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状況の各要因と課題遂行のための使用方略との関連について

第3章 結果と考察 第1節 因子分析

第4節  状況の各要因と課題遂行のための使用方略との関連について

 課題遂行時の状況のそれぞれの要因において、課題を遂行するための使用方略に違いが あるのかどうかを検討した。

 第1項状況の各要因と気晴らし方略との関連

 気晴らし方略を従属変数、課題遂行時の状況(難易度、迷惑、多忙)を独立変数とし、3 要因の分散分析を行った。

 2次の交互作用は、有意ではなかったが(F(1,244)=1.36,n.s.)、「多忙」の主効果が有意 であり(F(1,244)=23.98,p<.Ol)、「難易度」と「迷惑」については1次の交互作用が有意で あった(F(1,244)=4.33,p<.05)。そのため、それぞれの単純主効果の検定を行った

(Figure2).

2.8

多忙H: 多忙L

_迷惑H

  .迷惑L

2.7

6     5

0一     り一平均値

L).一1

2.:3

難易度H

  f

難易度L   難易度H 難易度L

Figure2 状況による気晴らし方略の平均値

 その結果、迷惑の単純主効果が有意だったのは、難易度H(F(1,244)=40.02,p<.001)の時 と難易度L、(F(1,244)=11.29,p<.01)の時であった。つまり、難易度のHしに関わらず、迷 惑しの時のほうが気晴らし方略を使うということが示唆された。また、迷惑のHL、に関わ らず、難易度の単純主効果は有意ではなかった(F(1,244)=1786.37,n.s)。また、多忙Hの 時より多忙しの時の方が、気晴らし方略を使うということが示唆された。

 これらの結果をまとめると、気晴らし方略において、難易度に関わらず迷惑をかけない 状況、忙しい場合より忙しくない状況で使用されることが明らかになった。つまり、難易 度においては関係なく、迷惑においては迷惑をかけない状況、忙しさにおいては忙しくな い状況に気晴らし方略が使用されることが示された。また、気晴らし方略は、時として、

意図的な先延ばしになると考えられる。そのため、迷惑をかけない状況、忙しくない状況 において、意図的な先延ばしである気晴らし方略が行われると考えられる。

 第2項 状況の各要因と自己完結方略との関連

 自己完結型SCによる方略を従属変数、課題遂行時の状況(難易度、迷惑、多忙)を独立 変数とし、3要因の分散分析を行った。

 2次の交互作用が有意であった(F(1,248)=5.30,p<.05)。そのため、単純交互作用の検討 を行った。結果は以下のとおりである。(Figure3、 Table7)

多忙H: 多忙L

3,5

平均値

3

__迷惑H

  ..迷惑L

2,r)

