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第1る節 海岸林土壌の着塩盈    1調査地と調査法   

マツの天然分布と林地土壌の着塩屋との関係を明らかにする目的で   1.新潟県,瀬汲防風林(‖8)(アかマツ,グロマツ混生林)  

2.新潟県,磐船防風林(アかマツ,クロマツ混生林)  

5.石川県,砂浜防風林(117)(クロマツ林,ただし,内陸側のどく一一・部にアかマツ混接)  

4.福井県,北潟防風林(クロマツ林)  

5.福井偏敦賀市,気比防風林(118)(アカマツ,クロマツ混生林)  

について,土壌の含塩鼻を調査した   

試料として用いる土壌は全体を通じ 封書のゆるすかぎり標準地をえらび,その地点で海岸側の林縁,内陸側   の林縁およびその中間点で採取することを原則とし,そのほか,現地紅おいて,とくに問題を含むと恩れるわ地   点,すなわち,植生的にとくに変化のみとめられる地点,地形的にとくにいらしるしい変化がみとめられる地   点,あるいほ,土壌的紅特徴のみとめられる地点などについては,付加的に採土地点としてそれらをとりあ   げた   この場合におこなった採土の方法,および塩分景の測定法ほ,第7節において述べた方法と全く同様   であるしかして,以上の各地点における,土塊の塩分罷は,第55表に示す通りである   

2 調査結果と考察   

これらの結果全体を通じていえるこ.とは,実際の林地における土壌の著塩蔓は,意外に少なかったということ   である   

これは,第占節において∴すで虹触れた,香川県における海岸林土塊の著塩竃・の観測結果(算20表参照)と比   較しても,−・般に低い他なとっていることが指摘できるこれは.,林況や地況なとに原因することもあるであろ  

・うが,もっとも大きな原因ほ,気象条件,とくに降水鼻の問題化あるものと考える   

すなわち,原田(119)によれほ,若州以北,越後に至る一偏ほ,日本のうちでもとくに降水蒐の多いところとい   われ,平均年降水量は.はぼ2000mmから5000mmである,これに対し,瀬戸内およぴその沿岸ほ,我が国でも  

とくに降水最が少く,最少降雨地紆に入り,平均,年dOO〜1000皿皿程度の降水量である.   

さらに,すでに論じたごとく,植物の天然分布に最も重要な一つの因子としての水分問題を,とくに大然下種   

ー49−・  

第55表 北陸各地の海岸林土壌の著塩塁 〔NaCl:mg/1g(乾土)■〕  

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\\\\   地表からの讐監)l。  

測定日及備考  

劉旦_遡」  二=⊥  

海 側 林 緑   林 内 申 聞  

海 側 山 腹(重粘土)  

▼▲ ̄ l ■▲▲▲  、  ll − l−l,■■■■ヽ  

林内クロマツ鍾立地点  

(ナj線より500m)  

前砂丘の地点  

(ナ」線より100m)  

内陣側林縁(アカマツ坐立点)  

〝   海側林内(前砂丘の内側)  

′′  

5占− 5瓜17   淑 披  

5る→5叫18   アカマツ混生   

(上 ノ 山)  

磐 船  

4\ノ︶︶  −  \′  藻木いいほ  4  州一〝  

↑上上85鋸87 スJ︵︵︵ ︵ ︵  

〃 内 〃  

林  申  

5る〜 4−7  

〝   ノケ    海 側 林 線  

イ′  

′′  

(北潟第1)  

ち占−5−7  

北 潟   nU O l nU   1 ZJ 9 9 4 2 2 2  

海 側 斜 面  

コモ工前面(海   側)   

〝  〝 (コモ工値前)   

〝  内面  

賓5占−5−19  

(前日降雨15mm)  

m m  

n︶ nU  

O 5  

による林内の種子の発芽と土塊の着塩愚との関連においての降水景という点から検討するとき,その降水盟は,  

ただ尊に年間の降水愚の総計だけが問題となるのでほなく,降水の年間配分碇ついで慎重に検討する必要があ   るとくに硫雪地方においてほ,林地土壌の着塩屋と蔚雪および融雪期の関係が,きわめて微妙に関係し,それ   がひいてほマツ種子の発芽に大きな影響をもつ場合のあることも充分に想定される.   

すなわち,北陸地方一偶の積雪期と,この地域に対して梅塩をもっとも多く搬入するものと予憩される季節風   の卓越期とほ.はとんど重なり(1加 ̄122),したがって,この輩雪期間中に搬入された海墟の大半のものは,融雪  

によって,おそらく充分に洗除されるものと考えられ,その結果,少くとも,融雪直後においてほ一・般に土壌着   塩騒が,きわめて少い状態におかれるものと推定できる   

とくに,今回の調査の対象となったこれらの林分の多くほ,砂土であって,土壌の塩分保持力は一・般に小さい   ものと思われるから,海蛇の搬入がかなり多くとも,すでに第8節において確かめたどとく,比較的少い降雨に   よっても土壌中の垢分は充分な洗除作用を受けるものと判断される   

いづれにしても,今回の観測結果から,ただらに,これらの各林分に対する海塙の搬入量が常に小さいものと   結論することは采当でなく,むしろ,搬入された海塙がよく洗除されたものとみなすべきであろう.   

