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個人特性と日常の課題遂行のための使用方略との関連について  第1項 個人特性についてのタイプ分け

第3章 結果と考察 第1節 因子分析

第5節  個人特性と日常の課題遂行のための使用方略との関連について  第1項 個人特性についてのタイプ分け

 遅延傾向と依存性の4因子を個人の特性としてとらえ、個人特性の類型を設定する。調 査対象者237名に対してクラスタ分析(平方ユL一一一・クリッド距離によるWard法)を行った。

その結果、デンドログラムを元に3クラスタを得た。第1クラスタには75名(31.6%)、第 2クラスタには56名(23.6%)、第3クラスタには106名(44.7%)となった。

 また、各群の特徴をみるために、「課題先延ばし」「約束事への遅延」「情緒的依存欲求」

「道具的依存欲求」の各得点を従属変数、クラスタ群を独立変数とする一要因の分散分析 を行った。分散分析の結果から各群の特徴を示していく(Figure5)。

 第1クラスタにおいては、「課題先延ばし」「約束事への遅延」の遅延傾向、「情緒的依存 欲求」「道具的依存欲求」の依存性ともに、第2クラスタ、第3クラスタのどちらと比較し ても低い。このため、遅延傾向も依存性も低い群であることがわかり、「遅延低・依存低群」

とする。

 第2クラスタにおいては、「課題先延ばし」「約束事への遅延」の遅延傾向は第3クラス タより低く、「情緒的依存欲求」「道具的依存欲求」の依存性が、第1クラスタ、第3クラ スタのどちらと比較しても高い。このことから、「遅延低・依存高群」とする。

 第3クラスタにおいては、「課題先延ばし」「約束事への遅延」の遅延傾向が、第1クラ スタ、第2クラスタのどちらと比較しても高い。また、「情緒的依存欲求」「道具的依存欲

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求」の依存性が、第1クラスタよりも高い。これらのことから、「遅延高・依存中群」とす

る。

1

平均値

。.r)

o

つr)・!

.課題先延ばし

・約束事への遅延

顧情緒的依存欲求 凹道具的依存欲求

一1

1 2      3

クラスタ群

Figure5 個人特性の各群における遅延傾向、依存傾向の標準化得

 第2項個人特性の各群と日常の課題遂行のための使用方略との関連

 日常のレポート課題遂行のための使用方略を従属変数、個人特性の3群を独立変数とす る2要因分散分析(混合分析)を行った。その結果、交互作用(F(4,464)=11.99,p<.001)が有 意であったため、それぞれの変数について単純主効果の検定を行った。

 日常のレポート課題遂行のための使用方略についての単純主効果を検討するために、使 用方略を従属変数、個人特性の3群を独立変数とする1要因の分散分析(調査協力者間)を 行った。その結果、全ての方略においての主効果が有意であった。結果は、以下の通りで

ある(Table9)。

 多重比較によると、気晴らし方略において、遅延低・依存低群よりも遅延低・依存高群、

遅延高・依存中群が有意に高い。つまり、先延ばししている人や依存傾向の高い人が気晴 らし方略を使用していることが明らかになった。また、自己完結方略において、遅延高・

依存中群よりも遅延低・依存低群、遅延低・依存高群が有意に高い。つまり、先延ばしし

ている人には他の方略より自己完結方略が使われていないことが明らかになった。他者介 在方略において、遅延低・依存低群より遅延低・依存高群の方が有意に高い。つまり、依 存傾向の高い人に他者介在方略が使われていることが明らかにされた。

   Table9 個人特性の各群による日常の課題遂行時の使用方略の得点の差 個人特性

a)b) 1群 2群 3群

F値

群間差

気晴らし(N=237) 2.68(1.01) 3.13(1.0) 3.21(1.03)

自己完結(N=236) 2.72(1.21)2.55(1.14) 2.00(0.99)

他者介在(N=235) 2.79(093)3.38(0.78) 3.05(0.85)

F(2,234)=6.28**

F(2,233)=10.2***

F(2,232)=7.26**

1く2*,3**

3〈2**, 1***

1〈2**

a)数字は平均値(標準偏差)である      ***p<.OOI**p〈.Ol*p<D5 b)1群:遅延低・依存低群,2群:遅延低・依存高群,3群:遅延高・依存中坪

 次に、クラスタ3群の単純主効果を検討するために、個人特性の3群を従属変数、使用 方略を独立変数とする1要因の分散分析(調査協力者内)を行った。その結果、遅延低・依 存高群と遅延高・依存中群の単純主効果が有意であった。結果は、以下の通りである

(Table 10).

 多重比較によると、遅延低・依存高群は、自己完結方略より他者介在方略の方が有意に 高く、自己完結方略より他者介在方略を使う。遅延高・依存中群は、自己完結方略より気 晴らし方略、他者介在方略の方が有意に高く、自己完結方略より気晴らし方略、他者介在 方略を使う。つまり、依存傾向が高い人は、他者介在方略を使い、遅延傾向が高い人は、

気晴らし方略と他者介在方略を使う。これらのことから、胡坐とも1つあるいは2つの方 略を偏って使用していることが明らかにされた。また、遅延低・依存低群は主効果が認め

られなかったため、使用方略に差がないことが明らかにされた。

 これらの結果をまとめると、先延ばしをする人は自己完結方略を他の方略よりも使用し ないこと、使用方略に偏りがあることが明らかになった。つまり、先延ばしをする人は使 用方略が気晴らし方略や他者介在方略に偏っているため、効率が悪くなり、課題遂行に悪 影響を及ぼすため、先延ばしをしてしまうことが考えられる。

 また、方略については、気晴らし方略は、先延ばししない人には使用されないこと、自 己完結方略は、先延ばしをする人にはあまり使用されないことが示された。これは、課題

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先延ばしが自己完結方略の間に負の相関がみられた結果と一致する。つまり、先延ばしす る人は、気晴らし方略をできるだけ使わないようにする必要があると考えられる。また、

他者介在方略は、依存性の高い人に使われることが示された。

Table10日常の課題遂行時の使用方略による個人特性の各群の得点の差 使用方略

a)b) 気晴らし 自己完結 他者介在

F値

群間差

1群(N=74) 2.68(1.Ol)2.72(1.21)

2群(N=55)  3.13(1.0) 2.55(1.14)

3群(N=106) 3.21(1.03) 2.00(0.99)

2.79(O.93)

3.38(O.78)

3.05(O.85)

F(2,146)=O.46

F(2,108)=10.1:,o,c*

F(2,21 0)=5 1 .2***

自く他***

自く気***,他料*

a)数字は平均値(標準偏差)である      ***p<.OO1**p〈.Ol*〈.05 b)1群=遅延低・依存低群,2群:遅延低・依存高群,3群:遅延高・依存平群

。)気=気晴らし方略,自=自己完結型SCによる方略,他=他者介在型SCによる方略

第6節課題遂行時の状況と課題遂行のための使用方略との関連について

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