O

難易度H 難易度L  難易度H  ft難易度L Figure3 状況による自己完結方略の平均値

36

Table7 自己完結方略における単純・単純主効果の検討 単純・単純主効果 要因の組み合わせ 各水準の組み合わせ

迷惑 多忙×迷惑

難易度

多忙

      H       L

H F(1,248)=94.58*** F(1,248)=82.59***

L F(1,248)=32.03*** F(1,248)=77.04*,,o,c

多忙 多忙×難易度

迷惑

難易度

      H       L

H F(1,248)=40.04*** F(1,248)=13.72***

L F(1,248)=21.63*** F(1,248)=50.44***

難易度 迷惑×難易度

多忙

迷惑

      H      L

H F(1,248)=43.90*** F(1,248)=34.08***

L F(1,248)=6.79*,, ,t F(1,248)=21.39*;,o,t

***p〈DOI

 難易度の水準ごとに「多忙」と「迷惑」について単純交互作用を検討した。 「多忙」と

「迷惑」についての単純交互作用が有意であったのは、難易度しの時であった(F(1,244)=4.62,

p<.01)。そこで難易度と多忙の各水準における迷惑の単純・単純主効果の検討を行った。そ の結果、難易度H、難易度しの時ともに、多忙のHしに関わらず、迷惑の単純・単純主効果 が有意であった。また、難易度と迷惑の各水準における多忙の単純・単純主効果の検定を 行い、結果、難易度H、難易度しの時ともに、迷惑のHしに関わらず、多忙の単純主効果が 有意であった。つまり、難易度しの場合、多忙のHしに関わらず、迷惑Hの方が自己完結型 方略を使う。また、迷惑のHしに関わらず、多忙Hの方が自己完結方略を使うことが示され た。また、難易度Hの時、 「多忙」と「迷惑」についての単純交互作用が有意ではなかった

(F(1,248)=0.64,n.s.)。それぞれの単純主効果を検討した。多忙の単純主効果は、難易度H の時(F(1,248)== 53.55,p<.001)、難易度しの時(F(1,248)=53.55, p<.001)ともに有意であっ

た。また、迷惑の単純主効果は、難易度Hの時(F(1,248)=39.34,p<.001)、難易度しの時

(F(1,248)=6725,p<.001)ともに有意であった。つまり、難易度Hの場合、多忙Hの時およ

び迷惑Hの時に自己完結方略を使うことが示唆された。

 迷惑の水準ごとに「多忙」と「難易度」についての交互作用を検討した。「多忙」と「難 易度」についての単純交互作用が有意であったのは、迷惑Hの時であった(F(1,244)=12.84,

p<.001)。そこで迷惑と難易度の各水準における多忙の単純・単純主効果の検定を行った。

その結果、迷惑Hの時、迷惑しの時ともに、難易度のHしに関わらず、多忙の単純・単純主 効果が有意であった。また、迷惑と多忙の各水準における難易度の単純・単純主効果の検 討を行った。結果、迷惑Hの時、迷惑1.の時ともに、多忙のHしに関わらず、難易度の単純・

単純主効果が有意であった。つまり、迷惑Hの場合、多忙のHしに関わらず、難易度Hの時 の方が自己完結方略を使うことが示された。また、難易度のHしに関わらず、多忙Hの時の 方が自己完結方略を使うことが明らかになった。また、迷惑しの時は、「多忙」と「難易度」

についての単純交互作用有意ではなかった(F(1,248)=0.32,n.s)。それぞれの単純主効果を 検討した結果、多忙の単純主効果は、迷惑Hの時(F(1,248)=32.20,pく.001)、迷惑しの時

(F(1,248)=37.25,p<.001)ともに有意であった。また、難易度の単純主効果は、迷惑Hの時

(F(1,248)=94.19,p<.001)、迷惑しの時(F(1,248)=118.75, p<.001)ともに有意であった。

つまり、迷惑しの場合、多忙Hの時および難易度Hの時に自己完結方略を使うことが示唆さ

れた。

 多忙の水準ごとに「難易度」と「迷惑」について交互作用を検討した。結果、「難易度」

と「迷惑」の単純交互作用が有意であったのは、多忙しの時であった(F(1,244)=7.19,p<.01)。

そのため、多忙と迷惑の各水準における難易度の単純・単純主効果の検討を行った。その 結果、多忙Hの時、多忙しの時ともに、迷惑のHしに関わらず、難易度の単純・単純主効 果が有意であった。また、多忙と難易度の各水準における迷惑の単純・単純主効果の検定 を行った。その結果、多忙Hの時、多忙しの時ともに、難易度のHしに関わらず、迷惑の 単純・単純主効果が有意であった。つまり、多忙しの場合、迷惑のHしに関わらず、難易 度Hの時の方が自己完結方略を使う。また、難易度に関わらず、迷惑Hの方が自己完結 方略を使うことが示された。また、多忙:Hの時は、「難易度」と「迷惑」についての単純 交互作用有意ではなかった(F(1,248)=0.74,n.s)。これについてそれぞれの単純主効果を 検討したところ、難易度の単純主効果は、多忙Hの時(F(1,248)r=・ 116.61,p<.001)、多忙 しの時((F(1,248)=85.72,p<.001)ともに有意であった。また、迷惑の単純主効果は、多忙 Hの時(F(1,248)=47.81,p<.001)、多忙しの時(F(1,248)=49.40, p<.001)ともに有意であ

