (1.19) 7.0(0.85) EFT 率 45.7(23.37) 42.9(19.54) 39.5(26.08) 40.3 (16.1) 36.9(24.19) 52.1(17.25) 誤り率 0.83 (0.47) 1.00 (0.57) 0.91(0.49) 1.00 (0.51) 0.98 (0.55) 0.72(0.36) 節の割合 1.09 (0.14) 1.16 (0.13) 1.06(0.12) 1.18 (0.12) 1.12 (0.19) 1.22(0.13)
(注)( )内は標準偏差
資料2:交互作用が見られた指標の,グループの単純主効果についての多重比較結果(ポストテスト)
指標 結果
a総語数(W) RG > FG / RG > CG(MSe = 268.4, 5%水準)
sT-unit 総数(T) RG > FG / RG > CG(MSe = 6.74, 5%水準)
dEFT 率(EFT/T) RG > FG / RG > CG(MSe = 4.47, 5%水準)
f誤り率(E/T) RG < FG / RG < CG(MSe = 0.24, 5%水準)
本研究の目的は英文を暗唱することによ り,国立教育政策研究所教育課程研究セ ンター「評価の観点及び趣旨」の「表現の能力」が 定義とする「外国語を用いて,情報や考えなど伝え たいことを話したり,書いたりして表現する」力の 育成が図れることを検証することである。
1・2年生を対象に6割を到達目標とする暗唱文 テストを週1回実施し,すぐに採点を行ってテスト 実施日に返却し,基準点に到達しない生徒に課題を 提出させた。1・2年生全員に同じ時間帯に共通テ ストを実施・返却し,スピーディーなフィードバッ クを行い,英語科だけでなく担任・副担任など多く の教員が情報を共有し迅速に一致協力して指導を行 うことで集団の教育力を活用して生徒の学習意欲を 喚起した。また,毎週少しずつ覚えた暗唱文を基盤 に,1年生を対象に総復習暗唱文テスト,英語で日 記を書かせるジャーナル・ライティング,スピー チ・テスト,インタビュー・テストを行い「表現の 能力」の育成を図った。
本研究は広島県立福山葦陽高等学校の1・2年生 が英語学力の中で最も苦手とする「表現の能力」の 向上をめざし,暗唱文テストの実施により英文を暗 唱し書く学習習慣をつける指導を行った実践研究で ある。1年生320名,2年生316名,各学年8クラス の全生徒を対象に週1回一斉に暗唱文テストを行っ て即日返却し,正答率が6割に到達しない生徒に課 題を提出させ結果を検証した。本校1年生が有する 英検資格は3級が10%未満の取得率であり,英語を 苦手とする生徒が多い状況で英語学力を向上させる
効果的な一方法として暗唱文テストを考案した。