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独立な多面体のジョイン

ドキュメント内 PL トポロジー PDF(10ポイント版) (ページ 36-39)

A, B⊂Rnが独立であるとは、A∩B =であって、条件

a, a∈A, b, b∈B, (ab)˚(ab̸= = a=a, b=b

を満たすことをいうのであった(§1.1)。とくに、A={a}の場合、A, Bが独立であることは、aBが錐であ ることにほかならない。

以下では、A, B Rn が独立であるときに、強調の意味で、ジョインABのことをA ⋆ Bと書くことが ある。

補題3.16. σ, τ が単体ρ⊂Rnの面であるとき、σ∩τ=ならば、σ, τ は独立である。

証明. p= dimσ, q= dimτとするとき、pqである場合に限って示せばよい。さらにこれをpに関する帰 納法で示す。p=1のときは明らかであるから、p≧0としよう。σの頂点vを一つ選び、σ =σ/vとする

と、στは錐v(στ)なので、{v}, στは独立である。また、帰納法の仮定より、σ, τ も独立である。よって、

補題1.21により、σ=,τも独立である。

上の補題の逆として、次も成り立つ。

補題 3.17. σ, τ Rn が二つの独立な単体であるとき、σ ⋆ τ は単体であり、その頂点全体の集合は

V(σ ⋆ τ) =V(σ)∪V(τ)で与えられる。

証明. p= dimσ,q= dimτ とする。p+qに関する帰納法によって示そう。p+q=2のとき、すなわち σ=τ =であるときは明らかである。そこで、p+q1とする。このとき、σ, τ の少なくとも一方は空 でない。たとえば、σ̸=であるとし、vσの頂点の一つとする。σ=σ/vとおく。このとき、σ,τは独 立だから、帰納法の仮定から、στ=σ⋆ τ は単体で、V⋆ τ) =V)∪V(τ)である。一方、σは錐 なので、{v}, σは独立である。また、σ=,τは仮定により独立である。よって、補題1.21により、{v}, στは独立であるから、σ ⋆ τvを頂点として単体σ⋆ τを底とする錐である。よって、命題2.2(2)により、

στ=σ ⋆ τ は単体であり、V(σ ⋆ τ) ={v} ∪V⋆ τ) ={v} ∪V)∪V(τ) =V(σ)∪V(τ)である。

K, LがRn内の単体複体であるとき、K, Lが独立(independent)であることを、|K|,|L| ⊂Rnが独立 であることとして定義する。

有限単体複体K, Lが独立であるとき、K, Lの単体ジョイン(simplicial join)KLKL={σ ⋆ τ|σ∈K, τ∈L}

によって定義する。補題3.17により、これはRn内の単体からなる集合である。さらに、注意1.20(3)によ り、任意のσ, σ∈K,τ, τ ∈Lに対して、

(σ ⋆ τ)⋆ τ) = (σ∩σ)∩τ)

である。このことから、KLは有限単体複体となることが分かる。σ∅=σ,∅τ=τ であることからK, Lはそ れぞれKLの部分複体となっていることに注意する。

注意3.18. K, Lに有限性を仮定しない場合、上のようにKLを定義しても一般には局所有限性の条件が成り

立たず、単体複体とならない。

§3.2の最初に見たように、単体複体Kの頂点vに対して、スターst(v, K)はリンクの錐としてst(v, K) =

vlk(v, K)と表されるのだった。これを一般化して、次が成り立つ。

命題3.19. Kを単体複体、σ∈Kとするとき、σ,|lk(σ, K)|は独立であって、

st(σ, K) =K(σ) lk(σ, K), |st(σ, K)|=σ ⋆|lk(σ, K)| となる。ここで、K(σ)σの面全体のなす単体複体である。

証明. 注意1.20(4)を用いて、σ|lk(σ, K)|の独立性を示そう。各τ∈lk(σ, K)に対して、στはあるK の共通の単体の面であり、σ∩τ =であるから、補題3.16により、σ,τは独立である。また、τ1, τ2lk(σ, K) とすると、補題3.17と補題2.36(1)により、

V((σ ⋆ τ1)(σ ⋆ τ2)) =V(σ ⋆ τ1)∩V(σ ⋆ τ2)

= (V(σ)∪V1))(V(σ)∪V2))

=V(σ)(V(τ1)∩V2))

=V(σ)∪V1∩τ2)

=V(σ ⋆(τ1∩τ2))

である。よって、(σ ⋆ τ1)(σ ⋆ τ2) =σ ⋆1∩τ2)である。以上から、注意1.20(4)により、σ,|lk(σ, K)| 独立である。残る二つの式は、定義からすぐに示される。

P, Q⊂Rnを独立なコンパクト多面体とする。このとき、P =|K|,Q=|L|と三角形分割すると、K, Lは 有限単体複体であるから(注意2.34)、KLが定義され、P ⋆ Q=|KL|となるから、ジョインP ⋆ Qは多面 体である。