った。つまり、多忙Hの場合、難易度Hの時および迷惑Hの時に自己完結方略を使うこ 38

とが明らかになった。

 これらの結果をまとめると、自己完結方略は、高難易度の場合1亡しい状況および迷惑を かける状況において、低難易度の場合1亡しさに関わらず迷惑をかける状況、または、迷惑 をかけるかどうかに関わらず忙しい状況において使用される。また、迷惑をかける場合、

忙しさに関わらず高難易度状況、または難易度に関わらず忙しい状況において、迷惑をか ける場合忙しい状況および高難易度状況において使用される。忙しくない場合、迷惑をか けるかどうかに関わらず高難易度状況、または難易度に関わらず迷惑をかける状況におい て、忙しい場合、高難易度状況および迷惑をかける状況において使用されることが明らか になった。

 つまり、難易度においては高難易度状況、迷惑においては迷惑をかける状況、忙しさに おいては忙しい状況で自己完結方略が使用されることが示された。これらの状況は、負担 のかかる外的な要因が重なり、課題遂行において余裕がないため、すぐに課題に取りかか る必要がある。そのため、勉強の計画をたてるなどの課題の遂行につながる具体的方略で ある自己完結方略が使用されていると考えられる。

 第3項 状況の各要因と他者介在方略との関連

 他者介在方略を従属変数、課題遂行時の状況(難易度、迷惑、多忙)を独立変数とし、3 要因の分散分析を行った。

 2次の交互作用が有意であった(F(1,246)=5.04,p<.01)。そのため、単純交互作用の検討 を行った(Figure4、 Table8)。

 難易度の水準ごとに「多忙」と「迷惑」について単純交互作用を検討した。 「多忙」と

「迷惑」についての単純交互作用が有意であったのは、難易度しの時であった(F(1,246)=0.14,

p<.05)。そのため、難易度と多忙の各水準における迷惑の単純・単純主効果の検討を行った。

その結果、難易度H、難易度しの時ともに、多忙のHしに関わらず、迷惑の単純・単純主効 果が有意であった。また、難易度と迷惑の各水準における多忙の単純・単純主効果の検定 を行った。難易度Hの時、迷惑のHしに関わらず、多忙の単純・単純主効果が有意であった。

また、難易度しの時、迷惑しの時に、多忙の単純・単純主効果が有意であった。つまり、難 易度しの場合、多忙のHしに関わらず、迷惑Hの時の方が他者介在方略を使うことが明らか になった。また、迷惑しの時、多忙Hの方が他者介在方略を使うことが示された。また、難 易度Hの時、 「多忙」と「迷惑」についての単純交互作用が有意ではなかった

多忙H

多忙L

4

_迷惑H

  、、迷惑L

:3.r)

 3

平均値

r>××.

2.5

ウ一

難易度H    難易度L   難易度H    難易度L    Figure4 状況による他者介在方略の平均値

Table8他者介在方略における単純・単純主効果の検討 単純・単純主効果  要因の組み合わせ 各水準の組み合わせ

迷惑

難易度

多忙×迷惑

       H

     H F(1,246)=79.70***

多忙

     L F(1,246)=63.17***

    L

F(1,246)=75.84***

F( 1 ,246)= 1 05.37***

多忙

迷惑

難易度×多忙

      H

     H F(1,246)=44.8***

難易度

     L F(1,246)= 42.20***

    L

F(1,246)= 44.93***

F(1,246)=76.52***

難易度

多忙

迷惑×難易度

      H      H F(1,246)=2.58*

迷惑

     L F(1,246)=1.99*

    L

F(1,246)=O.22

F(1 ,246)=21 .39* ,t

***p〈.oo1 **p〈.Ol *p〈.05

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