こ・のような抑察は,現地における植生の観察結果,とくに,マツの幼樹などにみられるひどい塩害の発生状況   

−50・−・   

(写兵17参照),搬入海塩盈の測定値(12a)ないし,気象観測値(122),あるいほ,福井県北潟防風林の冬季における   潮風の吹きあげの実況(写真18参照)などから綜合しても理解しうるところであり,このような点から推して,  

これらの林地に対する海塩の搬入量は,その林分によってこは,現実にほ,むしろ,相当多最であると判断すべき   ものであろう一   

以上の諸要点を綜合して,結論的にいえることは,今回の調査においては,アカマツ,クロマツ混生林とクロ   マツ林とのあいだにほ,その土壌中に含■まれる塙分盈のうえでほ,相互のあいだにそれはど大きな差異はみとめ   れなかったということである, しかし,これほすでに検討したように,撃なる1時期における琉分景の測定結   果と,マツ天然分布との関係とを,たゞちに結びつけて考察することの困難性をもまた,同時にみとめられねは   ならないということの1つの証左になるものと考えられるのである   

いま,北陸各地の林地土塊に関する塩分一遍の調査結果に関連して,北陸地力と対比的な気象条件 ̄Fにある東海  

地方における土壌の着場景を推測する紅,東海地方ほ全般的にみて,夏ほ商束.もしくは南酉寄りの夙が吹き,  

梅雨,台風などの関係で降水量が多いこれに対して冬は北西の季節風が卓越し,比較的鵬天がつづき,降水畳   ほいちじるしく少いさら紅,この地方でほ仙・般に,冬季晴天の日には強い偏西風が吹き,天候の悪化とともに   終息する特徴をもつ   

ところで.−・定地点における着塩量ほ,主としてその地点における風速,風向および降水盈に.大きく支配され  

るから,この地力を全体的にみて,海塩の搬入巌の多くなるのは,おそらく,南寄りの風であろうと考えられ,  

横浜,静岡,浜松などにおける気象資料(121124125)からみても胤の条件だけについてみれほ,はば5〜4月から   10月の期間と推定される しかし降水量をみると,これらの各地でほおよそ占月から10月にかけて多くなり,し  

たがって,着塩に対する雨洗作用も同時に大きくなるものと推定される。したがって,東海地方各地における海   塩搬入量の絶対佃jこついてほ,当然これらの時期がもっとも高い値を示すものであろうと推定されるが,実際問   題として,着塩屋を塩害あるいはマツ天然分布のうえから考える場合にほ,むしろ絶対愚のうえで最大値をとる  

これらの時期でほなく,たとえ梅塩搬入愚は,それより少くても,雨洗作用の少い時期について注目しなければ   ならないであろう このような見地からして,冬季降水鼠の少い時期の偏西風による,相模湾,膠河湾,伊勢湾   などの各東岸部一∴昔に対する海塩の搬入と,南寄りの風が吹きほ.じめ,しかも降水蒐の比較的少い5〜5月ごろ   の沿海地帯全域紅対する梅塩の搬入とが,東海地方における林地土壌の塩分含鼠の点に関して軽視できないもの  

となるであろうしかし,さらに雇大なことは,この地方でほ台風の影響が多く,d月〜10月の台風,とくにカ   ラ台風による海塩の搬入壷はきわめて大きいものと規定され,したがって,塩害ほもちろん,林地土壌に対する   着塩についても,もっとも重大な影響をもつものと考えられる点である   

これらのことは,国鉄電気施設の塩害多発地域として,大船.豊橋間がとくに注目されていること,また,送   電線の塩害事故多発地として,駿河湾沿岸および,渥美湾沿岸があげられていること,とくにこれらの地域では  

台風塩害,わけてもカラ台風による着墟によっておこる事故が,もつとも激甚であるという事実(12¢127)からして   もこの間の事情がはぼ推察できるのである,  

第14節 海岸林における種子の発芽ならびに苗木の成立の問題   1海岸林における天然生稚樹発生の状況とそれに関する論議   

現実の海岸林について観察するに,海岸地帯におけるマツ植栽にあたって,たとえそれが,地域によってほ相   当の保護工作を施す必要があるにしても,そこに植栽された苗木が全く活着,生長しえないということほ.まづ   ないであろう.よしんは.それがきわめて恋い条件下における場合でさえ.,酋木の正常な生長は期待できないま   でも,ごく特殊の場合を除いて.少くとも.そこに筒木が壁致することだけほ,多くの場合可能である.これに   対し,天然下種による椎樹の発生は,各地域にわたって,つねに見られるとほいえない.この天然生椎樹の不成   立の原因雁ついてほ,種々考えられるが,なかでも,種子ないし柵常期における鳥獣害あるいは虫歯害などは,  

この問題を考えるうえで,決して−軽視できない大きな要素である,   

ところで.前節において取りあげた調査地の各林分を通じて,これら各林地に.おける天然生椎樹の成立状況を   概察した場合,アカマツ,クロマツ混接林についてほ.両種の椎常の成立しているのがよく見られた   

すなわち,瀬波,磐船,気比の各地区,および砂浜地区の内陸側アかマツ混生地点などである   

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