次に、P, Q⊂RmおよびP, QRn がそれぞれ独立なコンパクト多面体であるとし、PL写像f:P →P, g:Q→Q が与えられたとする。このとき、fgのジョインと呼ばれる写像f ⋆ g:P ⋆ Q→P⋆ Q を、

f ⋆ g|P =f,f ⋆ g|Q=gおよび

f ⋆ g((1−t)x+ty) = (1−t)f(x) +tg(y) (x∈P, y ∈Q, t∈I) によって定義する。

命題3.20. P, Q⊂RmおよびP, QRnをそれぞれ独立なコンパクト多面体とし、f: P→P,g:Q→Q をPL写像とする。このとき、ジョインf ⋆ g:P ⋆ Q→P⋆ QはPL写像である。

証明. 定理2.61により、P=|K|,P =|K|,Q=|L|,Q=|L|と三角形分割して、f:K→K,g:L→L がそれぞれ単体写像となるようにできる。いまKL,KLP ⋆ Q, P⋆ Qの三角形分割となるが、このと きf ⋆ g:KL→KLが単体写像であることを示せばよい。

主張. 任意のσ∈K,τ ∈Lに対して、(f ⋆ g)|σ⋆τ はアフィン写像である。

主張の証明. φ:σ ⋆ τ Rnを、v∈V(σ)のときφ(v) =f(v),w∈V(τ)のときφ(w) =g(w)という条件に よって定まるただ一つのアフィン写像とする。すると、f =f ⋆ g|σφ|σはともにアフィン写像でV(σ)上 で値が一致するから、φ|σ=f である。同様に、φ|τ =gである。さらに、φがアフィン写像であることから、

x∈σ, y∈τ, t∈Iに対してφ((1−t)x+ty) = (1−t)φ(x)+tφ(y) = (1−t)f(x)+tg(y) =f ⋆g((1−t)x+ty) である。以上から、f ⋆ g=φとなるので、f ⋆ gはアフィン写像である。

任意のσ∈K, τ ∈Lに対して、f, gが単体写像であることからf(σ)∈K, g(τ)∈Lであり、定義から f ⋆ g(σ ⋆ τ) =f(σ)⋆ g(τ)∈KLである。よって、上の主張と合わせてf ⋆ g:KL→KLが単体写像であ ることが示された。

PL写像のジョインについては、関手性idid = id, (f ⋆ g)(f⋆ g) = (f◦f)(g◦g)が成り立つ。し たがって、次が得られる。

3.21. 命題3.20のようなP, P, Q, QとPL同相写像f: P→P,g:Q→Qに対して、f ⋆ g:P ⋆ Q→ P⋆ QはPL同相写像となる。とくに、P ⋆ QのPL同相型はP, QのPL同相型から決まる。

注意 3.22. 一般に、コンパクト多面体P, Qは共通のEuclid空間に含まれているとも限らないし、独立であ るとも限らない。このようなP, Qに対してP ⋆ Qを構成する方法を考えよう。

まず、十分大きな次元のEuclid空間内にP,QとそれぞれPL同相なコピーP0, Q0を作り、P0, Q0が独立 であるようにできる。実際、P Rm,Q⊂Rnをコンパクト多面体とするとき、Rm×Rn×R=Rm+n+1 の部分集合

P0=P× {0} × {0}, Q0={0} ×Q× {1}

はそれぞれP, QとPL同相な多面体である。さらに、例1.19(2)により、P0, Q0は独立であるので、ジョイ ンP0⋆ Q0が得られる。このときP, QをそれぞれP0, Q0と同一視することで、P0⋆ Q0のことをP ⋆ Qと書 くことがある。これをP, Qの外部ジョイン(external join)という。

命題3.23. Bn,SnをそれぞれPLn球体、PLn球面とするとき、次のPL同相が存在する。ただし、以下 ではp, q≧0とする。

(1) (Bp⋆ Bq,(∂Bp)⋆ Bq∪Bp(∂Bq))= (Bp+q+1, ∂Bp+q+1) (2) (Bp⋆ Sq,(∂Bp)⋆ Sq)= (Bp+q+1, ∂Bp+q+1)

(3) Sp⋆ Sq =Sp+q+1

証明. それぞれ、特別な一つの場合に証明すれば十分である。(1)については、Bp, Bq として独立な単体 を取れば、補題3.17から分かる。(2)については、Rp×Rq+1の部分集合として、Bp = [1,1]p× {0} Sq ={0} ×∂[−1,1]q+1を考える。[1,1]q+1が錐0∂[1,1]q+1となることを用いると、Bp, Sq Rp×Rq+1 は独立であることがすぐに確かめられる。さらに、このときジョインBp⋆ Sq

Bp⋆ Sq ={(x, y)Rp×Rq+1| ∥x∥+∥y∥≦1}

と表すことができる。よって、Bp⋆ Sqは胞体である。よって、定理3.11により、Bp⋆ Sq はPL (p+q+ 1) 球体である。これで、(2)のうち「Bp⋆ Sq=Bp+q+1」の部分が確かめられた。さらに、定理3.11により、さ きほどのBp⋆ Sqの境界として得られるPL (p+q)球面∂(Bp⋆ Sq)は胞体としてのBp⋆ Sqの境界に等しく、

∂(Bp⋆ Sq) = FrRp×Rq+1(Bp⋆ Sq)

={(x, y)Rp×Rq+1| ∥x∥+∥y∥= 1}

=∂Bp⋆ Sq

である。これで、(2)の残る部分とともに、(3)も確かめられた。

ドキュメント内 PL トポロジー PDF(10ポイント版) (ページ 36-39)

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